声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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#おにじ声優名鑑シリーズ Vol.06 愛美(寺川愛美)

ちゃろ~、おにじです(激寒)

 

名鑑シリーズが復活し始めている当ブログ。

これをやれる時は割と投稿ネタが安定する傾向があるが、アクセス数は下がる気もする(

今回はソロ再デビューというなかなか珍しい事をした声優のご紹介。(いや去年も三澤紗千香がソロ再デビューしたんだけど、今回の人と三澤紗千香ってある意味系統として近いのかもしれない、色んな意味でw)

 

愛美(寺川愛美

・ベストオブシンガーコンテスト 全国大会2008決勝大会出場

・第3回全日本アニソングランプリ大阪大会優勝

・エリーを探せ! ミルキィホームズ 声優オーディションツアー準優勝

ドワンゴクリエイティブスクール

→響

 

レーベル:ポニーキャニオン→キングアミューズメントクリエイティブ

生年月日 : 1991年12月25日

デビュー : 2010年(声優)、2011年(歌手第一期)、2021年(歌手第二期)

出身:兵庫県

 

査定(2021/3/29制作 2021年初版)

演技力:D

演技幅:E

歌唱力:B

キャラソン力:D

トーク力:B

実績:C

過激派的将来性:D

f:id:oniji:20210416153537p:plain

 

名を捨てても、”寺川”と呼びたくなるのが、愛美(寺川愛美)である。

あえて結論から述べるのであれば、愛美という人間は恐らく”寺川愛美”として声優の道の一歩を進めた事は才能的には失敗に近かったのかもしれない。

しかし、恐らく”寺川愛美”として声優の道を歩む事がなければ、こうして歌手としてもう一度再起し、今も生き残っている事もなかったような気もする。

現代声優と、アニソン歌手の現状を考えると、非常に微妙で、面白い人間が愛美という存在なのかもしれない。

 

上記の経歴の所に記したが、『ベストオブシンガーコンテスト 全国大会2008』決勝大会出場、『第3回全日本アニソングランプリ』大阪大会優勝・全国大会出場等、歌での能力という物は00年代から期待されており、評価もされていた。

その上で、『エリーを探せ! ミルキィホームズ 声優オーディションツアー』にて準優勝しミルキィホームズ常盤カズミ役で”寺川愛美”として声優デビューする。

カードファイト!! ヴァンガード』等でも主要役を演じているが、この辺りからポニーキャニオンでのソロアーティスト側の活動が活発化する。

 

割とタイアップ楽曲も多く、『LIVE for LIFE 〜狼たちの夜〜』は『ベン・トー』のOPとしてオリコン30位を獲得していたり、『Link』は『織田信奈の野望』のOPだったりと、結構な勢いだった事は間違いない。(筆者は歌手愛美が好きだった訳だが)

バラードも結構歌っていたのだが、割とパワー系の楽曲のほうが筆者は好みだった。

 

実働期間は2年ちょい程度で、ここからまた声優活動にシフト。

ふたりはミルキィホームズ』で、これもオーディションを通ってきた伊藤彩沙とフェザーズを組む所から声優活動の割合がアップ。

この2013年で、声優名義の”寺川愛美”と歌手名義の”愛美”が”愛美”に統一された。

なお、結局統一されてから再デビューするまで愛美名義の歌手サイドってほぼ使われなかったのだが…(

 

この頃に『アイドルマスター ミリオンライブ!』のジュリア役を獲得しており、ちょうど変わるか変わらないか位のタイミングである(そのため初期のジュリア楽曲のCV表記は”寺川愛美”名義である)

初期のボイスは今聞いても本当に酷いものなのだが、これはミリオン全体に割と言えた点は存在する。

このジュリアの楽曲が実質的に愛美楽曲の延長線上的な所が出てきて、ギターを実際に引きながらライブで歌うスタイルは好評を博した。

 

これを受けて木谷高明は、バンドのコンテンツが降りてくる訳で、それは『BanG Dream!』の源流である。

この『BanG Dream!』というタイトルは寺川のライブで第一報が発表された事を、今のバンドリをやっている人間がどれくらい知っているものなのだろうか。

まさにブシロードが寺川とブシロードの為に作り上げたようなコンテンツであり、当初は結構案が違ったり、まだ大橋彩香がいなかったりした訳だが、寺川のミリオンを見て作ったコンテンツなのだから、実質的に寺川の為のコンテンツと言えたわけである。

 

ただ寺川の為のコンテンツとも言えたバンドリで、なんで寺川にあの声をさせたのか、これが本当にわからない所である。

これまでの彼女を見ていれば、彼女のスイートスポットというのは非常に狭いことは明らかであった。

まぁブシロードとしても、流石にジュリアそのまんま出すわけには行かなかったんだろうし(でも寺川愛美を本当に活かすのであれば当時は特にあの音域しか存在しなかったのもまた事実な気はする)そういう事情は理解できないとまでは言わないが、結果的に寺川愛美の良さの大半を消したキャラクター声設定が出来上がってしまった。それが戸山香澄というキャラクターである。

結果、歌だけは上手かった寺川愛美が、バンドリのせいで歌が下手だと勘違いされる案件が発生し、本末転倒も良い所だった。

まぁブシロードだし仕方ないねと言いつつも、考えれば分かったやろ…と思う。

結果ポピパの人気が基本的にセンターの割には低調だったのは、そういう所やぞという所である。

 

確かに寺川のスイートスポットの狭さが生んだ結果なので、寺川サイドに問題がないとは言えないのだが、

その舞台を用意するサイドも、寺川愛美のパフォーマンスから生まれたコンテンツなのであれば、寺川愛美という人間が100%の力を出せる舞台を整えてあげることが必要だったのではないかと思わずにはいられない。

まぁ寺川の技量がと言えばそれまでなのだが、にしてももうちょっと違う音域があったような気がする。

今でこそあの音域でもそれなりには歌えるようにはなったが、逆に元々から癖が強かった歌唱方法に更に癖が加わった気がするので、寺川にとって結果的に良くなかったと言わざるを得ないと筆者は思う。

このバンドリで逆に歌唱力が錆びついてしまったのではないか?と筆者は懸念していた。

 

そんなこんなありつつ、基本的に主戦場はブシロード内の箱庭か、アイマスかの二択に近い状況が続いていた訳だが。

そんな中2021年、キングアミューズメントクリエイティブからまさかのソロ再デビューが発表。

彼女のキャリアは良くも悪くも安定・停滞していたわけだが、ここに来て大きな動きとなった。

デビュー曲は『ReSTARTING!!』であり、再デビューである事を普通に出してきたことに、ある意味での驚きを感じた人間も多かったかもしれない。

楽曲としては、明るい爽やか傾向で、どっちかっていうとポピパ傾向に近いのかなという感じではあったが、歌自体に関しては久々に”歌手愛美”の歌が聴けた訳で当時の雰囲気も歌声に感じさせつつも、なんだかんだキャリアは重ねた経験というのは出ていたのではないだろうか。

 

すでに2ndシングルの『カザニア』が発売予定で、こちらは『現実主義勇者の王国再建記』のEDとなる。

愛美がアニメにタイアップするのは『運命の檻』での『断裁分離のクライムエッジ』OP以来約8年ぶりとなる。

こう書くと如何に歌手愛美の歩みが止まっていたか数字で実感させられるわけだが、このソロデビューがどのような方向に向くのだろうか?

 

 

彼女の演技に関しては、まぁ上手いとか言える要素は別にない。

 

まぁなんだかんだとキャリアは重ねた事もあり、本当にマシにはなったと思うのだが。

特に戸山香澄というキャラクターに関しては、演技にしろ歌にしろ、声の設定がとにかく合っていなかったキャラだったと思うが、今となれば割と問題はないだろうくらいにはなんとかしてきた訳で、彼女も努力してきた訳である。

 

とは言え、なんだかんだジュリアの演技・歌が一番良いというのは、そもそも演じるキャラクターが大概ブシロード内で供給される上に別に多くもないので変わらない印象。

前述の通り初期のボイスはそれはそれはひどかったのだが、よく今のかっこいい感じになったなと思う。

 

こう言うと今もクッソ下手くそみたいに思っていると思われそうだが、別に査定がDとEなのは悪くはない。良くはないが。まぁ最低限おかしな所はない。

条件として、彼女のスイートスポットに当てることが条件になるので、それが『最低限おかしな所はない』という表現が正しいのかは微妙だが。

ただ、ちゃんとスイートスポットにさえ当てれば良い感じになる、スイートスポットがクソ狭いけど。

 

歌に関しては、のびのび歌わせればパワーがある良い歌声をしていると思う。

彼女の歌声はとにかく伸びる。歌声が伸びるというのは歌が上手いと感じる大きな要素である。

声優のソロやキャラソンにおいて、単一的に音を伸ばすというのは言ってしまえばこういう表舞台に出てくる声優…という現代声優は音楽レッスンも必須な事を考えれば誰でも出来るわけだが、その上のレベルを彼女は言っている。

 

言ってしまえば彼女は歌手として生きた方が彼女の能力の高さをずっと示し続けられただろうという技量は歌にはあるとは思う。

特にちょっと低めの歌声とかにはクセも出ており、この出方は割と良いし、かっこいいという印象を抱かせやすいのではないか?と考えている。

声量もあるし、特にパワーが必要な楽曲ではこの辺りの長所がかなり活きる。

とはいえ、だったらバラードだと駄目なのかといえばそういう事もなく、別にパワーという引き出ししかないみたいな事は歌ではない。

 

再デビューに関して、バンドリとかでこねくり回されたせいでクッソ劣化してたらどうしよう…と思っていたが、まぁ思ったより大丈夫そうで安心した。寺川愛美という声優の長所は歌であり、歌が劣化したらもう終わりじゃん…ってなりかねないので。

 

筆者、声優過激派を名乗っているわけだが、寺川愛美に関してはこの理論とか出来る前の、それこそ声優にちゃんと明確に興味を持つ前に歌手として”愛美”の歌が好きになったので、度々”例外声優”という呼称をする訳だが、なんかこの愛美という声優、憎めない。

それは歌が上手い上に好みだったというこれまた実力面でのお話であり、何も顔が好みとか、正確が良いとか、トークが上手いからとかいうのが一番の理由とかいうしょーもないことではない事は声優過激派として示してはおきたいが(別に一番の理由じゃなかったら良いと思うけど)

実際彼女は喋らせたらおもろい関西人であるし、なんだかんだで愛せる声優である。(まぁ多少改善したしね、もう一人の例外声優は三澤紗千香だったりするがそれはまた別の話)

 

今回の再ソロデビューに関しては素直に喜ばしいし、愛美の歌が聴けることは不安もありつつもやっぱ嬉しい。

キングに入ったことでタイアップは安定して入ってくるだろうし、キング枠としてブシロード枠を蹴破って色々アニメに出演しそうである。

 

これはソロデビューという事で、今一度愛美という声優の技量が外で試させるという機会であることも忘れてはならない。

これが成長を見せる事になるのか、最初の方は生き恥を晒す事になってしまうのかは分からないが、どっちにしろブシロード内で最初ある意味で生き恥を晒したバンドリと比べたら、外で生き恥を晒した方が100倍マシだし、どっちにしろ寺川にとって経験とか、色々な面でプラスになる事は間違いないだろう。

 

暴投したら「寺川だから」で済むから、まぁそんな気負わずのびのびやって欲しい。

まぁ下手だったら普通に「下手くそ」って言うけど。言うけどね。

 

以上。