【注意】
当ブログは『天使☆騒々 RE-BOOT!』のネタバレをめちゃくちゃ含む記事です。
プレイ後に読むことをおすすめします。
あと、投稿一ヶ月前くらいに書いた記事だったりする。まだエロゲクリエイターに二度凸られる前ですね(
おにじと申します。
今回はエロゲの話題。
まぁ当ブログでは既に『天使☆騒々 RE:BOOT!』の感想記事を2.5万文字も書いたので、これ以上こする必要性はないと言えばないのだが。
ただ、当ブログの方向性として、やっておくべきなような気がしたのと、まぁ思っていることは記載しておく必要性っていうのはあるのかなあという感じもしたので、今回は記事にしていくことにした。
ということで、タイトルの通り、この記事においてほぼほぼゆずを褒めることはないので(というか、褒めることは感想記事で大概やった)見る方はそれ相応の覚悟を持って読んで欲しい。というか、タイトルの時点で色々と察してくれ。
ということで、今回は『ゆずソフトの根本的な危機…?』ってタイトルでやっていく。
なお、危機は訪れているのだが、危機は訪れていない模様。
ここで記載するようなことは、別にゆずソフトにとって明確な危機には世間的を見た感じない。
ゆずソフトにシナリオを求めることはそもそもの間違いではあるので、そこは極力触れないようにしつつ、記載していければ良いのかなと思う。
なお当記事、筆者一人で考えたというよりは、複数人で考えてこんな感じになっている。
- メインヒロインが弱い
- 2/4が下振れてるのがまずキツイ
- 上振れという所も起きなかった…?
- サブ・非攻略の方が強いんだよなあ…
- いつもより掘り下げてるのになんか掘り下げてないヒロインの方が強い
- 前世を掘り下げようとしたら学校を全く掘り下げなかった
- ゆずソフトがキャラ弱くなったら、突き抜ける奴がいなくなったら終わりでは…?
- どんな出来であろうと世間は評価するのが一番の危機かもしれない
- こんなタイミングじゃないと挑戦は出来ないゆず
メインヒロインが弱い
ゆずソフトの根本的危機…?と書いたのは単純なことである。
メインヒロインのキャラ性能が、いつもより明らかに弱いことである。
ゆずソフトにシナリオは求めてはいけない…(まぁそれにしてももうちょっとどうにかしろやってのは普通にあるけど)と思うのだが、じゃあゆずソフトに求めるものはなにか?と言えば、ヒロインの強さである。
こ~~~~れが今作明らかにメインヒロイン、過去作と比較して弱い。マジで弱い。
今までが強すぎたって部分はあるとは思うが、それにしても…レベルでヒロインパワーが過去作に対して負けまくっている。
ハッキリ言ってしまうと、下振れがあって、上振れはしていないのが今作だと正直思う。
ということで、今回は、何が下振れで、何が上振れてないのかを記載していこうと思う。
2/4が下振れてるのがまずキツイ
まず、そもそもキツイのは、2/4のメインヒロインが普通に下振れを引いたことである。
今作、かぐ耶と乃愛が明確に下振れていると言わざるを得ないと筆者は感じている。(筆者だけが感じているのであればブログ記事にはしてないからそこはよろしくね)
これは、個人的な感性という所の『刺さる』『刺さらない』という話のような気もしたのだが、それだけが原因ではないだろうと考え、何が下振れているのかを考えてみることにした。
かぐ耶の武器がエロいしかない
これは初手の印象からそうなのだが、かぐ耶が持っている武器が『エロい』以外にほぼ存在しない状態であることは問題だと感じる。
もちろん異世界の姫設定とかが、ルートの終盤でようやく引っ張られてきたりはするのだが、基本的に主人公を誘惑する、エロに寛容なヒロインという所以外の武器が本当に存在しない。
ケモミミ要素くらいしかあとないのだが、ケモミミ要素もそんな使われた感じもないし、印象に残ったのは共通でのSDで触られている場面くらいしかないような気がする。(普段隠していることもあり)
ルートとしても、基本的に結ばれるまでエロ一辺倒であり、ダレるの次元を超えそうになっていたし、もう少し武器を用意してあげないと、キャラとしての深みも出てこないんじゃないのという感じが非常にした。
本当にただエロいだけの女なんだよな、かぐ耶。
新しいヒロイン像にチャレンジしたんだとは思うのだが、じゃあもうちょっと他の要素も持たせてあげないとダメでしょうとなる。
ずっと一本槍でほぼ戦っていたらそりゃ飽きるというか、お前他にないの?ってなる。
何もないんだよな、かぐ耶。ないわけないんだけど、印象に残ることがないというか。
発表された時点から、プレイし終わる所まで一回も刺さらずに終わって行ったんだよな。なんでなんだろうなあ…
そんなこと今までゆずソフトなかっただろ。もっといろいろな面を見せて、キャラの良さを出してただろ。
というかそもそも、かぐ耶そんなキャラデザから来てない説はある。というか近年ゆずソフト、黒髪弱…いや、ナツメは黒いか。
まぁ別にキャラデザにどうこう言いすぎるのは良くない(自分がデザイン出来るわけでもねえしな)とは思うのだが、それにしてもかぐ耶の水着は致命的にダサい。
誰か止める人間いなかったんだろうか。あまりにもBBA過ぎるだろ。
「なんだか見られているような気がする」が、綺麗でデカいからじゃなくて、水着がダセェからの可能性を生み出してんじゃねえよ。
あの声で遥そらを攻略ヒロインで使うのはもうやめた方が良い
前提として言っておくが、筆者は本当に遥そらにはお世話になってきたし、遥そらという声優はエロゲ声優の中で好きな部類にしっかりと入ってくる声優である。
なので、本当にこんなことマジで言いたくないのである。言いたくないのだが、まぁ~でも思ったことは書かないと公平じゃないので書く。
もうこの声周辺の設定で遥そらを攻略ヒロインとして使うのは辞めた方が良い。
そもそもこの声設定においての遥そらの打率は元々からそんなに高くないだろうと言いたくなってくるが、まぁこれは仕方ない部分はある。
人間、年齢を重ねていく上で声域というのは狭くなっていくモノなので、もう常にめぐるの声を出してくれっていうのは酷である(まぁ遥は毎度声を忘れるというのは一回置いておくとして)
これは別に遥だけに言えることではなく、全声優がそういう部分を持っている(それでも出せる人はいるけども)
なので、かぐ耶くらいが現状出しやすいのは、そりゃもう痛いほど分かっている。分かっているんだけど、この声設定の遥そらはやっぱり弱い。
弱いというか、これまでの錚々たる遥そらのヒロインに、まず声の時点で遅れを取ってしまう。周りが強すぎるが故にという部分もあるので、可哀想ではあるのだが。
これはまぁ羽月の時も思った話だが、ちょっと下の遥そら、出しやすい音域の遥そらってなんか弱い。明確に何かが足りない。
羽月→かぐ耶と見たが、やっぱり他の遥そらと比べて弱い。声がもう弱い。
もちろんポイントポイントで、やっぱり遥そらは強いという所は出してくれているし、遥そら自体は全然やっていけると思うのだが、ただベース設定でなんか負けてるんだよな、羽月にしろ、かぐ耶にしろ。
ベース車両が弱かったらそこからチューニングしても相対的には弱いまんまなんだよな。
エロゲ声優って、通常声優より異様に息が長い場合がたま~に存在するのだが(基本エロゲ声優というのは息が短いです、途中でどっか行くので)
この場合、どこかで上手いことジョブチェンジをしないと、相対的に強さを失うみたいな所がある。
まぁジョブチェンジをしなくても行ける人というのもいるのだが。これはまぁ前作の『喫茶ステラ』の麻倉亞恋もとい、車の人とかは、期間が経っても未だに声が出続けるので、そういうジョブチェンジしなくてもよさそうな感じに見える。
その前の『RIDDLE JOKER』の西園純夏もとい、所謂安玖深音連合に関しては、昔は妹ポジションを軸に活躍していたが、近年はお姉さんポジションに軸を変更してきた印象があり、このジョブチェンジは非常に上手く行っている印象。
遥そらも、そういう時期にめちゃくちゃ直面している気がするのだが、どうすりゃいいんだろうか。
少なくとも、羽月とかかぐ耶で強さを感じられない勿体なさを感じた。
まぁこういうのは、昔遠野そよぎに感じたことがあり、『創作彼女の恋愛公式』でほぼお母さんみたいな歳の離れた姉ポジをやった時に「ここだったらまだ余裕でやれるな…」ってなったことがあったので、多分遥もそっちの方向性になりつつある。
局所的にまだまだ可愛いので、まだ肩を叩きたくないのだが、そろそろ叩かないと行けない日が来そうで苦しい。
まぁこう考えると、攻略キャラ10年はやってなかった夏野こおりが、若干声の安定性を失ったくらいで、カウントダウン含めて様々なキャラクターを普通にやってたの、わけが分からんな…
乃愛…お前、センター、なんだよな…?
とにかく乃愛がゆずソフト史上最もセンターとして弱い。
本当に心配になるレベルで弱すぎて本当に困る。
コイツ、ただエロ関連であわあわしながら興味がある芸以外の引き出しが基本存在しない。そんなことがあっていいのか?になる。
いや、別に他にも要素があるはずなのだし、それは認識しているのだが、その要素があまりにも使われなさすぎというか、有効打になっていないことによって、本当にエロ関連であわあわしているだけのセンターになっている。
雑に言うのであれば、綾地寧々からマニアックな性癖を抜いて、そこから色々引き算をしてから何も足されていない感じがする。
いや、明らかに足されているはずなのである。
だって天使だし。天使だぞと。そんな莫大属性があるじゃないかと。
でも、天使要素をそこまで描かれていたか?というと非常に首を傾げたくなってくる。
天使である必要性は一体何だったのか。天使であることで乃愛のキャラの魅力が引き出されたのか?うーん…ってなる。
いやいや、でも人造人間なんだぞと。
めちゃくちゃバカデカい属性だぞと。話の中でも、最終的に研究している人間をぶちのめすようなもんなんだから、この要素を無視することは出来ねえはずだろ!と。
実際無視は出来ないし、こういう所で、乃愛の魅力みたいな物をより引き出せる要素だったと思うし、一部引き出せた部分自体は存在すると思うんだけども、とにかく描写が不足し過ぎている。
乃愛、化けられる要素なんていくらでもあったはずなのだが、終始とにかく描写がすく過ぎてそのチャンスを逸し続けていたらそのまま終わってしまった感じがある。
天使としての話の広がりが少なすぎる。そもそも、オタク趣味に堕ちるまでが爆速すぎて『汚れなき天使』の描写が少なすぎて、もはや元々からそういうキャラ性みたいな感じで、ギャップを作れなかった感じがある。
というか天使は天使なんだから広げようはそんなないんだとは思うのだが、なんか天使の割にインパクトに欠けるんだよな。インパクトがあるのは立ち絵の羽の大きさくらいで。
というか、天使としての役目が弱すぎる。なんもしてないじゃん序盤以外。そりゃ主人公が成長したんだけども。
人造人間の所も、あまりにも過去描写が少なすぎて『作られた人間』以外の情報があまりにもなさすぎる。なさすぎてドン引きした。
こんな激重過去を持っているのであれば、しかも乃愛は過去の記憶をそのまんま持ってきているという、明らかな特異性を所持しているのにも関わらず、そこに関しての情報もびっくりするくらい使われなかった。
もっと活かしがいがある設定をことごとく活かさなかったように感じる。
もっと天使感が必要だった。天使なら。もっと主人公を助けるポジションであるべきだったし、そういう所から恋愛に発展させるとかの手もあった。
人造人間である所も、もっとその過去を描写しなければ、乃愛の怒りとか、実際どのような扱いをされていたのか、そういう扱いをされていた上で、今はどのような扱いをされていて、その対比があることで主人公に惹かれていくとか。
惹かれていくけど、倒した魔王の前世なんだぞとか、それでいて魔王は平和の為にとか、そういう所で、やりようならいくらでもあったはずである。
ただ、その全てをしなかった結果、本当に描写が足りなさすぎて、キャラの魅力が引き出されない、引き出されない、引き出されない…を続けて終わってしまった。
とにかく、天使にしろ、人造人間にしろ、乃愛当人のリアクションがなさすぎる。
ないのはそりゃそうではある。だって全てを知った上でいるんだから、新鮮なリアクションはないのが普通だろう。
でも、だったら過去描写で新鮮な反応みたいなものがないと…ねえ?
まぁ~前作の栞那との重複部分を考えたのかも知れない。
上記した内容は、栞那と重複する部分が結構存在する。それを連続でやるのはいかがなものか?という気持ちがあったことは分からないとは言わない。
だったらそんな『主人公を助けるポジション』のセンターを二回連続しなければよかっただけの話である。ポジションを近くして、やれることを自ら狭めたのであれば、その責任は取るべきだろう。
…と、まぁ設定面の掘り下げに関しての致命的な不足に関して色々と記載してみたが、正直な話、ゆずソフトにこういう所を求めるのは酷ではある(こういう所で正解をはじき出したシナリオなんてほぼ存在しないので)
確かに引き出しにはことごとく失敗したと思う。思うが、そんなこと関係なくゆずソフトのヒロインというのは可愛く、魅力があったはずである。
それが、なんかセンターとして不足し過ぎなんだよなあ。
何が足りないのか?って言われたら、何も足りなかったって言いたくなるくらいにはないと思うんだよな。
何が悪いのか。まぁそもそも設定を活かせてない結果は大きいとは思うのだが…
ゆず史上初のロリセンターが良くなかった?キャラクター性のかけ合わせ、広げ方の方向性とかを間違えたのか…
このあたりはどうしても主観が入ってきてしまうので、言語化することが難しいのだが…
あと、他の所で言うのであれば、歌謡曲の人をCVとして連投させるのは普通に良いのだが(というか喜ばしいこと)なんで、前作の愛衣と近い声設定のキャラにしたのかも正直良く分からない。
ここも目新しさが減った要因だと思う。歌謡曲はもっと色々な声出せるんだから、なんでここで二回連続近々の所でやらせたのだろう。
栞那とポジションが被り気味、声優も愛衣と声設定が被り気味。やっぱり色々と間違えた感じがする乃愛。
シナリオの構成、構造という所はあったとは思うのだが、ゆずのセンターがキャラパワーで弱いってなるのは、結構致命的な気がする。
というか、そもそも発表時点から現在に至るまで、あのエロゲの癖にファンアートがドチャクソ多いゆずにおいて、明らかにメインヒロインの中で後塵を拝していたという時点で、中々苦しい部分がある。
ロリで冷静沈着、大人びた雰囲気で人気になるの難しくない?
ロリが足を引っ張ってる?
掛け算間違えて0にしちゃったんじゃない?
上振れという所も起きなかった…?
ということで、ここまでは下振れの話をしたが、上振れの話を今度はしていこうかなと思う。
今作は、メインの2/4が下振れした…という考えをここまで記載してきたが、じゃあ上振れは存在したのか?と言われると、これも存在しなかったという言い方が正しいように感じている。
残りのヒロインは来海と天音な訳だが、恐らく発売想定タイミングで、上振れ枠として想定されたのは天音だったと思われる。
ファンアートなどの数も圧倒的に多い印象があり、最も期待されたヒロインだったように感じる。
実際の所、本編の中でも良いキャラはしていたと思うし、今のエロゲ声優の中でもかなり頂点に君臨しつつある夏和小をCVに迎えていることもあり、強いのは強い。
ただ、過去作のゆずソフトヒロインにおける、突き抜けた物が出たかと言われると、これは出なかったという言い方をするべきである。
これは、あくまでもキャラとしての上振れ、突き抜けという所では、天音がそこには至らなかった…という話であり、天音はいいキャラをしている。
また、ゆずソフトが初めて扱った実妹ヒロインである。近年の純愛系統エロゲにおいて、実妹ヒロインが許されつつあるという所で、ゆずソフトもこちらに突っ込んできた。しかも、非常に実妹であるという所に対して、現実的な描き方を行い、正しい扱い方をしたと思う。
なので、この辺りは確実に評価されるべきことである。
ただ、こと上振れという所に関しては、ゆずソフトが出来る範囲で実妹ヒロインをそうするのは難しい所があったように思う。
恐らく、今作の上振れ要因は天音だった訳で、そんな要因を実妹ヒロインにするのは、そりゃ実妹要素がそういう意味では足を引っ張ってしまうでしょ!と言いたい。
あと、そもそも夏和小は前作がナツメなので、二連続で大当たりを作るのはきついと思う。
来海は、作品の中で伸びしろが最もあったヒロインって感じ。
ギャル要素もあり、結構最初の時点での評価が高い方ではなかったのかなという感じもするのだが、キャラクターとしてのバランスがメインヒロインの中で最も上手く行った感じがある。
ギャルでありながら、頭が良いので、陽キャ系あるあるのアホ・バカネタにはならず、理解度が高いとか、真面目な所があるとか、それでいてエロ知識が無駄に豊富みたいな、バランスの取り方が成功した結果、万人にウケやすいヒロインとなった印象。
まぁこれはシナリオ担当が恐らくかずきふみなので、単純にルートの完成度として強い部分もあると思う。
ゆず初登場、柳ひとみも、下馬評通りの力をしっかりと示しており、前世スレイの声の変化含め、配置としても成功した印象がある。
ただまぁ、かずきふみはルートの完成度とか、そういうところは強いのだが、実はキャラの純粋な可愛さを出すという所では、他のライターに劣る時がある(出せてはいるんだけど、それは境遇とか、関係性とか、そういう前提条件を使いながらって感じなのが多いから、ゆずの純粋な可愛さを引き出すのとは使ってる筋肉が違う)のだが、今作は普通に勝負できた印象がある。
これはかずきふみが頑張ったのもそうだが、周りがいつもより弱かったのも多分要因である。
ということで、メインヒロインは上振れないし、下振れてるしって感じで、まぁとにかくいつもより明確に弱い。
ゆずが世間のエロゲと戦える数少ない所が弱いって書きたかねえよこっちも!
サブ・非攻略の方が強いんだよなあ…
今回、この『メインヒロインの弱さ』をより感じさせている所があるのが、サブヒロインや非攻略キャラのパワーがしっかりと存在することだ。
オリエと風実花という今回二人のサブヒロインが存在したわけだが、二人ともめっちゃ強かった。
勿論、サブヒロイン特有の短さによって、ルートとしてのツッコミどころは存在する。
オリエは、もっと従者であることについて葛藤するべきとか、異世界に戻らないといけない可能性とか、そういう所を無視しまくっているし、
風実花は、先生というポジションの癖に、貞操観念が終わっているのとか、先生と生徒の関係なんすよ!とか(幼馴染という防波堤に頼りきりになっちゃう)
言いたいことはあるが、これはまあ尺の関係上どうしようもない気がする(それくらい短い)
こちらのサブヒロインの要素というのは、比較的シンプルに要素や属性をかけ合わせている所と、サブヒロインで尺がないからこその可愛さで押してきている所とかが合わさってなのか、非常にパワーを感じた。
オリエは10年ぶりくらいの夏野こおり攻略キャラという所と、未だ夏野健在を見せつけている上に、キャラとしての可愛さというところも非常に持っていたと思う。従者でありながら抜けている所があり、でも真面目みたいなね。
風実花は近年エロゲで実績を残した明羽杏子を初めて迎え、成人の先生で年の離れた幼馴染という結構複雑な関係性、ここに前世も絡んでくる、サブにしては設定が意外と盛られているヒロインだったが、その要素という所をしっかりと活かしていたし、単純に可愛さを出していた印象がある。
この2人のサブヒロインは、歴代のサブヒロインでも割と上位に食い込めるレベルの物が並んでいる印象がある。
というか、普通に両方ともに結構な属性があり、メインヒロインでやればもっと化けられたのでは?というメンツ。正直今作のメインよりキャラパワーなら勝てちゃうんだよな。
まぁこれは珍しいことではないと言えばないのだが、それはメインも基本強かったけどっていう前提が付くことが大半だったわけで、今回はそうじゃないのが問題。
非攻略ヒロインとして、彩里、チカ、カエデが存在するが、こちらも結構いつもの非攻略キャラよりも出演頻度が高かった印象で、こちらもそれぞれインパクトを残した。
特に彩里に関しては、過去非攻略ヒロインの中でも相当なインパクトを残した印象があり、これが攻略できへんのかい!キャラが久々にゆずで誕生したのかもしれない。
こういう所を考えると、メインよりこっちのほうがパワーあるだろみたいなキャラが結構いた…というのも、メインの強くなさというのを際立たせてしまったのかもしれない。
いつもより掘り下げてるのになんか掘り下げてないヒロインの方が強い
今作は、前世という設定が存在し、メインヒロインは3/4が前世に何かしらの関わりが存在するヒロインとなった。
こういう前世とか、異世界の話をするのであれば、そういう所をしっかり掘り下げを行わないと意味がないと思う。
ゆずソフトは、所謂ファンタジー要素を入れる割に、そのファンタジー要素をうまく使えることのほうが少なく、もうファンタジー抜きでやれや!と筆者は常々言ってきた所がある。
今作は、この前世という所の掘り下げをしっかりと行うことで、設定の必要性というところは結構過去作よりもあったのかなという感じがある。(まぁそれでも異世界自体の設定とか、人物とかの描写不足は否めなかったが、例年よりはやってる…というか、前世個人への掘り下げはしっかりやったという意味で)
そういう所は評価されるべきことなのだが、じゃあこれがヒロインの掘り下げになったのか?と言われるとこれはそうではないという感じがある。
これは前世と現世はあくまでも違う人間であるという描かれ方を今作はしたので、前世のことを掘り下げても、現世の所に100%還元されるわけではない…という所である。
勿論、前世という外的要因があることで、現世のヒロインが、今と昔の違いとか、この気持ちは前世のせいなのかとか、そういうアプローチの取っ掛かりとしては作用している。
ただ、それはあくまでも取っ掛かりであって、ヒロイン当人の良さを引き出すものに完全になっているわけではない。
じゃあ前世とイコールにすればよかったか?というと、精神ゆずキッズというのは、圧倒的純愛というのを求めており、主人公とヒロインだけが…みたいな所もあるので、これをイコールにしてしまうと、そういうゆずキッズがキレてしまうので難しい(というか同じにしちゃうと、過程という所も踏めなくなっちゃうしね)
というかそもそも、前世の所の掘り下げをしていることが、今のヒロインのことを見せる時間を単純に削ってしまっているという所がある。
設定を遵守した結果、今、攻略するべきヒロインの尺を奪ってしまったと。
今作における描写不足は、尺とのバランスと設定遵守の部分もあるような気がする。
掘り下げているんだけど、掘り下げているのは前世であって、ヒロインじゃないっていう。
じゃあ唯一そういうのがないかぐ耶はどうだったかっていうと、エロの一本槍しか持たせてもらえなかったというので、序盤の虚無感がエグいという、もうどっちにしろ上手く行ってないじゃんみたいな形になっていた。
どうすりゃよかったんだよ案件である。
前世を掘り下げようとしたら学校を全く掘り下げなかった
学校設定使われなさすぎだろ。
ゆずソフト君、設定を遵守しようとすると他の設定が遵守できなくなっている所がある。
やっぱりここは設定を複数載せていくのは不可能なのかなって感じ。
どっちかをしようとすると、どっちかがおろそかになるって感じ。
せっかく学校にいるのに、学校シチュとか、学校の友人関係云々とか本当になかった。
それこそ風実花とかそういう感じでやりゃよかったのに。
前世をやろうやろう、もう設定遵守してないとは言わせないぞ!って思った結果、元々扱われていた設定がほぼ出てこなくなった。夏休み期間中だからね、本当に学校描写がないんだよね。
いや、別に良いんだけど、結構な武器を捨ててるぞお前と。
ゆずソフトがキャラ弱くなったら、突き抜ける奴がいなくなったら終わりでは…?
ゆずソフトというブランドが、評価されている所というのはどこか?というのを考えるのは難しい。
なので、言い方をちょっと変える。ゆずソフトが他のエロゲブランドと戦える要素は何なのか?という話にしてみよう。
ゆずソフトというブランドは、エロゲ界の入口的な存在となっており、万人受けが求められる。そのため、やれることというのが極端に少なく、その中で形にするというのは相当に難しいものであると推察される。
また、ゆずソフトというブランドは、あくまでも同人時代のメンツから大きく変更されることなく現在に至っている。(まぁ羽純とほかんが入っているので、今までの中で最も体制が変わっているんだけど)外部から人を連れてきてどうこうできるのは、シナリオライターと、OP歌手くらいである。
そういう所を考えていくと、中々難しい。そして、万人受けを狙う結果シナリオという所で勝負するのは難しい。
ゆずソフトが戦えているのは、やはりむりこぶ原画と、キャラとしてのパワー、イチャイチャの部分などだと思う。
今回原画が増えたが、まぁかなり絵柄は合わせてこれた印象。それでも違和感がある部分はあるが、この感じならサガプラ並みの違和感の少なさになるのも時間の問題だろう。大きな懸念点とも言えた原画追加は、初手としては合格点以上の物を出してきただろう。
ただ、やっぱりキャラパワーの部分は今回は厳しい。
ゆずはキャラゲーをすることしか、性質上不可能だし、そのキャラが強いからゆずソフトはゆずソフトでいられる所があると思う。
という所を考えると、今作のキャラパワーの弱さは『ゆずソフトの根本的危機』という言い方をしても、意外と怒られないのでは…?と感じたのである。
キャラが強くない、突き抜けられないゆずって、それ失っちゃいけないアイデンティティなのでは?感がある訳で…
色々記載してきたし、直近で掘り下げの所も書いたのだが、正直掘り下げとか別に他のゆず作品でそんなしてないし、そんなことしなくてもゆずのヒロインって強い奴がいたし、その上でやって突き抜けた奴がいた訳で、今回そういうのがなかったな~ってなるのは、結構やばい気がするんだよな。
まぁ今作、色々な挑戦を今までよりもしている訳で、意図的に全体的なヒロインを平均的にしようとした説もあるっちゃあるのだが、平均化するにおいての点数が70点くらいになっていてはそれが意図したものだったとしてもやばいと思うんだよな。
これが意図したものじゃなかったらそれはそれでヤバいし、どっちにしろセンターの乃愛がキャラ設定とか広げ方を間違えた感があって弱くなっているから、何がどうなっていてもヤバい気もする。
どんな出来であろうと世間は評価するのが一番の危機かもしれない
まぁ一番ヤバいのは、プレイヤー層という言い方もしても良い。
結局何が出た所で評価する層というのが、ゆずのプレイヤー層にはあまりにも多すぎる。
本当に致命的な空振り…それこそ天色のような空振りをしない限り、良いとか、感動したとか、そういう言葉が飛び交ってしまうのがゆずソフトというブランドである。
勿論、ボコボコに文句を言うことが正しいことではないと思うし、どんな作品にも良い所は存在するはずであるし、当ブログでも感想記事で散々良い所は書かせて貰ったわけだが、逆に悪いところ、よろしくなかったところも存在するはずであり、そういう所は言っていかなければならないと思う。
まぁ所謂世間は、誹謗中傷とかのラインを永遠に読み違えて批判批評まで抑え込んでこようとするような所もあるし、作っていることが凄い、イエスマンを求めている感じもあるのだが、
ことゆずに関しては、なんかそういうこと言われる前からずっとこんな感じだし、プレイヤー層が信者なのか、ゆずしかやったことがないから物差しがぶっ壊れているのか、なんなのか知らんが、あまりにも手放しの称賛がTwitterとかで多すぎる。
じゃあ逆に批評空間とかが参考になるかと言われると、それはそれでどうなんだろうなあ…みたいな所あるし。
どっちにしろ異様に評価されるっていうのが、これが正しいんだか正しくないんだかが、本当にゆずは分からん所があり、ゆず側としても、世間の評価というのを掴みにく過ぎる部分があるように思う。この辺りは、ゆずに同情する所はある。
こんなタイミングじゃないと挑戦は出来ないゆず
3年、正直ゆずソフトは迷走をしたとは思っている。あらゆるアイデンティティを捨てた3年間だった。
それを一定は自覚していたのだろう、気合を感じる作品に仕上がっていたし、色々な挑戦をした作品となったと思う。
挑戦をするタイミングは、こういうタイミングしかなかったと思う。
挑戦をしたことは、称賛されるべきだと思うし、その挑戦の中で、ゆずソフトらしさはある程度は貫けている印象もある。
ただ、やっぱり挑戦した結果、既存の良さを削いでいる部分もあったのかもしれないなとも思う。
これを書いていて本当にマジで筆者は困った。
ゆずはどうすればいいのかが分からん。
でも、キャラが弱くなったゆずはもう終わりだと思う。
ゆずにシナリオは期待できないし、外部から音楽を引っ張ってくることも出来ない。
キャラゲーとして戦う以外の選択肢はない。そんな所がキャラが弱くなったら、致命傷になりかねない。
でも多分一番困っているのはゆず自体な気もする。
頑張ろうという意思は伝わってきた。
今までと違うことをしようというチャレンジ精神も珍しく感じることができた。
設定を活かそうと頑張っているのも分かる。
そこは本当によくやったと思うのに、本当にいつもよりヒロインが弱い。
一番大事な所が弱い。
この3年で色々なアイデンティティを捨ててきたゆずソフトだが、キャラが強いってのを捨てたら本当に洒落にならない。
いくらゆずソフトとはいえ、今作は大失敗は出来ない作品となってしまった。
別に出来自体はいつも通りといえばいつも通りなのだが、割と大切な所に首を傾げている時点でよろしくはない。
ただ、ゆずプレイヤーはそういう事はまぁ言わないのは目に見えている。
実際、手放しに褒めているようなツイートなんて探せば山のように出てくると思う。
ゆずは何を基準に、どう作れば良いんだろうか。
『喫茶ステラ』でもゆずの苦悩を感じた。
『天使騒々』は、一見そういうのは感じなくなった気がしたのだが、なんか考えてたらやっぱり苦悩してる気がしてきた。
苦悩した結果、実験作になり過ぎているのかもしれない。でもその加減ってどうすりゃ良いんだよって思うし、実験できるのはこのタイミングしかなかったと思う。
ゆずに正解はないし、不正解は世間が教えてくれない。
エロゲの入口であるゆずソフトは、答えのない袋小路に、やはり苦悩し続けているのだろうなと思う。
3年の半分迷走の期間は、断ち切られたのか。それはまだ分からないのかもしれない。
ただ、実妹、ルート内BADという大きな要素を始めとする、多くの今作の攻めの挑戦は、そんな袋小路、やれることが少ないゆずソフトにおいての新たな引き出し、広がりにはなってくれる部分はあるはず。
この挑戦が、今後のゆずソフトに繋がること、株式会社ユノスを少しでも楽にすることを願っている。
以上。