おにじと申します。
過去回↓
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オーディション・養成所・事務所遍歴
第2回ぽにきゃん声たまオーディション 審査員奨励賞
→ポニーキャニオンアーティスツ
→スワロウ
→m&i
→tomorrow jam
生年月日 : 1997年9月29日
デビュー : 2013年
出身:神奈川県
査定
演技力:S
演技幅:S
歌唱力:C
キャラソン力:B
トーク力:C
実績:B
過激派的将来性:D
序文
まず、花守ゆみりってまだ25歳であることがバグである。
演技においての強みを出してくる声優というのは、まぁ多くはないというか、難しいわけだが、花守に関しては、そういうポジションをもう完全に確立している所がある。
演技に関してのあらゆる所のカバー力というか、この年齢で演技で周りを引っ張っていくまであるという、現代声優においてはなかなかに珍しい所がある、大変ありがたい声優。
なんというか、今の声優業界において何故かやらないといけないことって色々あるのだが、それを演技の技量とかの地肩だけで全てねじ伏せているみたいな所がある。
それを成立させてしまうのが、花守ゆみりという声優の凄さを物語っているのかもしれない。
経歴
幼少期はバレエやテニスなどの運動系に精を出していた花守だが、中学時代くらいからアニメに興味を持つ。
自身の声質について「声優になれるよ!」と友人に言われたことから、声優へと傾いていくことになる。
友人などの後押しもあり、2012年『第2回ぽにきゃん声たまオーディション』にrimyu名義で応募し、審査員奨励賞を受賞。声優としての道が拓けることになる。
デビューの2013年まで、リマックスの養成所で演技の指導を高乃麗から受けており、現在においても関係性は続いている。
数々の少年キャラを演じる高乃から「ゆみりには少年キャラの素質がある」と言われていたそうであり、現在においての花守の活躍の傾向を考えれば、この言葉は正しいとしか言いようがないものであろう。
ポニーキャニオンアーティスツからデビューした2013年、『あいうら』天谷颯太役でデビュー。他にも数作品にモブなどで出演する所からのスタートとなった。
翌年の2014年は『桜Trick』、『結城友奈は勇者である』などにモブで出演。
この『結城友奈は勇者である』のモブに関しても、今後この作品に普通に関わっていくと考えると色々と感慨深い部分かもしれない。
とまぁ、ここまでの出演作を考えても、ポニキャン資本が強め。ポニキャンが声優に力を入れ始めたくらいのタイミングで花守が登場し、花守はメイン役とかではなくとも、ちょこちょこポニキャン系統アニメへの出演を重ねることによって、経験を積んでいった所はある。
2015年、『ローリング☆ガールズ』御園千綾役で初のアニメメイン役を獲得。
この年は『えとたま』ウリたん役もあり、2つメインを獲得するという大きな一歩の年となる。
また、ゲーム『結城友奈は勇者である 樹海の記憶』にて、三ノ輪銀を演じる。この頃の銀は今となればかなりプロトタイプな印象で、現在の印象と異なる部分がある。
この頃まだ20なってない黒髪ロングでクッソ若い子という印象だったの、懐かしいですね。
この年、ラジオどっとあい62代目パーソナリティとして『ラジオどっとあい 花守ゆみりのいろんなゆみりをみてゆみり(* ´▽`*)』をやっている。
2016年は更にメイン役が増加した。
『あんハピ♪』花小泉杏、『灼熱の卓球娘』旋風こより、『魔法少女育成計画』ねむりんなどに出演。
この辺りから知名度という所も向上してきた印象がある。
またこの年、ゲームでは『アイドルマスター シンデレラガールズ』佐藤心役に座ることが決まり、アイマス声優となった。
そして、映画『ガラスの花と壊す世界』リモ役で映画初主演・初主役を務めるなど、大きな年となった。
このような、一つの全盛期を迎え、若手声優としての地位を確立していっていた花守は、当時は意外だった決断をすることになる。
花守はスワロウ(ポニーキャニオンアーティスツから声優部門が2014年独立)を2017年3月に退所し、4月にm&iに移籍したのである。
これまで、ポニキャンのプッシュというのも一つの要素であった花守が移籍するというのも驚きだったが、その上になんで今そこでm&iに行ったんだ?という所もあり(移籍するならもっと大手への移籍をするものだと思っていた)かなり意外なものであった。
ただまぁ、現在から見ればおそらく花守はポニキャンの方向性としてはどっちかっていうとドル寄りなので(まぁ今のスワロウ声優がそんなドル売りされている印象はないんだけどね)
この2017年は、『ゼロから始める魔法の書』ゼロをアニメで演じ、ゲームでは『八月のシンデレラナイン』宇喜多茜、『Re:ステージ!プリズムステップ』伊津村陽花などを演じている。
2018年は再び出演数が増加(というか多分2017は移籍の関係で減っただけというのが正しいニュアンス)
『Caligula -カリギュラ-』少年ドール / 小森晶、『七星のスバル』日下希、『ハッピーシュガーライフ』神戸あさひ、『転生したらスライムだった件』シズ等多くのキャラでメイン役を演じた。
そして、花守の代表作と言っていい『ゆるキャン△』(各務原なでしこ役)もこの年。
移籍して一年でより立場を強固にした印象があり、17年の若干の不安(移籍するからああなるのは割りと普通ではあるんだけど)というのを吹き飛ばした印象がある。
2019年も、多くの作品に出演。
『エガオノダイカ』ユウキ・ソレイユ、『ありふれた職業で世界最強』八重樫雫、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』早坂愛などで出演。
色々な役やってきたが、結構早坂に関しては世間的な印象としては意外だったのかなあって感じはする。
こちらもアニメとしても長く続くことで、知名度が高い役だろうか。
この年、花守にとって大きな出来事がまたあった。
以前から膝の状態が思わしくなかった花守だが、膝蓋骨亜脱臼及び半月板損傷と診断されてしまう。当面の間は『膝に負担がかかる可能性のあるパフォーマンスの禁止』と言われたことによって、『Re:ステージ!』伊津村陽花役を降りることになる。
そもそもステージパフォーマンスの量というのは多くなかった花守だが、これ以降このようなパフォーマンスは基本行っていない。
現代声優業界において、このようなパフォーマンスも一つのやるべきことみたいな所があるのだが、花守には結果的に関係なかったと言っていいだろう。
2020年は、『ランウェイで笑って』藤戸千雪、『One Room サードシーズン』織崎紗耶、『映像研には手を出すな!』百目鬼、『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』燐・ヴィスポーズなどを演じた。
『へやキャン』とかもあったし、普通に出演キャラを紹介するだけでそこそこ多いんだよな(
2021年、『かげきしょうじょ!!』奈良田愛、『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』ロイド、『ブルーピリオド』鮎川龍二等、より真ん中、もしくは真ん中に近いキャラを演じることが多くなってきた印象がある。
また、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』で、涼村さんご / キュアコーラルを演じ、プリキュア声優となった。前作『ヒーリングっど♥プリキュア』で多くのモブとかを演じていた関連もあり、フラグはあったのだが、プリキュア声優としての地位も獲得したわけである。
昨年である2022年は、『よふかしのうた』朝井アキラ、『魔法使い黎明期』泥闇の魔女 / ゼロ)を演じ、『映画 ゆるキャン△』があったりもする一年となった。
今年は3月にm&iから退所し、長年付き添っているマネージャーと共に『tomorrow jam』という事務所を設立して独立。この年で独立する声優ってすげえんだよな普通に。
『地獄楽』山田浅ェ門佐切、『カワイスギクライシス』リザ・ルーナなどを演じ、来クール以降では、『夢見る男子は現実主義者』芦田圭、『うちの会社の小さい先輩の話』早川千夏などでの出演が決まっている。
自らの道を切り開いていきながら、25歳という年齢で絶対的な演技派声優としての地位を確立している、現代声優として相当な強みを持つ声優の一人である。
評価
花守ゆみりという声優を評価するに当たって、やはり演技という所に尽きる所はある。
この人、とにかく演技においての探究心みたいな物が非常に高い印象である。
その演技の技量という所は、現在において十分に評価されていると思うが、実際の所、あの年齢であそこまでの演技の能力を身に着けているということがどれだけ素晴らしいのかというのを考えるのは逆に難しいまである。それだけ希少な存在である。
出てきたときの当初は、明るいとか可愛いとかの役が多い印象で、当人もそういう方向性でのアプローチをしていた所があるように思う。
ただ、そういう中から他の要素とかが増えていき、それが当然のように出来てしまうみたいな感じで有能さが表に出ていくみたいな感じはあった。
前述した三ノ輪銀は、ゲームの時はどっちかっていうと可愛いの方向に振っている所があったが、ブラッシュアップがなされて、カッコいい側の方向とかに振られた印象があり、こういう演技が出来ることによっての広がりというのがあったように思う。
もちろん、各務原なでしこや、旋風こよりのようなおっとり系統とか、可愛い系統の役というのも代表作として存在するのだが、こういうメインじゃなくとも光る演技を当初から見せている印象がある。
三ノ輪銀とかもそうだが、割と不幸とか、死ぬとかそういうキャラを演じる機会が多いというのも、一時期騒がれていた印象がある(桑島法子みたいなもので)が、そういうのは、そういう所において演技をやらせて上手にやるから回ってくる…というところがあるので、かなり早い段階で、現場に演技の能力に関して評価されていたと言える所である。
早坂愛などのクール系統の役でも、ある意味でキャラ崩壊するべき所でしっかりとインパクトを出したり、感情を出す所の出し方とかで印象付けをさせたりという所のバランスが上手だし、
少年役は当初から存在したが、声質的な所での少年役の上手さ、しっかり少年がやれるという所の幅の広さみたいな所もやはり評価しなければならないポイント。
最近は怪しい役とかやることも増えているし、まぁ怪しいとか悪役とかやれるってのも、ある程度評価されている指標になることだと思うので、こういうところでもまぁ強い。
感情表現の部分とかでのインパクトのもたせ方とかが上手だし、ここでこのキャラの見せ場だよって所でしっかりと魅せてくれるのが花守。
演技の能力、引き出しの数という所で、この年齢でここまで出来るような逸材がまだ存在することに感謝したい所はある。
歌唱などに関しても、普通にキャラソンとかでしっかりとキャラに寄せて歌うことが出来るという所での能力の高さはあるし、歌の上手さとか自体も普通に問題ない所でやっているなあと言う印象がある。
普通に出来るが、まぁ膝をやっているのでライブとかではなかなかだろうね。
幼少期から膝壊してたらしく、それが声優になってより壊れるのも変な時代だが。
トークとかに関しても普通に喋れるし、何の問題もないと思う。
というかボケる時ボケるしなあ花守。
ポニキャンにいた時と随分イメージが変わった花守だが、声優の演技においての探究心みたいなものは相当あるイメージで、黒沢ともよと波長が合うのも、独立をするのもなんというか、そうだろうなあって思える。まぁマネージャーと出会えてよかったんだろうなとも。
昨年独立をした訳だが、『tomorrow jam』という名前にしたのも花守らしさというのが出ている部分と言える。
童話『鏡の国のアリス』に登場する一節で、『Jam tomorrow and jam yesterday but never jam today.(明日のジャム、昨日のジャムはあっても、今日のジャムはない)』というのがある。
これは、『明日のジャムは今日作れば「今日のジャム」になってしまうし、明日作っても「(明日にとっての)今日のジャム」になってしまう』という話。これがこの事務所名の由来である。
このエピソードは『終わりのない命題』というように扱われており、それが『演技にも通じる』として、事務所の名前として命名したらしい。
声優においての『演技』というものを『終わりのない命題』と言える現代声優がどれだけ今存在するのか。声優という職業を考えれば、当たり前と言えば当たり前なんだが、今はそれも難しいだろう。
こういう所での演技への追求みたいな所によって、現在の花守が形成されており、有能である訳だが、一方で当人がそれを自覚していない気がする場面がちょこちょこ見られる。
お前はまじで有能でクッソ強いんだから、有能声優としてガンガン出てくれ。
強くねえわけねえだろ!
以上。