おにじと申します。
声優というものを見ていく中で、色々なこういう形!という花形みたいなものって存在するように思う。
そういう中で、今回注目したい形なのが「女性声優の男性声」、所謂「少年声」というものである。
特に少年漫画系のアニメ化とかにおいて、女性声優の男性声というのは、いつだって存在し、作品を彩ってきたと思う。
それこそ、長く続いている方々を挙げれば、田中真弓、高山みなみ、野沢雅子とか、そういうもうバケモンみたいな名前が挙がってくる。
もちろん残っている声優というのは、上澄みの中の上澄みなのであって、そういうのを選ぼうと思ったら、どのタイプでもそうなるとは思うのだが、声優の壁を超えるというところに関しては、声優の醍醐味の一つという言い方も出来ると思う。
ただ、こういう少年声と言える所は、女性声優におけるトレンドからはかなり離れてきている印象もあり、主流というところから外れてきてしまっている感じがする。
そういう中、少年声、男性声という所において強みを見せている声優、この系譜に続かんとする女性声優が、夏のクールでメイン役を獲得することになり、注目するべき声優だと感じている。
それが、日向未南(アクセルワン)である。
今回はこの令和に本当に少年声に対しての並々ならぬ想いを感じる日向という声優で一本記事を書いておこうと思う。

夏に帝乃三姉妹は案外、チョロい。で主役綾世優を務める
日向未南は、7月クールの作品『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』において主人公である綾世優を演じる。
アニプレックス系作品の本作は、サンデーが原作ということもあり、一定以上の気合が入っていそうな感じ。
キャスティングとしては、三姉妹が天海由梨奈、古賀葵、青山吉能という81プロデュース陣営なのだが、ここに主役として日向が抜擢された。
まぁ抜擢って言うほど日向が実績がないとかではない。普通に実績はある声優である。
日向は専門学校→アクセルゼロ→アクセルワンの、アクセルワン系の生え抜き声優である。2019年にアクセルワンに所属している。
2021年、『王様ランキング』ボッジ役として主役に抜擢される。この時も非常に驚いた記憶あるけど、めっちゃ普通にやれまくってた印象。こういうタイプの声優が2020年代に出てきたかって感じもあったし。
2022年には『賢者の弟子を名乗る賢者』ルミナリアでメイン起用され、この2つの活躍もあって、『第17回 声優アワード』新人声優賞を受賞した。
結構サブキャラとかでも出てくる感じの支える側感もある声優でもあり、それでいてメインも『リンカイ!』とか『ポールプリンセス』とかもあったりして、堅実側の声優って感じはある。
やっぱり『王様ランキング』が強い声優ではあるのだが、なんというかそんなに世間的な知名度というのが高くない気がするのも日向である。
いやまぁ、メインがめちゃくちゃ多いタイプではないし(今回でアニメだけで言えばメインは4本目となる)しゃーないんかもしれんけど、出てる所での活躍とは見合ってないのかなと。
そういう中での『帝乃三姉妹』の主役での登場っていうのは、一気に知名度を上げられる一つのチャンスなのかなと。
なんだろう、語弊がある言い方をするのであれば、日向未南って声優ってこの時代に出てくる声優としてはめちゃくちゃベクトルが一方向に向いてて面白い声優なんすよね。
その上で、演技においての強みもそれにしっかりついてきている。こういう声優って、現代声優業界において貴重だと思うんで、注視を出来る所がある。
少年への想いが尋常ではない
その向いているベクトルとはなんぞや?というと、「少年」である。
日向未南という声優は、少年への想いが本当にまじで強い声優。
声優を調べたりする中で、各所のインタビューを読んだりすると思うのだが、日向のその少年への想いというのは本当に強いなあと。ここまでまっすぐにこういう系の役!ってのが出ている声優って珍しい気がするんよね。
現代声優業界って、声幅とか引き出しへの軽視もあるので、特定声優に特定の役柄が集まるっていうのはよくある話ではあるのだが、こういう一役の方向性に対しての思い入れがクッソ強いみたいなのってそんなにいるタイプでもない気がするんだよな。
昔からアニメやマンガに興味があったらしいのだが、その中で少年キャラがとにかく好きという所からが起点で、そこから自分も幼少期は少年のように過ごしていたらしい。
スポーツとかもやってたみたいで、バレーボールとかテニスとかは部活に入っていたらしい。
野球も地域のチームに入っていたけど、甲子園は男じゃないと目指せないことに気づいて辞めてしまうくらいには、もう少年だったと。いやもうそりゃ愕然とするよなあ…
オタクの方向性もありつつ、こういう感じだったからこそ、声優になって、自分も少年になりたい!という気持ちで声優を目指し始めるという、マジで生きているベクトルがまっすぐ過ぎるだろと言えるようなスタート。
この人、少年になるために声優を目指して、少年の声を出したいから、専門学校で試行錯誤しまくっていたら、気づいたら地声が高い方から今の低めのトーンになっていたらしいからね。なにそれ…?そこまでしての少年への執着がある。
それはコンプレックスの部分もあるんだろうけど、その想いがあるからこそ、今の演技というのが出来ている感じがする。生き様が出ている。
それでちゃんと少年声のキャラを定期的に射止めているという所が、能力としても評価するべきところである。
さて、正直な話をすれば、今の声優業界における女性声優の少年声というのは、トレンドからは外れていると言わざるを得ない。
何故かと言えば、男性声優が少年声をするという機会が増えてきているからである。
まぁそりゃ男を男がやるっていうのは、おかしなことではないとは思うのだが、少年声というのは、高い声の部分もあったりして、成人の男がやるには結構無理がある所。
いやそれこそ村瀬歩とかはそういう所が出来る声なので、あれはあれで素晴らしいのだけど、アレは割と外れ値といいますか…w
今は男性声優の声帯を割と無理やり開かせるような形での少年声というのが増えてきている感じがあり、女性声優の少年声の比率自体は下がった気がする。
それこそ昔は声優のレッドオーシャンであったと思うし、醍醐味の一つだったのは間違いない。
もちろん今もゴリゴリ少年役をやっているレジェンド声優はいるのだが、後進という所、特に30代辺りの少年声女性声優っていうのが結構穴になっている印象すらある。
数字は別に取れないことはないし、女性声優の少年声が求められていないなんてことはないと思う。ただ主流としてやっている声優が若くなればなるほど減っている印象は否めないのだ。
いや、そういう中での藤原夏海って声優の偉大さったらないんだけども。
あの人は別に少年声以外も出来るタイプではあるが、地声含めてかっこいい系、少年声の土俵での強さは目を見張るモノがある。『メジャー2』で主役に抜擢された女が弱いわけ無いだろと言えばそうなんだろうけど、それでも強さを感じずにはいられない。
別に女の子でもボーイッシュを通せるタイプだし、別にそうじゃなくても演じられる。本人は少年声の方が演じやすいとはしているものの、言うてそれ以外に関してもこなせるって感じの声優だ。
という所での日向未南、この系譜に続けるのか?という所。
間違いなく『王様ランキング』とかの演技を見たりとか、他のメイン『リンカイ』『ポルプリ』、他のソシャゲ系を見ても、日向の演技ってめっちゃ少年向きであり、かっこよさと可愛さを上手くミックスすることもできれば、かっこいいに振ったり、かわいいに振ったり出来る感じがする。
ハキハキしている感じもあったり、それでいて落ち着いた雰囲気もまとえる。ボーイッシュ系に関しても問題なくやっていけるだろう。
この日向が面白いのは、今の時代にこの少年系、ボーイッシュ系を狙い撃ちしているまであるという所。
逆に他の演技はどうなの?に関しての確証が未だに得られないのである。
このアイドル化が進む声優業界において、レッドオーシャンでもない少年役を狙い撃ち、少年役への強い憧れと、その憧れを形にしてくる演技、それをしっかりと証明し続けているのが本当に強い。強いんだけど、とにかくトレンドじゃないからか、どうもその知名度という所は付随してこなかった。
まぁ一点突破だけで出てこれるほど甘い世界じゃないよと言われればそうなんかもしれんが、今貴重になりつつある女性声優の少年声というジャンルにおいて、日向という声優はどう考えても見逃してはいけない声優であったわけで。
というか、面白いのは、日向ってサンプルボイスより明らかに実践のほうが強いんですよね。別にサンプルボイスが弱いとかじゃないし、収録タイミングが昔なんだよ~とかで終わる話な気もするんだけど、にしてもなんか作品で聞く声のほうが良いんだよな。これは成長しているとかのやつなのか、実践・実戦に強いやつなのか…
こういう声優を上手くプッシュしてくれるのがアニプレな気もするんだが…?
さて、という中での『帝乃三姉妹』なわけである。
アニプレックス系という所もあるので、アニメ以外にもいろいろな展開という所がされるのは確定。日向がめっちゃスポットライト当たるのって、まぁ『王様ランキング』以来という言い方をしても差し支えはない気がするのだが、その時の当たり方とはまた違うのかなというか。
『王様ランキング』は、もちろん声優にもスポットライト当たってはいたんだけど、声優を売るぞ!ってタイプの作品とまでは言えなかったと思う。(別に声優を売るぞ!ってやっている作品が正しいとは思わないけど、ジャンル的な意味で言っている)
アニプレは、声優を売る気があるというか、声優にもスポットライトを当てるやり方をすることが多く、既に顔合わせ動画とか、そもそも発表に関しても引っ張って動画で発表したりしてたし、そういう思惑はあるのは間違いない。
そして、今回のキャスティングで言い方は悪いが一番暇な部類になるのは日向だろう。(いや、天海も言うてめっちゃ忙しくはないだろとか言う人いるだろうけども
主役であるし、今回である程度しっかりスポットライトを当ててもらえるはず。
前番組とか色々ありそうな気もするし、キャスティングとしても周りには実力がある81プロデュース勢が揃っている。
天海は81不遇枠からの脱出を目論む所でもあるけど、実力に関しては間違いないと思うし、
古賀はそれこそアニプレのかぐや様から躍進した先輩であり(先輩だけど引っ張るとかは無理だけどこの人)今回は結構イメージからは違うキャラやるけど、一定以上出来る腕を持っている声優。
青山はこちらもアニプレのぼざろで文字通り人生を変えた女って感じであり、WUGの経験もあるので、色々出来る声優。今回のような役柄とかは世間的には目新しく映るだろうし、このメンツだと日向以外だと青山が回しそう。
実力もあるし、経験豊富なメンツの中でやれるのは、得られるものも非常に多くなってくれるはず。
なんだけどラジオは三姉妹でやるらしい。いやその方が数字取れるだろうけど、そこ日向にやせてくれよ。イベントでも中々言語化良かったのに。やろうよラジオをさあ…w
是非にこのチャンスを活かして、今後の知名度や仕事というところにつなげて欲しい。
もちろんやっていく中で、少年役以外も求められていくことにはなるだろうし、ボーイッシュ系とかは問題なさそうなのは分かっているので、広げていくことにはなるんだろうけど、この少年役で戦うスタンス、その気概を演技に結びつけている日向未南という声優は、今後の女性声優の少年声を背負って立つべき存在になるポテンシャルがあるい声優だと思う。
まず『帝乃三姉妹』で、どれくらいアニプレの恩恵を受けられるか。作品としての評価が高ければより注目も集まると思うが、果たして…?
以上。





