声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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#声優アワード は男女の区別をなくす事が出来るのか?( #緒方恵美 の発言から考える)

おにじと申します。

 

声優アワードでもう一回くらい擦りたいので擦ります(直球)

先日行われた、第16回声優アワード

今年はHPが新しくなっていた事もあってか、受賞の表示のテンプレートとかが刷新されており、よりアワードっぽくなっていたり、

昨年まで黒を基調としていた声優アワードのトロフィーが、青基調に変更されていたりと、雰囲気がマイチェンされた感じもあったアワードであった。

 

今回の主演賞は、主演男優賞が小野賢章(アニモプロデュース)、主演女優賞が緒方恵美(Breathe Arts)となった訳だが。

その中においての緒方恵美にスピーチが一定話題となっていたりする。

www.nikkansports.com

緒方恵美は、『新世紀エヴァンゲリオン碇シンジ役などが有名であり、まぁどっちかっていうと少年役のイメージが強い声優であろう。

このタイミングでの受賞というのは、まぁ普通に妥当だと思うし、これまでの『エヴァンゲリオン』の事を考えても、声優アワードの価値という所を考えても、緒方恵美という声優は主演女優賞にふさわしい声優であろう。

緒方は1つとして、『エヴァ』での受賞という所にも驚いたという事を言い、もう一つ驚きとして、主演女優賞であるところにも驚いたとした。

「女優賞で良いんですか? 自分は、ずっと声優をやった年月、7割くらいを少年役の声優として過ごし、自分が女優と思ったことが、あまりない」と、驚いた2つ目の理由を語った。
そして「これだけジェンダーフリーと言われる世の中で、声優界もカミングアウトしている人もいる。私もそうですが、普段の生活でも、ほとんど女性と思って生活していない人間もいる」とも語った。

さらに「男優とか女優とかじゃなく、顔出しの業界(俳優)の皆様よりも、ジェンダーフリーを発信できるのは、むしろ声優じゃないかと思う。次回からは、男とか女とか、どうでもいいので2人ずつとか、そんな感じになったなら、よりいろいろなことになるんじゃないか」と提言した。
その上で「口幅ったいことになり、半分はご辞退したいなと思っていたのですが、作ってきた皆さんのために…。日本のアニメでは、主演の役をこのくらいの年齢の女優が演じることがない。そういう業界の中で、私が頂くことが影響があるんじゃないかと思い、素直に受けさせていただくことに致しました。偉そうに申し訳ありません。本当にうれしく思います」と感謝の言葉も口にした。

という事で、今回は声優アワードにおいて、ジェンダーフリーが適用できるのかどうかという所を考えていきたい。

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それこそカミングアウトしている声優もいるくらいではある

まぁ、このジェンダーに関してのお話というのは、声優に置いても全く無関係の話ではないだろう。

やはりこういう話題で一番名前が上がるのは青木志貴三木プロダクション)だろうか。

www.youtube.com

2020年に動画で、性自認は男である事や、パンセクシャル全性愛者)であることを告白している。

声優をやっている人間にも、このような方は存在するし、ジェンダーというのは中々に難しいものではある訳である。

 

 

声優は性別を飛び越えられる職業

一つ言えることは、声優という職業は、演技という部分で性別を飛び越えることは可能な職業ということだ。

特に、女性声優が男性キャラを演じることというのは何も珍しい話ではないだろう。

少年キャラ等に関しては、割と女性声優が演じることが伝統的に多く、今回主演女優賞を獲得した緒方恵美もその1人という事も出来るだろう。

人気声優で言えば、ここ数年は佐倉綾音青二プロダクション)も、『シンカリオン』などから少年声の仕事がちょいちょい出てきたりもしているし、色々な声優が、性別を超えた奴というのは存在する。

男でも蒼井翔太(株式会社S)とか、女役やってたりはする。

…まぁ男が女は割と例外的な所が強いと思うので、あんまり参考にはならないかなあという気はするけどもw

 

性別を飛び越える例というのをここではあげたわけだが、声優という職業というのは、演じる際には顔が見えない、アニメだったら絵があるし、ゲームでも絵があったりするし、ドラマCDなら何もなかったりもするわけだが…

そういう姿が見えないからこそ、容姿からはかけ離れたようなキャラクターも演じられるという所が、声優の一つのアイデンティティとも言える要素だと思う。

声のみで演じる難しさと、容姿からぜんぜん違うものを演じるというこの要素は、俳優にはないものであり、役者という大きな括りでは同じとされるものの、俳優とはかなり異なる、別物の要素かなとも思うわけである。(というか声優が特殊な職業すぎる。そういう意味で、筆者は最早声優と俳優は別物だという認識を常に発信しているわけだが…)

 

そういう意味で、俳優とかよりも性別という所は飛び越えやすいのかな?という印象は結構あるのかなという風には思う。

性別とか関係なく演じるのだから、男優賞と女優賞に分ける必要性ある?と言われるとどうなんだろうなあと思わないことはない。

 

 

とはいえ、性別を無視する事は色々な意味で難しい要素はありそう

じゃあホイホイと性別を無視して、『主演賞』『助演賞』みたいに出来るのかと言われると、それも難しい気はする。

そもそも、男性声優と女性声優の性別を超えるハードルが違うように感じる。

非常に雑に言うのであれば(やっている声優さんに対して失礼に値するような表現だが、読者に雑に分かってもらうための表現だから許して)、女性声優の方が性別を飛び越えやすいと思う。

少年役を女性声優がやっているという事例と、女の役を男性声優がやっているという事例は、やはり前者のほうが圧倒的に多いというのが実情である。

そういう意味で、機会という意味で、性の壁を取っ払うと逆に不平等感が出る可能性もなくはないと思う。

 

また、性別の壁を取っ払うという事は、結果的に受賞声優という所の性別が偏る可能性というのも出てくるわけである。

そもそも、色々な作品において、主役というのは男の方が多いわけである。

勿論女の主役も普通に存在するけども、どっちが多い?ってなると普通に男の方が多いし、こう社会的に跳ねる系のアニメとかアニメ映画とかの場合、もっと男主人公の方が多い。

コレは別にこれ自体がジェンダー云々というよりは、そういうもんというか、単純に男の方が色々とアツいものを作りやすかったりとかするのかもしれないし、仕方がないとは思うのだが、そうなってくると、主演賞が男2人とかになって、女がいないみたいな事になる可能性がある。

 

逆に言うと、新人声優を多く使う系のアニメとかは、圧倒的に女性キャラが多いと思う。

まぁそもそものアニメの母数の割合的に、ターゲットが男である事が多いので、女キャラの多い作品がやっぱり増えるわけである。

最近の女性人気という所で、女ターゲットも増えてはいるし、差は詰まってきてるとは言え、まだやっぱりその状況が変わりましたよ~!みたいな事は言えないと思う。

そういう意味で、新人声優というのは女性声優の方が明らかに出てくる人数が多いし、スパンも短いわけである。

こうなってくると、新人賞はめちゃくちゃ女が多いみたいな事になりかねないわけである。

 

こういう性別の偏りが発生した際、「不平等だ」という声は出たりしないだろうか?というのが大きな懸念点な気がする。

ジェンダーフリーという所で性別を無視したら、性別への不平等が生まれる可能性があるというジレンマである。

それであれば、普通にお互いに一定の座る椅子が保証されている現在の方式のほうが良いかもしれない。

じゃあ性別の枠を取っ払っても、一定ちゃんと平等に受賞するようにすればいいという声もあるかもしれないが、じゃあ性別の枠を取っ払った意味ってなんだよってなる。

それは性別の枠を取っ払って「ジェンダーフリーしてますよ」のスタンスを取るだけであり、壁を取っ払っても実質『男』と『女』の枠が存在すればそれは変わっていないと言われても仕方がないと思う。

まぁそれをする利点としては、トランスジェンダーの声優を選出する時くらい。

まぁ男と女の枠がある形になると、結局どっちかの性の枠で取ったんだなっていうのが分かる気がするので、本当に形式的な利点でしか無い気がするのがアレだが。

 

そういう意味で、こういう問題は難しいなあと思うわけである。(正解がないというか)

 

 

そもそも業界は逆行してね?

ただ、そもそも声優業界がそういうジェンダーフリーとか言う方向に向いてるのかというと、そこまでそうじゃない気がする。

最近は、男の声優に少年役をやらせる事が多くなりつつあり、勿論女性声優が少年役をやる事も普通にあるのだが、その割合は減少傾向である。

しかも、この男性声優に高い声をやらせるという行為は、発声方法として、無理やり喉を開いて出す方式というのが、結構な割合で取られているようで、そもそも声優個人個人への負担が大きいという問題があるらしく、

なんでそこまでして男性声優にやらせるんだろうという単純な疑問が浮かんできたりするわけである。

 

最近は、「この声優にはこの声」という感じで、同じような声をひたすらやるような事も多く、声優としての一つの大きな強みというか、他の役者と言われる職業では無理な声を変えて云々みたいな所が失われつつもある。

声優という職業にいる母数がめちゃくちゃ増えた為、一定仕方がない部分もあるのかもしれないが、男と女という所の壁を超えるという所では難しくなっている要素すらありそうな気がする。

 

というか、そもそもジェンダーフリーとか言う前に、声優業界というのはまず声優自身への待遇とかそういう基本的で重要な所に手を出していくべきだろう。

今回の声優アワードにおいて、功労賞を受賞された池水通洋青二プロダクション / 日本俳優連合専務理事)が、当時の劣悪な声優の環境に対してのデモなどの話をかなり長くスピーチされていた(今回の声優アワードで一番長く喋られてた説まである)訳だが、ここ1、2年においての声優への待遇というところに関しては強く論じられつつもある。

当ブログでも声優業界の現実という所を何度かお伝えしたりもしたわけだが、

oniji.hatenablog.com

oniji.hatenablog.com

 当ブログでは情報提供者様に「夢を壊すから具体的数字は出さないようにしよう」とした、ジュニアの基本給1万5000円というのは、この記事を出した後各所でやたらと出るようになった。

それこそ、ここ最近では榎本温子(フリー)などもこの状況に対して声を上げており、次の選挙に出るとかの赤松健とも話をしていたりする。

勿論どちらが大事という言い方は恐らく適切ではないのだろうが、まずはこっちをどうにかするほうが先な気はする。

 

 

そもそも声優アワードがガバガバでもっとやるべき事がある

でもって、声優アワードというものも、普通にガバガバである。

まぁガバガバである事は、ちょっと声優をかじっていて、ちょっと声優アワードを分かっていれば分かると思う。本当に声優アワードってガバガバも良いところである。

 

先程の話を否定することになり得る話だが、事実として別に声優アワードは男と女を平等な数受賞させているかと言われれば”否”である。

主要な旧第一郡に限定しても、新人賞や助演賞というのは、1人ずつとかではなく複数人が受賞するが、この男と女の数というのはだいたいバラバラである。

 

今回の第16回の新人賞は、新人男優賞は3人(市川蒼、川島零士、佐藤元)で、新人女優賞は4人(相川奏多、赤尾ひかる稗田寧々矢野妃菜喜)であった。

もう一個前に遡っても新人男優賞は3人(伊藤昌弘、小林千晃、土屋神葉)で、新人女優賞は5人(逢来りん、市ノ瀬加那、杉山里穂、藤原夏海和氣あず未)だった。

 

助演賞というところに関しても第14回とかは助演男優賞は2人(石川界人古川慎)で、助演女優賞は1人(種﨑敦美)とか、そういうパターンもある。

なので、まぁ声優アワードはガバガバなので、不平等だみたいな事は逆に言われないかもしれない。

 

それよりもどうにかするべきなのは、声優事務所の偏りだろう。

当ブログでは、これまでの声優事務所の比率を掲載したことがある。

oniji.hatenablog.com

こちらにおいて、新人賞においては21%以上が81プロデュース、12%以上がアイムエンタープライズの受賞。

主要賞においての全体としても、およそ25%が81プロデュース、もしくはアイムエンタープライズが受賞しているという大きな偏りを数値として掲載した。

圧倒的な偏り。今年も81からは稗田寧々高橋李依斉藤壮馬(まぁ斉藤壮馬は歌唱賞だが)。アイムエンタープライズからは佐藤元が受賞している。

 

授賞式にも81プロデュース代表取締役である南沢道義が登壇したように(副実行委員長なので)、そこで高橋李依と並んでるのはただの81プロデュースの並びである。

まぁ一般社団法人 日本音声製作者連盟  理事相談役である所を考えると仕方ないのかもしれないが、結局選出においてここまでの偏りを伝統的に続けている事によって、この部分が言われることは仕方がないと思う。(毎度のOPで81プロデュース代表取締役の記載ないのもそう考えるとアレだしね)

 

声優アワードの権威というものをしっかりと出していくのであれば、こういう所をまず是正する所から始めていく必要性があると思う。

声優アワードは、性別の枠を取り払う前に、まず事務所の枠を取り払う所から始めないといけないのではないだろうか。

 

以上。