おにじと申します。
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オーディション・養成所・事務所遍歴
第5回 81オーディション 特別賞・小学館賞
→81 ACTOR'S STUDIO
生年月日 : 1994年1月17日
デビュー : 2012年
出身:富山県
査定
演技力:A
演技幅:A
歌唱力:B
キャラソン力:B
トーク力:C
実績:B
過激派的将来性:D
序文
声優という職業において、色々な演じ方というのが存在するわけだが。
それぞれによって特徴があるという言い方も出来る声優(というかそういうのがあって当たり前ではあるんだけど)
そういう中で、一つ憑依型というものがある。
キャラをまるで憑依させたかのように演じ方が変わるというか、多彩な演じ方を持っているかつ、入り込むことが出来るからこそ出来る芸当とも言えるものであるように思う。
この憑依型という所の演技において、現代声優業界の女性声優において、確実に存在感がある声優というのが、上田麗奈ではないだろうか。
出てきた当初から、声優の演技としてはそのタイプであるという所を見せつけ続けてきたという言い方も出来ると思う上田。
最初から無茶なこともやらされたりもしていたが、そういう所含めて、常々演技の能力の高さ、キャラソンの能力の高さという所を発揮しており、こんな憑依型ど真ん中の声優が現れるんだという感じもしたわけだが。
当初は、作品にどちらかと言うと恵まれていなかった方のタイプであり、メイン役はコンスタントに貰ってはいたものの、作品としての大ハズリとか、跳ねるような作品という所にはことごとく関われなかった印象がある。
それもあって、能力的な心配よりも、作品の引きのほうが心配だったのだが、ここ数年でその状況は一変。
特にここ5年位で、急に話題作への出演率が上がったし、請け負う作品も急速に増えていき、今や完全な81におけるエースの一人となった印象もある。
能力的に間違いないとは思っていたが、ここまでになるとは…驚きの部分もある。
現在発表されている範囲では、2024年冬アニメの出演作品数が全女性声優中トップという数字を叩き出すまでとなり、様々な作品において上田がいて、いろんな役回りをしているような状態が続いている。
ソロアーティストとしての活動も、継続的に行っており、各方面においての活躍という所は文句のつけようがないものとなりつつある。
現代声優の中でも相当な実力派と言って良い上田麗奈。声優名鑑をブログ版にしてから実は一度も書いていなかったというなんとも失礼なことをしていたので、今回は満を持して書かせていただければなと思う。
経歴
富山県出身の上田は、中学時代に演劇部に所属していた。
その演劇部に同じく所属していた女の子が声優志望であったことから、声優という職業を意識するに至ったらしい。
その女の子を非常に尊敬しており、「あの子が言うなら素晴らしい職業に違いない」と思ったらしい。
声優への道という所を完全に志す所に関しても、その女の子の存在が大きかったようであり、各種メディアとかを見ていると、自分の性格を変えたいと思ったこととか、他にも複合的に理由があったようではあるが、この辺りの理由で声優を志すことになった。
これで応募するのが、『第5回 81オーディション』である。気付いたタイミングで応募期限2日前というギリギリのスケジュールであり、慌てて応募したとされている。
この81オーディションで準グランプリにあたる特別賞と、スポンサー賞の一つの小学館賞の2つの賞を受賞。声優への扉が開けてくることになる。
この時の優秀賞が駒田航であり、特別賞には高橋李依がいる。同期・同い年ということもあり、高橋との交友関係という所ではここから始まっている。
特別賞を受賞したことで、81直下の養成所の81 ACTOR'S STUDIOに2012年に入所。
81 ACTOR'S STUDIOは養成所でありながら、実際のアニメにモブなどでの出演があったりとかすることもあるわけだが、上田もこちらに該当し、この2012年に『イナズマイレブンGO クロノ・ストーン』にモブとして出演しデビューを果たす。
また、TV番組『アニメDON!』のMC兼ユニット、『Anisoni∀(アニソニア)』としての活動も始まっていた。
ちなみにメンバーは上田麗奈・高橋李依・積田かよ子・林田智恵里である。
調べても81プロデュースに所属したタイミングがいまいちわからない。恐らく2013か2014の二択であり、81オデでの通例を考えると、2014の可能性が高くはあるのだが、2013年の稼働を考えるともう81所属になってても仕方ない気も…
2013年は、一つ新人声優としては露出が多い年となる。
まず、コンテンツとしては、『アイドルマスター』シリーズの『ミリオンライブ』に高坂海美役に決定し、アイマス声優の仲間入りを果たした。
アニメで存在感を発揮したのは、『てさぐれ!部活もの』であった。石ダテコー太郎がやった最高の作品と言える作品だが、上田は園田萌舞子というサブキャラと言っていいキャラを演じたのだが、名前の通りモブ子として多くのキャラクター派生が存在し、園田萌舞恵とか、そういう感じでめちゃくちゃ増えていくキャラを上田はとにかく演じ分けまくるという中々のポジションだった。
そういう場合、エンドロールに一々全キャラクターを書くので、一画面が大量の『上田麗奈』で埋まるという状態になることも割とあった。
ギャグアニメとして一定以上の人気を博したわけだが、この作品から上田の能力の高さという所は出ていたなと感じる。
『イナズマイレブンGO ギャラクシー』のカトラ・ペイジなど、メインとしての出演を早々に始めるという所で、やはり能力的には最初から求められていたのかなと。
ゲームでは『カードファイト!! ヴァンガード ライド トゥ ビクトリー!!』花咲メグミを演じたりしている。
2014年は、『ハナヤマタ』で、アニメ初主演初主役となる関谷なるを演じた。
この時のメンツ普通に強いんだよな…(上田麗奈、奥野香耶、田中美海、大坪由佳、沼倉愛美)
こちらの作品はそれなりに話題となった方であるように感じる。主題歌が好き。作曲田中秀和なんだけども(楽曲に罪はない定期)
この他にも多くの作品でサブキャラ系統で出演を果たしている。
ゲームでは『アイドルリコレクション』相澤春菜などで出演している。
主に『ハナヤマタ』の活躍もあり、翌2015年に授賞式が行われた『第9回声優アワード』にて新人女優賞を受賞することになる。
2015年から、明らかにメイン作品の出演が増加する。
『プリパラ』黄木あじみ、『ハッカドール THE あにめ〜しょん』ハッカドール4号、『なないろ革命』栗山奈菜、『実は私は』朱美みかん、『対魔導学園35試験小隊』鳳桜花などでアニメでメインを務めている。
ゲームの出演を増え、早くも出演面という所のペースは多めの方向で固まっていくことになる。
2016年は、『ポケットモンスター サン&ムーン』マオ役という大役を引き受けることになる。やっぱりポケモンの主要キャラとなるとね。
また、長期的なアニメでは『アイカツスターズ!』で白銀リリィ役を演じるなど、こういう系統のアニメへの出演jも固まってくる。
また、主役である佐倉羽音を演じた『ばくおん!!』を始めとして、『クロムクロ』ソフィー・ノエル、『Dimension W』百合崎ミラ、『ReLIFE』小野屋杏、『CHEATING CRAFT』劉白玖などをこの年アニメでメイン級で演じた。
ゲームでは後にアニメ化する『Caligula -カリギュラ-』μとかがこの年になっている。
2017年は、『リトルウィッチアカデミア』のヤスミンカ・アントネンコ役をはじめとして、この年も多くの作品でメイン級で出演。
『サクラクエスト』四ノ宮しおり、『ネト充のススメ』リリ、『アイドル事変』近堂幸恵、『南鎌倉高校女子自転車部』舞春ひろみ、『Wake Up, Girls! 新章』高科里佳などで出演をしている。
ゲームでも『シノアリス』スノウホワイトなどを演じている。
2018年は、上田の代表作の一つとなる『SSSS.GRIDMAN』新条アカネがいる年。
上田の憑依力という所において、こういう色々な顔を持つラスボス的存在というのがハマらないわけもなくという印象ではある。上田、これでこそ上田の憑依力…というキャラだろう。
この他にも多くのアニメでメイン出演を果たしており、『Caligula -カリギュラ-』μ、『3D彼女 リアルガール』綾戸純恵、『グランクレスト戦記』アイシェラ、『INGRESS THE ANIMATION』サラ・コッポラなどで出演している。
この年はアニメ映画にて『GODZILLA』マイナ役を演じていたり、ゲームで『アズールレーン』出雲を演じていたりもする。
2019年は、ラッシュが続くというか、作品としての当たりや、長く続く系統の作品の役柄が更に増えていく。
『私に天使が舞い降りた!』星野みやことかが出てくる年だからね。
ここに『フルーツバスケット』草摩杞紗、『Dr.STONE』ルリとかが乗っかってくるので、これまでも軌道には乗りまくっていたが、より明確に乗り切ったなということを感じたかもしれない。
この他にも『グリムノーツ The Animation』レイナ、『ぬるぺた』ペたなど多くの作品に出演している。
2020年は『安達としまむら』永藤、『恋する小惑星』鈴矢萌、『ダーウィンズゲーム』狩野朱歌などをメインで演じた他、多くのゲーム系統での出演を重ねていた。
2021年は、『takt op.Destiny』地獄、『BLUE REFLECTION RAY/澪』平原美弦、『現実主義勇者の王国再建記』ジュナ・ドーマ、『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』ディア、『オルタンシア・サーガ』ノンノリア・フォリー、『月が導く異世界道中』女神、『NIGHT HEAD 2041』秋山唯などでアニメメイン出演。
劇場アニメでは『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』ギギ・アンダルシア役で出演しえいる。
2022年は、『異世界薬局』エレオノール・ボヌフォワ、『虫かぶり姫』エリアーナ・ベルンシュタインなどでメインで出演。
映画の方では、星野みやこ役を演じている『私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ』がこの年公開である。
ゲームサイドでは『ソフィーのアトリエ2 〜不思議な夢の錬金術士〜』エルヴィーラとかで出演している。
2023年は、『魔法使いの嫁 SEASON2』ヴェロニカ・リッケンバッカー、『マッシュル-MASHLE-』レモン・アーヴィン、『ひきこまり吸血姫の悶々』メルカ・ティアーノ、『わたしの幸せな結婚』斎森美世、『オーバーテイク!』蜜澤亜梨子、あと長年やっててようやくアニメ化した『アイドルマスター ミリオンライブ!』高坂海美とかめちゃくちゃ出演している。
劇場アニメでは『グリッドマン ユニバース』(新条アカネ〈ニューオーダー〉)がこの年上映。
出演しすぎだろ。
2024年は『異修羅』遠い鉤爪のユノ、『俺だけレベルアップな件』向坂雫、『道産子ギャルはなまらめんこい』夏川怜奈などをメイン役として複数の出演が決まっている。
あとゲームでは詳細不明ではあるが、久々のsprite完全新作の『everlasting flowers』坂下深菜が決定していたりする。
で、これを書いている間に『わんだふるぷりきゅあ!』キュアリリアン役が決定。
プリキュア声優という箔まで付いた。
今や81のエースの一人である、能力の高い声優の一人であろう。
評価
はい、評価パートです。
上田の評価って逆に端的に終わりそうな感じがするんだよな。
上田は比較的根っこから変わるタイプの演技をするクソ強い声優である。
上田の演技は、前述した通りその憑依力の高さという所がやはり目に付く。
キャラクターに合わせての演技がめちゃくちゃ出来るタイプというか、色々なタイプのキャラクターをやらせても、そのキャラクターにしっかりと合致した演技という所を持ってくる。これは声の高さとか、そういう所の声色の部分もそうなのだが、演技自体、演技の仕方の種類が非常に多いことで、マジでキャラ自体が全く違うのを、同じ人間が全く違う感じに演じることが出来るのが上田の強さ。
でもって、こういう演技自体において、キャラ性の投影が本当に上手いなと感じる。
方向性として振り切れたキャラとかではその方向性に振り切れた感じで特徴的な声や、思いっきり声出してんな~みたいな感じになったりするし、同じキャラの中でも色々な面をもつキャラクターとかをやらせるとまぁ~とにかく強い。
豹変っぷりとかで本当にビクつかせてくる演技をしてくるのが上田だなと。
音域の広さと演じ分けの能力の高さは、本当に随一レベルであり、ポイントポイントで強みを発揮してくるので、キャラの魅力を普通の演技の所もそうだけど、見せ場でしっかりとめちゃくちゃ魅せてくれるタイプの声優でありがたい。
この上で、声優らしいという良い方が正しいかは微妙な気もするけど、抑揚を結構大げさに付けたような演技から、実際にいそうな自然な演技まで、そういう演技のベースの所の範囲も広く演じることが出来る。
この自然な演技というのは、声だけを扱う声優としては情報が抜け落ちやすく難しい部分があるように感じるのだが、上田はこれをいろんなキャラで出来るのでマジで強い。
あらゆる方向性に対しての対応力があるので、このキャラに上田って合うんだろうか?って場合が少なくなるんだよね。基本的に下手な声優より良いものを出してくるような感じだからね。上田がいれば安心できると思うわ…
歌唱に関しても、ランティスにて活動を行っているが、他の声優ソロとはまた違う感じというか、落ち着いたバラード楽曲とかが多めであり、そういう曲をちゃんと歌いこなしてしまうのが能力の高さだなと。
こういう所にも演技の強みみたいなものがちゃんと出てくるなと感じるというかね。
発音の仕方とか、息の入れ方とか、そういう所でしっかりと歌としての歌唱が出来ていると言うかね、声優ソロアーティストの域を逸脱出来るような楽曲とそれに乗せられる歌みたいな感じになっているのが、非常に良いところなのではないかなと。
それでいて、ちゃんとキャラソンではめっちゃくちゃキャラソンで歌えるのが上田の良い所。
キャラ声で一定以上しっかりと歌うことが出来るので、しっかりとキャラソンとして成立してくるのが非常に良い。キャラソンはやっぱりキャラクターの曲であるべきだからね。
こういう歌唱力とキャラソン力の両方をしっかりと兼ね備えている感じが良いのかなと思う。
トークに関しては天然な部分も結構あるけども、ラジオとか生放送で喋ることとかに関しては普通に問題ないというか、これは場数がそうさせた部分もあるのかもしれないが、普通に聞いていていい感じになっているというか、人によっては癒しになっているんだろうなと思ったりもする。
上田麗奈は、非常に声優としての能力が高い声優の一人である。
演技において必要なスキルという所がかなり揃っているからこそ、キャラごとの演技の違いという所も出るし、その上で憑依するかのような演技というのは、現代声優業界において非常に貴重な存在である。
この能力の高さという所は元々からあったのだが、作品に若干恵まれていない時期もあったものの、主要な作品での主要な役が増えていく中で、ハマり役や、作品自体が流行るような形となっていき、その流れが、多くの作品での出演や、人気の向上、演技を認められていく感じになっていったのかなという感じがする。
で、まぁプリキュアまで来るんだから…ありがたい話だよな。
非常にバランス良く、全ての能力が高いという感じの声優さんなので、どこで使ってもまあ変なことにはならないぞっていう感じの声優というのはありがたいわけである。
今後も活躍を期待していきたいし、81だしいつかは声優アワードで主演か助演取るだろうと思う。いや、逆に上田が取らなかったらなんなんだよ。81だから取れてる声優なんかいくらでもいるのに。
以上。