おにじと申します。
まぁ種﨑やったんだから、こっちもやっておくべきだろうっていうのはある。
両方とも主演なんだしさあってことで。(江口がないのは許して欲しい)
過去回↓
https://twitter.com/i/events/1026504183606784001
オーディション・養成所・事務所遍歴
生年月日 :1990年12月22日
デビュー : 2009年
出身:福井県
査定
演技力:B
演技幅:C
歌唱力:C
キャラソン力:C
トーク力:C
実績:B
過激派的将来性:D
序文
声優アワードという賞の範囲というのは、一昨年の秋から、昨年の夏までという範囲が基本的なのだが。
今回はその範囲の中で、まぁまず大きな作品であったことは間違いないであろう作品、『リコリス・リコイル』の主役ということもあり、まぁ主演受賞本命だと思っていた(江口は確定として、安済もかなり近いと思っていた)わけだが、見事に受賞となった。
これまでも様々な作品に登場し、印象的な演技というものを見せ続けていたと思う安済知佳。
その中で、ついに一つ報われる形を手に入れた。という言い方もできるだろう。
堅実さという所が言われるようになる、所謂中堅声優の部類に安済も入ってくる訳だが、そういう所が非常にしっかりしていると言えるんじゃないかなと感じる。
これまでも十分その力を見せてきていた訳だが、それをより分かりやすくした、世間に知られるようになったのが、昨年の『リコリス・リコイル』だったのかなと思う。
初手『キルミンずぅ』からここまでよく来たなと(
メインにも、サブにも置いておきたい、そんな声優だと思う。ありがてえ声優よ。
経歴
声優を知ったきっかけとされているのは、『ONE PIECE』、『犬夜叉』、山口勝平など。ここで勝平さん出てくるんだってなるけど(
中学時代からエイベックス・アーティストアカデミーに入所。福井県からの往復から単身上京。かなり若い時代から色々な学びにしろ、覚悟にしろ決めている感がある経歴となっている。
この努力が報われたのか、2009年『あにゃまる探偵 キルミンずぅ』御子神ナギサ役というメイン役に抜擢される形でアニメデビューを果たす。
『キルミンずぅ』、今考えるとエグいメンバーである。悠木碧、佐藤聡美、安済知佳、田村睦心…とか。当時は基本抜擢なんだが。当時なんか見てた時期あったぞ筆者。でもこんなメンツだったとかは当時は知る由もなく。
まぁエイベックスというデカい所であったこともあったのか、エイベックス・アーティストアカデミーに来て4年でこのような結果が出た。
この抜擢から、流石に数年間はモブなどで経験を積んでいく形となったが、2013年『ダンボール戦機WARS』細野サクヤで再び主要に近い部分での役柄を獲得した。
こう見ると、深夜アニメよりも、それ以外の時間帯のアニメでメインを獲得していくという、変わった形の経歴とやはり言えるのではないだろうか?
なので、深夜のメインに近い所ってなると、2014年まで来ないといけない。『キルミンずぅ』から5年経過とかいう(
『悪魔のリドル』首藤涼でメイン役を務め、『棺姫のチャイカ』チャイカ・トラバントで初めて主人公を演じた。
両方若手声優としては能力は十分と言えるものだったと思う。
ここから、深夜アニメのメイン役を積み重ねていくことになる。
というか、深夜アニメのメイン年と、初主役の年が同じって、やっぱり抜擢感が強い安済である。
2015年、安済の代名詞の一つとなる『響け!ユーフォニアム』高坂麗奈役はこの年である。
まぁほぼ二人目の主人公とも言える麗奈は、クールでありながら情熱があるというか、熱血な所があったりと、色々な面があるキャラクターだが、非常に演技のクオリティが高い。
まぁこの作品はとにかく黒沢ともよと安済知佳でぶちかましてる所ありますから(
非常に長い付き合いとなっていくこの作品で、安済を知ったという人も少なくないのではないだろうか。
この辺りからはメイン級と言える活躍を多く見せていく。
2016年は、『クオリディア・コード』千種明日葉、『シュヴァルツェスマーケン』アネット・ホーゼンフェルト、『タブー・タトゥー』一之瀬桃子、『灰と幻想のグリムガル』メリイなどを演じており、
2017年は、『クズの本懐』安楽岡花火、『サクラクエスト』緑川真希、『パズドラクロス』アナ、『EVIL OR LIVE』羅織などを演じた。
多分世間的にはこの辺りは『クズの本懐』安楽岡花火の印象が強いかもしれない。結構今までと違う役柄だったしね。
筆者は『サクラクエスト』緑川真希を生放送含め見てた。
この辺りの活躍というのは、更に加速したという感じの印象もあったかなと。
この出演数の安定感はこの後も継続していく。
多すぎるので、とりあえず全部載せる感じで(
2018年は、『刻刻』佑河樹里、『たくのみ。』桐山直、『ハクメイとミコチ』セン、『七星のスバル』エリシア、『ぐらんぶる』古手川千紗、『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』キャサリン・ロシュフォール。
2019年は『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』押守なな、『荒ぶる季節の乙女どもよ。』菅原新菜、『神田川JET GIRLS』白石マナツ。
2020年は『地縛少年花子くん』七峰桜と、まじでめちゃくちゃ出てる。
この中で多分世間が選ぶなら、『ぐらんぶる』古手川千紗とか、『地縛少年花子くん』七峰桜を選びそうなんだが、筆者は『荒ぶる季節の乙女どもよ。』菅原新菜の印象が結構強い。あの感じのキャラクター性でキャラの特徴を出していくのって難しいからね。そういう所での演技に関しても非常にいい感じだったという印象がある。
この時期、ゲームでは『ASTRAL CHAIN』の主人公の声やってたり、ゲームの方もそこそこに活発だったりはする。
また、2020年8月に結婚を発表。公私共に順調であった。
2021年は『SSSS.DYNAZENON』飛鳥川ちせ、『さんかく窓の外側は夜』非浦英莉可、『大正オトメ御伽話』渥美綾などに出演。
やはり『SSSS.DYNAZENON』飛鳥川ちせが大きかったこの年。ああいう所に座らせると強いから。
でもって、まぁ2022年は出演数こそ例年より少なめだったのだが、何と言っても『リコリス・リコイル』錦木千束が来ちゃったからねと。
オリジナルアニメにおいて、近年最高レベルのヒットを見せたリコリコにおいての千束の貢献度は計り知れないものがあるし、演技においての評価を確実に上げまくり、まぁ主演声優にふさわしい一発を持てたなと。
この年、ゲームでは『魔法使いの夜』に久万梨金鹿で出演。ビッグタイトルの年という感じだった。
エイベックスとかいう、声優所属としては比較的珍しい所からスタートしている安済は、抜擢などもありながらも、堅実に歩を進める中で、代名詞と呼べる作品に複数遭遇しており、能力含めて名実共に人気声優、実力声優と呼べる声優にしっかりと成長してきた…という印象がある。
評価
安済知佳の能力という所に関しては、やはり演技面においての評価を非常に高く行いたい感じがある。
キャラクターに合わせた様々な演技が出来る印象であり、それがパターン化されるほどではないという。
演技の仕方って色々と存在すると思うのだが、声優の演技って、わざとらしさと自然さを両立させないといけない。
声でのみ演じる声優という職業は、役者の枠でありながら特殊な職業であり、演技をよく見せたり、違和感なく見せるというのは、普通に演技をすれば成立するというものでもない。
こういう所においての安済の能力に関して、非常に高いものがあるように感じる。
具体的な話をするのであれば、今回の声優アワードにおいて受賞する理由は『リコリス・リコイル』錦木千束なわけだが、アレは自然感がある方向に振っている印象がある。
喋り方とかに関して、かなり自然でありながら、声優として必要な明瞭さ、多少オーバーな表現みたいな物がかなり両立されていることによって、千束のキャラクター性を上手く表現するに至っている。
ああいう形でキャラを作っていくということは、キャラの魅力に反映されていく。特にオリジナル作品であったリコリコにおいて、やはり安済の演技によるバフというのは計り知れないものがあった。筆者もあそこまで出来るとは(安済の能力の高さは常々感じていたのだが)思っていなかった。こういう所で別の声優の名前を挙げるのは好ましくないのだが、ああいう演技は近年の声優では上田麗奈の土俵みたいな所あると思っていたので、色々な意味で驚いた。安済これは強いぞと。いや強いのは知ってたんだけども。
ああいう系統の演技の言語化って難しいんだけど、喋りの自然さを感じながら、かつ声優が表現するべきオーバーな演技を網羅している感じ。これが出来ると声優は強い。キャラを生かせることが出来るし、印象にも残りやすいだろうし。
安済は、こういうタイプ以外にも、演じ方の時点で多くの引き出しを持っている印象で、千束はオーバーな部類であり、もっと落ち着いたキャラクターとかでは、芯の通ったような演技を見せたりもできたりするし、気弱系統キャラにおいての加減とかも上手な印象。
これまでの役柄の幅の広さは、もちろん声の引き出しの部分もあるのだが、演技自体のやり方においても色々な引き出しを持っている印象。
ここに、しっかりとした演技幅、声の引き出しの多さという所が存在する。
上から下まで安済は広い音域を網羅している印象で、それこそ代名詞だけで言っても麗奈と千束は全く音域が違うという言い方が出来る。麗奈の印象だけを持っている人は、リコリコが開始する際に、安済と若山の声逆なんじゃないの?と思った方もいるかもしれない。
まぁこれは結構極端な例ではあるが、安済はこの2キャラの間の声に関しても非常に多くの声の引き出しを持っていると思う。
結構安済は根本的に声を変えられる部類の声設定も持っている印象で、『クズの本懐』安楽岡花火とかはそれに入ってくる感じがする。まぁああいうのなら比較的変えやすい部類とはいえ、演技の仕方も合わせてかなり印象を変えられているなあという。
それこそ高い部類で言えば、『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』青羽美咲とかはかなり高い部類だが、あそこの中でめちゃくちゃ感情表現とか豊かだったりするので、上手さが際立っていると思う。
音域が高かろうと、低かろうと演技のクオリティに影響しないのも素晴らしい。
結局なあ、安済って高坂麗奈を根本に見てしまいがちなのが良いんだかどうなんだか。
でもああいうキャラ性でありながらアツさがあるキャラってそんないるわけでもないので、ああいうのを見てるとクール感ある所と、感情爆発の所と、先生への愛の所と、諸々揃っていて分かりやすいみたいな所はある。
ああいうキャラ性は巧さを出すのは用意ではないと思うんだが、それをいとも簡単にやっているように見えるのが良いところなんじゃないかなと。
歌唱に関しても、非常にクオリティが高い。
『響け!ユーフォニアム』での歌唱が特に印象的。
かっこよくパワーガン押しみたいな歌声には当時かなりインパクトがあった。
強いぞ安済!って。かっこよくの伸びる歌声という感じで、歌唱力に関しても申し分はないと思う。
というか、安済ここまで歌える割にあんまりそういう場面がないし、そういうことを言われていることも多くはない印象があり、もったいないだろ!って思う所もなくはない。
声ぶん回してつんよい歌唱のくせに安定していて上手。この人もソロやるんじゃないの?とか思ってた時期はあった。今はもう逆にしなさそうって思ってるけど(
トークに関しては、割と昔からラジオ系統に対して多くやっていた印象がある。
初主役だったので『棺音(ラジオ)のチャイカ』とかからラジオをやっており、ユーフォでもやってた。
多くのアニメタイアップ系ラジオで経験があったし、ノンタイアップとしては『安済知佳 いちかばちか』を数年ソロラジオとして展開。
現在における『リコリコラジオ』に至るまでに、多くの出演があった。
喋りとしては、もうめちゃ喋れるというか、自然体の喋りというが印象的であり、聞いていておもしろいことが多いのかなと。
なんか慣れまくってる結果『リコリコラジオ』が世間にハマったところもある。
もう下ネタでもなんでもやるからねこの人(
いきなりのアニメ出演から始まったと言って良い声優としての道であるが、それから確実に経験を積みながら、メイン役や主役などを務めていき、能力の高さを示してきた。
演技力という所に関しては、現代声優の中でも稀有なものであり、このあたりのコントロールの上手さというのが、キャラクターに命を吹き込む声優という職業に対してかなりマッチしているなあと思う。
声幅に関しても広く、引き出しも多いため、色々な役柄をすることが出来、メインに置いてももちろん活躍するし、サブに置いても作品として安定する、締まる印象がある。
歌唱面はもっと言われていいくらいには強いし、トークに関してもお上手。
と、まぁ野球的に言うのであれば三拍子揃った声優というか。全てにおいてのクオリティが高い声優。
十分注目されていたとは思うが『リコリコ』で更に世間的に示せたなと思うし、それが声優アワード受賞に繋がったのは明らか。
堅実な歩みによって、どこに置いても安心な力をつけた安済は、一つの勲章を手にすることが出来た…という所ではないだろうか。
以上。