2024/6/7、ガイナックスが破産したことが発表された。
ここまで露骨に枕営業について表に出るとは思わなかった。
警視庁は5日、アニメ制作会社「ガイナックス」(東京都武蔵野市)の社長、巻智博容疑者(50)(東京都足立区新田)を準強制わいせつ容疑で逮捕した。
発表によると、巻容疑者は2月6~23日に計4回、同社が「プロダクション女子寮」と称する足立区のマンション室内で、声優を目指して所属契約をしていた10歳代後半の少女に「芸能人として撮られるための訓練だ」と言って裸の写真を撮ったほか、「足がむくんでいるからマッサージをする」などと言って体を触った疑い。
調べに対し、巻容疑者は「お願いされて写真を撮っただけだ」と容疑を否認している。少女が2月に警視庁に被害を届け出た。
声優業界というものは、過去に事件や、元声優の証言などで枕営業という言葉が出てきてはいたが、今回その実態が一部垣間見えるような事態となった。
先に注意すべき、ガイナックスに対するマスコミの半分誤報とも言える要素。
この記事は、上記の読売新聞の記事を元に記事を書いているが、
マスコミの報道について、事実ではあるが過去の物であり、今や半分違うと言える内容が含まれているので、それをまず正しておく必要性がある。
これは、現在で言うともうほぼ間違いである。
確かに、昔はガイナックスがエヴァンゲリオンを制作しており、版権もガイナックスの物であったが、元取締役庵野秀明が2006年離脱し、カラーを設立。
版権も2014年にカラーに移っており、今の制作とは全く無関係の会社である。(2016年、ガイナックス側が使用料を滞納したということでカラーが1億円の支払いを求め提訴をしている。)
このため、『エヴァンゲリオン制作会社 ガイナックス』という表記はもはや間違いであり、今の制作のカラーにおいての風評被害でしかないという事は頭に入れておくべきだ。
ガイナックスは過去大きな繁栄を見せたが、今はほぼすべての主力が離脱している。
2011年には大塚雅彦と今石洋之、制作プロデューサーの舛本和也が株式会社トリガーを設立。
『キルラキル』や、『リトルウィッチアカデミア』などを制作している、宇宙によく行く有能会社だ。
2013年には白石直子が独立して株式会社ミルパンセを設立。
『コップクラフト』、『てーきゅう』シリーズや『Wake Up, Girls! 新章』を制作している。
福島ガイナックスも、スタジオガイナックスを経由して現在は株式会社ガイナとして独立。
『ピアノの森』などを制作している。
このような主力が抜けたガイナックスは『放課後のプレアデス』以降アニメ制作をしておらず、まさに抜け殻、過去の栄光からはかけ離れた会社実態である事が容易に推測される。
(これじゃあGONZOよりも酷いな…)
2019年10月、巻智博容疑者がガイナックス社長に就任しているようで
事件当時、巻容疑者は声優などを育成する別会社「ガイナックスインターナショナル」の社長であった。
たまたま社長になった後に逮捕されているだけであり、巻容疑者がガイナックスで何かを作っていた訳でも無いのが、これまたややこしい。
ガイナックスの歴代社長を遡っても、初代代表取締役社長の岡田斗司夫も2015年に枕営業が告発されている。
もう輝いていた頃のガイナックスはここにはいないのである。
明らかに地雷すぎる声優オーディション
ガイナックスといえばアニメ制作のイメージが強く、声優とどう関わり合いが?
という感じなのだが、ネットではちゃんと引っかかった。
2019年3月のモノであるため、今回の事件とは無関係であるが、『GAINAX International 新人オーディション』という物が存在した。
これがまぁ滅茶苦茶というか、声優界の闇を体現したかのようなオーディションでむしろ笑える。
ガイナックスインターナショナルでは、アニメーションの製作と2.5次元舞台を中心に作品制作を行って行きます。
作品制作の傍ら、声優・俳優・タレント・アイドルの新人発掘や育成、マネジメントを行っています。
アニソンを見据えたユニットプロジェクトや、アーティスト育成を行っていきます。
将来的には、アニメの声優や、アニソン歌手、2.5次元舞台俳優、アニメ主題歌を狙えるタレント・アイドルユニットとしてご活躍を目指して頂きます。
合格後は、養成所での手厚いレッスンにより、しっかりとした実力を身に着けて頂きます!
とか、なんかそれっぽい事は書いているのだが(まぁこの時点で声優ってなんだよっていう自分の中の過激派センサーが反応するのは置いておいて)
◆必要事項は以下の通りです。
・氏名
・年齢
・メールアドレス
・身長
・体重
・スリーサイズ
・住所
・バストアップ写真
・全身写真
・志望動機
…声優ってなんだっけ?
声の要素がない、テープとか送るとかそういうのでもない、なのにスリーサイズとバストアップ写真と全身写真は求めてきており、『養成所での手厚いレッスン』がもう意味深にしか見えない。
滅茶苦茶である。
◆合格後にかかる費用
事務所所属費は無料です。
養成所でレッスンを受けることとなった場合、所定のレッスン費がかかります。
※一部または全額免除の制度あり!
養成所所属費:9万円
レッスン料:月額2万円
所属費は無料にしても、これで金を取られてセクハラされていたら、もう声優界の闇でしかない、滅茶苦茶である。
ガイナックスには過去の栄光が多く存在する。
それを餌にしていた部分もあるのだろう、声優界の闇を改めて垣間見た瞬間であった。
枕営業は、現在も存在する…とほぼ言える今回の事件
今回の事件は所謂枕営業と呼ばれるモノであり、今でも『アーツビジョン事件』はWikipediaに掲載され続けていたり、『うどんの国の金色蹴鞠』のプロデューサーが無理やり一声優をねじ込んだという話は記憶にそこそこ新しい。
その他多くの証言があり、過去に存在した事はもはや明らかであるが、
今現在も声優界において枕営業は未だに行われている可能性を完全に提示した形と今回の事件でなっただろう。
声優というものは、オーディション等で役を勝ち取り、世の中に出てくるのが恐らく基本だ。
ただでさえAqours声優が集金の為に次々とソロデビューをし、一人だけ格が違う鈴木愛奈の凄さだけが残り、後はもうどうしようもない、今度ソロデビューする諏訪ななかなんてファンにさえ『お前枕営業でもしたのか?』と言われる始末だったのに、こんな実際の事例が起こるとネタにできなくなってしまう。
このような事態が起きると、ちゃんとした実力声優に対しての風評被害にもなりかねない。腹立たしいことこの上ない案件だ。
今は声優志望がアイドル声優という方向で多く存在し(いやまぁアイドル声優という概念に関しては「は?」と思ってるんですけど、ちゃんと上手いやつがやれよって思ってるんですけどそれは置いておいて)
毎年その中から厳選に厳選を重ねデビューを勝ち取る声優が50人とかそれくらいの規模で存在し、
スマホのソシャゲやコンテンツが多く稼働していることもあり、業界にカネは入っているのであろうが、
こんなことが続くと本当に実力がある声優志望の人間が足を踏み入れるのを躊躇したり、本当にアイドル声優ばっかりになったり、声優自体の平均的な能力低下、総数の減少、衰退等が考えられる。
もう声優界での闇案件はもう見飽きた。
ただでさえ俳優女優側の事務所と広告会社による大衆アニメの出演減少、容易に入ってこれそうなVTuberの存在、声優界を遂に牛耳ろうとでも考えてそうな秋元康等不安要素が外にも多い上、アイドル声優という概念による声優の演技軽視などを問題にしたいのに、こういう論外案件を持ってこられても困る訳だ。
今日もバトンリレーが声優をバトンリレーしていた。(頑張れ岩倉あずささん、あなたはSMAじゃなくてもやっていけるはずだ!)
声優界の地盤は明らかにガタが来ている。
色々と見直す時が来ているのではないだろうか?
声優とは何か。『時代とともに変わる』という逃げの言葉に走るのではなく、もっと基本的な事くらいは定義すべきだと、改めて思う。
今回の被害者代理人のレイ法律事務所から、被害者側のコメントが出ていた。
私は私なりの目標をもって芸能界に足を踏み入れることにしました。
容疑者の行為は芸能界のことを何もわからない私たちの気持ちを悪用する物凄く卑劣でひどい行為だと思います。
何より今後同じような悲しい思いをする人がでないことを心より願います。
彼女の想いを、無駄にしない声優界であって欲しいと強く願う。





