声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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おすすめ記事

キャラに声優をはめるのではなく、キャラが声優を選ぶべきである。

【ご注意】

当記事は、2021年6月頃に書き始めたと思われる記事です。

存在をほぼ忘れておりましたが、タイミングとして今くらい出しても悪くないかな?と思ったので出す感じです。

なので、記事に出てくる内容が割と古い(これでも今出せるように色々と改変は行いました)かもしれませんが、ご了承下さい。

たまにある蔵出し記事です。

 

…ということで、おにじと申します。(ここの挨拶が下書き時点でちゃろ~だった時点で相当古いのが分かると思う)

 

今回は声優の話題。

アニメやら、ドラマCDやらが新しいのが出る勢いというのは今も続いているように思う。

新作アニメも毎クール多いし、ラノベなどのドラマCDというのも結構な頻度で出ている印象だ。

その中で、ここ数年の流れというものを感じると時がまぁある。

 

それは”人気声優とりあえず集めとけば良いやキャスティング”である。

これは時代の流れというか、その前までの流れと一種違うものであり、ブームというか、そういう流れのタイミングというか…言語化は難しいが、とにかくそういうアニメとかドラマCDが増えている印象がある。

 

今回はこの事に絡めつつ、『キャラに声優をはめるのではなく、キャラが声優を選ぶべきである。』と題し、声優キャスティング云々に関して色々と記してみる。

ここ数年有名声優並べるキャスティング、流行っている説

ここ最近のアニメやドラマCD等において、有名声優を並べる傾向が増えてきているように思う。

ここでどうしても最初に『五等分の花嫁』(春場ねぎ / 週刊少年マガジン)を挙げたくなってくるわけだが、まぁああいう並びが本当に最近増えつつある。

ドラマCDの当時、5姉妹全て佐倉綾音というパワープレイをやっていた『五等分の花嫁』であるが、アニメ化に際して超豪華なラインナップで固めたと言っていいだろう。

 

上杉風太郎:松岡禎丞

中野一花:花澤香菜

中野二乃:竹達彩奈

中野三玖:伊藤美来

中野四葉佐倉綾音

中野五月:水瀬いのり

である。

 

 

一期の出来はまぁ手塚プロダクションの作画含めてクソと言っていいレベルだっただが、原作が人気だからなのか、声優が人気だからなのか二期が制作され、なんか知らんけど劇場版まで行ったっていうのもなんというか、何の力がどうって話だが。

まぁ昨今のアニメ業界は『神様に拾われた男』でも二期が制作されたりするくらいには基準がもう訳分からないので、まぁいいっちゃいいけど。

どういう風の吹き回しなのかはわからないが、この『五等分の花嫁』のキャスティングが出てきた周辺からこういう並びが多くなってきたような気がする。

人気声優を並べる…という流れは、一種のブーム的な所があるのかもしれない。

 

これ以前のブームとしては、現在でも普通にあるにはあるのだが、新人・若手声優を真ん中に置き、周りを中堅声優で固める方式である。

これはいわゆるきらら系原作アニメなどで多く、現在も行われている手法ではあるが、この勢いは当初よりは弱まってきているように思う。

 

一方で、人気声優をただ並べる方式に関しては、少し前はほぼほぼなかったレベルだったように思う。

実力派声優ガン並べするアニメとかもそれほど多くなかったが、人気声優並べまくるアニメというのはもっと少なかった印象がある。

 

『幼馴染が絶対に負けないラブコメ』(二丸修一 - しぐれうい / 電撃文庫)とかに関しても、ドラマCDの時点で佐倉綾音水瀬いのりが最初に登場し、追加で大西沙織が登場するという、まぁどう見てもアニメ化を狙っているというか、声優オタクを釣りたくて仕方がないムーブをしていたわけだが、案の定アニメ化され、人気声優並べておけというキャスティングになっている。

 

丸 末晴:松岡禎丞

志田黒羽:水瀬いのり

可知白草:佐倉綾音

桃坂真理愛:大西沙織

甲斐哲彦:島﨑信長

阿部 充:寺島拓篤

芽衣子:M・A・O

 

↓作品途中追加キャスト発表

浅黄玲菜:高柳知葉

志田碧:藤田茜

志田蒼依:島袋美由利

志田朱音:日岡なつみ

大良儀紫苑:本渡楓

 

なお作品としては動画工房が文字通りパンクし、作画が終わってしまっているという、偶然にも『五等分の花嫁』一期と同じ末路を辿ったわけだが、とりあえずキャスティングとしてはそういう方向だし、とりあえず主役松岡禎丞にしておけという所も合致している。

 

今期放送中となる『スパイ教室』(竹町 - トマリ / 富士見ファンタジア文庫)に関しても、ドラマCDの時点で明らかにその方向性で狙いまくっており、

追加キャストも、水瀬いのりである事が発表された時も、これもとりあえず人気声優並べときゃなんでも良いやキャスティングだなと思ったわけである。

 

クラウス:梅原裕一郎
《花園》:雨宮天
《愛娘》:伊藤美来
《百鬼》:東山奈央
《氷刃》:悠木碧
《夢語》:上坂すみれ
《草原》:佐倉綾音
《忘我》:楠木ともり
《愚人》:水瀬いのり

 

なお、こちらもアニメとしてはなんかいらない改変も行っているらしく、アニメ勢からも原作勢からもなんか評判がいい感じではない。というのもなんというか…

こういう声優で釣ろうとするアニメって、そもそも出来が良くないみたいな所も正直出てきているような気もする。

 

このように、昨今は本当に人気声優で固めた作品が増えてきているのではないだろうか。

 

 

なぜ増えた?

では、なぜ昨今このような人気声優並べておけば良いやキャスティングが増えたのだろうか。

これは外野の素人から指摘するのはなかなか難しい問題なので、この『なぜ?』という所は基本的に憶測にしかなりようがないのが辛い所だが…

 

 

まず、以前の新人置いて周り固めとけキャスティングの売り方としては、ターゲットはどちらにせよオタクであるが、どちらかと言うとドル売りの方向に近いというか、若い女で釣っていた所はありそう。

まぁ現在のアニメなどの売上に関しては、一昔前の円盤商法とは異なり、イベント商法の方向に向いていると思われる。(実際には配信含めての収益とかも結構な割合となっているので、イベント商法というほどイベント商法ではないのかもしれないが、ある程度のウェイトをイベントが占めている事はおそらく事実なので、この表記で許せ)

 

新人・若手声優でユニットを形成し、それでOPEDを歌いCDを売る、リリースイベントで売る、握手会で売る、イベントで売る…

と、まぁ新人・若手声優を固める方法に関しての錬金術というのは、外野にも分かりやすいだろう。

コレに加えて、事務所としては新人・若手声優の顔見せが効果的に行えるというメリットもあるし、そもそも新人・若手声優なのでスケジュール面でも他の声優に比べて余裕があり、歌って踊らせるレッスンに時間が割けたり、ニコ生やラジオ、イベントをするに当たってのスケジュール調整がしやすかったりと、商業的なメリットを言い出すとあの方式は割と万能感さえあるものであった。

この方式で若手・新人声優がメイン役をやることは珍しくなくなり、それこそ1年で出てきた声優は両手で足りないほどであった。

 

ただ、この方式も流石に飽きられてきたのか、最近は割合は減少気味である。

まぁそもそも、新人・若手声優で固めることにおいて、売れるかどうか不確定要素が多かった事ももしかしたら原因かもしれない。

ネームバリューがない声優をセンターに置くというのは、ある意味では声優で惹きつける事が困難であることを意味する訳で。(もちろん青田買いするオタクも一定数はいるが、そういう層よりもミーハーな層の方が圧倒的に多いわけで)

そういう意味で、作品として売れるか、アニメユニットが売れるかという所に関しては、売れてくれれば稼げるが、売れなければそんな稼げないという可能性…不確定要素がある事になる。

どうしても、作品としての人気が売上に直結するというのは仕方のないことであり、これはどうしようもない部分。

声優も基本的に無名と言える所がセンターとなれば、なかなかにアニメ自体の内容が良くないと…みたいな所はあるだろう。

まぁ単純にこういうアニメがあまりにも量産されすぎて、飽きられたのもあるんだろうけど…

 

また、やはりコロナ禍の影響というのも、直近になってくると色濃くなってくるのかなと。

上記のような売り方はやはり現地民から如何に金を搾取していくかという所も大きい訳で。

最近は円盤というのも売れるかと言われると、配信サービスの充実などにより、わざわざ買うような感じでもないわけで、そうなってくるとやはりイベントでの収入という所が大きかった訳だが、そういうのもコロナでは出来なくなってしまった所もある。

やはりそういう若手云々とかはそういうので売ってなんぼだし、そもそも若手声優に対してのオーディション自体が縮小した時期すらあるみたいなことになってしまったので、そりゃ既存声優で回す形になってしまう。個別で録るようになったことで、人気声優の融通がきくようになってしまったから…っていうのが、近年では多いのかなとは思う。

 

こういう所を考えていくと、人気声優並べとけキャスティングが出てきた理由も分かりやすいのではないだろうか。

人気声優並べとけキャスティングでも、イベントで売るという方向性自体はそこまで変更されていないが、そこからの図式が結構な差がある印象。

上記の新人・若手声優の方式というのは、ユニットを組んでリリースイベントなどで場数を多くした上で、イベントにつなげる方式であり、すごく雑に言うのであれば『数撃ちゃ当たる戦法』になる。

確実性はないし、上記の通りに不確定要素が多いのが、雑に言うと『数撃ちゃ当たる戦法』の範囲になると筆者は考えている。

 

しかし人気声優並べとけキャスティングは、人気声優の名前でそもそも一定以上のネームバリューという物がある。

端的に言うのであれば、『声優で釣れる』ということだ。人気声優陣だから。

 

ここで、一応の区別をしておきたいのが、一昔前のソシャゲで腐るほど見た”豪華声優陣出演”という文言との差である。

”豪華声優陣出演”という文字は使い古されているし、実際に本当に豪華声優陣が出演しているかどうかも微妙な事というのは過去に多かったように思える。

まぁそれ以前に使い古されすぎて飽きられたのと、ソシャゲ増えすぎたのが根本的な原因かもしれないけど…

 

話が少し逸れたが(逸したのはこの豪華声優陣出演との差異を示しておかないとツッコまれそうなので書いたので…)

ここ最近の人気声優並べとけキャスティングは本当に”世間が思うとされている人気声優陣”しかほぼ並べないので、声優の名前が世間に知れ渡っている方の声優の名前がバンバン出てくるわけで、それだけで『神声優しか並んでない』とか、見る側は言い出すわけである。

このネームバリューというものは、基本的に確定しているものと考えて良いだろう。

声優の知名度・人気というのはそう乱高下するような物であり、これが高い人間を並べるということは、声優目当てでとりあえず見る人間というのを増やせるわけである。

結局母数としては見る側の人間、オタクというのは流行に流されやすいミーハー層が一番多いわけで、この辺を安直に拾いに行くのであれば、人気声優並べとくのが一番であろう。

 

売れるか売れないかという不確定要素に対して、万が一作品が滑っても一部声優ファンを確実に頭数に入れられるというのがこの人気声優並べとけキャスティングである。

結局これだけの人気声優が並ぶ機会というのが今の所は比較的レアな状況でもあるので、それこそ作品が大滑りしても声優目当てでイベントに行く人間というのは一定数はいるはずである。(現に五等分の一期の時はそういう層が一定数いたと筆者は記憶している)

リリースイベントとか別に新人・若手ほどやらなくても、OPEDをこの声優陣にやらせるだけで普通に買う人間は買うので、そこまで色々と労する必要もなく一定以上の数字が保証されるまである訳で(アニソンCD売上まとめサイトさん閉鎖されちゃったので数字が出せないけど)

とにかくネームバリューというのはあるに越した事はないし、あらゆる不確定要素を一定以上確定させてくれるものである。

人気声優が並んでいるという事実だけで内容作画関係なくアニメは見る層は一定以上確定できるし、作品の出来に関わらずイベントの需要はある。

イベントの需要はあるので、先行抽選をブルーレイに封入すれば一定数売れることを確定できるし、一定の収益が確定しているので続編を作りやすいし、とにかく声優の名前だけで一定の金を収集できてしまうというのが、まぁ実際の所である。(まぁ原作の人気とかがあるとなおこれに原作が好きな層というのも入ってくるだろうし)

 

昨今まぁ売上の比重が変わってきたにしてもなかなか円盤が売れなくなっており、イベントするにも色々と不確定要素が多い中で、人気声優へのギャラが例えジュニアじゃなくてシニアで高いとしても、その確実な収益でペイ出来ると考える所が多くなっているのではないだろうか?(現実チェック参照、準所属所属以外にジュニア・シニアなどの給与の別れ方が存在する)

oniji.hatenablog.com

 

人気声優並べとけキャスティングは端的に言うとネームバリューで売る方式であり、この方が目先の金というのは確実に一定保証されるので、こういう方式を取っているのだろう。

まぁ人気声優だし、ある程度演技は保証されているみたいなところも考えているのだろう。まぁ本当に雑に言うのであれば、安牌という所だろうか。

 

 

で、どっちが良いの?→どっちも良くはないでしょ

まぁここまで2つの作品においての売り方みたいな物を書いてきた訳だが、筆者的にはどっちが良いの?と言われると別にどっちも良くはないでしょ…と思う。(まぁこの記事のタイトルの時点でお察しだとは思うが)

 

まぁどっちにしろ商業的な意味で、お金を稼ぐ必要性というのはあるわけで、売るためには仕方がない部分もあるとは思うし、どっちにもそれ以外にもメリットは存在すると思う。

新人・若手を集めるのは、それはそれで成長が見れるという所はあるかもしれない。

ただ、この成長が見れるというのを悪用して初期値声優と呼べないようなのを並べる某武士道みたいなのが現れるとこれもメリットとは言えなくなってくる訳で。(ああいう極端なのが色々な良さを潰していくんだぞという典型的な例だと思うけど)

まぁ結局この方式って新人・若手声優博覧館…顔見せみたいな所があり、この後にメインの仕事が続くかと言われると単純に人によるし、それが実力で人によるかと言われるとそうでもないし。

 

人気声優の方はそりゃネームバリューはあるけど結局メンツがほぼ同じになるのが苦しい所。

人気声優が万能なら良いけど、お世辞にも現代声優にそこまでの万能声優は多くいませんし。

 

まぁ色々ここから書いていく事になるが、結局の所このシステムって両方とも声優選択においての前提条件がある事が根本的な問題だと思う。

まぁ商業的に考えれば仕方ないと言われるのかもしれないが、にしても偏り過ぎと言うか。

この方式では結局の所、条件が合う声優をキャラにはめている、置いているだけである。

これが、定期的にキャラにおいての声優の演技で大外れを出す根本的な原因であり、ハマり役と呼ばれるものの減少に繋がっているのではないだろうか。

 

 

キャラが声優を選ぶべきであり、経歴や人気とか本当にどうでもいい

まぁ言いたいことはタイトルの通り、キャラが声優を選ぶべきであるという事である。

まぁただの理想論かもしれないが、結局の所それまでの経歴とか、人気がどうとかはキャラを演じるという所に対してはある意味で無力とも言える。

結局演じる事自体にはその場の演技がどうかって所しか求められないはずだし。

 

人気声優が万能であれば別にいいのかもしれないが、そこまで万能ではないし、そこまでを求めまくる事もある意味では酷であろう。

今やたら声優の母数が増えている割に、なんでこの声優をこれに当てた…みたいな事がそこそこ起きるのは、まぁそもそもの声優全体の演技の問題もあるだろうけど、結局あらゆる前提条件の中で決めるからそんな事になるのではないだろうか。

 

そのキャラに合った声優が選ばれるべきであり、そういうのを選んでこそ良い作品というのは生まれるのではないだろうか。

本当にハマり役というのを引く事も声優にとってのある意味で運みたいな所もあるわけだが、いずれにせよそういう演技がキャラにバチッとハマっている作品はまず演技の時点で締まる訳で。

 

人気声優に無理させていつも出していない音域をほらやれと言ってはい出来ますという時代では残念ながら無いし、人気声優で回しておけばハマるという事もない。

別に人気声優というのは別に必ず実力があるわけではないし、得意な声域を外せば一度転がり落ちていくような演技をしてしまう声優も普通にいるわけであって(別に得意音域でうまいとは一言も言っていない)

 

だからと言って新人若手に限定して置いて行くとしても、そもそも経験的にバチッとハマれというのは酷な所もあるし(それでもハメてくる人間を見つけるのが楽しいんだけど)

そもそも経験が乏しいから引き出しを作りきれていない場合もあるし、演技の仕方も定まっていない場合もありえる。

 

まぁ限られた選択肢の中で最善を尽くすというのも一種の手ではあるとは思うのだが、やはり理想としてはそういう枠とかにとらわれずに、そのキャラに合った声優を選んでくるというのが一番ではないだろうか。

 

なんだかんだと言いつつ、人気作品になるという事は一定以上の声優のハマり感というのは必要なわけで、結局声優の演技とか、あらゆるモノが揃ってこそ作品って良い作品になる確率が高いと思う。

まぁやれたらやってると言われればそれまでだが、ハナから諦めて、原作人気と声優人気に頼ろうとか、イベントリリイベ重ねて金を巻き上げようとかを主に考えていたら良い作品なんて出来る素体がそろっていたとしてもなかなか出来ないだろう。

 

結局芸歴がどうのとか、人気がどうのというよりも、そのキャラのイメージに合った声優を揃えることが理想であって、それを超えるモノはない。

キャラクターの前では芸歴も人気も事務所も無力であり、そこに条件付けしていけばしていくほど、原作モノであれば”原作の声”、オリジナルなら”設定の声”は出てこないわけである。

 

以上。