声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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おすすめ記事

『ATRI』スタッフが描く意欲作は"GINKA"の御伽噺。フロントウイング『GINKA』感想

おにじと申します。

 

今回は、ノベルゲー感想記事。

こう、余韻がめちゃくちゃ残る作品になってるなあと感じる。

ということで今回はフロントウイング『GINKA』レビューネタバレありということで。

 

ネタバレなし感想は既に出してるので、こっち見てね。

oniji.hatenablog.com

 

そこまで長く書くつもりは全然ないけど、結局長くなるような作品な気がする。(結果1万文字~)

UIチェック

まずは軽くUIチェック。(プレイ前所感、ネタバレ出来るだけなし記事がそういうもんみたいなもんだからカットです)

エンジンは吉里吉里系(まぁ今の時代おそらくは吉里吉里Zでしょう)

オリジナル解像度は1280×720。

 

画面設定。

ウインドウテンプレートは11。

4:3と16:9の設定あり。曲名表示設定あり。

常に手前にウインドウが来る設定もあり。

言語は日本語、英語、中国語(簡体)。

 

動作環境設定。

ドラマチックモード対応。主人公とかを喋らせようとすると喋らせることは出来る。

 

テキスト設定。

既読文字色付けはあり。色自体の変更は不可能。

フォントは『GINKA>>>>』と書かれている所を押すと変更できる。

デフォルトは源ノ角ゴシック Bで、埋め込みなのは小杉ゴシック、小杉丸ゴシック、源ノ角ゴシック、源ノ明朝、源柔ゴシック。

 

サウンド設定。

マスターボリュームあり。

ボイス再生時BGM下げ機能あり(デフォルトではオフ)

ボイスカットはデフォルトではオン。

システムボイスは一人を選ぶ形。

 

ダイアログ設定。

 

タッチ設定。

こちら、タッチ設定がなんでか知らんけどデフォルトでオンになっている。

まぁブログの景観上、今回は最後まで基本オンでやったけど、普通のPCでやる場合はオフにした方がUI見やすいし操作しやすいよ(

 

ショートカット一覧。

 

基本画面に関して。

タッチオンの場合。

 

タッチパネルで指2本でタッチするか、右にポインタを持っていくとメニューが出る。

 

タッチオフなら、そこまで他と変わらんUIで出来る。というかデフォルトをこっちにしとけ。

 

バックログ

こちらボイス再生とお気に入りボイスはこちらからも可能。

 

セーブスロットは150。お気に入りボイスも150である。

 

 

雑感

とにかく意欲作である

まぁ一つ言えることは、この作品は意欲作の部類に入ってくるということである。

紺野アスタ作品としても確実に意欲作に寄っていると思う。

これが良いのか悪いのかという話だが、そもそも『ATRI』のスタッフでやっていますという言い方で意欲作を出してくるのは半ば詐欺みたいな所は正直ないとは言えないと思う。

ただまぁ、やりたかったこと自体というのは理解は出来るので、この作品が意欲作であることを真っ向から否定するつもりはない。

否定するつもりはないが、売り方とマッチしていないことというのは間違いないというか、コレをわざとやったのか、コレで行けると思っているのかで言うべきことは変わってくるような気もする。

 

 

ちゃんとギンカを可愛くしようとしていた

この作品に関して言えることというのは、ちゃんとギンカを可愛くするという所はちゃんと貫けた所だと思う。

ここはぶれてはいけないところだったが、他の要素が死ぬほど多い中で、この可愛さという所はやれることはやったんじゃないかなと思う。

作品として、結局ギンカと銀花が出てくる以上、『ATRI』のような集中した描写ということが出来るわけではなかった(というかギンカという存在自体が非常に特殊な存在である)所を考えると、アトリのようなやり方という所が出来るわけではないのだが、その中でもちゃんとギンカが可愛かったのは偉いポイントである。

純粋無垢な存在であり、ある意味で背負わされている感もあるギンカであるが、小5の頃のギンカの純粋無垢かつある意味ではっちゃけてる所を常に出そうとしていたというか。

まぁ単純に言うとただのガキでしかないと言えばガキでしかないのだが、ちゃんとギンカが子供子供、ガキガキしている割に、読者側にそこまでイラつきみたいなものを与えてくる回数というのは多くはなかったのかなとも感じる。

このあたりも調整はよくされていたと思う。ちゃんとギンカを愛せるキャラにしているというのは偉い所である。

 

 

話のひっくり返しが上手・話の展開が読めない部分

作品の構成として、特に中盤、中盤から少し後くらいまでの展開のやり方というのが、話の内容が気になるような作り方をしていたんじゃないのかなという感じになる。

とにかく要素が多く、最初は非常に謎な部分も多い作品となっている『GINKA』。

その中でそれが一体なんなのか?みたいな所に少しずつ迫っていきながらも、日常パートや面白いシーンも挟みながら、この作品の根幹みたいな所に近づいていき、その中で新たな謎が出てきて…みたいな感じのやり方というのは非常に上手く出来ているように感じる。

特に前提条件をひっくり返すという所もやりかた、やるタイミングとかは筆者は好みだった。(神隠しにあっているのが銀花ではなく流星であるということ)

色々な謎が出てくる中で、それがどういうことなのか?みたいな所の見せ方は基本的には上手だったと思う。

読ませるのが上手な文章をしていると言うか…開示の仕方が上手だった。

特にギンカという存在が生まれた理由みたいな所の開示の仕方は、非常に段階的に行われたわけだが、その中で納得が行く内容に出来ていた印象があり、非常に好きだった。

銀花は流星のことどう思ってるんですか?みたいな所も、こうお前失ってる割に興味持ってるよなあみたいな所からの最終的な展開という所に向けての感じとかは好きだし。

まあこれ終盤は苦しくなってくる所あるけど。やること多すぎなんよ。

 

 

ギンカと銀花の2人のヒロインをどっちも描こうとしたのは挑戦ではあったか

この作品の意欲的、かつ挑戦的な要素としては、ギンカと銀花という存在の二人共しっかりと描こうとしたことかもしれない。

まぁこういうのってあるはあるんだけどね。でも、ロープライスの尺でするというのは中々に難しい所はあったんじゃないのかなと感じる部分もあるのかなとも感じる。

二人は同じ存在のようで、かなり違う存在でもあるというか。

そもそもギンカサイドは小学五年生のタイミングで停止しているかつ、ほとんどのことを覚えていない純粋な思いだけの存在というのもあり、深掘りが出来るような存在ではないのだが、その中で存在自体という所での掘り下げがしっかりと行われた感じがある。ここまで子供子供しておいて魅力的な所がちゃんとあるっていうのは凄いことというか、バランスがしっかりしている所はある。とはいえ、子供過ぎるのでそれ以上の深みを出すのは難しい所はある(その上過去とかを覚えているわけでもないので)

このギンカに対して銀花がいるという形で、掘り下げを上手く行おうというか、ある意味でギンカの可愛さというのを担保しながら、掘り下げは銀花及び過去の銀花に任せるという方式で、話の重さに対してギンカの可愛さというのを維持しようという所はあったんだとは思う。

ただまぁ、やっぱりどっちも描くって言うのは簡単なことではないというか、話としての軸が2つになっている所もあるので(同一人物だが、それでも違うものになっている感じがある)そこを読者がちゃんと正しく読めるかみたいな所でのハードルは上がったのかなという所はある。

とは言え、どっちのキャラクターに関しても一定以上魅力的に描いていたのでいい感じではある。

というかこの作品の方式の状態で言えば、最終的に救われるのは銀花まであるので、作品として『ATRI』を求めていた人間からすると一種の詐欺要素ではある。

いやまぁ、HPとか見りゃ、OPを聴けばお察し出来ることではあるのだが、見ないでやる人間もいるし、見ても分かってくれない人間はいるからなあ(

 

 

サブキャラ含めてかなりいい感じに仕上がっている

本作は、サブキャラに関してもかなり魅力的なキャラクターに仕上げることに成功しているように感じる。

この尺でありながら、サブキャラが舞台装置だけの存在ではないというか、それぞれのキャラの思っていること、考え方、キャラクター性みたいな所がしっかりと形作られている印象がある。

それぞれのキャラが抱えていることが、話の展開として上手く作用しており、それが主人公をピンチに陥らせることもあれば、一種の延命という所がされたりすることもあるみたいな感じで、キャラがいる意味みたいなものを結構作り出せていた印象がある。

このキャラの必要性みたいな所に関しては、今作は非常にいい形になっていた感じがあるし、どのキャラクターにも愛着を持てるような作品になったんじゃないかなと。

草二が花憐を止める所とか、ああいうのも良かったしね。

あとまぁひまわりは可愛い。ひまわりは可愛いポジだったな(

 

 

主人公・ヒロインの行動という所に関して、筋が通っているからこそ行動がブレる所がある

この作品、主人公流星にしろ、銀花にしろ、思っていることというのは割とずっと筋自体は通ってはいる感じではあるのである。

結局の所、流星も心臓が持たないのでもう長くないし、銀花も呪いの侵食が中々やばいことになっているのでもう長くないので、お互いお前だけでも生きろやみたいなことにどんどんなっていく所がある。

その上で、お互いがお互いを救おうとするみたいなことになっており、結果的に自分の命ほっぽりだしてでも助けようとしたりとかするし、相手のことを思ったらこの行動が正しい!みたいな感じで行動をするので、結果的に行動がブレまくっている所がある。

若さが出まくっているというか、もうちょっと冷静に物事を考えて行動しようよみたいな場面も散見される作品ではあるので、この行動・ムーブの方向性というのは、人によっては合わないだろうなという感じがする。

お互いがお前だけでも生きてくれって思い過ぎなんだよな、銀花さんお前恋心失ってるんですよね??失っててそれですか???芽生えまくってるんだけどコイツ。爆発しろ。

 

 

良い声優選択しとるわ

ブシロードに下りまくっているフロントウイングではあるのだが、声優の選択はいい感じになったのかなと。

まぁやっぱりギンカと銀花を演じた長谷川育美という所の評価に関しては高くしないことはまずないなという所はある。

長谷川のロリって本当に今までほぼほぼなかったので、どうなるのかなと思ったのだが、割とちゃんと出来ていたのかなと。可愛いロリになっていた。

なんで長谷川の地声は低いのに、どんどん声が高くなっていくキャラを演じているのかは良く分からんけど(喜多郁代のときも高いてって思ったんだけどな)

流石にこの高さになってくると適正の所からは外れてきていると思うのだが、それでも演技のクオリティという所が落ちてこないのは流石だなと。

こういうキャラをやるときとかに、叫ぶとか泣くとか、こういう演技をする時にどうしても戻ってしまう、やっているキャラから逸脱してしまうみたいなこともあるのだが、そういうのをほぼなく演じることが出来ていたという所は素晴らしいのかなと。

でもって、銀花は知っている長谷川の演じている声ではあるのだが、その上で喜怒哀楽の多さという所が色々と見れるキャラでありがたかったというか…こういうギャップがしっかりとあるキャラクターを演じさせることが、長谷川の強みなんだなということを改めて認識させたというか…もっとデレている所も見たかった気はするけど。破壊力何倍にも出来そうだし。

 

サブキャラ系統で一人あげるならなずな先生のCVが安済知佳なの、分かってるなあって思うかな。

基本的に味方ではあるんだけど、どこかのタイミングだけ敵だったみたいなポジションであるなずな先生。敵というか、目的があったからそれに銀花を利用したんだけど、その結果思ってもみないことになって、流星殺したの自分だってなって呪いになっているみたいなこう、お前も悪いけど可哀想だなみたいな微妙なポジションのキャラなんだけど、こういうのを演じさせると強いと言うか。

心優しい先生と、呪いになっちゃってて敵感バリバリの時と、酒飲みでダラダラになってる時とか、銀花とクッソ気まずそうな所とか、色々と見せる顔がサブキャラの割に多かったのだが、こういうのを安済にやらせると上手いのよ~~って感じになるわけで。

安済バンザイ!である。それはそれとしてなずな先生のキャラデザ樋口過ぎるだろ。

 

 

ギンカ派と銀花派が分かれることは主人公への感情移入という意味では阻害されるかも

ヒロインが実質ギンカと銀花の2人に分かれていることによって、読者側に派閥が分かれるというのは、基本的には一本道ではある(BADルートがあるとは言え)この作品において弊害になった部分というのはあったかもしれない。

基本的に主人公はギンカサイドにずーっと居続けることになる。

銀花側に振れるのって、NEXTパートでギンカがいないタイミングくらいなんだよね。いや、銀花も銀花で好きではあるのはわかるんだけど、やっぱりギンカの方を好んでいるというか、あの頃の思い出が強すぎることもあって一生ギンカを選び続けるんだけど。

これがまぁ、銀花派の読者からすると納得できるところとできないところが出来てしまう所があるとは思うので、話を読む上で主人公に感情移入出来るか?という所において、二者択一の壁が出来てしまっている所は、仕方ないとは言え難しい部分だったかも知れない。

まぁ見ていれば流星がなんでギンカを選ぶのかは理解は出来るんだけど。じゃあそれが納得できて自分もその意見に同調できるかって言ったらまた話は別だと思うので(筆者は銀花派でした)

 

 

花憐とかいうババアが好きすぎるんやけど

花憐とかいうババアが好き過ぎる。

銀花マッマである花憐(CV:大原さやか)とかいう強そうなキャラ。

めちゃくちゃやべーやつみたいな感じで刺客として出てくるのだが、このキャラ非常に筆者好み。

自己ラインコントロールが出来るキャラが好きなんですよね。ハミクリの詩桜とかもそうなんだけど。

花憐さん、やばそうでちゃんとやばいんだけど、人間の形は保ってる感じの絶妙なバランスで成り立っているキャラだと思っていて。

殺すからな!みたいに来る割には結構話が分かる所があるというか。ちゃんとこっちが条件を提示したら「まぁそこまでなら…」みたいに待ってくれる所がある。

で、この感じで明らかに銀花のことが好きなのが伝わってくる感じなのも好き。明らかに神様が流れてこなければ溺愛してただろみたいな感じというか、流星のことも「お婿にしたかった」とか言い出すから、本当にコイツ銀花のこと好きだなみたいな。

だから銀花が呪いになった段階でまた流星殺すモードになったりするし。

それでいて神様の島まで流星と一緒に着いてきたりと、確実に自分の中でラインが有る上でクソ銀花好きなのが好き。

好きだからこそ呪いに打ち勝つくらいやらんとやばいみたいになってた感が可哀想。狂わざるを得なかった女感がある。

 

だからこそ狂ってないエピローグの花憐は見せる義務があったと思うんですけど。銀花にデレッデレの花憐見せろやゴラ。

 

 

筆者は銀花派でした、こじらせざるを得なかった女好きよ

前述した通り、筆者はギンカか銀花かで言えば銀花派でした。

責任感で流星を救いに来た感じはあるのだが、結局6年前に戻ってきてから一回もカタシロを手放すこと無く持ち続けまくり、対価で失った流星への恋心を確実に高めて行っていた女。

根こそぎ持っていかれているので、色々と失いまくっているのにも関わらず、流星という存在がきになる感じにはなり、その上で神隠しから帰ってきていないから来てみたら、自分が失ったのを持っているギンカがいて、めちゃくちゃに見せつけてくるみたいな状況に陥っているので、こじらせるなという方が無理みたいな状況にいた女である。

なんか結構クール系統というか、かっこいい側に成長しているのだが、箱入り娘であることに変わりはないので、クソギャップ見せたりしてくる所もそうだし、この感じで余裕が全然ない(呪いもあるので当たり前でしかないのだが)ので、自分が完全に闇堕ちして好きな流星殺しまくったりと、とにかく暴れまくっているのだが、そりゃそうもなるやろって感じがする。

ギャップがあるのが非常に好き。それでいて結局お前流星クソ好きになってるやんみたいな感じになってるのがすげえ好き。スーパー拗らせなしゃあないやんか女の銀花が好きです。

 

まぁというかこの作品可哀想な奴ばっかりなんだよな、流星も可哀想だし、銀花も可哀想だし、ギンカも大概やし、リンもそうやし、なずな先生もそうやし、神様であるひるこ様もそうやし…(

 

 

構成自体はしっかりしており、後々効いてくる構成。ただ前作よりは難しくなっている

この作品、基本的にはしっかりと感動できるタイプの話の構成をしている作品である。

序盤から謎を出しながら、伏線をしっかりと張っているし、それがちゃんと後から効いてくるようになっているし。

その場面では解明されないことが、後になって分かるようになっているし、なんならそれもちゃんとその時にコレだよって教えてくれていることの方が多い。

「なるほど、アレがコレに繋がるのね」っていう感じの作品というか。

ちゃんと繋がっているからこそ、その展開に意味が生まれて、面白さが出たり、感動出来たりする系統の作品なんじゃないかなと思う。

あと、一度EDを迎えてNEXTを挟むことで時系列を飛ばして展開していく所とかも、紺野っぽい構成であるし、とっつきやすいところもあったと思う。

 

思うんだけど、後半になるにつれて、展開がひねられまくっているので、どんどん分かりにくくなっている。難度が上昇している。

この話、主人公とヒロインとヒロインと神様と初代お役目様という所にまで主要な内容に関して後半は関わってきている。多い。ロープラでこの数は多いて。

で、この上で今、6年前、ものすごく前から現在に至るまで…みたいな感じの時系列も何個もある。

そしてこの時系列や視点みたいな所が矢継ぎ早に変わっていく所があるので、非常に整理をするのが難しい所があるんじゃないのかなと。

 

この整理が難しそうな感じのくせに、感動作品あるあるである最終盤における感動展開においての説明はみなまで言わない手法が取られているので、完全に一部を置いてけぼりにする構成になっていると感じる。

これ、読めればめちゃ良いんだけど、どれだけが読めるの?って話なんだよな。

 

いや、筆者としては読めて欲しい範囲ではある。読めれば非常にキレイに繋がっている作品だと思うし、めちゃくちゃ余韻が残る作品になってくれているし、筆者はめちゃ好き。

各所で分かりやすくしようという努力はあったとは思うし、キャラの可愛さとかで緊張と緩和を入れることは出来ていたと思うのだが、NEXTに入っての途中からこのフォローも間に合ってない感じになっている所もあるかもしれない。

なので、場面場面としてはいい場面になっているし、面白かったり、感動できる場面なんだけど、全体で見ると構成に少し無理を感じる所があるというか、もう少し分かりやすく出来なかったのかなみたいな所があると思う。

尺の都合上の所はあるとは思うのだが、親切になりきれていない作品という感じがする。

設定が壮大過ぎて説明しきれていない部分ももしかしたらあるのかも。

 

回収することと説明することに必死になりすぎているパートが存在するというか、こっちが話に対して結構ちゃんと寄り添って読んであげて、情報を整理した上で読み込んでいかないと、一発でこの作品を理解して面白いとか面白くないとか、そういうことが言えない感じがある。

なんでこの作品で節々に『アインシュタインより愛を込めて』(GLOVETY)感を若干感じなければいけないのか。いやあそこまで分かりにくくは全然ないのだが、やり口のベクトルとしては近しいものを感じてしまった。(アイこめ程ではマジでないけど、ベクトルとしてはなんかその傾向が顔を出すタイミングがあったぞという感じ)

まぁこういう伝奇系統っていうのをちゃんと描こうとした上で親切さを持てる程の尺がなかったのかなあ…まぁ色々と詰め込みまくった結果、詰め込みすぎてる感はある。読める人間は全然読めると思うんだけど。

読み終わってから、各所確認するとめちゃくちゃキレイだなってなるしねこの作品。余韻が凄い残るというか、めっちゃいいんすよね。

 

これでも全然いいと思うのだが、人を置いてけぼりにしない為には、NEXTにおける展開はもう少し簡略化し、よりギンカ・銀花の方にフォーカスするようなモノにした方が、世間的な評価としては良かったのかもしれない。

結果的に主人公が神様に特攻したことでなんとかしているのだが、それでも主人公がなんとかした感が薄いし、銀花に関してはマジでなんも出来てない感もあり、主要キャラが蚊帳の外感がちょっとあるんですよね。もうちょっと2人とも掴み取りに行ける話の方が、多分世間のウケは良いと思うんだよな。

もうちょっと銀花が何か出来るポジにしてあげないと可哀想な気もする。

こういう運命に翻弄されながらも自分を貫くというか、こうしたいんじゃい!っていうのをやりあっている流星と銀花というのも良いんですけどね。筆者は好みではあるんですが。

 

あ~あと個人的にはループの所が長い。絶望パートなのは分かるんだけど、ちょっとくどい所に行っているというか、アレやり過ぎると銀花の好感度が落ちると思うんだよなあ…(ここは個人差がありそう)

あと、あんま考えてないんだろうけど、神様の世界改変を改変じゃなくて選択系にしたのも良く分からんのよな。あんま考えてないんだろうけど、そこで風呂敷を広げる必要性あるのかなあとか…いやまぁ神様として不十分だから改変出来るタイプじゃないってのも分かるんだけど…(

 

 

エピローグもうちょい見せろやゴラ

キレイなのは分かるんだけど、もうちょっとエピローグという所は見せてもらえなかったでしょうか。

いやまぁ、これで終わるのがキレイなのは分かるんだけど。分かるんだけど結構カロリーとしてしんどい作品ではあったので、もうちょっとハピエンを見せて欲しいというか。

もうちょっと銀花が銀花で流星にデレてる所みたいし、花憐が銀花にデレッデレな所とかを見せてほしかった感がある。

キレイなのは分かるので、最後のED手前の6年前改変パートがケツで良いので、その間をもうちょっとだけ増やしてほしかった感がある。もうちょっとごほうびが欲しかったというか。

もうちょっと銀花に救済救済して欲しかったし、花憐に救済救済して欲しかった。こいつら苦労し過ぎなので、もうちょっと報われてあげてよ。

どうせサントラとか出すんだから、後日談ドラマCDみたいなの作ってくれませんかね。そういうの需要あると思うよ普通に。ダメですかね。

あ、EDは良かったですね。まぁ青木陽菜、歌えますからね。絶対にどっかでキャラとして出てくるんだろうなとは思ってましたが、初代お役目様でしたね。

 

 

2つの夢が重なる場所へ君を連れていく作品です

この作品は何か?と言われたらOPに書いてるよと言うのが手っ取り早い気がする。

空に翔る流星 星屑を追って
世界の果て超えて行こう
心震える想い 取り戻したいから
二つの夢の重なる場所へ 君を連れて

主人公は流星くんなんですけどね、割と銀花な所もあるみたいな所もあるし。

巡り巡って、神様であるひるこ様を救うことで、全部救うみたいな所はあるんだけども、結局のところ2つの夢の重なる場所へ君を連れていく作品であることに間違いはないんだよな。

最後の最後は完全に場面だけで感動させに行かせている部分もあるけど。

でもアレかなあ、最初スッと流星出てくる所にもCGあった方が雰囲気は出たかもね。

まぁそれよりも6年前の場面の方にリソースを割くのは分かるのであんまり言えんけど。

両方ともちゃんと好きって言うまでにどこまでぐるぐる回っとるねんって話ではあるんだけど、まぁそれが良いからねこの作品。

ハナを連れてくるとかいう方法は割と無理くり過ぎるだろとは思うんだけど。(主人公が自分でやったという感じでもないし)まぁ別に良いかなあというか。

こう終わり方自体はキレイというか、いい感じの映画というか、お伽噺っぽくなってるのは、作品の方向性としては良かったんじゃないのかなと思う。

めっちゃいい感じに終わるんだけど、ここでちゃんと感動できるのか、ええやんってなるのか、なんじゃこりゃってなるのかが読めるか読めないかゲーの所があるんだよなコイツ…w

 

いや、でもりんご飴を舐めているだけでここまでじわっと感動させてくれて、ED終わってここまでの余韻を作れる作品ってのは中々ないと思う。

この尺でありながら、やることはやっていると思うし、後はこれにどれだけ読者がついてこれているのかって所ではあるので。

最後らへん良かったのかなんなのか、スクショミスり続けてるからね。どういう動揺の仕方してるんだよ筆者は。

作品としてのクオリティは高いと思う。まぁちょっと捻りすぎた部分はあるはあると思うけど。

 

普通に筆者は好きなのだが、これ分からんって言われても多少しゃーない部分もあるのかなと。

何せATRIスタッフの作品です!って言いながら、イラスト・BGM・声優のクオリティを担保しながらシナリオがクッソ野心的になっているという所が、なんとも詐欺の領域に片足を突っ込んでいる気がする。

そもそもギンカヒロインというより銀花ヒロインだし。

いや、めっちゃイラストクオリティ高いし、BGMクオリティも高いし、声優のクオリティも高いし、話としてもちゃんと作られているとは思うんだけどね。でも野心が出てる。親切心が追いついてない所がある。

要素が多いことっていうのは読むのが難しいってことになるんだと思うし。これをちゃんと読める人間がどれくらいいるのかは不安。

まぁ割とはっきりと分かれるゲームになりそう。まぁこれは読めるか読めないかだと思う。いやこれくらい読んで欲しいんだが、世間って読めないんだよね、思ったより読めない。

振り落とされるとギンカが可愛かったことしか残らない可能性があるから、そんな事になって欲しくはないなとw

 

作品としての気合は感じるし、順調に売れているようで何より。

ブシロードからフロントウイングにまた作っていいよって言われるくらいには売れてある程度の評判になって欲しい所。

筆者は好き。でもコレは一応人は選ぶとは思う。

 

以上。