声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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#声優アワード における事務所比率を調査してみた

おにじと申します。

 

この記事、去年の3月真ん中くらいに作って「いやこれ来年のほうが良いだろ…」ってなった記事。

まぁ前番組が出たしそろそろかなと(

 

今回は、声優アワードにおいてのお話。

先日、第十五回の声優アワードの発表が行われたわけだが、当ブログでも予想と感想の記事を出したし、発表時はキャスをやったりと、昨年に続いて結構注力した所がある。

oniji.hatenablog.com

oniji.hatenablog.com

 

とは言え、筆者はブログやTwitterにおいて、声優アワードという物を基本的にDisっており、声優アワードというのは、日本レコード大賞以下の賞であるという事も言っているわけである。

現に予想はしているものの、当日にはこのようなツイートもする始末。

実際この言葉に嘘はなく、声優アワードという物は、賞の威厳があるとは現状思えていない所が多い。

 

筆者は声優という職業は素晴らしい物であり、讃えられるべき職業であると考えている。

そう考えると、声優アワードは声優を讃える唯一の賞である事現状を見ると、興味を持たない事は出来ない訳である。

 

筆者が『※毎年声優アワードは予想付かないし付けようという気も起きない程度の賞です』という事等で声優アワードをネタにするのは、その唯一の賞が健全に動いているとは到底思えないからである。

 

特に第11回の神木隆之介上白石萌音の君の名はのダブル受賞は有名な炎上案件となったわけだが、

それ以上に声優アワードに蔓延しているのは、日ナレ系事務所、特に81プロデュースアイムエンタープライズへの受賞の偏り等のアワード内に”枠”が存在する所である。

結局の所、声優アワードは声優を讃える賞という建前の元、見え見えの忖度が行われており、事務所によって受賞出来るかが変わってくるという不公平でしか無い要素が外から見ていても見え見えなのである。

勿論声優でもない神木・上白石の案件も分かりやすい事案ではあったわけだが、この一点よりもより根深い問題はここにあると考えている。

 

とはいえ、ここ最近はその枠も若干マシになってきている説も出てきている(いつも見なかった事務所が出てくるようになったとかいう意味で)

なので、あくまでも偏っているというイメージでしか言っていないと言われても、明確な反論はしづらいかもしれない。

という訳で今回は、声優アワードの1~15回の声優事務所分布をちゃんと調べてみることにした。

たまにやるデータ集計系統記事である。

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集計方法

今回集計する賞は、主要な賞と言えるであろう、主演賞・助演賞・新人賞の3つを集計した。(主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞助演女優賞・新人男優賞・新人女優賞)

一応受賞した当時所属していた事務所で集計したつもりだが、ゴリゴリ手動なのでミスってたら申し訳ない。

この結果、同じ声優が受賞していても、事務所が移籍している場合は集計が別々になるので、ご了承を。

また、受賞した当時の事務所名で基本表示しているつもり…つもり…(

 

 

集計結果

新人賞

まずは新人賞の集計結果を見ていこう。

 

新人賞は男女合わせてこれまで80名の声優が受賞している。

39人の新人男優賞と、41人の新人女優賞で、イメージ的には女性声優のほうが新人賞を取っている気がしたのだが、割とほぼ一緒だった。

 

まず眼を見張るのは81プロデュースの受賞者の目に見えての多さである。

新人男優賞8人、新人女優賞11人は両方とも事務所別では最多の数字となっている。

割合にしては21.25%で、1/4弱が81という事になる。

内訳としては、新人男優賞は、柿原徹也(1)・羽多野渉(2)・江口拓也(6)・斉藤壮馬(9)・武内駿輔(10)・西山宏太朗(12)。

新人女優賞は、加藤英美里(2)・阿澄佳奈(3)・大久保瑠美(7)・上田麗奈(9)・高橋李依(10)・田中あいみ(10) ・田中美海(11)・福緒唯(12)・林鼓子(13)・本泉莉奈(13)・朝日奈丸佳(14)。

 

第15回の感想記事でも示した通り、特に新人女優賞の81への偏りは凄まじいものがある。

第9回の上田麗奈から、第14回の朝日奈丸佳まで6回連続受賞しており(しかも6人ではなく8人)、もちろんコレも連続記録としては最長。

また、原則5年以内という新人賞でその5年を無視することも多く、とにかく例外感が強い81。

そうは言いつつも、割と妥当なメンバーが並んでいる感はある。

ただ、基本的に回での年と照らし合わせると、特に女性声優側は前倒しでの受賞感が強く、これは田中あいみや、福緒唯林鼓子等が前倒し感が強いのだと思う。

一方で男性の方は比較的妥当な面子が並んでいる印象があり(その代わり5年基準を無視しまくっている感はあるが)このアンバランス感はなんなのだろうか…?

 

次にアイムエンタープライズが多い。

こちらは新人男優賞4人、新人女優賞6人の計10人で、割合は12.5%である。

この上位2事務所で33.75%を占めているというのを見ると、偏りを感じる所である。

新人男優賞→松岡禎丞(6)・内田雄馬(11)・天﨑滉平(13)・大塚剛央(14)

新人女優賞→内田真礼(8)・洲崎綾(9)・小澤亜李(11)・千本木彩花(11)・本渡楓(13)・岡咲美保(14)

 

とは連続という意味では13、14回だけだったりするので、多いとは言えいつもいるわけではなかったりする。

新人女優賞は、四年目の声優が獲得するというジンクスがあったのだが、14回の岡咲美保でこのジンクスは終わっている。

松岡禎丞内田雄馬はこの後主演男優賞を獲得していたりと、順調な成長へと至っているのも特徴かもしれない。

 

3位が青二プロダクションなのは妥当感があるが、アーツビジョンは新人男優賞に限れば3位に食い込んでいたりもする。(81・アイム・アーツは日ナレ軍団の中の主要事務所感があるが、アーツはそんなに明確に多いと言う訳ではないのは不思議といえば不思議)

 

ミューレが女性だけで6位に食い込んでいたり(戸松・豊崎・雨宮)、もう今は事業自体がしにかけているスペクラが2人取っていたり(平野・上坂)こうやって見ると割と意外とも言えそうな点が多い。

 

助演賞

続いては助演賞。

助演賞はこれまで53人の声優が受賞している。

 

ここで一番受賞していたのは7回の青二プロダクションである。

声優事務所の元祖とも言える青二プロダクションが、ここは一番の受賞数を獲得していた。

助演男優賞神谷浩史(2)・中井和哉(5)・古谷徹(13)・島﨑信長(15)

助演女優賞沢城みゆき(3)・伊藤かな恵(5)・沢城みゆき(9)

 

沢城みゆきは二度助演女優賞を獲得しているが、助演女優賞は割と複数回受賞があるようである。

神谷浩史は、このあと主演男優賞も獲得、沢城みゆきも主演女優賞を獲得している等、主演・助演の両方の獲得は少ないということはないようである。

 

二番目はアワードでは安定と信頼(適当)の81プロデュースである。

助演男優賞宮田幸季(1)・三木眞一郎(4)・三宅健太(13)

助演女優賞加藤英美里(6)・芹澤優(13)・上田麗奈(15)

もうどの賞にしても81は上位にいるのがお決まりとなってくるわけだが、こちらでは3:3の受賞となっている。

こう見ると割と妥当な面子が比較的並んでいるように見える。

割と受賞の回が一桁台と、ここ最近にはっきり別れているのも面白い点かもしれない。

…まぁ芹澤の受賞は個人的にはご不満な所あったのだが(

 

3番目は、こちらもお決まり感もあるアイムエンタープライズ

助演女優賞釘宮理恵(2)・早見沙織(10)・大西沙織(12)・佐倉綾音

(12)

割と特徴的なのは、助演女優賞しか受賞していないという所だろうか。

助演男優賞を受賞した声優は存在しない。

大西沙織佐倉綾音はこの時ダブル受賞し、アニラジアワードも大賞を取っていた。

 

逆に、助演男優賞しか取っていないのが、マウスプロモーションであった。

助演男優賞石田彰(1)・小野大輔(2)・細谷佳正(8)

まだ第一回の時は石田彰マウスプロモーションだったんだなあ…とか思うわけだが。

 

アイムとマウスプロモーションの間には東京俳優生活協同組合がいて、こちらはバランス良く2:2であるが、助演男優賞の2は諏訪部順一が二回獲得している形である。

助演男優賞諏訪部順一(7)・諏訪部順一(12)

助演女優賞大原さやか(7)・種﨑敦美(14)

 

 

主演賞

では、主演賞も見ていこう。こちらはそもそも一人ずつの選出になるので、一回の受賞のウェイトが高いことになりそうである。

主演賞は29回受賞されており、第5回のみ主演男優賞が該当者なしとなっている。

 

最も主演賞を受賞している事務所はマウスプロモーションアイムエンタープライズの3回であった。

 

マウスプロモーション

主演男優賞→小野大輔(4)・小野大輔(7)

主演女優賞→黒沢ともよ(12)

複数回主演賞を受賞するイメージというのはあまりないのだが、小野大輔は二回の受賞を達成しており、それが最多受賞回数に繋がっている。

主演女優賞の方は黒沢ともよである。まぁ妥当な面子が並んでいると言えそう。

 

アイムエンタープライズ

主演男優賞→松岡禎丞(10)・内田雄馬(13)

主演女優賞→釘宮理恵(3)

アイムは、初期に釘宮理恵が獲得し、ここ最近で松岡禎丞内田雄馬が獲得している形となっている。

アイムでの主演賞での面白い所は、この3人全てがこの主演賞を獲得する前に何かしらの声優アワードの賞を受賞している所である。

釘宮理恵は第2回に助演女優賞松岡禎丞は第6回に新人男優賞、内田雄馬は第11回に新人男優賞を獲得しており、そこからの主演賞獲得の流れ…というのが存在しているようだ。

 

同じ三回という数字でも、割と内容が違う感じがある2事務所の内訳と言えるかもしれない。

あと複数回事務所が獲得しているのは、青二プロダクション81プロデュースの2回だけである。

 

青二プロダクション

主演男優賞→神谷浩史(3)

主演女優賞→沢城みゆき(4)

青二プロダクション神谷浩史と、沢城みゆきが獲得している。

この後最多得票数賞やMVSを独占していく(15回で独占は止まりましたが)神谷浩史と、実力派声優としての地位を確固たるものにしている沢城みゆきという妥当な面子である。

とは言え、青二プロダクションが2回しか主演賞を獲得していない上に、ここ10回受賞してないのは意外とも言えそうである。

 

81プロデュース

主演女優賞→阿澄佳奈(7)・古賀葵(14)

81プロデュースは、主演女優賞が二人という形である。

阿澄佳奈古賀葵共に『這いよれ! ニャル子さん』と『かぐや様は告らせたい』で代表作に巡り合ったタイミングでの受賞という感じである。

古賀葵の受賞は若干早計にも思えたが、この直後の『かぐや様』2期でのさらなる演技力のブラッシュアップにより、その実力を示せたのは良かったと思う。

 

また、個人としては梶裕貴が7、8回で主演男優賞を連覇している。

連覇しているのになんで名前が出てこないのか?という所だが、7回ではアーツビジョン所属で、8回ではヴィムス所属だったからである。

 

主演賞に関しては、割と事務所の偏りが少なく、今年も初の受賞となったアミュレートとmitt managementという形となっている。

 

 

総合

最後に、ここまでの全ての受賞を合算した割合を出してみよう。

docs.google.com

総合で162回の受賞があった事に今回の集計ではなった(数え間違えしててももう知らないぞという石)

 

やはり元々の予想通り、81プロデュースが一位となった、受賞回数は25回で、 割合としては15.43%だった。

二番目はアイムエンタープライズで、受賞回数は17回、割合としては10.49%である。

この2事務所だけ、受賞率が10%を超えている。

 

この2事務所を足すと、25.92%となり、全体の1/4がこの2つの事務所から出ているという偏りようが良く分かる結果となった。

やはり両事務所共に新人賞で多くの数を稼いでおり、その上で主演助演でも、十分な数の受賞数があるという形である。

 

また、声優の複数回受賞もこれだけの受賞数だと多い。

81は、加藤英美里阿澄佳奈上田麗奈が二回ずつ受賞しており、

アイムは、釘宮理恵松岡禎丞内田雄馬が二回ずつ受賞している。

基本的に新人と助演or主演の組み合わせで、アイムは全員新人と主演である。(81は加藤のみ新人と助演)

 

この2つに食い込んでいるのが青二プロダクションで、受賞回数は16回と、アイムと1回しか変わらない結果となっている。

青二は新人もそこそこの数を出しているが、やはり助演の数が多く、ここが3位となった要因となっていそうである。

また、沢城みゆき声優アワードを3回受賞しており、個人では梶裕貴とならんでの1位である。(沢城は3回に助演、4回に主演、9回に助演を獲得している)

 

割と意外と取られそうなのが、プロ・フィットが4位である所かもしれない。

青二とは大きく差を開けられてはいるものの、9回で4位。

内訳は岡本信彦×2、悠木碧茅野愛衣石川界人×2、堀江瞬、ファイルーズあい、鬼頭明里であり、所属数は多くないものの、割と有能声優が多めのイメージもあるプロ・フィットがアワードでも結構上位に食い込んでいるようである。

 

また、今回は初めて事務所の中から受賞者が出た回も掲載してみた訳だが、これでも割と面白い事がわかったりする。

比較的初受賞が遅めの事務所として、東京俳優生活協同組合は第7回で初めて主要賞を受賞した訳だが(諏訪部順一 - 助演女優賞)、そこから7回受賞している訳で(9回のアワードで7回の受賞)スピードの早さを感じる。

 

アクセルワンは更に遅い第12回で初主要賞を獲得したが、4回すでに受賞していたりする。(4回のアワードで4回の受賞)

 

主要事務所の中の一つと言えるであろう大沢事務所は、第9回の花澤香菜助演女優賞が初の受賞だった訳だが、基本的に声優アワードの受賞がなく、基本的には解禁されていないのではないか?という話もあった。

しかし、第14回に島袋美由利が新人女優賞、第15回に小林千晃が新人男優賞を獲得しており、本格的に大沢事務所声優アワード解禁の流れとなりそうである。

 

また、シグマ・セブンも受賞者が今までおらず、声優アワードを受けない方向になっているのではないか?という話があった訳だが、第15回において市ノ瀬加那が新人女優賞を受賞した(パーソナリティ賞で安元洋貴も受賞)事で、こちらも解禁になったと思われる。

このシグマ・セブンを始め、今年授賞式が行われた第15回では6事務所が初受賞となり、過去の中でもかなり新規事務所が多い回となった。

 

これまで受賞してきた事務所数は48であり、平均3.2事務所新規が現れる計算となるが、これはここ最近の事務所数の増加なども影響していそうな感じである。

総合の表には全受賞者を記載したわけだが、15年もやっていると結構声優も事務所移籍している場合が多く、この人ここにいたんだ…みたいな事があったりする。

 

こうして数字として出してみると、やはり81とアイムへの偏りというのは顕著であることが分かる。

しかし、第15回は久しぶりに新人女優賞に81枠がなかったり、アイムの受賞も少なかったりと、近年は少しずつであるがまともな道に行きつつある感じもする(まぁその代わりブシロード枠が出来てそうな気がするので、そんな事無い気もするんだが)ので、

唯一の声優を讃える賞としての役割をしっかりと担って欲しいものである。

 

以上。