【追記】
2022年1月28日に延期されました。
おにじと申します。
10月も半ばとなり、大学もちょっと対面し始めてる。
一生オンラインでいいぞと思いながらも…(
今回はエロゲ体験版感想。
割とエロゲの方も忙しくなってきた感じはある。
今回はQruppoの最新作である『ヘンタイ・プリズン』の体験版のSPLIT1をプレイしたので、こちらの感想を出していく。
プレイ前所感
Qruppoは、同人から商業にやってきた、まだ若いエロゲブランドである。
しかし、今作『ヘンタイ・プリズン』にかかる期待は十分に大きいはずだろう。
それは、処女作である『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?』から始まる、『ぬきたし』シリーズが、非常に良く出来た作品だった事が大きな要因だろう。
とんでもないタイトルと、とんでもない設定。どすけべOKの常夏の島で行われた『ぬきたし』はぶっとんだ面白さと、それでいてストーリーとしての評価も高く、ディストピアという要素や、色々と真面目な要素も絡んでいる、頭がおかしくも、ちゃんとしている名エロゲーだった。
エロゲがエロゲである必要性があるエロゲでありながら、それでいて話としても非常に面白い。
最初は好きになれないキャラクターかもしれないとか思っても、ちゃんとそこから事情とかが分かってきたりすると好きになれたりする構造も面白いし、エロゲでしか出来ないどすけべ的表現の応酬は、これぞエロゲだ!という所もある。
バカゲーでありながら、エロゲであり、シナリオゲーですらあったこの作品群は、処女作から大きな評価を集め、その上で『ぬきたし2』では1の評価を上回るまであるモノを出したのも素晴らしい所だ。
1からの2は、好きな人間しか買わないから評価が上がりがちと思いきや、1の出来が良いと2がそれを超えられないという事も多く、基本的には下になってしまうことの方が多いのだが、この『ぬきたし2』ではそうはならなかったように思える。
新生エロゲブランドが人気作品を作り上げるという事は、非常にエロゲ業界にとってもプラスのことであり、『ぬきたし』は大成功以外の何物でもなかったわけである。
イベントにキャラソンCD、アペンドと多くの展開が出来たのも、それを示しているように思う。
そんな最初で大成功を収めたQruppo。その新作が遂にベールを脱ぐ事になる。
当初『ドスケベ・プリズン』という仮称で発表されていた新作は、スス子√アペンドなどもあり当初の発表よりも発表・発売は遅れた訳だが。
タイトルが途中で『ドスケベ・プリズン』となり、8月26日に遂に『ぬきたしファンミ『卒園式~喘げば尊し~』Liveパート【 #喘げば尊し 】』内でティザームービーが公開。この日より予約が開始された訳である。
今作は、『ぬきたし』とは大きく雰囲気が異なりそうな暗い雰囲気を感じるし、ドスケベOKから、HENTAI厳禁という事で、間逆な感じがある。
とは言え、ちょいちょいQruppoらしい雰囲気はHPからも感じられるし、これはこれで面白そうではある。
ただ、やっぱりあまりにも『ぬきたし』が成功しすぎてしまった所もあり、アレを超えるのは現実的には不可能なんだろうなという気持ちもやはり存在はする。
メンバーとしては変わっていないし、信頼はしているが、あまりにも初打席からの成績が良すぎて、一定以上のモノを作ってもあの作品は超えられないわけであり。
山田哲人がトリプルスリーしすぎて、トリプルスリーじゃなかったら不調とか書かれるのと同じような感じになりそうな気もする。
まぁ作風は結構変えてきた所もあるし、それでいて変わっていない所もあるし。
そのへんのバランスとかがいい感じだと、ここのシナリオライターは良いものを作ってくれそうな気はする。
ただ、あそこまで『ぬきたし』で色々な引き出しを使った以上、新しさをどれくらい出せるのかという所も一つの論点と言えるかもしれない。
では『ドスケベ・プリズン』の体験版(SPLIT1)を見ていこう。
UIチェック
まず注目するべきポイントは、今作は『ぬきたし』からゲームエンジンが変更された所である。
『ぬきたし』では『椎名里緒』が使用されていた訳だが、今作の『ヘンプリ』は『Artemis Engine』となっている。
『Artemis Engine(アルテミスエンジン)』は、まどそふとの『ハミダシクリエイティブ』などでも使用されている、最近見る機会が多くなってきた印象もあるエンジンだ。(いや前からあったんだけど、見る機会が増えた気がする)
そういえば『サクラノ刻』(枕)の体験版もアルテミスだったね。
この変更により、『ヘンプリ』は今のエロゲの機能を結構しっかりと取り揃えられている。
では、コンフィグを確認していこう。
ウインドウ設定。
相変わらずオリジナル最高画質は恐らく1600×900である。
なんでこんな中途半端なんだろうか。大体1080pか720pの二択なのだが、ここは900pなのである。
ここの設定はシンプル…というか、アルテミスって意外とこういう設定あんまりないから。
アルテミスエンジン的に言うと、ウインドウサイズ設定があるのがまず珍しい。
大体フルスクリーンとウインドウの二択しか無いので。
テキスト設定。
アルテミスは基本フォントが変えられないのだが、これもそうだった。
アルテミス系で変えられるの、それこそ『サクラノ刻』体験版くらいじゃない?アレも3択とかだったはずだが。
既読テキスト色変更可能(色固定、灰色系)
ボイスカット機能あり、デフォルトはボイスカットオン。
サウンド設定。
マスター音量アリ。
セリフ時BGM下げは無い。
結構色々ある。数字の所を押すと一発でミュートに出来る仕様。
キャラごとのボイスが設定できます。
キーボードショートカットなどの設定。
弄ることは出来ないけどここで全部見れる感じではありますね。
セーブスロットは10×10の100スロットとなっている。
ここは『ぬきたし』から据え置きとなっている。セーブ日時も出るようになっており、それも監獄っぽい雰囲気で出る。
一応そこの章の名前が出るのだが、基本今作全部英語な影響もあって、基本的に全部ちゃんと出ないので、章の名前を見にくくてしゃーないのはどうにかならんかなあとは思う。
また、今作からお気に入りボイス機能が追加されている。
スロットはこちらも変わらず10×10の100スロットとなっている。
お気に入りボイスが100スロットで足りるわけないだろって毎度思うんだけど、アルテミスで絶対に足りる量提供してくれてるのって『ハミダシクリエイティブ』くらいなのかもしれない。
基本画面。
デフォルトではUIが表示されない方式となっているのは据え置きだが、基本的なエロゲと同じく、UIは下部センターとなっている。
オール文字表示となっており、アルテミス特有のアイコン表示だとやたらとお気に入りボイスとボイスリピートがクソ分かりにくいのとかは、まだマシ。
とは言えお気に入りボイスが『VOICE』でボイスリピートが『REPEAT』なのでボイスリピートしようとしてお気に入りボイスを開くときはあるとは思うけど…(
バックログ画面。
『ぬきたし』で無くていつの時代のエロゲだよと思わせた機能である、クイックジャンプ機能が追加された。
なお、こちらの『VOICE』ボタンはボイスリピートではなく、お気に入りボイス登録である。
ボイスリピートは普通に文字の上を押せば動作する。
アルテミスエンジンを採用した事で、現代のエロゲとしての機能を一定揃えられたような感じはある。
まぁ色々と不十分な所はあるが、『ぬきたし』のUIは決して褒められたモノではなかったので、これだけ改善されたら褒められるべき域ではないだろうか。
雑感
相変わらずQruppoの作品の一文目は、パンチ力がある。
作風としてはかなり変わっているこの作品だが、そういうところは変わってない(褒めてる)
『ぬきたし』は一定の時系列を飛ばした上での序文だったが、今作は時系列が正しい感じになっており、主人公が捕まる所から始まる。
ティザームービーでも書かれている事だが、露出で10年入れられるという司法の崩壊レベルのヤツをやられている。
しかし、Qruppoであじ秋刀魚が登場するとは思ってなかったので、この体験版とほぼ同時に更新されたHPを見て結構驚きましたね。サブキャラで基本泣いてるお姉ちゃんですね(雑説明
ソフィーヤ・シコレンコとかいうまぁふざけた名前だが(失礼)この人は堅物ですね。
まぁこの人多分ルートないけど。恐らくこの体験版で一番好感度ジェットコースターするキャラ。こいつだけで2が求められそうな予感。
ちなみに姫瑠はシーンない。一番体験版前の動画で見た存在なのに(
この人も人気になりそうな気はする。というかQruppoはサブキャラも基本的に人気になるようなキャラ作りができるから強いんだろうなとは思いますわね。
『チューリップ・プリズン』では、性犯罪者だけが集められたなんでもアリの監獄である。
この作品においては、基本的に人権がないような事をされる事が非常に多い。
そういう意味でも作風は『ぬきたし』と全く異なる所も多く存在する。
Qruppoとしての作品の面白さは、一定保持されているのだが基本的にバカゲーではないという認識のほうが良いかもしれない。
バカゲーだった所が基本的にプリズン内のめちゃくちゃな事、陰湿な事が多いので、ここをしっかりと超えられるかどうかは、体験版でしっかりと確認しておくべきだろう。
主人公である柊一郎は、露出を芸術だと捉えてる頭おかしいやつである。
とはいえ、割とこのプリズンの事を受け入れるのも早めで、ちゃんと贖罪はしようと思っているらしい(ただ、露出が芸術だとは捉え続けているし、自分の中でラインが存在するらしい)
で、突然出てくる謎の声。アマツくんと呼ばれているものだが…?
これも今回の主人公には重要なポイントである。
メインヒロインが出てくるのが割と遅めだったりする。
しかも絡むのはもうちょっと後だし。
しかし、本当に花丸が出てくるとは。
蘭と名乗っているのだが、その目の色は畜生ゴミ野郎(素直な感想)の凛では?
と思っていたらマジで凛だというオチがあります。
普通に捕まってここにいるのも草だし、あだ名は『教祖』だし。何も変わっていなさそうでむしろ安心するけど、これで柊一郎は窮地に陥るわけだが。
しかし、こういうのにあっさりと引っかかる柊一郎は、単純にアホなんやろうなという所ではあったりする。
この主人公、基本的に賢くない所があるので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない(
通称クソ森にも触れておくか。声から溢れ出るクソ感がある(声優を褒めてるんだよこれは)
まぁ自分のことが守れればなんでも良いクソではある。
割とずっと出てくるサブキャラなので、今後も絡んできそうではあるけど。
柊一郎の一つのラインは、露出という行為に対して事である。
この主人公、割とそのラインを超えたら容赦しないというような形である。
こういうところはなんかカッコよく見えるよこの主人公。
この凛とかによる陰湿な嫌がらせに対抗する一時的な協力関係として、紅林ノアとしっかりと関係を持つ。
監視カメラの位置を確認する為にキス(アクリル板越し)をするという割とめちゃくちゃな行為をして、かいくぐっていくのも面白い所。
ノア、「めっちゃ」を多用する。
あと「めっちゃ嫌いと言っても過言ではない」みたいな言い方も特徴である。
作品においてのフラット要素、樋口絵理子。
医師であり、カウンセラーである絵理子は、看守にも囚人にも平等な対応をする唯一と思える存在。
どちらの情報も基本漏らさないしマジで良心。このパートが今後においてのヒントになったりすることも。
凛の案件の解決方法は、自分の置かれた状況を利用した方法だった。
主人公も最初は気付いていなかったタグを利用するというのは、話の展開としてもわかりやすかったね。
こういう限られた範囲でどうやっていくのかみたいな話は、相変わらず面白い要素が多いなと。
二人目のヒロインである所の、波多江妙花。
最初はめちゃくちゃ脅してくるヤクザだが、囚人達の顔役で、割と優しい方でもある。まぁヤクザだけど普通に。めっちゃヤクザだけど。
比較的話が通じそうなキャラがヤクザってのも面白いよね(
CVは安定の歌謡曲の人だが、こういう役あんまりしないから新鮮だったというか、割と名前で分かりやすくなかったら分からなかったかもしれない。
まあ叫んだりしたらちゃんと歌謡曲の人なんだけど。こういう役もいいですね。
自分の自己表現(露出)が貶められる事を嫌う柊一郎は、人の表現を奪うことも許されないと考えている。
柊一郎の中のラインが分かる一つの場面であるし、原動力はそういう所で動いていくことが分かる所であったりもする。
アホだけど、最後に解決策を思いついたのは柊一郎だし、こいつはアホなのか賢いのか(アホだけど)
新キャラがこのへんでは多く出てくる。釘谷譲二は、情報屋である(計算夫の方が性格だけど、ポジションとしては情報屋の方が間違いなく近いだろう)
さまざまな情報を掴んでいたり、モノを取り寄せてきたりできる人物。
柊一郎に色々プリズンの情報を教えてくれたり、モノを取り寄せてくれるポジション。
我妻樹里亜は、シスターで看守長。一番何を考えているか分からないヤバいやつらしいが、登場はこのシーンだけなので、真価を発揮するのはもっと先だと思われる。
公式動画でも『しいたけみたいな目』って書かれてるの草。実際しいたけみたいな目だから仕方ないね(
アマツくんがちんちんなのマジで意味不明なんだよなあ…
まぁ当人も信じられなかったって言うくらいだからね(
そりゃ分かってもらえんわ…これが分かってもらえないからこそ、元々から変態性が高い柊一郎は分かってもらえなかったと。
でも、割と主人公のラインって分かりやすいというか、それは普通の人間的な所ありますからね。
まぁこの辺はソフりんのアレな場面が多いので基本感想とかないですけど。
これ、なんだかんだと姫瑠が礼枠みたいな言われ方だったけど…って感じはこの時点で見えてはきますね。
妙花、やっぱりこの中だと顔役である事も相まってまとも枠なんですよね多分w
まぁ比較的どちらにもフラットである事がそうさせるんでしょうけど。
ヤクザ的な所はめちゃくちゃヤクザなんだけど…まぁ彼女がどのような罪でここにいるのか、という所は多分√か、あって共通の最後の方とかなのかなあって感じがしますね。
一線を超えたら誰でも許さないっていうのが一貫してるんで、話としては分かりやすいとも言える。
しかしこう、この主人公アホの部類のはずなんだが、かっこいい所もあるの、なんかやっぱりQruppoの主人公ってこういう感じなんだなあって(Qruppoというよりはライターがそうなんだろうけどね)
ソフりんはおそらく礼先輩的なところが存在する。
というか、まぁ看守にもそれぞれおそらく事情は存在するはずだし、それがあるから『ぬきたし』は全てのキャラクターが愛されるまであったわけで、多分今回も例外ではないはずだ。
過去に誰かとなにかがあったこと、ソフりんとしては基本ここにいる囚人はクズだと思いながらも、まともになってほしいと思っている事。
この辺りが描かれると、この人も攻略させてくれみたいなのがどんどん積み上がっていくから面白い所もある。
漏らしてからのソフりんは基本的に柔らかめになるし、この一件で優等受刑者になれた柊一郎であった。
なんというか、こういう色々と不満を溜めてからの主人公の行動でそれに変化が起きて、周りにも変化が起きるっていうのは、作風が暗めで、結構キツい場面があってもちゃんとガス抜きが的確に行われるというバランスが取れている事を表しているところでもある。
この辺のバランスがしっかり取れているようであれば、この作風でも大コケはしなさそう。個人個人の感性のところがあるが、ここで不快指数が買ってしまうと一気にキツくなるのが実情である。その辺りまぁ大丈夫そうかなというのはこのソフりんのところで思った所ではある。
おっぱいが揉みたかった柊一郎とか、姫瑠とのやりとりとか、こう軽い所ではテンポと文字で面白さを表現してくるというか、こういう所では『ぬきたし』イズムをより感じやすそうではある。
なんで姫瑠シーン0なんだろう…真面目だから?(
こういう限られた所で、限られた権限とかの中で何かを作るのとかはあるあるだけど、やっぱり面白いことに変わりはないなと思う。
しかしよく作ろうと思ったなとか思ったり。こういう行動力とかは主人公って感じするし、ちゃんと調べたりして作り出せるところを考えるとただのアホではないよねとか。
そんな中で更生プログラムのグループ学習の所でリーダーにされる柊一郎。
この2人もうそこそこ仲良くなっちゃってるの草なんだよな。
言い合えるような感じになってるのは良いことだと思う。こういう感じで一人ずつ軟化していく所はありそうだ。
何かを作らないといけなくなった訳だが、それで交通安全ポスターの絵が目に付き、それを書いたのが妙花である事を釘谷に教えてもらって、なんやかんやと協力してもらう。
ヤクザっていうのは体面がややこしい。色々回りくどい事をしないと協力できないみたいな感じが。でも妙花普通に可愛い方で好き。
絵理子は、子供の時のお医者さんとの出会いから、医者を目指すことを決めたというエピソードがあげられて、運命の出会いってあるもんだよと言われる。
その為に努力をする原動力になるというか、それになる為にがんばるというかね。
柊一郎は、露出以上の自己表現は無いというのを常に言い続けている訳だから、それを超える何かが出てくるのかもしれないね。
ここでようやくまともに最後のヒロインが登場。
千咲都と名乗ってすらいないが。
仲間は揃った感じがある。さて、ここからどうするのか?
という所でSPLIT1は終わる。SPLIT2は11月予定。
〆
『ぬきたし』から大きく作風が変わっている事は間違いないし、それは作品としてもそうだし、塗りとかの雰囲気でもそれを理解させられる所。
やはりダークな要素が多いし、前作の性にまみれた感じから、それを基本廃した感じになるから当たり前なのだが。
それぞれのキャラクターとは、関係性が開始したばかりという感じが、特にメインヒロインに関しては思う所で、ここまで結構な体験版としてのボリュームはあったし、満足できるものだったが、まだスタートラインに立ったまでありそうなのが凄い。
今作も、色々とありつつもそれぞれのキャラクターが好きになれそうな予感はある。
ただ、基本的に監獄の中の話なので、暗めの雰囲気が多めだし、結構描写としてきつい所もなくはない。体験版でちゃんとどれくらいのモノであるかは確認しておくことに越したことはないのではないだろうか。
『ぬきたし』を望んで買うと、またちょっと違う所はあるので。
というか、違わないといけないとは思うのだが…
それぞれのヒロインとここからどうやって恋をしていくのかとかは全く見えないので、どうなることやら。
脱獄ADVなので、多分脱獄はするんだろうけど…
Qruppoらしさは残りつつも、雰囲気は割と違う。でもQruppoはQruppoって感じがする。
SPLIT2も期待しておきたい所だ。
以上。