おにじと申します。
今回は、エロゲ製品版感想。
ゆずソフトがついに新作を発売。『天使☆騒々 RE-BOOT!』の製品版の感想を記載しておく。
体験版範囲の感想は以下の通り。
プレイ前所感
ゆずソフトは、現在におけるエロゲの玄関みたいな存在。
キャラゲーとしての地位を確立しているブランドと言えるであろう。
その中で、ゆずソフトはゆずソフトとしての前作『喫茶ステラと死神の蝶』から、3年以上が経過することとなった。
これはゆずソフトSOURにおける『PARQUET』、『天神乱漫 Happy Go Lucky! 逆移植版』や、『PENTA BOX』などを行っていたからという言い方も出来る。
正直な話、15年目を迎えたその年のゆずの動きは、地味というか、これまでのアイデンティティを尽く捨てた期間という言い方をどうしてもしてしまう。
コンスタントを捨て、振り返らないことを捨て、CS化を久々にしたりと、まぁ色々とあげていくと多そうなのだが。
そこまでする必要性が果たしてあったのか、それは結局のところ分からない部分も多いわけだが。
まぁどちらにせよ、ゆずソフトはこの3年間、ゆずソフトとしてはエロゲを出さなかった。このようなことは、ゆずソフトが始まってから一度もなかったわけであり、非常に特殊事例という言い方も出来る。
この期間の間に、ゆずソフト始まって以来のスタッフの追加というのも行われている。
長年、ゆずソフトと言えば?という所の原画、むりりん・こぶいちのタッグで作られてきた訳だが(千恋万花の時に煎路がいたときがあったけど)この期間中に羽純りお、ほかんという二人の原画が増えている。
この二人は羽純は『PARQUET』に参加していたし、ほかんはASMRの方の一枚絵などを担当。ある程度の慣らし期間を経て、今作のサブヒロイン、サブキャラの原画を担当している。
作品としての気合というのは一定以上感じる部分がある。特典的な所もそうだし、OPが久々にフルアニメーションだったりとか、そういうのは節々に感じる部分はある。
長年やっていく中で、マンネリ化というのは存在するし、それは近年ゆずソフト作品に感じていなかったわけではない。ゆずソフトというブランドは、あまりにも世間においての玄関過ぎることで、攻めたことがしづらくして仕方がなく、もうやれることがないみたいな部分がある。
だからこそ、色々と挑戦してみようとしたような気はするのだが、正直な所成功とは呼びにくいものとなってしまった気はする。(このあたりの話は体験版の序文、発表時などの各記事に書いているのでこのくらいにしておく)
そういう中で、今作はどのような仕上がりとなっているのか、注目があつまる作品となってくる。
今回は時間もアレではあるので、比較的簡易気味に…というか、筆者長文エロゲ感想をずーっとやりたくないのである。なんか結果的に長くなってるだけで、出来るだけ短くしたいんだよなあ…w
雑感
では、それぞれのルートの雑感を記載した上で、最後に良かった所、悪かった所を全体的に評価する…という今までにあんまりない方式でやっていきたいと思う。あれ?あんま変わらんか?(
かぐ耶ルート
・この順番にやった理由
もっともメインヒロインで刺さっていなかったから。
前々から思ってるんだが、筆者巨乳爆乳超乳大好きマンなのだが、ことゆずソフトにおいておっぱいの大きいキャラの打率が高くない。
希もそないにやし、まぁ茉優はまだ刺さったかな。いやレナも悪くはなかったんだけど、他が強かったし。
・良かった所
刺客が来た所とかの所は、主人公の対応とか含めて、魔王設定をしっかりと活かしつつ、みたいな所があって好感触と言うか。
そこまでの過程が非常にかぐ耶のエロ方向のプッシュが強かったわけだが、ちゃんと主人公が主人公している、かつ設定である前世魔王という所も一応使っての形というのは良かったんじゃないかなあと。
過程が過程しているのは、ゆずソフトらしいし。まぁ急に止まったり、結局行ったり、そういう感じがこのルートは強めだろうか。
勃起したい云々の所でひと展開作れるというのは、もしかしたら賢いのかもしれない。
好きな人が出来ても勃起できない、勃起できないのをヒロインが助ける、その中で他ヒロインも絡みつつ活路をみたいなのが出来るので、話の起伏が作りやすそうだな今回と思った。
ゆず作品ってこういう所で展開の引き出しが不足してダレる場合もあり得るので。
ヤってから、子供が出来てなくて怒ってるSDの所非常に好き。うるせえよ遥そら。いつも通りで安心。エッチも馬鹿みたいにうるせえ。それが遥そら。安定。
・よろしくなかった所
やっぱり最後までキャラとして刺さってこなかった。これは個人的な問題ではある。
ここまでお姉さんお姉さん方向でエロエロアプローチされて刺さらなかったの何が問題だったのか。
遥そらの声系統この辺に集まりすぎ。いつもと違うっちゃ違うんだけど、そこまでの差異を感じられなかった。やっぱりこの人は使ってないけどたっかい所とかの方が好きなのかも。いや通常の高さでも好きなのは結構好きなんだけど、今更この音域周辺で攻められても、遥そらの過去ヒロインが強すぎて超えられないというか、勝てる戦いにならない。
この音域だったらもう遥そらはええかなって、それこそ羽月のときも思ったが、その感想は別に今回も変わらなかった。
最終的な展開が非常にテンプレ過ぎる感が否めない。
いわゆる異国、異世界の姫系統は、こういう跡継ぎ問題系統が当たり前のように出てくるが、それを地で行きすぎだろうみたいな所は否めないかなあって。
話としての盛り上がりに欠けるというか、そりゃそうなんだろうけど…みたいな感じが強すぎるというか。
囮作戦系統に関しても、まぁ良いんだけど、良いんだけどさあ…
兄弟系統で争うのとかもそうだけど、このあたりの捻らなさすぎ感はなんなんだろうな。まぁこうするしか無い気はするんだけど、するんだけど…シナリオとして平凡過ぎる気が…
・まとめ
やっぱりゆずの巨乳爆乳があんまり刺さらない。なんだろうなあ…とにかくキャラも刺さらなければ、シナリオも刺さらなかった。なんなら一々良い反応するオリエとか、失言しまくる来海の方が好きまであった。
まぁ発表時点からこうなることは想定されてはいたので驚かないが、巻き返してくれる要素が最後まで存在しなかった印象。
勿論さいごのかぐや姫的描写とかは割と良かったと思うんだけど、とにかく多分筆者が永遠にかぐ耶に刺さっていなかったことがすべてだと思う。多分刺さってれば印象がもっと違う。何も刺さってこなかったのが原因。
風実花ルート
・この順番にやった理由
最もこのルートが本編から遠いことが推定され、かつこれまでのゆずソフトサブヒロイン二人体制事例を踏まえ、最も短いことが想定されるから。
明羽杏子はよやりたかったから。アマカノ2+もあるので、そんなにもったいぶる必要性も感じなかったから。
・良かった所
前世の気持ちと、今の気持ちというのがつながっているのか?という所への比重が非常に高いルート。このルートに限ったことではないが、割合としては作品の中でもかなり高い部類に入る。
このような前世系統作品は、いわゆる過去の縁というものから話が始まる場合も多く、それが本当の気持ちなのか?みたいな所は考えられるわけだが、そこをめちゃくちゃ考えている。
風実花がとにかくかわいい。
主人公と歳は離れているのだが、先生と学生でもあるというこのややこしい関係が、キャラとして様々な顔を見せる作用にも繋がっている。
先生として頼れる場面もあれば、幼馴染としての近い関係、それがあっての複雑な気まずい状態が起きたり、その関係性によって展開が突飛になったりもする。
それでいてしっかりと大人として悩む場面もあり、色々な顔が見れたのは嬉しいポイント。
サブヒロインは毎度挑戦的なエロシーンを目指している傾向があるが、このルートのエッチシーンはかなり体勢やシチュが特殊な事例が存在していて、ゆず攻めているなあ、今回の実験枠はここかな?と思った。
知っているが明羽杏子の演技が当たり前のように素晴らしい。
こういうサブキャラでもしっかりと破壊力を伴ってくるというか、イケナイコトしよう!のノリがこのルートはあるのだが、そういう時の熱みたいなものをしっかりと感じられるようになったのは、ここ数年の成長を感じられる。
まぁそういう所以外も滑舌とか含め上手いんですが、まぁこれはいつも言ってることだし割愛。ウザいだろ、メインのときにもっと言うわ。
羽純りおの原画が明らかにゆずソフトナイズされている所。
PARQUETでは近かったものの、パッと見で分かるくらいには違和感が存在した羽純原画だが、めちゃくちゃむりこぶに寄っていて違和感が少なくなっていた。サガプラの複数原画並には分からない。
立ち絵での違和感の少なさは、ほかんよりも羽純に一応軍配。まぁどっちもかなり寄せていて両方褒められるところではある。
EDが明羽杏子歌唱だったこと。
これは予想外。ヒロインに歌わせることがまぁゆずはないので。
まぁ明羽は歌わせとけやみたいな所あったが、マジで歌ってくれてこちらとしては嬉しい。
明羽の初歌唱って『響野さん家はエロゲ屋さん!』(Sonora)なのだが、あの頃から上手かったけど、まぁ上手いよな。
・よろしくなかった所
先生と学生のルートのくせに先生側の貞操観念が終わっている。
幼馴染要素が入ったことによって、関係性があるから、なし崩し的なみたいな方向性が優先されたんだろうなあとは思うのだが、教師として幼馴染とは言え、こんなことしちゃダメだろってことしかしていない。このルート付き合うの最後の最後なので、付き合ってなくてこんなことしているの恐ろしい。
そりゃ魔王関係とかが分かっている唯一のルートではあるので、それをなんとかしたいって考えるは考えると思うのだが、教師だぞ教師って所は否めない。
あまりにも過程にフォーカスしすぎ。
サブだし、最も短いルートなので仕方ない部分はあると思うが、付き合ってからのイチャイチャが最も見れないルートとなっている。
もうちょっと流石に見せて欲しかった感じがあるが、これは先生と学生という所でのイチャイチャ系統をやると賛否両論が出るからなのか…
天色のトラウマを未だに引きずっている部分もなくはないのかもしれない。
でも、こんなに良いヒロインの幼馴染的なところも、先生的なところも見れるような状態を活かさないのは非常にもったいなかったと思う。
これに加え、前世云々の所での話で悩むのは良いんだがちょっと長い。このバランスになるくらいならもう少しどこかで割り切れるポイントを早めて欲しかった。
しかもその割り切られ方も非常にあっさりとしているというか、初回の想起の時点で「これエッチしてなさそうですけど」っていうのが分かっている状態でここまで引っ張ってそれかい?感が否めなかった。
それならもっと早く決着してイチャイチャを見せてくれよと。短すぎたのが悪いとは思うが、キャラの魅力を引き出しきるという所では不足感がある。
流石にCG系統になると羽純に違和感はないとは言えない。
特に裸になった時に違和感が増すか。まぁこれは仕方ないと思う。
ただなんというか、最後玄関の携帯電話持っているCGが単純に風実花っぽくない。
なんか目がデカすぎるんだと思う。そっちの違和感は勘弁して欲しかった。お前これエロ以外ならラストCGなんやぞって思った。
・まとめ
ヒロインの可愛さを引き出すことに成功しているが、くっついてからがほぼ存在しないので不完全燃焼感は否めなかった。
幼馴染×先生というなかなかな設定を、幼馴染のために行き過ぎるみたいな所でキャラの良さを引き出すことには成功した。成功したが、それで貞操観念が終わっている先生が爆誕しているとも言える。
この設定にすることで、他ルート出演頻度を確保しつつ、幼馴染要素でメリットを引き出したが、先生要素が貞操観念のなさや、教師と学生という禁断の恋という所の切り口がほぼ存在しなかったのはどうなんだろうみたいな感じにもなっている。
全体的には結構好きなルートで、とにかく風実花が可愛いし、健気というか、主人公を助けたいんだなあって思えるルートでもあるし、そこから主人公が如何にしてこれを魔王関連じゃなくて風実花が好きなんじゃい!を伝えるかみたいなところも良かった。
キャラ設定をこれにすることでのメリットを上手く享受しているが、それの広がりは不完全燃焼だったのと、このキャラ設定にすることのデメリットも享受している(先生なのにこんなエッチな事付き合ってもないのに…/先生と学生の禁断の恋への抵抗感ほぼなしなのはどうなん?みたいな)のは欠点かもしれない。
EDは嬉しい誤算。ありがたかった。
ゆずソフト、次出す時は明羽杏子メインで出してね。次出す頃にはゆずくらいしか呼べないかもしれないから。頼むよ。ね。
来海ルート
・この順番にやった理由
まぁ流石に天音と乃愛は最後に回すし、サブ連続も嫌だしなあ~って感じでここでやった。一番ポジショニングに迷うヒロインでもあったので。
来海は来海で面白そうな感じはしたので、そこそこの期待を持っている部分もあった。
柳ひとみへの期待もあったり。
・良かった所
これは体験版の段階から分かっていたことだが、柳ひとみの声を使う上で、高いのも低いのも両方とも使われているというのは良い所である。
スレイの低めの方が使われているのが良い。しっかりと声優を使い切ってやろうという姿勢はあんまりこれまでのゆずではなかったと思うので。
前述したルートと重複しているところもあるが、こちらも前世の記憶と自分は影響を受けているのか、同じか違うか?という所を割としっかりと考える。
来海の前世のスレイは明らかに魔王アリオンのことしゅきしゅきであるのだが、まぁ~素直じゃないという言い方も出来るわけで、それを延々見せられる来海の気持ち~みたいな所はある。
その中から自分は魔王じゃなくて主人公が好きなんだっていう所へのアプローチがこちらも非常に長く、丁寧に行われている。
前世:魔王という所に対して、お試しで付き合うという入りをしつつ、設定を活かしながらも、それでも主人公が好きなんだぞっていうのを明確に丁寧に提示することで、少しでも地雷を踏まないような配慮がなされているとも言う。
前世だけど、それはそれではないよみたいなね。
来海のキャラ設定が大分気遣われていそうな雰囲気を感じる。
いわゆるギャルっぽい設定である来海ではあるのだが、その上で非常に頭が良い、センスが良いという所で展開的にキャラはありつつも、そのキャラによって展開が遅れるという所が少ない感じで、ギャル系ってアホキャラに振ることも結構多いと思うのだが、そういう感じにしなかったっていうのは良かったんじゃないかなと。
そんでもって割とむっつりというか、言葉を知りすぎている所があるので、これでギャグ方向にも振れるみたいな感じで、キャラとしてのバランスが整っていたことで、魅力も引き出せたと思う。
来海の性格というか、傾向というかを示しつつ、最終的なワンプッシュの為にヴェガというキャラを置いたことは、まぁ舞台装置的な所は否めないとは思うが、舞台装置としてもキャラとしても結構嫌いじゃないルート限定キャラにはなれた気がするので、まぁ良いんじゃないのかなあとは。
結果的に一番シナリオがしっかりしていたのはこのルートな気はする。
まぁ明らかにかずきふみが書いてるからね、そりゃそうと言えばそりゃそうなんだろうけど。
あとサブキャラのチカ・カエデコンビもノリはギャルチックな所ありながら、ええ奴らって感じで良かったんじゃないかなと。あんまりああいうサブキャラポジって多くはなかった印象があるので、使い方としてどうなるかなと思ったけど、一番使われるべきこのルートでの使われ方が良かったので良いのかなと。
基本カエデ側がボケなんだけど、ヴェガと遊ぶ時だけめちゃくちゃチカがやばくなってて笑った。
とりあえずCV柳ひとみは不憫キャラをやらせるとバチクソにハマるのだが、それをゆずソフトがやるとは思わなかったなあと。
スレイ、めっちゃめんどくさい女なのだが、最終的に好きで仕方がないアリオンを貶めるような工作をしなければならなかった訳で。まぁ最終的に自殺を選ぶことになっているので、ド不憫な訳だが、こういうのを柳にやらせると本当にピカイチ過ぎるので、この使い方をしたのは偉い。すまんな柳(演技する側としてしんどいのばっかりやらされてない?柳)
イラマチオ伏線が回収は爆笑した。そこまでやるんやなゆずと思いつつ、笑いが勝った。
・よろしくなかった所
かずきふみの出力が抑えられすぎててゆず基準になりすぎてるやろみたいな所はある。
まぁ他のルートとのバランスを考えれば仕方ないとは思うのだが、ステラの愛衣ルートよりも大人しかった。いや、愛衣ルートだけ別ゲーだったことを考えればこれが正解なのかもしれないが、もうちょっと起伏作れる人がめちゃくちゃ起伏を作らずに書いたシナリオって感じはするんだよな。
まぁそれでも構成として一番しっかりしているのを出してきたとは思うので、意味がないとは言わないが、ゆずでかずきふみが書く必要性ってそんなにないよなあって思う。
まぁ最近めちゃ増えてるせいで当たり外れ大きいんだけど。ツヴァイトリガーさーん!(
まぁだからシリアスがちゃっちいモノにななっちゃうんだけども。
別にいいっちゃ良いのかなあ~、正直今作においてまともなシリアスってこれくらいだった気も…いやまぁ天音にも、乃愛のもあるにはあるので、どうなんだろうとは思うけど…
まぁでもゆずだしなあ…w
実質的に考えれば、(仮)と言いつつ全く(仮)ではなかったので、別にいいっちゃいいのだが、このルートも風実花と同じで仮関係みたいな所をずーっと長引かせるルートとはなっているので、そこは個人差が出てきそうなところな気がする。
ゆずソフトは過程というのを大切にするし、それは凄く良いことだと思うんだけど、そこのバランスがめっちゃ過程に寄ってるなあ~側に属すると思う。
あとまぁ、かなり前世云々の要素が濃いルートなので、キレる精神ゆずキッズは存在する気はすると思う。
精神ゆずキッズは、主人公としかヒロインは良い雰囲気になるな、みたいな謎基準を持ち合わせているので、このような方式は好ましくない可能性が高い。
まぁそういうのを黙らせるために相当丁寧に行った節があるのだが、まず最初の段階で絶対に文句を言う層が存在する。まぁもう無視しとけばいいと思うけど。何も書けねえよじゃあ。
ヴェガが唐突なのでは問題。
まぁこういうのは毎度出てくるというか、一応前に言ってはいるからなあっていうのはあるので難しい所。
別にヴェガを出さずとももうひと展開はかずきふみなら余裕で作れた気がするが、これがゆずのどんなライターでもバントさせる精神みたいなところもなくはない。
・まとめ
全体的な話の構成として最もしっかりしていた部類のルート。
ヒロインに対してのキャラバランスが非常に万人受けの綱渡りを意識しているモノであり、それぞれの要素においての良い所、メリットを最大限拾いながら、デメリットは最大限拾わないように出来た方だと思う。来海のキャラバランス、中々複雑な上で成り立ってると思う。
まぁせっかくしっかりしているので、もう一山二山あっても良かった気はするが、それをやめてヴェガを置いてそっちの方でやるっていうのはゆずらしいというか、ああいうキャラを置くことで展開を確定させていく感じというのも悪くはない。悪くはないが、せっかくならもうちょいシリアスに振っても良かった気もするが…まぁゆずだからなあ。
キャラとして陽である来海だが、その中で色々な感情というか、モードを出せるというのはゆずらしいとも言える。割とこのルート好き。
柳ひとみを使い尽くすという所でも良かったかもね。
サブキャラの使い方っていう所ではやっぱ上手の方になる。
ヴェガにしろ、友達二人にしろ、何にしろ。そういう所で強い部類。
ヒロインとしての期待度はまずまずだったのだが、上がり目という所では来海は上位である。
オリエルート
・この順番にやった理由
来海ルートの方にも書いたが、サブ連続にはしたくない、風実花の方が遠そう、流石に天音と乃愛の前にやりたいって感じ。
久々の夏野、攻略ヒロインすら久々だけど大丈夫かなあ?と思いつつ、夏野は夏野なので期待が高まる。
・良かった所
夏野への不安の部分はほぼほぼ杞憂だったと思う。いや~本当の声優はある程度いっても大丈夫ではあるし、夏野もその部類だとは思ってたんだけども。
いやまぁ、厳密に言えば恐らく若干安定感を失っているきらいはあると思う。声の安定性ね。ただまぁ~この人何年ぶりの攻略キャラやねんと。でもってこのレベルで出してきたらまぁ~褒めるべきでしかないやろってことで。夏野は夏野!ゆずソフト過半数出演女!
オリエがクソかわいい。なんというか、ルートでここまで可愛くなることを想定はしてなかったのかもしれない。
真面目で健気って感じに上手い事落ち着いた所はある。まぁ明らかに途中から声のトーンが変わってくるからね、他のルートと。ちょっと愛莉方向に近づいていくから、愛莉ではないけどな!
海のかき氷SD、非常に好き。
まぁ取っ掛かりとして電化製品の使い方っていうのは、まぁ用意した設定を使ったという感じ。
これくらいしか引っかかりが存在しないというか、オリエを落とすにはこういう業務的な所からみたいな所はあるとは思うけど。
・よろしくなかった所
一番共通からキャラ崩壊してるルート。
可愛いんだけど、このルートのオリエ序盤からお前そんなんじゃなかっただろみたいな所がついて回る。
明らかに態度が軟化しまくっている。いやまぁそりゃそうなんだけど、そりゃそうなんだけど、お前かぐ耶ルートとかでエロ話題とかでめちゃくちゃ慌ててる側の人間が日々の感謝でいくら魔王関係の話があるからってチンコ握るの早すぎるやろみたいな所はある。
風実花ルートよりも長いし内容があるはずなのに、イマイチ内容に関しての印象が残りにくい部分があるルート。
まぁ~こればっかりは魔王関連の話が薄くなるとこうなってしまいがちというか、こういう日常的な業務からの過程じゃないとオリエを落とすのは難しいと思うので、致し方ないのかなとは思う。
異世界人とやっている割にめちゃくちゃ日常的なんだけど、使い方が分からない理由は異世界人だからなので、それはもうどうなんだろうみたいな所があり、このルートってどうやねんみたいな感じに。
・まとめ
とりあえずオリエが可愛ければそれでいっか、みたいな一番頭空っぽルート。
もうちょっとかぐ耶が絡んでくると思ったら絡んでこなかったので、なおさらそういう所が増した感じはする。
異世界人引っ掛かりがありそうであんまりない、魔王関係もないという、まぁサブらしいと言えばサブらしいのだが、風実花の方がどっちかっていうと近かったまであるっていうのはあんまり想定してなかったのかもしれない。
とりあえず夏野こおりでゴリ押ししているルート。夏野である程度ゴリ押し出来てしまうので成立しているが、それが良いのか悪いのかで言うと良くはない気はする。
声優でゴリ押したリドジョみたいな雰囲気をこのルートでは感じるのかもしれない。
ただ、そんなことは言いつつもこのルートのオリエは非常に可愛いとは思う。
天音ルート
・この順番にやった理由
妹だし、夏和小だし、言うて二番目ヒロインなので、最後から二番目の所に置くのが自然かなあという感じでここでやることに。
夏和小3連投で明確に現代ゆずエース感も出てくる気もするわけだけどどうか。
そもそも、結局本当に実妹なのかみたいな所から始まる。ゆずなので特に。
・良かった所
実妹で勝負した所。今までのゆずだったら絶対に出来なかったと思う。
ゆずはもう攻めた時点で褒めてあげないといけないくらい客層が凝り固まっている(確立されているから良いことでもあるんだけど、ゆずの場合許容範囲があまりにも狭すぎてやれることがないので)
しっかり実妹で勝負出来たのは、まぁ近年の実妹ヒロインの純愛作品での多さが助けた部分はあるとは思うが、それでもようやっとる。
実妹である所におけるあらゆるハードルに関して、魔王関連、前世関連を絡めながらなんとか全部薄くならないように努力をした形跡が見られること。
結果的にどれもが十分だったかと言われると微妙なポイントは存在するように思えるものの、大体こういう時のゆずはどれかをほぼ完全に放り投げる傾向があるので、投げなかったという所を評価しておきたい。
前世との絡め方において、最も直接的に行ったルートの一つであり、前世での関係性というのが、今の関係性に繋がっている部分もあるはあるが、でもそれでも今好きなのであって…みたいな所をしっかりと描いていることは評価するべき。
ヴィズの使い方として、隠れ蓑みたいな所から、ヴィズはヴィズで活躍して終わるみたいな感じで、一番前世が活躍したルートになっている。
ヴィズはヴィズで主人公と魔王は違うってというのを示しているのは、本当に地雷処理お疲れ様ですというか…w
実妹ルートにおいて、周りに祝福されるという方向性では描かなかったことを評価したい。
ゆずソフトという性質上、やはり他ヒロインなどから祝福されるという所も一つの特徴な訳で。
そういう中で、やはりタブーであることには間違いない実妹との恋愛をしっかりとタブーとして描いたことは評価されるべきだと思う。
もう少し楽観的な形を想定していたが、実妹との恋愛においての受け入れられなさとか、どうしようもなさとか、そういう暗い部分もしっかりと描写したことは正しいと思うし、こういうのでこそ実妹ルートだと思うので、ここまでゆずがやったことは良いことだと思う。
締め方という所ではかなり良かったルートだと思う。
こういう所で、名言されているわけではないとは言え、大人である風実花がアドバイスはしっかりしているとか、そういう使い方は良かったんじゃないのとも思う。
CV夏和小メスガキ妹、キャラとして強くないわけがない所はある。
夏和小はしっかり夏和小して、しっかりとキャラとしての魅力を引き出していた所があると思う。
・よろしくなかった所
天音のキャラ性が、ここ最近のエロゲ妹のキメラかお前みたいな感じで、仕方ないとは思うのだが、あまりにも要素要素を取っていこうとし過ぎじゃない?っていうか。
こう、実妹の所で結構近年流行ったのと、自分の所の妹を足して3で割ったらほぼ天音なんだよな。マジで(新海天+和泉妃愛+在原七海)÷3したの天音。で、声は夏和小っていう。
いや、別にいいんだよ?キャラとしては良い方だと思うしさ。でもなんというか、こうここまでやっていなかった間に流行ったモノごった煮にしました感が拭えなかったんだよな、天音ってキャラが。まぁ同じ声優の前がナツメなんだから、負け戦以外の何物でもないんだけど。勝てないもの、ナツメに。
実妹における話においての、背徳感云々とか、葛藤とか、そこに前世の話と、ゆずソフトで処理するのは難しい難題がドンドンドーンと3つくらい並列したこのルート、出来るだけ頑張ろうとしていたのは間違いないが、完全に処理できてたかっていうとそれはまた話は別だとは思う。
よくやっていると思うし、ゆずの中ではようやった方ではあると思う、それぞれの話を絡めるっていうのもゆずは得意ではないと思うので。
ただ、まぁそういう絡めるのは上手く行ったほうだし、葛藤もしていたとは思うのだが、くっつく事自体は割と早めで、そこからの関係性での葛藤的な所が強かったので、そこをどう受け取るかみたいなところもある。
父母がいる家でこういうことやっている割に父母とかはあんま使えた感じもないっていうのは、いつもの…と言えてしまう部分かもしれん。
まぁでも…これでやっぱりこんな関係やめたほうがいいとかやりだすとグダるのは目に見えてるので、まぁゆずとしてのベストはこのへんかなあって気はしてるんだけど。
ヴィズ絡めるならもうちょっと多くても…と思うが、これをやると主人公とヒロインではない前世の~って精神ゆずキッズがわめき出すからこんなもんなんかな。
どっちにしろ異世界に飛んじゃいました系統の所とかはもうちょっと丁寧に出来んかったんかな。
いやまぁあそこをめっちゃ長くした所でなんやけど。それでもぽっと出になりすぎるし、もうちょっと三国さん大切にしてあげてくれよとも思うし。
まぁ~でもなんだかんだ魔王とヴィズが両方で~みたいなオチになってるのは嫌いではない。ただ、ここにもう少し構成力が欲しかった気はする。まぁフラグあっただけマシと言えばマシなんだが。
・まとめ
実妹という所をヒロインに置くという、ゆずソフトらしからぬ攻めが印象的なルートである。このような攻めは空いたからこそ出来るみたいな所もあるので、やっておいて良かったと思う。
そういうのをCV夏和小と絡めることで、比較的人気声優置いて中和している所もある。
まぁキャラ性としては普通に良いし、人気になるんじゃないかなと。
でもほぼCVが夏和小の新海天なんだよなコイツ。コレほぼ新海天なんだよ。かずきふみが書いてるのかと思ったもんな最初。そんなことなかったけど。
キャラのオリジナリティなんか、探せばなんぼでも近いキャラなんて存在するけど、新海天とか和泉妃愛とかが本当にマジでチラつきまくるのが弊害だった。
でもこの辺が跳ねてなかったらこのルートは存在しなかっただろうから、まぁ仕方ないのかなあ。
前世の所において、もう前世にご登場いただくみたいな所含めて結構良かったと思う。
好きであることがバレる所において、オナニートリガーなのは笑ったしな。
前世に乗っ取られる展開でも面白かったとは思うんだけど、それはゆずの範疇では難しかったんかなあとも思うし、難しい所やなとも。ああいう感じで前世もある意味で応援してくれてるみたいな感じの落とし所が良かったんやろうなあとは。
前述した通り、実妹との恋愛という所の現実的な所というのはしっかりと描いたと思うし、終盤からの締めは非常に綺麗だったと思う。
やっぱりああいう感じというか、現実として受け入れられるようなものではないという所を示しながら、それも嫌だなあと思う気持ちもありつつ、受け入れていく、それでも…みたいな感じが実妹ルートは現実的な所として、やさしいせかいに無理やりしなかったことは、ゆずにおいてなかなか挑戦的というか、これができるようになると良いよねと思った。
この実妹という攻め、そしてそれを現実的に他ヒロインに祝福させたりはしなかった所、今までのゆずでするのは難しかったと思うので、それをしただけでも価値はあるんじゃないかなあと。
この攻めが、未来のゆずソフト作品において出来ることを少しでも増やす作用になればいいんじゃないかなと思う。
乃愛ルート
・この順番にやった理由
そりゃセンターやしなあ…
センターは最後にやった方が流石にええやろ…
まぁ当初からセンターとして魅力的かどうか?みたいな所はどうなんやろなあと思う所はあったけど、でもセンターなんで流石に最後にね。
でもまぁ…なんというかここまでやって分かってることとして、まぁそりゃ戦乙女乃愛ですよねって話。ここまでの魔王は悪ではなかった所での乃愛の動揺っぷりとか、ここまでやって戦乙女ほぼ出てきてないので。というかゆずなんか1mmも捻らないんだからそりゃセンターが戦乙女だろって話。体験版の時の筆者は何を言っているのか。
・良かった所
ゆずソフトがルート中のBADを制作したという事実だけで将来的に元が取れる可能性があるルートである。
いわゆる『ちゃんと読んでおけば普通に回避可能な系統』のBADであり、比較的優しいかつ、良い演出の一つだと思う。このようなことを、まぁ最近のゆずはしない(というかやってたとしてもE×Eくらいだろ)ので、これをやったという事実がまず大きい。
まぁその代わりルートとしてのシリアス度を削ったような気もするけど。
でもまぁ、最近所謂『中出しバッドエンド』系、純愛系統作品でも増えてきた印象がある。まぁ見りゃ分かる系統がほとんどなので、相当バカじゃなければ意図せず踏むみたいなことはないと思うのだが、エロ猿は踏みそう。
言うて『神様のような君へ』(CUBE)で中出しバッドエンドがあった時割と言われていたような気がしたのだが、ここ数年で風向きが変わったのか(あのルート展開はゴミクソだったけど読んだら中出ししちゃダメなのは分かるだろって当時書いたけど)
もう戦乙女ってことは分かってるでしょ?ってくらい開示がいつもより早かったのは評価したい。もう分かりきっていることでグダグダやられても本当にムカつくだけなので、はい戦乙女であることはさっさと提示しましたよ~ってしたのはまぁええのかなと。
そこは前提として、そこから人になるとか、過去と決別するとか、そういう方向に進んだこと自体は良かったのかなあって感じがする。
こういう形にすることによって、取り扱うべき話題のバランスみたいな所を決めやすくはなったのかなって。
ロリセンターの希少性。こういう所も挑戦といえるような所な気がする。
いやまぁ貧乳センターはあやせがいたし…ってなるんだけど。
意外とロリ系統センターっていなかったんだなあって。
こういうヒロインが真ん中でも安定しているのがゆずっていうのは見せた気がする。
歌謡曲の演技は非常に安定しており、安心感しかない。
今作において、戦乙女もやってるし、バッドの演技も違うし、色々やってるけど、まぁ本当に良い。
歌謡曲、色々な所で重宝されているが、そりゃそうだよなあと思った。
サプライズ要素である、喫茶ステラ登場場面で名前は出てこなかったが愛衣も出てきていた。
BGMまで登場してたし、前回ステラの『朝武さん』表記と良い、過去作に関して若干寛容になりつつある節がある。
まぁせっかく10本以上あって過去作も人気なので、もうこの3年の間に擦ったんだし、もう擦っちゃえ~ってので別に良い気はしている。
最後の決別の所のCGとか好きだし、あそこの演技とかは素晴らしい。
黒天使で堕天使みたいなのはあんま考えてなかった。まぁ考えれば分かったのかもしれんけど。結構ええ感じやったというか、ここで自分で初めて選んだっていう感じが出せたり、それが魔王の色だったり~みたいなのは結構設定として好き。
・よろしくなかった所
まず自分に乃愛が刺さった感じがあんまりない。これは前作栞那もそうなんだが、ここ二作のゆず、なんかセンターにパワーが足りないのか、パンチが足りないのか。
今作は過去含め、かなり重い部類のセンターになっているはずなのだが、なんでだろうなあ…まだ栞那の方が重さを感じられたというか…栞那ルートは各種過去作のキメラだったのと、戻ってくるのがあっさり過ぎたのがゴミカスポイントだと思っているのだが、なんだかんだ一回戻ってからのマントのパートとかは悪くなかったので、今回そういうのもあんまりなあ…って気はする。
いやまぁ、戦乙女案件を結構早めに折り合いつかせる関係上、あそこらへんの重さを激重に出来るかと言われると微妙というか…そもそも、戦乙女に関する描写があまりにも少なすぎることによって、その実験云々とかでひどいことされてたよっていう所への感情移入が難しい部分があったような感じがする…というか、結局このルートの重さというか、現実感が足りないのってそこらへんな気がする。
事実としてそりゃひでえことだったのは頭では分かるのだが、それはなんか伝え聞いた事実程度に留まってる気がする。まぁこれをめっちゃやった結果尺を奪われた気もする栞那ルートを気にしたのかもしれない。
その結果解決パートというか、再会パートがあっさりになったので、折り合いつけるのと、もうひと展開の方に振ったというか。
ただまぁもうひと展開に振った結果、それも過去の戦乙女を作った連中が~…となるのであれば、もう少し過去描写、それこそ乃愛視点の描写がないとなかなか感情移入が難しいんじゃないかなあと思う。
まぁそれをするとゆずの範疇を超えた激重になるかもしれないんで、まぁそこはうん…(
だからこう、過去との決別の所の場面は、歌謡曲の演技とかめっちゃ良かったし、テンプレ感もありつつも面白かったんやけど、そのされてきた仕打ちみたいな奴がこうそんな具体性がないから、こうパンチが足りないというか、アレを活かすための情報量が不足してるなあ~って思う。
場面としては好きなんやけど。好きなんやけど情報量が足りてないから重みが足りないというか、あっさり感があるんよなあ~…
可愛いんだけどなあ、乃愛。可愛いし、結構設定とか含めてしっかりしてるはずなんだけどなあ、何が足りないのかを考えた結果は過去描写不足かなあと。
過去が重い割に、過去の描写が薄いんだよな。だからどうなってたのかが分かりにくいのが引っかかってるんだと思う。
・まとめ
まぁ天使と言いながら完全にエロエロ天使な訳だが、まぁそっち方向に行き過ぎててお約束とかしてるみたいな所はある。
作品として、ルート中にBADが存在するという今までまぁやらないことをやったという意味で非常に意味のあるルートとはなっていると思う。
各種描写に関して、致命的な所はそんななかったような気はしているのだが、なんか深さがないというか、感情移入の所が欠けたのは、過去描写が不足していることによる乃愛の苦しみというか、選択できなかった事の云々とかが常に欠け続けていたからな気がする。
歌謡曲の演技とかは相変わらず良いし、EDも歌っている形でこちらもあんまりないっちゃないことだったり。(風実花でも言ったけど)OP歌うのは初めてだったしねキャラが。EDも多分天色以来かな。
過去作の描写もあったりと、挑戦の方向は見えたし、結構色々と設定を積み重ねたのだが、その積み重ねの割には破壊力には欠けた印象。
というかなんかな~、今作もセンターのキャラクター性のパワーがなんか足りないというか。
多分惜しい所まで来ていると思うんだが、全体的になんか足らんかったんやろうなあっていう印象。
総評
では、『天使☆騒々 RE-BOOT!』の総評の方に移ろうと思う。
良かった所
原画が増えたことを感じさせない絵柄合わせ
今作、原画が増えて初めてのゆずソフトとしての作品となったわけだが、この違和感というのは立ち絵とかではそこまで大きく感じることはなかった印象。
こういう絵柄をあわせる系統というのは中々に難しいことではあるので、このあたりの合わせ込みが良いというのは凄いと思う。
これはまぁ羽純りお、ほかん両名の力という所はあるか。まぁ塗りが同じだと結構ごまかせる部分も勿論あるんだけども、少なくとも羽純は『PARQUET』のときにもいたけど、あの時より明らかに合わせてきていると思うので、この時点でやっぱり違いはある。
むりこぶという所がゆずにおいて大きな要素の一つであったことは間違いないので、ここで絵柄が近くないとやっぱり違和感が出てくる。そういうのは避けようとしているというのは感じられると思う。
明らかに多いSD絵
いつもよりこもわた遙華のSDの枚数が明らかに多かった印象。
間も開いたことだし、気合が入っていたのかもしれない。
差分などもかなり多かったと思うし、この辺りでのボリュームというのをつけてきたなという感じ。
一個一個の差分が非常に多かった印象で、まぁもうゆずソフトにおけるこもわた遙華SDも今作で8作目(PARQUET入れるなら9作目)なので、まぁ長いわけだが、結構気合は感じた気がする。
いつもより気合の入った背景・演出等
背景のクオリティとかがいつもより更に気合入れていた印象。
いつもの所謂過去作ヒロインとかが映り込んでいるのは勿論ではあるのだが、その上で背景自体のクオリティが高いのかなと。
まぁ異世界背景にわいっしゅ引っ張ってきたりもしていたので、気合は相変わらずあったんだろうなあという感じ。
また、ルートが確定してからのアイキャッチの部分では、ヒロインの服をランダムで着るみたいな形となっていて、いつもよりここの差分も非常に多かった印象。
いずれにしても、いつもより気合は入っていたのは間違いないとは思う。
いつもよりより進んだエッチシーン表現
ゆずソフトと言えば保守みたいな所があるが、いつもよりもエッチシーンのシチュエーションとかは進んでいたというか、攻めていた印象がある。
それこそイラマチオ伏線回収とかもそうだし、風実花のエッチシーンとかはかなり攻めの意識があったような気がする。
こういう所も間が開いたしけっこうやったるかという気持ちがあったんだろうか。
エロに力を入れることに悪いことはないとは思うし、ゆずがこういう所で力を入れようとすることは良いことだと思う。
恐らく歴代のゆずにおいて、エッチシーンはかなり上位に位置する印象がある。
いつもよりも攻めたヒロイン設定
明らかにいつもよりヒロインの設定を攻めている所がある。
実妹ヒロインを入れてきたというのが非常に大きいポイントというか、今までのゆずならこういうことは出来なかっただろうなという所があると思う。
まぁこれは昨今の純愛エロゲが割と拡張してきた所があるみたいな所はあるにはあるので、ゆずが出来るようになったのは外的要因な部分もあるとは思うけど。
それにしても、話としてやさしいせかいにしなかったことというのは良いことというか、やはり実妹との恋愛はタブーであるという姿勢を貫けた所含めて非常に良かったのかなと。
保守的なゆずがこういうヒロインをメインでやって、その落とし所で日和らなかったのは良いことだと思う。
まぁ来海とかも、ギャル成分があり、こういうのってゆず的にはあんまり多くないような気はするのだが、こちらも頭が良かったりとか、センスが良かったりとか、そういう所でバランスを取ることで、ゆずのヒロインとしての形を形成した感じが見られるし、
先生と学生というなかなかこちらもタブーかつ、天色で男女逆で比較的滑った設定に、幼馴染設定とかを入れることで、ヒロインとして成立させようとしてきた風実花など、こういう部分も攻めとまでは行かないかもしれないが、バランス感覚というのは感じられたような気がする。
昨今課題だった『舞台設定』『作品設定』への意図的な遵守
当ブログにおいて、散々記載してきたことの一つとして、特に近年のゆずソフト作品は、作品における舞台設定、作品設定を活かしきれていないというか、触れることもおぼついていない所があったと思う。
まぁ簡単に言えばファンタジー要素に関しての取り扱い方というのが、設定を入れている割にあんまり使われてない印象があり、それでなんか活かしきれないんだったら、もう『のーぶる』みたいにファンタジー要素一回やめて書いてみたら?と発表前から言っていたりした。
結果としては、めちゃくちゃファンタジーに今作振って筆者めちゃくちゃ不安になったんだが。
ただまぁ、作品を通して、かなり前世という所への比重が高かった印象がある。
魔王にしろ、それぞれのヒロインの前世にしろ、話にかなり関わってきていた。
その上で、あくまでも前世と今は違う、つながりはあるけど好きなのは主人公であり、ヒロインである…という図式を明確にしている感じがあるのも良いポイントだったように思える。そこはゆずソフトとしてはちゃんとするラインだと思うので。
積極的に前世設定の所を出し、それが今起きている問題においての原因、糸口となっているというのは、話の作り方そして、設定がある必要性を生んでいるし。
こういう所をやろうとすること自体というか、蝶とかアストラルの使い方が、なんか使えたら使うみたいなポジションだったのが、前世設定はメインヒロインでは絶対にしっかりと使うぞという意志を感じた気がする。
いや別に前も使ってなかった訳じゃないんだけど。
話の起伏は作りやすかったか
今作においては、前世関係、及び勃起関係というものがあったことで、話の起伏自体は作りやすい部分はあったのではないだろうか?
勃起しないことにはエッチしないので、ここの過程として勃起するか否かみたいな所で、それぞれの解決方法が存在したというか、そういう所での方向性みたいなものは作れたお陰で、まぁダレる時間は少なく済んだ説はある。
まぁテンポは犠牲になっている気もするが、こうでもしないとゆずって起伏作れないから。
でもエロに力入れてるのにチンチン勃起しろってやってるの、実用性の相殺になってる気もしなくはないけど、まぁ良いと思う。
狙っている感じがする原点回帰方向(ユーザーが求めている雰囲気を目指そうとはしていそう)
タイトルからもそうだったが、『天神乱漫』方向へと顔を向けようとしていた雰囲気を特に共通範囲では感じられた印象がある。
ゆずにおいての今のポジションというのは、やはり『天神乱漫』が決定付けている印象がある。
わちゃわちゃしてこそゆずみたいな部分もあるので、そういうユーザーが求めている方向性というのに向こうとしたんだろうなとは思う。
より深くなった気がする声優の使い方
ゆずって声優の配役も保守で、所謂ここ数年よく見る声優を半周・一周遅れで起用する印象があり、今回もその傾向はある(柳、明羽)のだが、その中で今作は一作品の中で色々な声を使わせる描写が多かったのかなと。
これはやはり前世設定があるからというところは、大きいとは思う。やはり別人ではあるので。
とは言え、天音とヴィズは一緒とか、キャラによって変えていた部分はあるし。
個人的には柳の使い方が非常に上手かった印象で、ギャルさせながらも真面目な部分もあったりして、その上で前世が低音系ボイスだったり、そっちに柳が得意とする不憫ヒロイン要素が入っていたりと、これは大変よろしかった。
この他にも乃愛の戦乙女、バッドエンドとか、色々と声色を使わせる方向性が出てきたのは良いと思う。
まぁ複数作品であれば、普通に使うんだけどね、ゆず。
女性サブキャラを積極的に話に介入
今回サブキャラが全部女という、今までにない展開だったのだが、かなり色々と話に介入してきたなと。
サブキャラって所謂日常シーンを作るために存在することの方が多かったような気がするのだが、今回は話にはいってくることが多かったかなと。
まぁ~三国さんがめちゃくちゃ利用されまくっている所がある。こんなに攻略ルートが存在しないことがバグのキャラが出てくるの久々な印象。
出演回数がものすごく多かったわけでもないのに印象が強すぎる。あとあの感じでめちゃゲームするキャラっぽいの含めて掘ったら面白そうな非攻略キャラだったり。
来海友人枠のチカとカエデも、特に来海ルートにおいてはめちゃくちゃ出てきた訳だが、陽キャのノリがありつつも、良い友人枠という形になっていたと思う。
基本的にチカの方がまともなんだけど、ヴェガのときだけ明らかに壊れているチカが面白かったね。
サブキャラの使い方としてはかなり使う側に振ったなという印象だった。
一部キャラ歌唱ED久々登場
ゆずってEDは大体Angel Noteの歌唱という所が多く、ヒロイン、キャラが歌唱することというのはあんまりないのだが、今回はOPがまず初めてヒロインが歌う形となった。
そういえばなんかゆずやってそうでやってないんだよなこういうの。まぁ歌えるヒロイン並べましたから声優的に。とはいえこういうのは今後も悪くはないのかなとは思う。
そんでもって、EDでも一部ヒロインは歌唱が存在する珍しい形となった。
しかもそれが乃愛と風実花とか言う、真ん中とサブヒロインという全員じゃないにしてもなんか普通ではない采配。
とは言え、センターヒロインと、最も扱い的には弱くなってしまうサブヒロインの遠い側というのは良かった気がする。
歌謡曲も歌えるし(名義も曲の名前だし…関係ねえか)、明羽杏子も歌えるのでね。
明羽歌わせないの勿体なかったなあ~とは思っていたので、こちらは嬉しい誤算だったかもしれない。
今後に繋がるべき挑戦
前述したことのまとめであるが、今回は三年開いたこともあったのか、色々といつもより挑戦した感じがある。
原画の追加、背景の力の入れ方、エッチシーンの力の入りよう、実妹ヒロインを攻略対象、ルートバッドエンドの実装などなど。
これまでの保守的なゆずがかなり攻めをしようとしている部分があったんじゃないかなあという感じがある。
こういう挑戦はしていかないといけない。マンネリ化も良い所だったゆずが、それを打開しようとしている姿勢は作品を通して感じられる部分はあったように思う。
こういう挑戦は今後も続けていくべきだと思うし、今後に繋がっていくべき挑戦だったと思う。
やはりゆずソフトはゆずソフト。その安定感というものは確実に存在する。
こういうのがゆずソフトだよなあと。
そういうものが確立されているということは改めて凄いなと思う。
それがやっぱりゆずソフトという言い方も出来るだろうけど。
よろしくなかった所
CG部分や一部箇所ではまだ絵柄安定に課題は残すか(十分やってるけど)
まぁ原画本当によくやっているんだけど、安定感という所では若干角度がついたり、見上げる形となったり、なんかそういう正面じゃない形になっていると違和感が広がる部分がある。
特に裸とかだとそれは顕著にはなってくる。これは仕方ないと思う。十分やってる。
ただまぁ、CGにおいて画風合わせというよりもキャラの顔の安定感という所がたまに欠けた印象があるので、この辺りは今後やっていくことでより安定感出てくるのかなあっていう感じはする。いやいや、ゆずとしての一作目でこの安定感なら十分だけど。
このまんまやっていればサガプラ並になれそう。過程を見守っていこう。
特出したルートを作れなかった感
今回なんかいつもより特出したルートみたいなのを作れなかった気がする。
良いように言えば総合力で勝負できる作品という言い方は出来るんだけど、近年ゆずソフト、苦しんでいるとは言えどもキャラとしての魅力がバチクソ高くて、それだけで元が取れるようなヒロインが出てくると思うのだが。
いやまぁオリエとか可愛いし、来海もいい感じだったとは思うし、風実花も良かったんだけど、これまでのパワーが存在したかと言われると微妙かなあと。
ギャップという意味ではかなりオリエはリードしたと思う。夏野が強い。ただ、ちょっと温度差で風が引きそうなくらいルート最初から違いすぎるのが若干引っかかる。
全体的な偏差値的に言うのであれば、かなり今回は高い部類になりそうなのだが、一人で押し切れるタイプのヒロインは逆に生み出せなかったのかなと。
良く言えばキャラ格差がないってことなんだが、なんかそれを狙いすぎた結果物凄く強いのを作るとかは出来なかったのかなと。
いつもよりバギー
やっぱりいつもよりエンジンがバギー。
ゆずソフトでバグったことなんてほぼなかったんだが、製品版でもエラーを吐いた。
体験版のバグの多さに心配にはなったのだが、アレからはかなり良くなっている。
良くなってるけど、なんか再現不能なバグが起きることがあった。
今回UIに機能が追加された感じはないし(デザインの所でそこそこ変わってはいるんだけど)なんでこんなバグ起きてるんだろう。ちょっと心配。
攻めたことで精神ゆずキッズには色々言われるとは思う
こればっかりは仕方ないのだが、いつもと違うことをしている部分があるので、ここにおいて精神ゆずキッズが色々言ってくる可能性はある。
やはり実妹ルートという所に抵抗を覚える人間とかもいそうだし、ルートにおいてのバッドエンドとかは、許容値の低すぎるゆずキッズには厳しいものの可能性がある。
そんでもって、設定として前世が存在し、それが主人公であろうがなかろうが、ヒロインであろうがなかろうが、別個体が存在することでの純愛基準みたいな所で最も喚き散らしそうな所はある。
前世設定の時点で、それを活かす時点でこれは避けられないものであるが、これが嫌っていうのはもう他のエロゲもなんも出来んだろとか、作れんだろって話になるので、普通にそういう声は無視すればいいと思うよ。今回の挑戦自体は少なくとも悪くはなかったはずなので。
設定的ジレンマを抱えてはいる前世設定(頑張りは認めるけど、やっぱりファンタジーの扱いが異世界関連で軽い)
まぁこの前世設定という時点で、そういう文句を言われることをどうやっても孕んでいるモノになったというジレンマはあるとは思う。
やはり別人ということは主人公じゃないし、それにドキドキしたとか言われたらそれは純愛なのか、一途じゃないとかそういう文句を言ってくるのが精神ゆずキッズではあるので…
今回は比較的うまく前世をストーリーに落とし込むことには成功した方だと思うが、難しい所。
あとまぁ、やっぱりファンタジー要素の扱いという所で、前世を活かすという所は結構出来た気がするんだけど、異世界関連の設定に関しては活かせなかったような気がする。
それはかぐ耶の後継云々設定がめちゃ後とか、天音が異世界に放り出された時の立ち絵ないわ内容薄いわとか、乃愛の戦乙女時代の描写不足とか、そういう所で情報量が足りなかった印象。まぁこういう所をゆずに求めるのはまた違う気はするんだけどね。
ゆずとしては良く頑張ったとは思う。ただ少なくとも乃愛ルートの火力不足はそういう所なんじゃないかなあと筆者は思っている。
攻めたという事実だけが残った感(面白さに直結していない)
攻めたことが面白さにつながったかと言われると微妙な所はあると思う。
実妹にした方はまぁ実妹らしさは出せたとは思うので、こっちはまだ悪くはないが、前述した通りここ最近の実妹ヒロインの登場によって物珍しさは薄れているし、そういうルートに対して勝てる要素があったかと言われると微妙な所はある気がする。
ルートバッドエンドを作ったことは良いことだと思うのだが、なんという本当に作っただけといえば作っただけ感がある。
いやまぁ作ったという事実がゆずとしては大きな前進だと思うので、あんまり言うべきじゃないことは分かってるんだけど。
この一歩進んだことで、次の一歩を踏み出しやすくなって、それが次以降の面白さに繋がるって感じにしかゆずは動けないと思うので、これは酷ではある。
センターのパワー不足
やっぱりセンター乃愛のパワー不足感は否めない。
キャラとしてのパワーとしても、シナリオとか設定面でのパワーにしてもいずれも不足したと思う。
理由は前述した通り。
エロいことめちゃくちゃ知ってて興味ある系統のキャラ付けは悪くはなかったと思うのだが、これをセンターでやってもパワーが不足したのかもしれない。なんでだろうか。前作が車の人も分かりまくってるヒロインだったせいか、前前作に遥そらの同じようなヒロインが存在したせいか。
シナリオとしての深みが出なかったのはやっぱり過去描写不足に尽きそう。
筆者は前作の栞那を過去作の良い所を集めようとして結果キメラな感じでイマイチみたいなことを言ったのだが、今回は新しいアプローチ自体はしようとしていたとは思う。
ただそのアプローチが単純によろしくなかったのか、なんか火力が足りないんだよなあと。
イマイチ言語化に困るが、とにかく乃愛は近年ゆずの中でもかなり弱い部類のセンターとしか思えなかった。
言われてみればゆずソフトってめっちゃ人間じゃないやつを人間に脈略薄めにやるなあ
なんか当然のように思ってたけど、最近のゆずって人間じゃない奴を人間に脈略薄めにやるなあって思う。
これをやる意味みたいなモノがそんなにある?みたいな所があるんだよな。
これをやるんだったらもう普通にファンタジー抜きでやれよ!ってブチギレてるの見て、そりゃそうだよなあって思った。
今回正直最も根拠が薄いし。なんでやる必要性があるのみたいな所が言われてみれば強い。
根幹に関してやっぱりゆずの根拠って弱いんだよな。
まぁファンタジーを相変わらず使う必要性あるんかみたいな所あるし。
やっぱりタイトル遵守感は薄い
別に構わないんだが、あんまり騒々しい感じでもない。
話として騒々しいドタバタ系というよりは、主人公の周りに女が増えて騒々しいタイプの騒々しいだったみたい。
割とドタバタ言ってた印象だが、そんなにドタバタしたかと言われるとどうなんだろうなって思う。
いや、まぁこんなことは別に良いんだけど。
過程と成就のバランス
ゆずの強みの一つとして、主人公とヒロインのイチャイチャという所が大きく存在すると思う。
こういう所は、本当に他の追随を未だに許していないポイントだし、天宮りつというライターにおいての最大の強みである。
今回もその強みは普通に出ていたと思うのだが、今作割と関係性が(仮)みたいな関係性であるルートが多かったと思う。
やっぱりお試しとかなし崩し的に良い雰囲気というのと、実際に付き合ってからの雰囲気というのは異なると思うので、ここのバランスは難しいなと思う。
まぁやっぱり作品の中でも変化というのはつけていかないとダメだし、そうじゃないとやることなくなってくるので仕方ないんだけど、風実花とかはもうちょっと付き合ってからの描写とか、先生と学生云々の所には触れた方が良かった気もするんだけどなあという感じはある。
来海はまぁ付き合っていたようなもんだし、別にいいっちゃいい。
正直サブの方が魅力が強い部分がある
キャラパワー、オリエと風実花の方が強くない?みたいな所がある。
これは発表時点からめちゃ思っていたことではあったのだが、メインよりサブの方がなんかキャラとしてのパワーは感じた気がする。
勿論メインにないとかいうことを言ってる訳じゃないんだけども。
それだけサブヒロインが魅力的だったってことだし、それはいいことなんだけど、このヒロインの話もっと見たいなあ~ってなったのはサブヒロイン2人なんだよなあ…w
男サブキャラはいても良かったんじゃない?
今回物凄く女に振ったのは、ステラでサブキャラ男が1ルートのみサブキャラとくっついたことの反動の部分はある気がするけど、それでも男はいても良かったんじゃないのみたいな所はある。
全員女だったことで、乃愛ルートで無理やり敵側っぽかった人間を味方に引き入れないと頭数が足りないみたいなことなってたし。
これは良くも悪くもゆずソフトということ。
やっぱりゆずソフトに不足しているものはいつもどおりだいたい不足している。
それはもうそういうもんだと思う。
その安定感がゆずソフトだし。
まとめ
『天使☆騒々 RE-BOOT!』はゆずソフトがゆずソフトとして3年ぶりに発売したエロゲである。
この3年間、迷走した感じもあったゆずソフト(ユノス)であるが、結果的にはいつものゆずソフトのクオリティは担保した作品となったのではないだろうか。
その中で3年経過したという事実をある意味利用する部分もあり、間が空いたこともあっていつもより作品としての気合を感じることは出来た。
ボリューム感という所はひじょうにたっぷり存在し、原画が増えたことによって、それこそやれることが増えているという所もあり、サブヒロインの増加を久々にやっていたりもする。
それでいて原画の違和感をあまり感じさせなかったのはかなり成功だと思う。ゆずの根幹に関わるむりこぶ原画という所を崩しても(メインヒロインはむりこぶだから崩すという言い方は正しくないかもだが)それを大きなマイナスにはしなかったと思う。
CGのクオリティや、背景クオリティとかも向上、いつもより過去作ヒロイン映り込みも多いかもしれない。
クオリティは上げたいという意識を感じた。
また、久々というのもあり、攻めのポイントも結構な数存在したように思える。
いつもよりも明らかに攻めたエッチシーンとかは、エロゲメーカーとしての心意気を感じたという言い方をしてあげるべきだろう。全年齢に一度でも行くとここが落ちるのは通例行事みたいな所もあるので、そんなことはねえぞという形にしてきた印象。
また、これまででは行えなかったであろう、実妹ヒロインの攻略や、ルート中のバッドエンドの追加など、ゆずソフトらしからなぬところはあった。
まぁこれは、近年のキャラゲーが拡張した部分を、ゆずソフトが使用したという言い方も出来るが、それでもゆずがやるということに意味はあると思う。
イチャイチャなど安定した所はやはり安定しており、やはりゆずソフトは恋愛ゲームを制作するべきだと思える所は多くあった。
それは過程の所というのがやはりゆずはしっかり描く所があり、それが成就してからまた違う所があったり、そういうゆずらしさを描けるのはやはり恋愛ゲームであると思う。
これはエロシーンの気合の入れようと含めて評価するべきだろう。
近年ゆずにおけるファンタジー要素の使い方が上手じゃない所は相当気にしていたように感じる。かなり前世の設定に関して、前世の記憶として話に絡めるということをやってきていた。それでも異世界の設定に関しては薄い所があるが、これをゆずに求めるのは恐らく酷なんだろうなと思う。
夢方式にすることで「思い…出した…!」を想起させなかったのも地味に偉いと思う。アレがよぎると一生ネタになるので(お前の問題だろ)
ただ特出するようなルートは作れなかった気はするので、ここはちょっと痛い気もする。
全体としての総合力としてはあったと思うのだが、センターの火力不足が尾を引いたのか、サブのキャラパワーが非常に強かったことで、メインを若干食ってしまったことが原因なのか。この辺りは分からんけども。
やはりサノバとか千恋とかは上振れの上振れだと思う。そこはもうそういうもんだと思うしかないと思う。
ただなんというかこう、「ゆずソフトやぞ」っていうのが、褒め言葉なのか、褒め言葉じゃないのか、貶している気もするし、なんかそうは言いつついい感じの盾になっているような気もする。
まぁあと、この3年間でゆずソフトより面白いエロゲをやり過ぎた節はある。
勿論ゆずソフトはシナリオゲーではないし、そういう所に期待するのはお門違いまであるのだが、面白いキャラゲーもこの3年間で結構出たので、そのものさしでも物足りなさを感じる部分は存在しなかったかと言われると嘘になると思う。
実妹、ルート内バッド、前世(主人公と繋がりうる主人公ではない存在/ヒロインと繋がりうるヒロインではない存在)という、精神ゆずキッズ激怒不可避設定を織り込んだ攻めは、それがめちゃくちゃ効果的に働いたかどうかと言われると微妙な部分も存在するかもしれない。
ただ、この攻めが未来のゆずソフト作品において、やれる範囲が少なすぎて八方塞がり状態である制作範囲というのを広げる助けとなり、新しさと良い作品を作れる糧になることを祈りたいと思う。
でもゆずソフトに魅力は存在する。
やれることが中々購入層的に難しいし、万人受けを求められるというのは難しさというのをやはり感じる。
ただ、今作の『天使☆騒々 RE-BOOT!』では、今までにはない攻めが存在した。
そのちょっとした攻めを今後もやっていくことがいい方向になっていくんじゃないかなと思っている。
今後のゆずソフトはどうなるのか、またSOURを挟むのか否か。
まぁそんなことをなんだかんだ考えられるのはゆずソフトの安定感があってこそなのかもしれない。
以上。