おにじと申します。
今回は、声優アワードに関して。
以前、当ブログでは事務所別でのアワード受賞の傾向を算出してみたことがあった。
この調査において、声優アワードにおける81プロデュース、アイムエンタープライズへの偏りが数字によって完全に出たりもした。
散々声優アワードというのは、この2事務所に偏っているという話は言われたりするわけだが、実際に数字にして算出してみると、その偏りがかなりのものであることが露呈する感じがあった。
総合的に言うと、全体の15.43%が81、10.49%がアイムとなり、1/4がどっちかという形に。
特に新人賞が最も偏っており、21.25%が81、12.5%がアイムという偏りっぷり。
助演主演でもどっちかが1割を占めていたりと、まぁアワードの価値という所を考えさせられる結果に(
まぁそういう中で今年も声優アワードの発表が行われた訳だが、今回も一定の偏りというのは存在したようにも思ったりはする。
そんな中、声優アワードの発表の中でも触れられていたが、今回助演女優賞を受賞した高橋李依(81プロデュース)は、第10回(2015年度)にて新人女優賞を獲得している。
このような、新人から助演や主演を獲得していく声優というのは、少なくはない。
そういう事が普通に授賞式で言われるくらいなのでね。
ただ、まぁどれくらいいるかとかちゃんと調べたことなかったなと。
ということで、今回から複数回(多分)において、声優アワードのデータを見ていく。
今回は、新人賞から主演賞、もしくは助演賞を獲得した声優をご紹介していく。
新人賞→助演・主演賞声優調査
では、新人賞を受賞した後、助演、主演賞を受賞した声優をご紹介。
新人男優賞→助演男優賞
岡本信彦(プロ・フィット)
まず始めに、もうすぐラクーンドッグの代表取締役になる岡本信彦。
第3回(2008年度)に新人男優賞を受賞。
この年は『とある魔術の禁書目録』(一方通行〈アクセラレータ〉役)の一期が放送されていた。昔!(
そして助演男優賞は第5回(2010年度)に受賞。
この年は『バクマン。』(新妻エイジ役)、『会長はメイド様!』(碓氷拓海役)、『迷い猫オーバーラン!』(都築巧役など)を務めての受賞だった。
いきなり新人からの助演でこのインターバルの短さである。
島﨑信長(青二プロダクション)
次にご紹介するのは、島﨑信長。
第7回(2012年度)に新人男優賞を獲得。
この年は『好きっていいなよ。』(中西健志役)、『あの夏で待ってる』(霧島海人役)、『TARI TARI』(田中大智役)等を演じており、話題作多め。
助演男優賞は、第15回(2020年度)に受賞。
『ソードアート・オンライン アリシゼーション』(ユージオ役)、『フルーツバスケット』(草摩由希役)などが主な出演作とされているが、このときはどっちかっていうと継続で2020年に被っていたみたいな感じだったので、時期的には割と微妙っちゃ微妙だった記憶がある。(作品的には受賞は妥当なんだけど)
石川界人(ステイラック)
最後にご紹介するのが石川界人。まぁ現在所属はステイラックだが、受賞したタイミングはプロ・フィットである。
第8回(2013年度)に新人男優賞を獲得。
『東京レイヴンズ』(土御門春虎役)、『凪のあすから』(木原紡役)、『イナズマイレブンGO ギャラクシー』(瞬木隼人役)等をこの年演じている。
助演男優賞は、第14回(2019年度)に受賞。
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』(梓川咲太役)や、『ダンベル何キロ持てる?』(街雄鳴造役)等を演じての受賞で、この時も話題作引っ張ってきたなって思ったり。
新人女優賞→助演女優賞
加藤英美里(フリー)
まずご紹介するのは、加藤英美里。現在はフリーだが、受賞タイミングは81プロデュース所属時。
第2回(2007年度)に新人女優賞を獲得。
助演女優賞は、第6回(2011年度)を受賞。
『バカとテストと召喚獣』(木下秀吉役・木下優子役)、『魔法少女まどか☆マギカ』(キュゥべえ役)、『ゆるゆり』(大室櫻子役)等多くの作品に出演。
やっぱりこのときはキュゥべえが一番大きかったんだろうか…?
続いてご紹介するのは、戸松遥。初代ミューレゴリ押し部だが、なんかそれなりにちゃんと育った変な人(偏見表現)
第3回(2008年度)に新人女優賞を獲得。
『かんなぎ』(ナギ役)、『To LOVEる -とらぶる-』(ララ・サタリン・デビルーク役)等に出演。ヤマカンの遺作…(違)
助演女優賞は第7回(2012年度)に受賞。
『ソードアート・オンライン』(アスナ / 結城明日奈役)や、『マギ』(モルジアナ役)、『となりの怪物くん』(水谷雫役)などを演じており、作品がとにかくでかい。
この一年前は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(安城鳴子〈あなる〉役)とかもあるし、こう考えると戸松ってまともにまっとうに育ったよなと思ったり。
こういう成長曲線、後のミューレ1人も追従できてないし、ミューレに限らずこんな成長曲線を描く人間はほぼいないと思う(
割と女性声優は該当者多いっていう。次は伊藤かな恵。
第4回(2009年度)に新人女優賞を獲得。
『とある科学の超電磁砲』(佐天涙子役)、『大正野球娘。』(鈴川小梅役)、『クイーンズブレイド』(アイリ役)などを演じての受賞。まぁほぼとあるだろうね(
助演女優賞は第5回(2010年度)。すぐに助演で入った感じ。
『神のみぞ知るセカイ』(エルシィ役)、『To LOVEる -とらぶる- シリーズ』(ナナ・アスタ・デビルーク役)、『侵略!イカ娘 』(長月早苗役)等を演じての受賞。
このときはめちゃくちゃ多かったんやなって。すっかりメインでは見なくなったけど、なんだかんだ縁の下の力持ちポジにはなってるかなって気はするけど…
続いては上田麗奈。
第9回(2014年度)に新人女優賞を受賞した。
『ハナヤマタ』(関谷なる役)、『てさぐれ!部活もの』(園田萌舞子役)等。
ほぼハナヤマタで取った感じか。まぁ81だからね…と言われても仕方がないか?(上田に能力があるのは間違いないんだけど、この当時というか割とこの前まで代表作が存在しなかった感は否めなかったかなとは)
助演女優賞は第15回(2020年度)に受賞。
『Dr.STONE』(ルリ役)、『ダーウィンズゲーム』(狩野朱歌役)、『フルーツバスケット』(草摩杞紗役)、『恋する小惑星』(鈴矢萌役)等。
2018年くらいからバンバン代表作出てきての受賞。まぁこの年か?と思わなくはないけどw
最後に高橋李依。
第10回(2015年度)に新人女優賞を受賞。
『それが声優!』(一ノ瀬双葉 / コロリ役)、『がっこうぐらし!』(直樹美紀役)等を演じた。まぁこの時点で当たりの作品が出てるんだよなあ、本格的に当たるのはこの次の年だけど。
助演女優賞は今回…第16回(2021年度)獲得。
『Re:ゼロから始める異世界生活』(エミリア役)、『かくしごと』(後藤姫役)等。
まぁとっても良いんだけど、この年じゃなくね?という気持ちはあった(
新人男優賞→主演男優賞
梶裕貴(ヴィムス)
続いて、新人男優賞から、主演男優賞を受賞した声優。
まずは梶裕貴。
第3回(2008年度)に新人男優賞を受賞。
『イナズマイレブン』(一之瀬一哉役等)、『黒執事』(フィニアン役)、『夜桜四重奏 〜ヨザクラカルテット〜』(比泉秋名役)等をこの年演じての受賞。
主演男優賞は、第7回(2012年度)及び第8回(2013年度)で受賞。
現状唯一の主演男優賞を連覇した事がある声優。なお、一回目はアーツビジョン、二回目はヴィムスで受賞しているという遍歴があったりもする。
『アクセル・ワールド』(ハルユキ役)、『マギ』(アリババ・サルージャ役)、『K』(十束多々良役)、『ハイスクールD×D』(兵藤一誠役)等を第7回で主演男優賞を受賞。
『進撃の巨人』(エレン・イェーガー役)、『ポケットモンスター XY』(シトロン役)、『変態王子と笑わない猫。』(横寺陽人役)等を演じて第8回も連覇。
まぁこのときは『進撃の巨人』のパワーがめちゃくちゃ強かったので、こういう連覇という形になったんだろうなとか。
しかし連覇するだけの作品が揃っているわね。
続いては松岡禎丞。
第6回(2011年度)に新人男優賞を獲得。
『神様のメモ帳』(藤島鳴海役)、『マイの魔法と家庭の日』(立海光役)等。
ちなみに後の『アイドルマスター SideM』になる御手洗翔太もこの年からではある。所謂『アイマス2』やら『映画アイマス』のタイミングだけど。
主演男優賞を獲得したのは第10回(2015年度)。
『冴えない彼女の育てかた』(安芸倫也役)、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(ベル・クラネル役)、『食戟のソーマ』(幸平創真役)を始めとして、とにかく多くの作品にこの年出演。まぁこれだけ人気作品が並ぶ(全部2期以上やってる)の凄いな。そりゃ主演賞だろ(
続きまして内田雄馬。
第11回(2016年度)に新人男優賞を受賞。
『マクロスΔ』(ハヤテ・インメルマン役)、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 』(アイン・ダルトン役)『ダイヤのA』(奥村光舟役)とかがこの辺。
まぁ割と2015年終わりとかが多めなんだけどなこの並びだと(確かに2016年も出てるんだけど、メインの作品のバリューとしてはこの並びのほうが良い気がした)
主演男優賞は、第13回(2018年度)の受賞。
『BANANA FISH』(アッシュ・リンクス役)、『ぐらんぶる』(北原伊織役)、『東京喰種トーキョーグール:re』(不知吟士役)などを演じての受賞。
まぁかなり『BANANA FISH』で受賞した感じはある。割と内田雄馬だったの意外だった気がするけど、じゃあ誰を予想してたんだっけとはなる(アワードってそんなもん)
最後に花江夏樹。
第9回(2014年度)に新人男優賞を獲得。
『東京喰種』(金木研役)や、『アルドノア・ゼロ』(界塚伊奈帆役)等を演じての受賞。
多分この2つが大きかったんだと思う。
主演男優賞は第14回(2019年度)。
『鬼滅の刃』(竈門炭治郎役)等。というかこれだけで取ったようなものだし。
まぁ鬼滅での獲得は話題性とか考えれば妥当以外の何物でもないし、良いと思うけど。
新人女優賞→主演女優賞
平野綾(Grick)
この調査最後となる、新人女優賞→主演女優賞。
最初に紹介するのは平野綾である。
なお現在所属しているGrick時代ではなくて、スペースクラフト・エンタテインメント(現:スペースクラフト・エージェンシー)時代においての受賞となる。
第1回(2006年度)に新人女優賞獲得。
『涼宮ハルヒの憂鬱』(涼宮ハルヒ役)『DEATH NOTE』(弥海砂役)『NANA』(レイラ役)などでの新人女優賞を受賞。
記念すべき第1回の新人女優賞の1人。ちなみにもう一人は鹿野優以(青二プロダクション)。
当時の記載を見ていると、新人賞や助演賞も1人だけ選出しようという話だったっぽいのが、今となっては面白かったり(当然のように複数人受賞するので)
主演女優賞は第2回(2007年度)。すぐ取るタイプ。
この時の平野綾ってヤバかったよなあって改めて思う。引っ張りだこも良い所だし。
というかそういや平野スペクラだったなあって思った、なおスペクラの現在()
続いて阿澄佳奈。
第3回(2008年度)に新人女優賞を獲得。
『ひだまりスケッチ×365』(ゆの役)、 『今日の5の2』(平川ナツミ役)などが評価されての新人女優賞受賞。
主演女優賞は、第7回(2012年度)に受賞。
『ひだまりスケッチ×ハニカム』(ゆの役)、『這いよれ!ニャル子さん』(ニャル子役)、『武装神姫』(アン役)などでの主演女優賞受賞。
まぁニャル子さんが強かったんだと思う。あとひだまりスケッチずっとやってんなお前。
最後に豊崎愛生。
第4回(2009年度)に新人女優賞を受賞。
『けいおん!』(平沢唯役)、『聖剣の刀鍛冶』(リサ役)『とある科学の超電磁砲』(初春飾利役)などでの受賞。
まぁやっぱり『けいおん!』があまりにも大きい。この時放課後ティータイムも歌唱賞取ってるしね。
主演女優賞は第5回(2010年度)。すぐ取るパターンですね。
『けいおん!』(平沢唯役)、『みつどもえ』(吉岡ゆき役)、『聖痕のクェイサー』(山辺燈役)等。
やっぱりけいおんが強すぎる。
〆
ということで今回は新人賞から主演・助演賞を獲得した声優を見てきた。
15人いるけど割と錚々たる面子という言い方できそう。
複数獲得事務所は81、アイム、ミューレ、プロ・フィット。
最多は81(加藤・上田・高橋)。やっぱり81じゃねーか!(オチ)
という事で、こういう感じでちょっと声優アワード深堀りをコレからもしていきたいなと思っている。
以上。