ちゃろ~、おにじです(激寒)
今回は、久々のエロゲ体験版感想記事を。
CUFFS系、CUBE『海と雪のシアンブルー』の体験版感想を書いていく。
CUBEから約一年ぶりの新作が登場
一年にCUFFS系列としては複数作品を提供し続けている印象があるが、CUBEブランドとしては約一年ぶりの新作となる。
昨年は久々にカントクを原画に迎え、シナリオライターが全員ラノベ作家という『神様のような君へ』(2020)を発売。
安定のカントク原画に、攻めのシナリオライター陣を揃え、良くも悪くも話題となった感じがあった。(いや、アレは中出ししちゃダメなのは分かるだろとは思う。それはそれとして1ライターのシナリオがゴミだったとは思うが…)
とは言え、全体としては割と良質と言えるようなエロゲであり、筆者はこの作品で明羽杏子の伸びと伸びしろに対して確信したし、三河ごーすとの『友達の妹が俺にだけウザい』を読むきっかけとなった作品という意味では割と大きな作品だったと言える。
今回はCUFFS系列ではおなじみの兼清みわを原画センターに迎え、今回初登場のつるこんにゃく、戯画、ensemble等での原画経験がある倉澤もこという3人原画体勢。
シナリオはCUFFS系で見る名前だが、結構久しぶりの登場の双葉亮一がセンター。
涼原なつき、伏見美咲は今回初登場という布陣だ。
Amazonが予約を開始しないとかいう特殊な理由で一ヶ月延期になったとか聞いたが…
今回は親が再婚して妹が出来る…という所から始まる作品のようだが、どのような感じに仕上がっているだろうか。
UIチェック
CUFFS系列とHULOTTEはほぼ同じ物が使用されており、エンジンは吉里吉里である(タスクマネージャーでも吉里吉里と表示される)
(当記事のスクリーンショットは、『海と雪のシアンブルー』のスクリーンショット機能を使用し、『Faststone Photo Resizer』で80%縮小したものです)
基本的に『響野さん家はエロゲ屋さん!』(Sonora / 2020)から変更点はない。
体験版感想の方に詳細に書いているので、こちらを参照して欲しい。
↓一応製品版も。ネタバレしかないから注意。
雑感
前述した通り、親の再婚により主人公 - 青野志音に、妹 - 青野七が出来るという所から始まる。(エロマンガ先生思い出した)
推薦受験を受けており、今住んでいる町から出て上京することが決まっている主人公。
所謂卒業系統エロゲ、時間有限系エロゲというスタンスである。
この設定の為、関係性が出来ていないヒロインと、関係性が出来ているヒロインに大きく二分する形となり、体験版範囲では関係性が出来ていないヒロインとの関係の構築に基本的に時間が割かれている。
ただ、どちらにもキャラクターに対しての分からなさがあるのが、ゲームとしてしっかりしているように感じる。
関係性という所でも、その程度が結構異なり、開始時点からある程度深い関係と言える菜畑いなばや、同じクラスではあるが関係性が深いわけではない清木琴羽。
担任でありながら、当人の生真面目さもあり表面上の関わりの感じが見られる松木衣良等、割とキャラクターにも程度がある感じが、リアルな関係性を感じさせる要因と言えるのかもしれない。
猫探しであったり、とにかくなんでもない事や、あるあるな事等が続いていくのは、作品のあらすじとしても、大きな事件等が起きるわけではない、ただただ出会いと別れがあるだけ…的な事が書いてあるとおりである。
非常に素朴感もありながら、堅実に関係性の変化を描けている印象ではある。
七との家族になっていく過程という物は最序盤に非常にしっかりと描かれており、ここで海が登場したりと、タイトル的な要素も存在。
過程がしっかりと描かれる分、最初は七を好きになりがちかもしれない。
今回のセンターは通称歌謡曲の人…鷗和かもめな訳だが、微妙な距離感の雰囲気や、きまずさ、一歩進んだ、等の微妙な程度をしっかりと演じられている印象がある。最近のエロゲではかなり見るわけだが、それだけの理由があると言えそうだ。
いなばに関しては、親密さというか言い合える後輩というポジションだが、何かしらのものを抱えている事が適宜示されている。(家にまでは来られたくない等)
主人公が読んでいるWeb小説でも書いているのか?と最初は思ったのだが、どうだろうか。
二葉みんと名義は2015年ぶり。安定でしかない、いつも通りやってくれるだけで良いという。でもこういうわちゃわちゃ後輩って意外と久しぶりだったりするかも?しないかも?
琴羽とは、作品開始から深く関わり始める間柄。
色々やってくれる良い子だが、何かしら影が見えることが多いヒロインで、過去に何かがあったことは間違いなさそう。
空気を読みすぎてしまう所もあるわけだが、そのへんは過去の影響なのかどうか。
波奈束風景は筆者としてはメインヒロインは恐らく初対峙となりそう。
衣良に関しては先生キャラとしては、基本的に生真面目という所が最初は出るが、そこから可愛い所が漏れ出てくる感じ。
生真面目だからこそ、可愛い所が出てくるというのも、キャラクターの逸脱感が少なくなるので、書き方としても良い感じがある。このヒロインも人気キャラになりそうな予感。
森谷こころとは地味にちゃんと対峙するの初めてなんじゃないか…?割とCUFFS御用達声優のイメージはあるんだけど…こういうキャラでどういう演技をするのか注目したい。
七との家族への過程が終わると、主人公は卒業アルバム委員となり、最後の思い出作り的な行動に出る。
そこにおいて登場するのが最後のメインヒロインである萩野夢である。
正確にはこの前からちょっと登場するのだが、中々本編で名前が明かされないヒロインだったりする。
二年の途中から不登校となっている、猫みたいなヒロイン。
基本的にあまりコミュニケーションを取るのが好きではなく、猫を撮るのが好きな模様。
もう完全に双葉杏感凄い。
とは言えコイツとの会話は割と楽しいんだけどね。
不登校の為写真がないので、写真を撮りたいのだがそれを拒否してくるので、それをなんとかしよう…!という流れである。
いろいろなヒロインにアドバイスを貰いつつ、夢の居場所を作ってあげようという話になっていく。
それぞれがそれぞれの視点でのアドバイスをしていく中で、キャラクター性というのがしっかりと現れている感じなのも良いだろうか。
いなばのバックグラウンドも気になる感じ。
前述した通り、掘り下げるキャラとまだ掘り下げないキャラが割としっかりと分かれているので、製品版での展開も割と分かれてくるのかもしれない。
体験版において、引き込みが強めなのと弱めなのが分かれるのは、好き嫌いは分かれるかもしれないが。
しかしもうぼっち気質がすごい方向に向いているキャラである。
その割には世間ズレとかなくて話にはついてこれるし、学校に戻ってきても一応どうにかなりそうなキャラなのは、今後の展開的に学校に戻ってくる可能性はあるのかもしれない(まぁ保健室登校してるので学校には来てるのだが)
みんなちょっとは変だよ誰でも。
この夢の一件でめちゃくちゃキレイに体験版が終わる。
ここ最近のCUFFS系はそこで終わるの!?みたいな所で終わらせて購買意欲を煽ってきたが、今回はストレートな印象。
非常にまとまった体験版という感じである。
では最後にちょろっとサブキャラもご紹介。
空来群青は、年上の幼馴染である。
この人も自由な感じで、腐れ縁感があるが、主人公はどう考えても群青が好きだし、尊敬している。
このなんとも言えない関係性も面白さがあり、なんだかんだで群青の影響を今も受け続けている(主人公にとっては不本意っぽいが)
何かと話が動いていく原動力的存在だろうか。
さくらはづき名義は『和香様の座する世界』(みなとカーニバル / 2019)以来。
この人も色々出来るよね。
千木良周人は主人公の同級生。この感じで腹黒な所もある男。
とは言え割と付き合いも良いし、関係は良好で割と相談も乗ってくれるし良い奴。
友人男ポジというのは割と間違うと大変だったりもするので、これは大丈夫そう。
CVの右舞みかんは新人との噂。もしかしたら今後の御用達枠の可能性もある。
あとめちゃくちゃどうでもいいと言えばどうでもいいのだが、CUFFS系はアイキャッチが入る演出が比較的多く、他の所よりもちょっと尺が長い印象がある。
ここにおいて、今回の『海と雪のシアンブルー』は非常にアイキャッチが好みである。
これはOPの曲調がアイキャッチにしやすかったという所もあるのだろうが、シルエットから立ち絵が出てくる演出の仕方等が非常に好みだった。
〆
全体的の雰囲気が良い感じのエロゲではないだろうか。
丁寧に描く所のポイントをしっかり押さえている感じになっている気がする。
キャラ描写の加減の差はあるが、ここは関係性構築に関しての格差がスタート時点からあるのである程度は仕方がないのかなとは。
割ときれいにまとまっている感じがある今作において、基本的に大きな展開というのはない感じが想定されるし、そうストーリーにも書いてある。
この雰囲気の上で垂れないかが心配すべきポイントかもしれない。
各キャラクターにおいてのカラーはしっかりと示したし、気になる所もちゃんと提示している。
声優に関しても、十分な経験のあるメンツを比較的並べており、こちらも安定感が想定される。
ゲームの動作的にも相変わらずフルHDの高画質(まぁ4Kある奴極稀にあるけど)に、十分なUIという形で文句はない。
前作は有る意味で内容としては攻めの作品だったが、今回は毛色が違いそうな感じ。
どのような作品にまとまっているだろうか。
CUBE『海と雪のシアンブルー』は2021年4月30日発売予定。