声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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#おにじ声優名鑑シリーズ Vol.07 楠木ともり

ちゃろ~、おにじです(激寒)

 

今回は、名鑑シリーズ。

色々ネタはあるのだが、形にできない日々が続きつつも、名鑑はなんだかんだ形になる方。

 

というわけで今回は、今年さらに名前を見ることになりそうなお方を。

 

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楠木ともり

第5回『アニストテレス』特別賞

ソニー・ミュージックアーティスツ

 

レーベル:SACRA MUSIC

生年月日:1999年12月22日

デビュー:2017年

出身:東京都

 

査定(2021年初版)

演技力:C

演技幅:C

歌唱力:B

キャラソン力:C

トーク力:C

実績:C

過激派的将来性:B

 

現代声優において、このような表現をすることは本当に稀であるが、楠木ともりという声優を端的に表現するのであれば『才能の塊』と言う表現が最も正しいのではないか?…と思わせる程のモノを彼女は持っているのではないだろうか。

様々なモノをやたらと求められる現代声優業界において、それを高水準でクリアしていく声優と言える素質を持っている。

 

SMAの近年の躍進により、聞き慣れたモノとなりつつ『アニストテレス』という文言だが、彼女は第5回の特別賞を受賞。

この頃から声優志望ではあったようだが、独学での勉強で経験がないと声優になるのは厳しいと考えて、歌手志望として受けていたとされている。

 

デビューは2017年の『エロマンガ先生』女子中学生役である。

またこの年に『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』優木せつ菜役が発表されている。

 

初メイン役及び主役は『メルヘン・メドヘン』鍵村葉月役である。

この『メルヘン・メドヘン』はどちらかと言うと悪い意味で有名となってしまったアニメであり、作画がもうエラいことになっていた。(結果最終話が1年後に放送されるという…近年でのこういうゴタゴタはこれと『レガリア』くらいではないだろうか…)

 

初メイン・主役での引きは最悪なものだったが、ソシャゲの『きららファンタジア』のきらら役や、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』のレン / 小比類巻香蓮役などが相次いで決定。

最初のメインラッシュは、ソニー・ミュージックアーティスツの”水瀬いのりの後継”としてのプッシュを感じさせた。(いや、この頃は伊波杏樹水瀬いのりの次のSMAのエースになるもんだと思ってたんですよ…?)

 

特に『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』においては、人気シリーズ『ソードアート・オンライン』の外伝の主人公を演じるという大役を担う事になったわけだが、その活躍は新人声優としては目をみはる物だった。

演技の面では、GGO内のアバターである”レン”と、実際の姿である”小比類巻香蓮”の演じ分けを要求された訳だが、ここをしっかりと演じ分けることが出来ていたと思う。

新人の段階で2つの役を同時にやらされる事というのは別に近年特に珍しくはなくなってきてはいるのだが、これをちゃんと出来る声優というのは、割と技量としては認められるべき所ではあるように思う。

 

また、この作品ではEDも担当。

歌手志望としてオーディションを受けたという事をよく理解させられるくらいには、キャラソンの域をある意味で逸脱したものだった。

声優のキャラクターソングというものは、基本的に発音がしっかりしており、声が非常に太く(濃く)聴こえる事が多いと筆者は考えている。

これは別に声優を悪く言う表現ではなく、声優という職業では声をはっきりと発音する滑舌であったりが重要だし、キャラクターソングにおいては、キャラクターの声で歌う事が何よりも優先されるべき事である為、この傾向である事はむしろ素晴らしいモノである。

 

しかし、彼女の『To see the future』はこの時点で”やたらと”歌声に透明感があり、声優の歌い方から逸脱していた物だったように筆者は当時感じた。

まぁこれが”キャラクターソング”の範疇だったのかどうなのかという所に関して、異を唱えたい人間もいるような気はするし、それに関して否定をする気もないが、この時点で彼女の歌唱力という物の高さを垣間見えた事は間違いないし、この歌であれば、アニサマに出ることは何も恥ずべきことではないと思う。(まぁ今のアニサマなんて誰が歌いに行っても良いって言われそうな気はするけど)

この年は『アニマエール!』舘島虎徹役もメイン役で獲得しており、躍進の1年となった。

 

2019年はアニメでは『アサシンズプライドメリダ=アンジェル役をメイン役で努めており、ゲームの方では、この年から『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』がようやくリリースされている。

 

昨年は霧島ロミン役を務める『遊☆戯☆王SEVENS』がスタート。

デカダンス』ナツメ役も務め、この年はメイン役率がまた上昇。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』もアニメ化され、アニメの出来もあり、非常に好評な形に。

 

そして、この年ついにソロアーティストデビューを果たす。

この前から、ライブなどは行い、オリジナル楽曲に関しても発表はしていたのだが、時間をかけて割と規模の小さめなライブ等をふまえての満を持してのソロアーティストデビュー。

レーベルはSONY直下のSACRA MUSICと、めちゃくちゃ大事に育てた上でのデビューだった。

ミーシャ・ネクロン役を演じた『魔王学院の不適合者〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』のEDとして使用された『ハミダシモノ』は、デビュー曲としてはクソ強い曲だった。

楠木ともりという存在に関しては、”可愛い”という所が押し出されるのだが、アーティスト”楠木ともり”に関しては”カッコイイ”を押し出している。

歌声の力強さであったりと、とにかく根底から感じるパワーがあり、ソロアーティスト活動をすることに否定的な事は言えない出来である。

というかもうシンガーソングライターの域に片足は突っ込んでるんだろうな。

これでいて歌唱力全振り系とかじゃないんだから本当に助かる。でもこんな事できる奴たくさんいてたまるかだよなあ…(筆者としてはソロやるならこういう声優をどうしても求めてしまうわけだが)

 

また、メイン役ではないが『魔女の旅々』のセレナの演技は圧巻。

詳しい事は言わないのでまず見ろって感じ。

 

今年は、ソニー色が強い『ワンダーエッグ・プライオリティ』青沼ねいる役をメインで演じており、

この後、『精霊幻想記』ラティーファ、『先輩がうざい後輩の話』五十嵐双葉、『マブラヴ オルタネイティヴ鑑純夏が控える。

特に『マブラヴ オルタネイティヴ鑑純夏は大役と呼べるであろう。

まぁ彼女なら問題なく演じてくれるであろう。まぁそれで原作ファンが満足するかどうかは別として。(まぁ下手な事は間違いなくないだろう)

しかし『月姫』がリメイクされて『マブラヴオルタネイティヴ』がアニメ化される2021年ってなんなんだ?(

 

すでにドラマCDで月ノ森真白を演じている『友達の妹が俺にだけウザい』もアニメ化が決定している。

ここに来て、様々な声の引き出しを更に開け始めている感じもあり、メイン役に関しても増加傾向。

2ndシングル『Forced Shutdown』もリリース。こちら作詞作曲楠木ともりとなっております。

 

2021年、楠木ともりという声優・アーティストはもう一段の飛躍となるだろうか?

 

 

彼女の演技能力という所は、『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の頃から、まず”叫べた”所で素質がある。

声優において、分かりやすく技量が出るのが”叫ぶ”という演技と”泣く”という演技である。

実際、叫べない声優なんて現代声優業界においていくらでも居るわけであり、この”ちゃんと叫べる”、”腹の底から叫んでいる”、”感情としてしっかりと叫べている”という所は、現代声優においての重要なポイントだと思う。

 

また、キャラクターの範疇での感情表現の仕方が上手い方向はあるように思える。

端的な”感情表現が上手い”ではなく”キャラクターの範疇での”という表現をするのは、”感情表現が上手い”という中にも種類があると筆者は考えているからである。

 

端的に”感情表現”と言っても、キャラクターの範疇から突き抜けてしまうのか、キャラクターの範疇の中で最大限の感情表現を行うのかというのでは差がある。

これは、別にキャラクターの範疇から突き抜けてしまう事が悪いことではない。

若干のキャラクター崩壊的な所をゴリ押せてしまう演技力や、感情表現力があれば問題はないし、強烈なインパクトを与えることが出来る事もある。(逆に言うと本当に技量が整っていないとただのキャラ崩壊にしかならない危険な芸当とも言えそう)

一方でキャラクターの範疇の中で最大限の感情表現を行う事はキャラクターに寄り添った表現とも言えるし、その最大限を攻める事もこれまた難しい要素の一つである。

キャラクターの中での表現というのは、制限された物であり、声優としてはそれが当然の制限なのだが、その事を実際に守れているのかと言われれば微妙な所もあるのが現状である。

 

彼女の場合は、キャラクターの範疇の中で最大限の感情表現をすることがうまい方向性に現在の所は見える。

キャラクターを崩す事なく、それでも感情表現としては十分、十二分なモノを引き出してくる。

可愛いキャラクターが怒る時に、可愛く怒る場合もあれば、怖く怒る場合もあるわけであり、怖く怒る、声はそんなに怒っていないけど明らかに雰囲気が怒っている…みたいな微妙な加減というモノが出来ている印象が今の所ある。

 

また、声の引き出しに関しても、一定以上ある感じであり、特に今年のメイン役に関しては割と色々な声を出してくれそうな感じがある。

ここに来て引き出しを開け始めた感じすらあり、筆者としては期待したい要素の一つである。

彼女は恐らく『少年役やって』と言われても普通にできるタイプ。

少年役の需要というのは、割と声が高い男であったりに持っていかれている所もあるのだが、筆者としては女性声優の少年役というモノが好み。というか女性声優の花形の一つだと勝手に思っている。(まぁ最近は少年役やる女性声優でもそんなに上手くない人もいるけどさあ…)

 

歌に関しては、歌い方が声優のそれではない。歌手方向に完全にベクトルは向いているのがすごい所。

『声優:楠木ともり』と『歌手:楠木ともり』で全く見せる顔が違う所が、彼女を”才能の塊”と表現するべきなのではないか?と思う所の大きな理由である。

『ハミダシモノ』で見せた根底から感じるパワーは素晴らしいものだったし、カッコ良いと思わせることが、声優の時とは全く違う印象をもたせている所である。

それでいて、バラードやパワーで殴る系の歌でなくても、非常に良いものを持ってくる。

歌の時の歌い方、歌で必要な声の伸ばし方や、発音の仕方、息の使い方というのは声優と歌手では方向が違うし、どちらがどちらをやっても多少の違和感を持つ事というのはあるはずなのだが、彼女に関してはそういう事がない。

声優の時には声優に必要な事をしてくるし、歌手の時には歌手に必要な事をしてくる。

これで最新のシングル『Forced Shutdown』収録楽曲は『作詞作曲:楠木ともり』が並ぶ訳だから、もうシンガーソングライターの域と言える所を平然とやってくる。

明確に違う顔を持ててしまう所は半端な物ではない。ぜひ歌手はこの路線を貫いて欲しい。変に可愛い曲とかもう歌わなくていいと思う。”歌手:楠木ともり”はそっちの方向ではないと打ち出し続けているのだから。

 

楠木ともりという声優は、雑に表現するのであれば”才能の塊”という表現がやはり似合うのだろう。

演技に関しては、今後の作品で色々とメイン役を張り、そこで様々な引き出しで演技を見せてくれる予感を感じる。

歌手としても、もはや声優の域から逸脱した、ただの”SACRA MUSIC所属アーティストとしての邁進を期待したいし、どのような曲を出してくるのかが楽しみではある。

Wikipediaに『日本の女性声優、シンガーソングライター。』と書かれるだけのことはあると思う。(Wikipediaにそんな威厳はないだろ)

これでまだ21とかなんだから半端な物ではない。20前後でもう強い…というのは、ベクトルは違うが20頃の花守ゆみりとかと衝撃の度合いというのは近いのかもしれない。

とんでもない有望株である。こんな色々出来てしまう人間が、無理して踊る必要なんて微塵もないのだから、身体は大事にして欲しい。

 

あとは、大きな代表作がドカンと欲しい所。コンテンツ系統に頼らない明確な代表作がついてくるような事があればもう心配はいらないはず。

彼女の活躍はまだまだ序章であり、この目に疑いが無いことをただ祈りたい。

 

以上。