おにじと申します。
今回はガジェットレビュー。
良いタイミングでいい買い物をしたとは思う。
ただやっぱり色々と気になる所もある気はする。
という事で今回はソニーのノイズキャンセリングワイヤレスイヤホン、WF-1000XM4をレビューしていく。
…買っちゃったぁ(
一瞬だけ一万安くなってた
WF-1000XM4と言えば、ソニーが今年発売したノイズキャンセリングイヤホンである。
久々のハイエンドノイズキャンセリングイヤホンであり、前作『WF-1000XM3』に関しても悪い出来ではなかった。
ただその後に『AirPods Pro』が発売される等、当初希少性が高かった完全独立型ノイズキャンセリングイヤホンは、その後どんどん増加し、性能的な意味でももう時代遅れに近くなりつつある中での刷新。
その性能は向上しており、巷での評価も高い。
筆者も発売当時は、視聴しに行き、これは良いなあと思っていた。
ただ、まぁ値段もそれなりにしてしまうし、AirPods Proを持っているしとりあえず今はいいかと思っていた。
そんなタイミングで、10月に入った辺りで、各所販売店でWF-1000XM4の価格が一万円も下がっているという時期があった。
ソニーは定期的に短期間の謎セールを行うようで、発売してから半年くらいのこのイヤホンが一瞬とは言え安くなるという事例が発生(デジタルの日に合わせたものだった説)
これが値崩れしたのか、期間限定なのかよくわかんねえぞ!という中で、筆者は滑り込みで購入した形だ。
良いものでありそうなのは分かっているが、どれくらい良くて、使ってみてどういう感想を持つのか。
しばらく使ってみて、その辺をレビューしていこうと思う。
開封
という訳でまずは開封していくことにする。
今回の箱はすべて紙系統で出来上がっている印象で、非常にコンパクトで軽い。
開けて中身を出すとこんな感じ。
説明書などの紙類は割と多いのだが、このコンパクトな箱にすべてが入っているのはなかなかなモノ。まぁこれが豪華かと言われればそんなことはないとは思うかもしれないが、これはこれでって感じが。
本体を見ていこう。
このちょっとザラッとした感じの感触が結構独特。
XM3と比較すると全体的にかなり小さく仕上がっている。
というか、やっぱりまだXM3の頃は完全ワイヤレスイヤホン黎明期だったんだなあと感じる。なんだかんだ、AirPods Proがゲームチェンジャーだった気も。
今回は充電端子もUSB-C、Qi充電にも対応。ケースが自立するようになったのも改善ポイント!とXM3を持っている方は特に言われている印象。なんで立たなかったんだよむしろ。
本体も、XM3からはだいぶコンパクトになった。
XM3は…というよりソニーにおけるハイエンドワイヤレスイヤホンは、やはり筐体がデカイ所があったように思う。
今回のXM4はかなりコンパクトになり、他のワイヤレスイヤホンと遜色ないサイズになった感じもある。
シンプルなデザインであり、◯の所がタッチセンサーとなっており、これで操作ができる感じ。感度は高く、基本的にミスすることは非常に少ない印象。
触ったら音も鳴るし。ただマジでなんでも反応するので何か別のものに当たっても割と反応しかねないことだけは気をつけたほうが良いかも。
今作は明るさのセンサーが付いており、これで装着しているかをイヤホン側が判断するようになっている。
新しい要素としては、イヤーピースが完全新作。
ノイズアイソレーションイヤーピースというやつで、ウレタンイヤーピースなのだが、結構今までとは違う感じ。
今までのソニーのイヤーピースと形と違うし、感触も独特な感じ。
遮音性に優れており、ノイズキャンセリングの助けにもなってくれているらしい。
こちら単体でも販売されているが、黒しかないのでこれは非売品。なおめっちゃ耳垢が目立つので別に発売しなくて良いと思う(
スペック
製品名 | SONY WF-1000XM4 |
---|---|
NC | 密閉型アクティブノイズキャンセリング |
通話ノイズキャンセリング | |
外音取り込み | 20段階で調節可能 |
バッテリー | イヤホン単体:約12時間(ANCで約8時間) |
ケース込み:約36時間(ANCで約24時間) | |
音声通話:約6時間(ANCで約5.5時間) | |
充電方式 | USB-C / ワイヤレス充電 |
充電時間 | イヤホン:約1.5時間(約5分充電で1時間再生可能) |
充電ケース:約3時間 | |
防水規格 | IPX4 |
イヤーチップ | S / M / L |
接続方式 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC |
ドライバー | 6mmダイナミックドライバー(1DD) |
重量 | イヤホン約14g / ケース約54g |
今回のWF-1000XM4は、2021年に出てくるノイズキャンセリングイヤホンとしては最高峰レベルのスペックとなっている。
あれだけLDACを推していたのにも関わらずXM3にはLDACが乗ってないとか割とツッコミどころもあった前作から普通に進化。
イヤホン単体でのバッテリー駆動時間も最大12時間、アクティブノイズキャンセリングにしても8時間と、今の完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー駆動時間の水準になった。
小型化した上で稼働時間が1.5倍という素晴らしさ。というかXM3が出た時のバッテリー駆動長いのってそれこそAVIOTが群を抜いて長かった時代だからなあ…
防水はIPX4で、一定大丈夫そう(風呂では使うなよ…?)
アプリもある
専用アプリ『Headphones Connect』が存在し、こちらで色々な設定が出来る。
ソニーの音楽ソフトはPCがアレな事もあり(なんでMedia Goを消してしまったのか定期)ちょっと大丈夫なのか?みたいなところもあるが、こちらは別に悪くはない。
ノイズキャンセリングなどの設定がこちらで可能。
今回のノイズキャンセリングにも自動風ノイズ低減モードがあり、こちらで風が吹くとその風切り音を低減してくれる。
外音取り込みモードは、加減が設定できる。20段階。
また、ボイスフォーカスモードがあり、こちらだと人間の声を聞き取りやすくなる。
ヘッドホンの時からあるスピーク・トゥ・チャット機能もこちらから設定可能。
喋った時に取り込みモードになるやつだが使ったこと無い。
両方のタッチの内容を変更できる。
ただこれ、プリセットを選ぶだけなので、一個ずつ選ばせろという気しかしない。
外音コントロールと音量コントロールを共存させたい…なんでそういうのできないんだろう…
なお、こちらの設定はどれで接続しても継続されるようになっており、例えばiPhoneで設定して、アプリが入らないDAPに接続すると、ちゃんとここで設定した状態でつながる。
音量も含めて引き継がれるので、ここがややこしいところではあるのだが。
圧倒的なノイズキャンセリング能力
このイヤホンの最大の特徴は、やはりそのノイズキャンセリングだろう。
ソニーは長年ノイズキャンセリングイヤホンを発売してきており、最近ではヘッドホンの『WH-1000XM4』のノイズキャンセリング能力の高さなどに非常に定評がある。
前作である『WF-1000XM3』もかなりノイズキャンセリング能力は当時としては高かったものの、同時期に発売されていた同社のヘッドホン『WH-1000XM3』よりは良くはなかったと思うし、その後に出てきた『AirPods Pro』にほぼほぼ敗北していたようにも思う。
あの筐体のデカさでありながら、思ったより大したことなかったみたいな話にどうしてもなってしまったのだが。
今作のXM4は、その性能が格段に向上。
独立型ノイズキャンセリングワイヤレスイヤホンとしては、最高峰と言っていいレベルだろう。
全域をしっかりとカットしてくれる印象があり、電車の音などもかなり低減してくれる。
特に車内にいる状態で使うと、かなりの音が消えるので、通勤通学においてのお供としては非常に素晴らしいと思う。
勿論無になるわけではないが、無に近い状況をわりと色々な所で作り出せるレベルである。
『AirPods Pro』のノイズキャンセリングの数段上を行っており、マジで静かになる。
音楽流さなくても耳栓に出来るんじゃねえの?と思えるくらいである。(まぁ勿論欠点というか、弱いところもあるんだけどね)
外音取り込みモードも、XM3の時代からは非常に進化しており、かなり自然と思えるくらいにはなった。
取り込みの段階も20段階から選べて、加減を選ぶ事が出来る。
ただ、外音取り込みに関しては、まだ『AirPods Pro』に分があるかもしれない。まぁそれくらい『AirPods Pro』が強いんだけど、そういうところに関しては。
フラットで単純に音質が良い
ソニーに求められることは、勿論音質という所もそうであろう。
今回のXM4は、音質というところでも非常に高い所にあると思う。
残念ながら筆者、LDACに対応している機器がない。AptXならいくらでもあるのだが…
そういう中で結局AACで聴いているわけだが、これでも普通にめっちゃ音が良い。
DSEE Extremeをオンにして、音質優先モードで聴いているのだが、普通にめっちゃ音が良い。(なおこの後ウォークマンを買ってLDACで聴くんだけど、またそれは別の話)
音は非常にフラットに作られており、どんな音楽も聴きやすいと思う。
さすがフラッグシップという感じで、音は普通に素晴らしいものがある。
ただ、あまりにもフラット過ぎて面白くない…というふうに感じる方もいるかもしれない。
無線のイヤホンとしては、聞こえる音の量や種類というのも多く、非常に音質は素晴らしいと思う。
元々の音源を忠実に出してくる上で、非常に繊細な所まで聴こえてくるというか。
ただどのジャンルに向いているとかが全く無いレベルでフラットな気もするので、この辺りはイコライザを使用するのもありだと思う。
…まぁアプリのイコライザしょぼい方だと思うけど…
操作性等含めての全体的なレベルの向上
今作では、様々な所がアップデートされた。
本体に対しての操作という所では、前作から引き続いてタッチでの操作となっている。
前述した通り、付けた場合の正面になる所が全部タッチセンサーとなっているのだが、前作よりも反応する場所というのもわかりやすくなっているし、押しやすくなっていると思う。
触る時に音が鳴るようになっており、物理ボタンではないが押していることが分かりやすいのも高ポイント。
押した時に押していないことにされるような事もなく、タッチセンサーの感度というところも良いように思う。
むしろ高すぎて、不意に当たった時に操作したことになりかねないくらい。
装着感に関しては、前作から格段に上昇した。
ソニーの完全独立ワイヤレスイヤホンというのは、割と耳から飛び出る感じになっている事が多く、イヤーピースで筐体を支えているような感じもあり、装着感という所は基本的にイマイチな事が多かった。
特に前作XM3はその傾向が強く、基本的に本体が浮いている感じになるし、「これでちゃんと装着されてるんかな…」って試聴時は思ったところもあった。
今作は、非常に筐体も小さくなったし、耳に筐体がフィットする感じもあり、イヤーピースと本体でしっかりと装着できる感じ。
他の完全独立ワイヤレスイヤホンと大差ない装着感となった。
『ノイズアイソレーションイヤーチップ』は、独特な感じで、いい意味でウレタンっぽさが低め。
それでいてしっかりとウレタンイヤーチップの遮音性を実現しており、パッシブノイズキャンセリングという意味でも一役買っている。
ただ、筐体と密着しての装着となるので、長く付けていると疲れる人がいると思う。
まぁ慣れてくれば特に問題ないと思うが。
充電端子もUSB-Cとなった上、ワイヤレス充電にも対応。
最新の規格を積極的に取り入れており、抜かりない仕様。
ハイエンドワイヤレスイヤホンとしては素晴らしいモノとしか言いようがない。
WF-1000XM4の欠点
…というのは正直どんなところでも書かれている事のような気はする。
まぁ欠点として上げられるのは、スピークトゥチャットの精度があんまりとかも言われるけど、アレそもそも使わんし…
ということで、WF-1000XM4さんの欠点をこちらでご紹介。
勿論めちゃくちゃ良いイヤホンだけど、欠点ありますよそりゃ…
左片方で使えない
WF-1000XM4の最大の欠点は、左片方だけでの使用ができないことである。
割と致命的な人もいそうなのだが、これを書いている記事がまぁあんまりない。
初期の独立ワイヤレスイヤホンではあるあるだった、親機子機の概念。
片方で使う時は大概右だけであり、左は右が受け取った情報を受け取って流すみたいな方式だった訳である。
これがSnapdragonの進化と共に両方親機として動くようになって、既に数年が経過しているのだが…
WF-1000XM4、その古い機構のまんまなのである。2021年にもなってまさか親機子機概念あるハイエンドがあるとはおもってなかったよ。びっくりしちゃった。
まぁAptX対応してないし、Snapdragonじゃないんだけど。
ソニーの独自統合プロセッサーV1が搭載されているのだが、なんで左右親機にしなかった。
左だけで使う事はそんなに多くはないんだけど、今の時代なんだから…ここだけ改善されなかった。
なんか左で使えるよって言われた。ただ、左で使えた覚えがなさすぎるので、確認してから、もし左で本当に使えたら消す。
今左耳の調子が悪いので確認できない。すまん。
思ったより風に弱い
ノイズキャンセリングの性能はめちゃくちゃ良いのだが、割と風に弱い。
AirPods Proに普通に風が当たった時の影響としては負けてる。
自動風ノイズ低減機能を入れると確かにマシにはなるのだが、それでもやっぱり弱いと思う。
風の音結構拾ってしまう。
電車とかで扇風機の真上とかに立つと普通に音拾う。
ウレタンの耐久性が心配+耳垢取れない
めっちゃイヤーピース、個人的には好みなのだが、やっぱり耐久性若干心配。
ソニーは耐久性が従来より高いとしているが、やっぱりウレタンはウレタンなのでへたるのは早そう。
また、今回購入したプラチナシルバーのイヤーピースの色は販売されていない。
まぁプラチナシルバーのイヤーピースでも普通に耳垢目立つんだけど。取れねえし。
まぁイヤピを探すのもまた楽しいからね…
〆
一定の欠点は存在するものの、WF-1000XM4はソニーが誇るハイエンドノイズキャンセリングイヤホンにふさわしい性能だろう。
音質とノイズキャンセリングのレベルは非常に高く、好みも分かれにくそうな素直な音が出ている。
どちらも妥協したくない方は、こちらは大変おすすめだ。
装着感や、バッテリー、アプリ等など前作の欠点をほぼほぼ潰して現代的なイヤホンとなっているのも、勧めやすいポイントだろうか。
最近はTechnicsとか、Victorもハイエンドノイズキャンセリングワイヤレスイヤホンを発売。
この完全独立ノイズキャンセリングワイヤレスイヤホンという括りの進化は相変わらず加速的であり、また上が出てくるだろう。
ただ、ソニーという音楽において一定の安心のブランドから発売されているWF-1000XM4は、長く選択肢の中に入るイヤホンとなりそうだ。