ちゃろ~、おにじです。(激寒)
ホントはもっと先にこの人をするつもりだったんですが、 でっかい案件が来てしまったから、慌てて書いている。というか画像も何も用意していなかったから、今回は大変だった。
でも、この人のめでたいことに対して合わせてやらない訳にはいかないだろうという事で…
今回は今までのテンプレとか割と無視して、書きたいように書きます。
もう、声優についての事をマジで考えていると、ここまで人というのは語れてしまうんだなという哀れみの目ででも見てくれや。
過去回↓
https://twitter.com/i/events/1026504183606784001
種﨑敦美
オーディション・養成所・事務所遍歴
養成所(不明)
トリトリオフィス
→東京俳優生活協同組合
生年月日 : ----年9月27日
デビュー : 2008年?
出身:大分県
査定
演技力:S
演技幅:S
歌唱力:C
キャラソン力:A
トーク力:E
実績:A
過激派的将来性:B
天才はここにいた。ずっといた。本当に、本当に今、完全に"見つけられた"。
今、その大きな喜びと、ちょっとした哀しみを、筆者は噛み締めていたい。
種﨑敦美という声優は、昨今の声優業界の中で、ある意味での奇跡を起こしてしまったのかもしれない。
バケモン、天才、やべーやつ…どんな言葉でもまだ足りない気がしてしまう声優、それが種﨑敦美という声優なのだ。
彼女が声優を目指した理由は『美少女戦士セーラームーン』の45話、「セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦」を見たかららしい。めっちゃやべー回じゃん。
とはいえ、幼少期から演技について学んでいたかと言われればそうではなく、中学が合唱部で、高校が美術部とかで(それも新聞配達のバイトをしていたからほとんど行ってない)
養成所に行くためのお金を稼ぐために上京して働いているくらいである。(4年くらい働いたらしいく、本人としても声優としてという事を忘れかけていたらしいが、通勤中に俳協が見えて思い出したとかなんとか…)
しかし、そこからが順風満帆かと言われれば全くそうではない。
最初の養成所は半年で結果が出る所で、落ちているらしいし、次の養成所期間も非常に長かったという。
実際問題、彼女の声優としての活動の初期の頃のデータというのはマジでとんと出てこないし、実際いつトリトリオフィスに所属したのか?という点に関してもよくわからない状態である。(というかパッと調べて出てくる気配がないから調べる気にもあんまならない)
声優活動自体は2008年頃からちょろちょろと出てはいるのだが、養成所時代でも出ることは出るので、詳細は不明。(筆者は傾向的に勝手に2010年辺りには事務所に所属していたのではないか?という推測はしている)
しかも、この活動と言っても2011年までアニメへの出演はゼロであり、当時の苦労と言う物を、数字でもある程度感じることが出来る。(声優には誰でもそういう時があると言えばそれまでだが)
そんな彼女の転機は2012年。
『となりの怪物くん』の夏目あさ子役に抜擢され、初のTVアニメでのメイン級の役を獲得する。(と言っても、アニメもWikipedia上では二作品目)
ここでの演技がマジで強く、結構な注目を集めることになる。またアニメのラジオではコーナーを持ったりもしており、イベントでは司会を務めている。(なんで回せているんだろうか?とは思う。)
ここから、アニメ及びゲームの出演数が少しずつ増加傾向になってくる。
2013年は、『幻影ヲ駆ケル太陽』で天道いつき、天道むつき、天道ななせの3役を担当。(ちなみに筆者はここで最初に種﨑さんを見ている)
他『D.C.III 〜ダ・カーポIII〜』などでも出演、ゲームでも、メイン級の役が増加し始める。(『1/2Summer+』等)
2014年には、『残響のテロル』三島リサ、『大図書館の羊飼い』小太刀凪、『鬼灯の冷徹』芥子
と、多くのメイン役を獲得し、特に『鬼灯の冷徹』の芥子は突然変わる声と「おのれ狸」で注目を集めているし、『残響のテロル』の演技のレベルの高さは眼を見張るものがある。
『大図書館の羊飼い』の小太刀凪も初期の彼女の代表作の一つだろうし、この年は濃い。
2015年は、彼女にとって非常に大きな年となっただろう。
事務所の移籍だ。
5月31日付でトリトリオフィスを退所、6月1日よりフリーで活動することとなった。
フリー期間中にも『モンスター娘のいる日常』のリリス役などで活躍。また引き出し増えてる…ってなった。(別に種﨑さん目当てで見たわけでもなんでも無かったアニメ、逆になんで見たのか)
そして、10月1日付で東京俳優生活協同組合に所属。当時堅実な演技のレベルを誇った俳協に所属となり、その演技の実力が一種認められた形になったとも言えるのではないだろうか?
この10月より『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』の西之園萌絵役として出演。
二年連続でノイタミナ枠のヒロインを演じていることも、何よりの実力の証明の一つといえたかもしれない。
俳協に所属して初めての一年フルとなる2016年は、
2月に『アイドルマスター シンデレラガールズ』の五十嵐響子役に決定。
アニメの方では『ハイスクール・フリート』西崎芽依役、『響け!ユーフォニアム2』鎧塚みぞれ役と、長期的に続く作品に相次いで結構重要な役で登場。
ポイントを押さえている感じの出演が目立った。
あと『ポッピンQ』にも友立小夏役で出ているが、(作品が)もう誰にも覚えられてなさそうである(誇張表現)
2017年も、大きな一年の一つだ。
『ノラと皇女と野良猫ハート』明日原ユウキに始まったこの年は、
主に秋クールに活躍が集中している。
『魔法使いの嫁』では主役となる羽鳥チセ役を演じ、『宝石の国』ではネプチュナイト役を、『ブレンド・S』では天野美雨役を演じた。
特に『魔法使いの嫁』では主役に座ったこともあり、その演技力が注目された。
また、『ブレンド・S』でも、R18同人誌を描く美雨を演じきり、たまに漏れる変態感がたまらなかった。(個人的には、第一回生放送でやった店員が完全にやりきれている上にクッソ上手くて格の違いすら感じてしまった)
メイン役ではないが、『セントールの悩み』では御魂千草、御魂千奈美、御魂千穂の3役を演じており、彼女の技量が見える作品の一つである。
ちなみにOVA等多くの展開を見せていく、狗駒邑沙季を演じた『グリザイア:ファントムトリガー』のゲーム版はこの年からである。
余談であるが、この年に当時AbemaTVで放送されていた『松井恵理子・松嵜麗の声優アニ雑団』に出演しており、様々な事を語っている(最初の『となりの怪物くん』までのエピソードのほとんどのソースはアニ雑団と思ってくれていい)
「養成所時代の苦労した自分に今の自分を教えてあげたい」とも語っており、当時の苦労が垣間見える。
またこの時、やりたい役として『男の子(声質的にはすけこまし・クール系)』を上げている。
ここまで書いておいてなんなのだが、この辺になってくると大きくない年がない。
2018年に行く。この年もメインは豊富だ。この年のメイン級だけを引っ張り出しても、
『はるかなレシーブ』トーマス・紅愛、
『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』クルム、
『DOUBLE DECKER! ダグ&キリル』ユリ・フジシロ、
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』双葉理央と豊富なラインナップだ。
この年は『はるかなレシーブ』で「久しぶりにそういう声聞いたな」となったりもしたが、やはり『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の双葉理央が一番フューチャーされる役であろう。
彼女の”ダウナー系”の情報量の多さが本当に詰まっている役であり、アニメに置いても常にいいポジションにいるキャラクターだ。
ダウナーは誰でも出来るが、天才はダウナーでさえ違いを出す。
本当に上手い声優は、誰でも出来る役をその人にしか出来ないキャラクターへと格を上げるのである。
2019年は、さらにメイン級の出演が増加。
『W'z《ウィズ》』ハナ / 美原華、
『サークレット・プリンセス』藤村千景、
『この音とまれ!』鳳月さとわ、
『BEASTARS』ジュノ…
この年は特に『フルーツバスケット』、『この音とまれ!』、『グランベルム』辺りのキャラクターが良かったかな。
この年に昨年の青ブタの映画『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』が公開。
全体としてのレベルが非常に高い作品に仕上がっている。
『空の青さを知る人よ』にも大滝千佳役で出演しており、俳優女優陣が中心であるキャスティングを支えた。
前述した『グリザイア:ファントムトリガー』は、OVAが制作された。エセロシア語は必見。
あと、この年外しては行けないのは、ゲーム部門だ。
まず『プリンセスコネクト!Re:Dive』のクロエ(黒江花子)。いつもよりもう一段低いとも言えるその声から放たれる破壊力とキャラクター性は大きな話題を呼んだ。
『グランブルーファンタジー』のビカラもそうであろう。耳を取られた時の豹変っぷりとかは、さすがの所。あと『アズールレーン』のザラとか…
そして、『十三機兵防衛圏』の冬坂五百里だ。彼女の技量が現れた一本。
この年の活躍により、『第14回 声優アワード』において助演女優賞を獲得した。
新型コロナの影響で表彰式が無かったのが本当に残念ではあるのだが、彼女の実力が大衆に大きく認められた瞬間では無かっただろうか。(まぁ声優アワードの選考がまともか?と言われたら首を捻るが。種﨑さんも取るとしたら13回の主演だったのでは?と思っていたし)
そして今年、2020年。
『劇場版 ハイスクール・フリート』の公開から始まった今年は、メイン級の役が多いわけではなかった。
しかし、その単価がやたらとデカイ印象がある。
まず、『シャドウバース』の伊集院カイだ。この役、少年声なのだ。
様々な役をやってきた中で、17年に言っていた『男の子役』をついに獲得した訳である。
まぁクールというよりは、イキりが入っているキャラだが…
また、長年続いている『とある科学の超電磁砲T』にて操歯涼子役での出演が決定している。
そして先日、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の二作目のアニメにおいて、主人公のダイを演じることが発表された。
ドラゴンクエストの主役が種﨑敦美なのである。
ジャンプ作品のセンターが種﨑敦美なのである。
彼女はもう”ここまで来てしまった”。
とんでもない男の子役を、彼女は演じることとなった。
勿論、前アニメ作品がある以上、前作の力…藤田淑子さんの声の力と言う物はあると思うが、それを乗り越えられる技量がある事は、今までの全てが証明してくれていると思う。だからこそ大きな期待と、一種の安心感を持って、待ちたいと思う。
種﨑敦美という声優は、ついにジャンプ主役にまで上り詰めてしまった、現代声優屈指の演技派声優である。
彼女の強さ。もうそれは演技面である。
筆者は色々と声優の良さとかに関しては書いて書いて書きまくりたいというタイプなのだが、もうこの人の演技については、逆に語りたくなくなるまである。
「上手いだろ?流石に誰でも分かるだろ?分からないんだったらセンスないよお前」
とか言いたくなるくらいには、彼女以上の演技力の声優ってほんといないんじゃないか?って位上手い。
彼女の演技能力の高さを言語化するの非常に難しい。
が、まず一つ言えることは『情報量の多さ』という事だ。
難しい表現ではあるが、セリフに対して乗ってくる感情等の量が、他の声優と一線を画する所がある。
声優という職業において、演技が一番大切である事は至極当然の事であるが、
その演技において、何がどうあれば上手いのか?という点に関しては意外と定義するのが難しい。
その中で、『演技力』という観点での違いが一番分かりやすいのは、感情面での表現だと考えている。
声優の演技というのは、絵に対して、声を当てるわけだが、そこには実写以上の感情表現が必要な場合がほとんどである。ある意味での”誇張表現”だ。(最大限悪い言い方をすれば)
自身の体や顔が映らない以上、絵の補助があるとは言え、声で全てを表さなければならない。
感情と言っても、嬉しいとか、楽しいとか、そんな単純なものだけではない。
複数の感情が混在しているようなものになる場合がほとんどで、そういう場面はめっちゃ大事なシーンだったりする。
その中で種﨑敦美という声優は、その感情表現の所でとんでもなく長けている。
複数の感情が凄く伝わってくる点が異次元である。
この異次元の『情報量の多さ』というのは、彼女の演技においての能力の高さと彼女自身の演技への向き合い方等がそれを実現していると考えている。
能力の高さと言っても、なかなか抽象的な表現感が否めないが、スキル的な所である。
彼女の高いスキルの一面は『息の使い方』の点が結構分かりやすいのかなと思う。
それはブレスという面も勿論あるが、どちらかというと『吐き方』の方。
この吐き方については、以前『声優よ、業界よ、オタクよ、マルチで良いけどまず『声』で『優』れて『演技』だろ。』でちょっと話しているのだが(というか技量の話はここで話した事と大差ないことになるのでご了承を)
この吐き方で感情においての補足が凄く効く場合というのが存在する。
それが不安であったり、怒りであったり、様々な物があるが、それは『吐く時の息の出す速さ』であったり、『吐く時の息の量』であったり、もう訳わかんない域まで考えねばならなくなってくるが、そういう所が本当に上手い。
種﨑敦美の演技というのは、『持てる全てのものを使って表現している』ような感覚を得られる。実際そうかどうかなんてさっぱり分からないが、少なくとも筆者はそう感じている。
あとは、『間』であったり『発音』であったりする所だろうか。
この点に関しての『間』の説明は放棄。無理、感覚の問題過ぎるし、コレに関してはディレクションのウェイトもそこそこあるだろうし…
『発音』に関しては、『どれだけ発音を崩すか、どれだけ発音をはっきりさせるか』という所である。
不意を突かれた時の第一声等は発音を崩し、(へ?とか、ひゃっ!とか王道ならそういうのである)
強い意志を感じさせるところは発音をしっかりさせて、そのまっすぐさを表現する…
このような所の使い方とそのレベルが非常に高いと感じる。
そして、彼女の一番凄い所は、その声の幅の点である。
ただただ広すぎるのである。異次元の広さである。高いところから低いところまで、どこまででも行けてしまうんじゃないかと思わせる。
彼女の声幅の強さは、『種﨑敦美』から本当に離れられる点だ。
声幅がない場合は勿論だが、声幅がある場合でも『根幹は本人』という所が普通はあったりするのだが、彼女はそこから限りなく離れられる印象がある(勿論ちゃんと聞いたら種﨑さんだって分かることには分かるんだけども)
五十嵐響子とクロエが同じ声帯から出ている時点で何かがおかしい。(なぜサイゲが絡んでいるゲームで比較した)この人には二種類地声があるんじゃないか?とか思ってくる。
実際、低音の時の根幹と、中、高音の時の根幹の声って違いすぎる気がする。
それは、クロエのコミュとかが今は分かりやすいんだろうけど、同じ人間が出してるとは思えないような声を出してくるのがほんとすごい。
逆にできない所を探すほうが難しいんじゃないかとまで思わせてくれる。
声の高さが段階的に変わるとかそういうレベルではないような気がしてくる。無段階変速というか…
こことここの間っぽいの!とかが普通に出てくるから怖い怖い。声色ってここまで変えられるんだ…?と思わせてくれる。
野球で言えば、ボール一個とか半個のコントロールが出来てしまうような感じ。恐ろしい。
一人何役出来るんですか?って感じで、現に複数キャラを演じる機会というのも少なくないという事もあり、それは共通認識の所があるのだろうか…?
それでいて、その声が変わろうと演技のレベルは変わらないのがまた凄い。
その声幅は、ぶっとんだ役をやった時の演技や、キャラが大きく通常のキャラ性を外した時の演技の破壊力という意味でも大きく使用される。
それが近年わかりやすかったのが、恐らくクロエであって、話題になったんじゃないかな?という感じはある。
それでいて、感情が高ぶった際の演技では声の種類が片手で収まるとかいう、よくあるパターンにも該当しないのだから、彼女の演技幅の凄まじさを感じずにはいられないのだ。
まぁこのぶっとんだキャラ性のところは、初メイン役である『となりの怪物くん』のゴルベーザあさこ側の演技ですでにある程度出ていたように思え、その根幹からの強さを感じずにはいられない。
そんでもって、ついに『少年役』という所に本格的に手を出され始めている。
彼女の地声が基本的には低めであることを考えると、こちらのほうが演じやすくもあるかもしれない。
こっちも声は張れるし、こっちまだ引き出し残ってますよ~感が凄い。まだ引き出しがあるのか…と思わせてくれる。
それはクロエの時もそうだったんだろうけど。
今の声優、この引き出しの何割持ってるわけ?とか言いたくなってくる。この人がおかしいだけではあるんだが。
とは言え、彼女の少年声って『恋愛0キロメートル Portable』の矢崎夕空の時点である程度根幹は会ったと思うのだが、このキャラ、キャラとしての破壊力も高い。そして、上手く彼女を使っている初期の中でも有能な作品の一つと言えるかもしれない。
このレベルへと達したのは、彼女自身の考え方や、演技への向き合い方の面も多いように感じる。
彼女は常に考えている事の量が常人より多いんじゃないか?と思っている。
突然何を言い出すんだ?とかお前それお前が嫌いな人柄じゃね?とか言われそうだが、今演技の話をしているから心配しないで欲しい。
彼女の生き方がそうなのか、元々からそういう人間なのかは分かったものではないが、種﨑敦美という声優がしゃべる時というのは、非常に時間がかかるが、かけたら凄くいい言葉が出てくるタイプである。
それも特に、演技やキャラにおいての事になると、キャラや演技に対しての理解度の深さを感じることが出来ると筆者は感じている。
これは、考えている、感じていることが多いからこそ、処理に時間が掛かっているというオタク特有の都合の良い解釈を筆者はしている。
『考えている』『感じている』その量が多いからこそ、吸収できる量も多く、そこの情報量の多さが、演技にも繋がっているのではないか?凝縮されたものなんじゃないか…?とかを考えたくなってくる。
『その域』まで考えさせてくれるレベルの演技をするのが、彼女である。
そんでもって、彼女の経歴を考えていくと、中高などでは演技には触れておらず、それで養成所に入るまでに働くのが4年、半年で最初の養成所はダメで、次の養成所での時間が長かった…等、声優としての始動の遅さや、長い時間をかけて…という感じが強い。
その過程の一歩一歩がきっと彼女の能力の向上に少しずつ作用していき、”全ての道”と”全ての一歩”が今の種﨑敦美としての演技を形成しているのだと思う。
いやどんだけ演技に文字を割くの?(
歌唱力及びキャラソン力について。
ここは、最初に見た時よりも最も伸びた点と言えるかもしれない。
初期の彼女の歌(キャラクターソング)については、どちらかで言えば下手側に分類される方だったと思う。
しかし、持ち前の演技幅も伴っているのと、彼女自身の歌唱力自体の伸びがあった結果、『キャラソンでキャラで歌える』という所にちゃんとやってきたのである。
現在では、キャラ声でキャラソンを歌うのがかなり上手になり、違うキャラだと違う声で歌えるようになっており、非常に声優として有能なポイントの一つにへと変化している。(青ブタのEDは高いとの声があるが、アレは初期の双葉理央の声が今現在より明らかに高い所が原因だと思う。1話の青ブタを見てみよう)
デレマスのライブにはかなり頻繁に登場しているらしい。
しかしまぁ、彼女の初イベントとなる『となりの怪物くん』のイベントで乃木坂スクエア200席を前に、『Q&Aリサイタル』をワンフレーズ歌っただけで足が震えていた彼女が今もうウン万の前で堂々と歌ってるとかそういうのは、なんかすげえなあとは思う。
トーク力関しては正直ないに分類せざるを得ない。
ただ、昔に比べれば随分と喋れるようになっているのも、また事実である。
結構慌てたり、処理が追いつかなくなっていることはあるが、前述の通り演技の事であったり、キャラやアニメの所の話は時間をかければかなりいい話が聞ける印象があり、言葉を凄く選んでいるんだろうなあ…という感じもする。
割と、コーナー系統では思い切って行くタイプで、面白側に完全に振ってくれるように近年はなっており、明らかな慣れを感じる。
中々に喋れないことにはしゃべれないのだが、ダイの大冒険の生放送を見返してみたら「いや、割と普通に喋れてるのでは?」とかにはなりつつあり、かなりの改善傾向である事は間違いない。
この雰囲気から割とスッと演技に入られるので、この人やべーなってなる。
筆者は、現地民ではないので、あまりこういう事は言わない方だが
『青春ブタ野郎はスノーデイズの夢を見ない』のライブビューイングに行った際の朗読『ここでしか聞けない 青春ブタ野郎はキャットファイトの夢を見ない』においての、
理央「一世紀以上前の解釈だね、今はセシウム133の原子の 基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の 91億9263万1770倍の継続時間が1秒だよ」
を一度も噛まずに淡々と演技したことは忘れないだろう。
あんなに前のコーナーでふざけたり、寂しがったりしてたのに…やっぱ声優ってこうだよなってなりましたね。
まぁあのコーナーで種﨑さんと水瀬さん間違えた現地にいる奴はLVの筆者と場所変われと思いましたが、それはそれで…(
種﨑敦美という声優は、勿論、彼女自身の才能はあったと思う。それくらい、『となりの怪物くん』での演技のレベルは高いものであった。
しかし、だからと言って、これをただ単なる天才として言うことも、どこか憚られる、そんな声優である。
確かに、『となりの怪物くん』の演技は当時から素晴らしい物であったことを、今見ても教えてくれる。
しかし、そこまでにたどり着くまでに、養成所に通うまでにも多くの年月が経っており、声優として始動してからでも5年が経過している。
彼女の性質上、そこまでにたどり着くまででも、たどり着いてから今までも多くのものを吸収してきたんじゃないかと思える。
トリトリオフィスに所属し、となりの怪物くんで見つけられ、少しずつアニメ等に出演することが多くなり、フリーを経由して、俳協へと移籍。
そこからデレマス声優になり、多くのキャラクターを演じていって、一歩一歩進んでいった所がどうもあるように思えてならない。
その一歩一歩着実に進んできた事が、今の種﨑敦美という声優を作り出し、それが評価され、声優アワードを獲得し、ここ数年の加速的な活躍に繋がっているのではないだろうか?
ゆっくり、しかし着実に歩んできた一歩が、全て『助走』になっていて、今の活躍があるのではないだろうか。
きっと「彼女は俳協に移籍したから、今の活躍があるんだ」という声はあるだろうし、実際そういう面もあると思う。
しかし、だからといって彼女は『前事務所の時代を消したくなるようなタイプ』
ではなく、むしろ『全てを残したくなるタイプ』の声優だと、筆者は思っている。
昨今、顔面や歌、ダンスやなんやかんやとマルチが謳われ、そういう声優が波のように現れては、どこかで消えているような時代。そういう声優が優遇されている事は、明らかだ。
その中で、種﨑敦美という声優は、その才能に長年の色々な経験を全て糧にして、腕一本でついにここまで”来てしまった”。
最早、彼女の実力は大衆に認められる次元に完全に”到達してしまった”。
苦難の道、トリトリオフィスという比較的弱小事務所からのスタート(トリトリオフィスは桜咲千依や大橋歩夕等も排出しているので、弱小というのは失礼だとは思うのだが)、昨今の声優業界…彼女には逆風は多かったはずなのだ。
”一部の人間にしか評価されない世界線”は必ずあったはずなのだ。
それを、彼女は行ける所まで”行ってしまった”。
コレほどに喜ばしい事はないだろう。
だけど、一方でどこか哀しくある気がするのは何故なんだろうか。
娘を嫁に出すような心境と言えば良いのか、なんというのか…
夢の続きのようで、一種の終わりも感じると言うか。
種﨑敦美という声優は、声優演技派としての希望であり、『到達点』である。
筆者は助演女優賞で一種のゴールを迎えたと思っていたが、この人はまだ先を見せてくれるらしい。
もう分かったから、このまま"天下統一"してしまえ。もっともっと夢を見せてくれ。
おめでとう、そしてありがとう。
以上。