声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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声優ソロアーティストは『短期換金場』なのか?

ちゃろ~、顔面派は嫌なので、過激派に極振りしたいと思います。(筆者が言いだした言葉ではない)おにじです。

 

※敬称略!

 

今回は声優ソロアーティストのお話。

先日発売された、上田麗奈の1stアルバム『Empathy』がめちゃくちゃ良い。

 

Empathy

Empathy

  • アーティスト:上田麗奈
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: CD
 

 

声優ソロアーティストアルバムとして全曲を順番に聴きたいと思えたCDは久しぶりかもしれない…

こう『声優ソロアーティスト』という次元から超越しようとしている感じがあって良い。

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まぁ鈴木愛奈のも結構よかったんだけど。

楠木ともりのも期待してるんだけど。

 

まぁ良いのは良い。それが声優ソロアーティストというジャンルだと思う。

声優という、声を仕事にする職業の仕事幅は今や、やたらと仕事の幅を広げ、声優がTVに出ることも珍しくなくなってきている。

 

そんな中でいつからか多くなったものが、『声優ソロアーティスト』というモノ。

今や多くのアニメのタイアップを声優自身が歌うことは珍しくない。

年に10人前後の新規デビューがデフォルトであり、活気が絶えないジャンルと言える。

 

最近の声優の歌唱力の平均は一応の上昇を続けている。

それこそ、今と10年前を比較すれば、キャラクターソングであってもそのクオリティの向上は認めなければならない。キャラで組んだ声優ユニット!とかでもやっぱ今のほうが平均は良いと思う。

 

まぁそもそも声優なのか定義が微妙な水樹奈々様はおいておいても、昔から声優のソロというものは存在しており、キングレコード御三家(水樹奈々堀江由衣田村ゆかりという時代があったように、この存在自体が異質というわけではない。

 

しかし、現在の声優ソロアーティストは、若手声優や新人声優という所にまで多くデビュー。昔とは毛色が変わったと言える。

その中で多くの疑問が噴出してきている事も事実である。

 

今回は『声優ソロアーティストは『短期換金場』なのか?』と題して、声優ソロアーティストの現状と、見えつつある限界について考えていきたいと思う。

 

 

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爆発的に増え始めた2010年代前半

声優ソロアーティストデビューの数は、2010年代辺りから年辺り10人を越す時代となっている。

10年代というと最近感も未だにあるが、

悠木碧竹達彩奈花澤香菜小倉唯南條愛乃が2012年、

三森すずこ上坂すみれが2013年デビューと考えると、やっぱ結構前なのか…という実感が生まれるかもしれない。

 

今や実績がバリバリある声優ソロも、大体が2010年代である事をこういう所で実感できないだろうか?意外と歴史が浅い。

 

最も爆発的な増加は2014年か。20人近くデビューしている。ヤバイ。

(遠藤ゆりか、藏合紗恵子小野賢章佐藤聡美水島大宙内田真礼豊永利行、吉田仁美、田所あずさ大橋彩香幸田夢波山本和臣米澤円雨宮天長妻樹里新田恵海内田彩金元寿子Pile等)

 

こう考えると、早見沙織水瀬いのりが2015年デビューで意外と近いんだなとか思ったりもする。

 

芸歴関係なくデビューの応酬となったここ数年

まぁこの傾向は10年代前半からありつつはあったが、あまり声優としての実績がなくても、割と簡単にデビューに踏み切る例が増えてきたのがここ数年だ。

上記のように、それなりの有名どころと歌がうまいとされていた声優はかなりの割合で10年代前半にデビューしている。

なので、デビューの敷居が下がってきたという表現も可能だろう。

 

現にこれだけのデビューを既に10年代前半に行いながら、ソロデビューの人数は基本二桁台を維持している傾向がある。

 

2016年は沼倉愛美や、上田麗奈相坂優歌村川梨衣久保ユリカ下地紫野伊藤美来麻倉ももと多くの声優が各種レーベルでデビュー。15人くらいデビューしてるらしい。

 

2017年は東山奈央安野希世乃夏川椎菜、芹沢優など、この年はちょっと少なめで一桁のデビューに留まっていたが、

 

渕上舞鈴木みのり石原夏織山崎はるか尾崎由香立花理香等がデビューした2018年は再び二桁に乗ろうというデビュー数に戻る。

 

昨年も10人を超える声優がソロデビュー。

逢田梨香子斉藤朱夏と言ったAqours勢がソロ活動を始めだし、鬼頭明里西田望見富田美憂等がデビューした。

 

今年も既に9人のデビューが確定。

(ニノミヤユイ、鈴木愛奈熊田茜音和氣あず未大塚紗英小林愛香工藤晴香諏訪ななか楠木ともり)

声優ソロデビューというのは、未だに衰えを知らない。

めちゃくちゃデビューする。そんなジャンルである。

 

 

年を追う毎に感じる声優ソロの歪み

声優のソロというのは、『声優アーティスト』とか『声優ソロアーティスト』という呼ばれ方が一般的だ。

しかし、その方向性は年を追う毎にねじまがりつつあるように感じる。

 

そもそも、幾ら声をメインに使う仕事である声優にしても、そんなに歌が上手い人間がバカみたいに訳がない。

しかし、この10年で100人レベルで声優ソロアーティストは誕生している。

この数字に、現在の声優ソロアーティストの現状を感じることも出来るだろう。

 

簡単に言ってしまえば、もう歌が上手いとか、そういう技量の話はどうでも良くなってしまっている…と言える。

そんなに歌がうまい人間が居たら普通に歌手になっているってば。(歌手になるのはめちゃくちゃ大変なのは間違いないが)

歌の技量に関してはもうほとんど出切ってしまっていると言っていい。(若手の中に歌が上手い人はたまにいるので、そういう人が増えることは確かにあるのだが)

では、今でも10人レベル年にデビューするのはなぜだろうか?

 

簡単に言えば、人気商売の一つ。集金作業と言える。

ここ数年は特にその傾向が強いと言えるだろう。(違うフェーズに入りかけてはいるが)

 

 

現代アイドル文化に侵食された声優ソロアーティスト

今の声優ソロアーティストの一部を『集金』と第する理由は、現代アイドルを源流とする『〇〇券』商法にある。

主にAKB48『握手券』『総選挙投票券』が大元となっていると思われるこの方式。

アニメや声優ソロ系では円盤に『イベント応募券』『お渡し会券』『リリースイベント券』などをつけて販売するという手法だ。

 

それでいてCD自体には店舗別特典が存在したり、

特定の場所で買う事が前提のリリイベがあったり、

フリー観覧は可能だけどその場所でのブースでCD購入すると『優先エリア入場券』やら『接近系チケット』やらが付くとかいう商法もあり、『券商法』と言っても多種多彩。

あらゆる方向でオタクに金を捻り出させようとしている。

全ての店舗特典とリリイベや優先入場しようと思ったら何枚買えばいいんだ…?

今や大手のレーベルはこの手法が幅広く使われている。

 

アイドル文化であった、『CDを積んで接近機会を得る』という方式がアニメ界にも対声優として当たり前になりつつある。

それはある意味多くの人間がいる、アイドルやコンテンツ系よりも、一個人に金を落とす、という声優ソロアーティストの方がねじ曲がった構造となって、今がある。

 

金を落として、接近機会を得る。この方式が当たり前となった今、最早技量など関係のない次元のソロデビューはある意味容易な物となったと言えるのではないだろうか?

 

『ビジネス』として短期的な成功がしやすいソロデビューという選択肢

この形態が成立する理由は単純にオタク層がやたらとちょろい点がやはり大きい。

現代声優の顔面偏差値の上昇(技量偏差値が上昇しているとは言ってない)などに伴って、所謂昔で言うアイドルオタクになるような人間が、声優オタクの方向に流れてくるようになったことによって、この『券商法』はかなり成立しやすくなった。

 

今のオタクは『買い支えること』と『自分がここまで連れてきた』という所への思いが強く、技量のハードルは低く、最初から買う、応援するために積むことをより厭わなくなったのだろう。

 

また、声優という職業的にも、『個人で出来る活動』というのは美味しいはずだ。

現実として、所謂アニメに声優が出る場合のギャラというのは、ナレーション等に比べて低いとされている。

アニメをよく見る人間からすれば、よく見る声優さんはめっちゃお金持ってそうとか思ってしまうのだが、3ヶ月毎に就職活動をするようなモノだし、そもそも単価的にも他の活動よりも低いというのが現実だ。

 

そのため、個人で活動が出来、スパンをある程度年単位で取れる声優ソロアーティストというのは、声優個人としても比較的安定した活動が保証される可能性が高く、都合が良い活動の一つとも言えそうだ。

また、一個人と声優事務所とレーベルという関係性の以上、お金的にも多少はマシである事を推測したい。

 

タイアップの方向としても、レーベルからのセットで声優を押し出せる場合もある。

アニソン歌手等の方向よりも、一人で声優とOPまたはEDの枠を埋められる声優ソロアーティストの方が、都合がいい場合も多くあるだろう。

声優個人及び声優事務所としても、タイアップによってより声優個人の名前を売ることが出来る可能性が上がり、そのアニメ(原作含め)が好きな人間に手にとってもらう事での知名度向上、売上向上が見込める。

またそもそも、今の時代声優はそれなりに知名度がある。という現状を考えればその人がOPEDするなら見ようかな?というアニメ側へのフィードバックも期待できる。

 

このような理由から、声優ソロアーティストというモノはビジネスの一つとして、現代の声優界的に非常に有効な策と言え、特にデビュー時等の短期的に見れば非常に有用な戦略の一つとして成立しているように思える。

 

声優ソロアーティストの現実

ただ、それはあくまでも短期的な面においてのメリットだ。

確かに年単位でのスパンで活動が出来はするが、それが複数年とかそういう次元での活動が保証されているか?と言えば残念ながら全くそういう事はないのが現実だ。

まずは、この独自に調べまくった声優ソロアーティスト履歴を御覧いただきたい。

  名前 デビュー年 最終CD発売 レーベル 経過年数
1 山村響 2010 2020 flying dog,TOKYO LOGIC MUSIC 10
2 浪川大輔 2010 2018 Kiramune 8
3 近藤佳奈子 2010 2018 WAVE MASTER,HAPPIES,ターゲット・エンタテインメント,テイチクエンタテインメント 8
4 高垣彩陽 2010 2019 ミュージックレイン 9
5 大橋歩夕 2010 2014 WISETONE 4
6 寿美菜子 2010 2019 ミュージックレイン 9
7 柿原徹也 2010 2019 Kiramune 9
8 原田ひとみ 2011 2017 フロンティアワークスメディアファクトリー 6
9 野水伊織 2011 2016 FlyingDog 5
10 渡部優衣 2011 2017 徳間ジャパンコミュニケーションズ 6
11 愛美 2011 2013 ポニーキャニオン 2
12 たかはし智秋 2010 2011 rhythm zone,avex trax 1
13 山口理恵 2011 2012 FlyingDog 1
14 富樫美鈴 2011 2011 日本コロムビア 0
15 伊藤静 2011 2012 Lantis 1
16 羽多野渉 2011 2019 DIVE II entertainment 8
17 梶裕貴 2012 2012 Lantis 0
18 悠木碧 2012 2020 FlyingDog,日本コロムビア 8
19 竹達彩奈 2012 2019 ポニーキャニオン 7
20 小松未可子 2012 2018 スターチャイルドレコード,トイズファクトリー 6
21 花澤香菜 2012 2019 アニプレックスSACRA MUSIC 7
22 岡本信彦 2012 2019 Kiramune 7
23 Machico 2012 2019 ジェネオン・ユニバーサル、Mastard Records、日本コロムビア 7
24 寺島拓篤 2012 2020 Lantis 8
25 釘宮理恵 2012 2020 Lantis 8
26 佐土原かおり 2012 2015 日本コロムビア 3
27 小倉唯 2012 2020 キングレコード、KING AMUSEMENT CREATIVE 8
28 三澤紗千香 2012 2020 ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント、ユニバーサルミュージック 8
29 原由実 2012 2018 5pb.Records 6
30 若井友希 2012 2012 DIVE II entertainment 0
31 南條愛乃 2012 2020 NBCユニバーサル 8
32 千菅春香 2013 2016 FlyingDog 3
33 三森すずこ 2013 2019 ポニーキャニオン 6
34 上坂すみれ 2013 2020 スターチャイルドレコード、KING AMUSEMENT CREATIVE 7
35 日笠陽子 2013 2014 ポニーキャニオン 1
36 蒼井翔太 2013 2020 キングレコード、b-green、KING AMUSEMENT CREATIVE 7
37 吉野裕行 2013 2019 Kiramune 6
38 鳴海杏子 2013 2016 アース・スター レコード 3
39 能登有沙 2013 2017 Lantis 4
40 遠藤ゆりか 2013 2018 ポニーキャニオン 5
41 藏合紗恵子 2014 2015 日本コロムビア 1
42 小野賢章 2014 2018 Lantis 4
43 佐藤聡美 2014 2016 スターチャイルドレコード、KING AMUSEMENT CREATIVE 2
44 内田真礼 2014 2020 ポニーキャニオン 6
45 豊永利行 2014 2019 art sonic、アニプレックス、T's MUSIC 5
46 吉田仁美 2014 2018 日本コロムビア 4
47 田所あずさ 2014 2019 Lantis 5
48 大橋彩香 2014 2019 Lantis 5
49 幸田夢波 2014 2015 Lantis 1
50 山本和臣 2014 2016 Lantis日本コロムビア 2
51 雨宮天 2014 2020 ミュージックレイン 6
52 長妻樹里 2014 2015 ZERO-A 1
53 新田恵海 2014 2020 ストレイキャッツ 6
54 内田彩 2014 2020 ZERO-A、日本コロムビア 6
55 Pile 2014 2019 Colourful Records 5
56 小野友樹 2015 2019 LantisBPS 4
57 飯田里穂 2015 2019 徳間ジャパンコミュニケーションズNBCユニバーサル 4
58 早見沙織 2015 2020 ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 5
59 楠田亜衣奈 2015 2019 VAP 4
60 佐藤拓也 2015 2017 フロンティアワークス 2
61 水瀬いのり 2015 2020 キングレコード、KING AMUSEMENT CREATIVE 5
62 相坂優歌 2016 2018 FlyingDog 2
63 久保ユリカ 2016 2019 ポニーキャニオン 3
64 下野紘 2016 2019 ポニーキャニオン 3
65 村川梨衣 2016 2019 日本コロムビア 3
66 佐々木李子 2016 2020 Victor、MAGES. 4
67 花江夏樹 2016 2016 日本コロムビア 0
68 伊藤美来 2016 2020 日本コロムビア 4
69 西明日香 2016 2017 シーサイド・コミュニケーションズ 1
70 下地紫野 2016 2018 FlyingDog 2
71 麻倉もも 2016 2019 ミュージックレイン 3
72 沼倉愛美 2016 2020 FlyingDog 4
73 相羽あいな 2016 2020 ブシロードミュージック 4
74 山崎エリイ 2016 2019 ZERO-A、日本コロムビア、Cherii Records 3
75 上田麗奈 2016 2020 Lantis 4
76 松井恵理子 2017 2019 徳間ジャパンコミュニケーションズ 2
77 東山奈央 2017 2020 FlyingDog 3
78 夏川椎菜 2017 2019 ミュージックレイン 2
79 芹澤優 2017 2019 DIVE II entertainment 2
80 斉藤壮馬 2017 2019 SACRA MUSIC 2
81 畠中祐 2017 2019 Lantis 2
82 安野希世乃 2017 2020 FlyingDog 3
83 鈴木みのり 2018 2020 FlyingDog 2
84 渕上舞 2018 2020 Lantis 2
85 立花理香 2018 2020 ロッカンミュージック 2
86 石原夏織 2018 2019 ポニーキャニオン 1
87 内田雄馬 2018 2020 KING AMUSEMENT CREATIVE 2
88 駒形友梨 2018 2020 ロッカンミュージック 2
89 山崎はるか 2018 2019 NBCユニバーサル 1
90 優木かな 2018 2019 フロンティアワークス 1
91 古川慎 2018 2020 Lantis 2
92 尾崎由香 2018 2019 ワーナーミュージック・ジャパン 1
93 増田俊樹 2019 2019 トイズファクトリー 0
94 寺島惇太 2019 2019 FEEL MEE 0
95 土岐隼一 2019 2019 ポニーキャニオン 0
96 逢田梨香子 2019 2020 DMM music / Astro Voice 1
97 西田望見 2019 2019 FlyingDog 0
98 斉藤朱夏 2019 2019 SACRA MUSIC 0
99 鬼頭明里 2019 2020 ポニーキャニオン 1
100 仲村宗悟 2019 2020 Lantis 1
101 諸星すみれ 2019 2019 FlyingDog 0
102 富田美憂 2019 2019 日本コロムビア 0
103 二ノ宮ゆい 2020 2020 Lantis 0
104 鈴木愛奈 2020 2020 Lantis 0
105 熊田茜音 2020 2020 Lantis 0
106 和氣あず未 2020 2020 日本コロムビア 0
107 大塚紗英 2020 2020 avex trax 0
108 工藤晴香 2020 2020 日本クラウン 0
109 諏訪ななか 2020 2020 日本コロムビア 0
110 楠木ともり 2020 2020 ソニー・ミュージック系統? 0

これは2010年から2020年までにデビューした声優ソロアーティストの一覧である。

基準としては『昔の場合は複数CDの発売』『少なくても大手CDレーベルの場合はカウント』『ラジオOPED等の規模の小さいCDが一枚だけ発売とかは出来るだけ省く』『あとはなんとなく』である。

ちなみに小林愛香は扱いに迷った(2020年デビューした事になっているがそもそも2011年頃から音楽活動をしていたので)ので今回思い切って省いている。

とりあえず個人的に調べた結果、110人の該当があった。(多すぎ)

 

2010年代に活動を開始した声優ソロアーティスト110人の平均活動期間(デビューのCDから最新CDまでの期間)は3.4年である。ただこれは2019年や2020年デビューも含めてしまっているので、あんまり当てにならない。

というわけで、期間を何個かに区切って見てみよう。

2010-2015年デビューに限定した62人にすると、4.96年まで上昇する。

上記の通り、まだ現在のような手法が完全に浸透する前及び、ソロデビュー文化が始まりたての為、実力がある人間が選抜されている方向が強いため、5年近くのものとなったと思われる。

 

なおこの調査は休止期間や、レーベル移籍を度外視しており、本来の期間よりも長めに計測される方式での調査となっているため、正確性を求めるとより全体的に短くなることが予想される。

つまり2010年代から増えているソロデビューは、幾ら2010年前半デビュー組でも基本5年持たないという事になる。

これは、なかなか厳しい現状と言わざるを得ないのではないだろうか?

 

この現状を考えれば、現在の『券商法』などを行ってなんとか稼いでいると言える最近の声優ソロアーティストはさらに厳しい現実が待っているように思えてならない。現に、2015年以降に目を向けると、まだ最大でも5年経過というのに、既に活動が止まっているような人間も散見される。

現在の売り方は、短期的集中(集中しているのかも微妙だが)ですぐに終わってしまうのではないだろうか?

 

いくら人気な声優であっても、曲の良さであったり、個人の歌唱力の問題、タイアップ等の問題でなかなか長く続けるのが難しい。本当に出来る人間か、大きな人気を持ってしまえるような人間しか生き残れないのが、声優ソロの現状だ。

例え実力があったとしても、生き残れるとは限らない。そういう点は、本業である演技の仕事と同じなのである。

 

変化しつつある声優ソロアーティスト

そんな傾向の中、少しずつ声優ソロアーティストはまた違うフェーズに入り始めている。

 

今年、2020年。

二ノ宮ゆい(ニノミヤユイ)と熊田茜音のソロデビューは今までの声優ソロデビューとは毛色が違うものを感じさせた。

どちらも昨年史上最低のまつりをしたらしいLantisからのデビューであるが、今までと違うのは、マジの新人声優に近い事だ。

 

二ノ宮ゆいは2018年に声優デビュー、実績は『アイカツフレンズ』日向エマ程度であるが、恐らくバンナム系列の『次世代声優ミラクルオーディション』の特別賞である事が、デビュー根拠となる。

熊田茜音も同じく2018年に声優デビュー、『ライフル・イズ・ビューティフル』渋沢泉水役程度の実績だが、声優アーティストオーディション「ANISONG STARS」2017年度グランプリによって声優デビューしており、Lantisデビューが決定していた為、今回のデビューとなっている。

 

特にLantisコスプレイヤーのLiyuuとか引っ張ってくる位には(いかんでしょ)若い方向に行きたい(人材がいないわけではない)らしく、今後このような新人声優をいきなりソロデビューし、それを引っかかりにして今後の活動につなげていく…というような『広報的ソロデビュー』というのも増えてくるかもしれない。

 

また、これは最近のコンテンツ系にも言えることであるが、有名な作詞及び作曲を押し出す傾向はソロ側にも見られ、そちらがわの『作詞作曲売り』も声優ソロアーティストにも多くなってくることが予想されるだろう。

 

そして、コンテンツ系のソロデビューも多く散見され、Aqoursは全員出る勢いだ。諏訪ななかまでデビューするんだから驚きである。

バンドリの大塚と工藤がデビュー。コンテンツ系発ソロデビュー』傾向も要警戒だ。

 

最近の声優ソロアーティストは短期換金場なのか?

一連の流れを見てきたわけだが、現在の声優ソロアーティストというのは、AKBなどを源流にする『券商法』が地盤となっており、そこに『広報的ソロデビュー』や、『作詞作曲売り』『コンテンツ系発ソロデビュー』等の新たな形が見え隠れしつつある。

それでいて、確実に活動が短命となっているという現状は、中々に酷い状態と言えるかもしれない。

 

実際冒頭に述べたが、今回の上田麗奈のアルバム『Empathy』は非常に良かったように、声優ソロアーティストでも歌が上手い声優さんだったり、自分の世界感を作れるような声優さんは沢山存在する。

本当に良い声優ソロアーティストというのはきちんと存在し、声優ソロアーティスト自体が悪ではない。

声優だからこそ出来る事はある…というような歌を歌われる方も居る。色んな声で歌ったり、(悠木碧であったり東山奈央であったり…)感情の入り方が強い人だったり。(それこそ上田麗奈とかはそう)

 

しかしながら、特にここ5年あたりの声優ソロアーティストというのはどうも人気商売『人気のうちに金を最大限手っ取り早く稼ぎたい』という意図が必要以上に見え隠れしているように思えてならないのだ。

 

なんとなく人気っぽい、容姿がそれなりに良い声優に、

なんとなくいい感じの作詞作曲を当て、

なんとなく本人が登場するなんとなく可愛い感じのMVを制作してソロデビューさせ、

CDに封入された券を餌に売上枚数を引き上げにかかり、

それをちょろいオタクが貪る。

そこに実力もクソも関係なく、あるのは声優としての人気と容姿とかの可愛さとかだけ。

そんな量産型アイドル崩れみたいな声優ソロアーティストが、そんな大して上手くもないのに良い作詞作曲と、アニメタイアップを一部食っているという現状がそこには多少、しかし確実に存在すると言わざるを得ないのではないだろうか?

 

例のワニが話題になるように、流行というのは作れてしまう。

このような形式はもう『当たり前』とされている。

それは、業界側が作り出した流れとも言える。

しかし、今となってはその事自体に改めて違和感を感じる。

作る流行に、人は乗る。簡単な話だが、クソみたいな話でもある。

 

声優のアイドル化含め、もはや引き返せない段階に来ていることは否定しない。

しかし、ある程度の最低限のラインは演技、歌共々守ってもらわないと、ただのアイドル、ただのタレントになりかねない。

一応声を生業としている日本独自の職業なんだから。

 

声優にも、声優ソロアーティストにも正解はない。

色々な活躍の仕方は存在するし、その活躍の幅が声優の面白さの一つではある。

しかし、声優と声優ソロアーティストに不正解は存在するのではないだろうか?

「そうだ!」と思ってくれても「そんなことない!」と思ってくれても良い。

ただ、自分の意見としてはそのように思うし、そう思う根拠は前述したつもりだ。

 

今一度、声優ソロアーティストについても考えていきたい。

声優、声優ソロアーティストに正解は存在しないが、不正解は存在する。

そして不正解はひとつじゃない!

 

おはよーおはよー(ry

 

以上です。

 

 

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