声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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音声作品ほぼ未経験人間が、あまかけプラント『あなたとの思い出~かなえと過ごす安らぎの刻~(CV:石見舞菜香)』を聴いてみた感想。

おにじと申します。

 

今回は、声優関連ではあるのだが…大変めずらしい音声作品の話をしていく。

このブログを読んで頂いている方であればおわかりの方もいると思うのだが、当ブログの筆者、声優に関する題材として、アニメやゲーム、エロゲなど多くのモノを取り上げているのだが、音声作品というのは取り上げてこなかった。

これは、単純に筆者が音声作品というものに対しての興味が薄いという所があった。

最近はバイノーラル録音という所が非常に人気な感じはしているのだが、そこまで筆者はハマっていないという所もあった。

ただ、存在というのは世間的に気にしていた…って感じだったのである。

 

そういう中で、今回なんと同人サークルの『あまかけプラント』さんからお声を欠けて頂き、音声作品の方をレビューして頂けないかとご依頼を頂いた。

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非常に熱のあるご依頼を頂いたこともあり、これはちょっと筆者としてもやりたいなと思い、今回は『あまかけプラント』さんの音声作品である『あなたとの思い出~かなえと過ごす安らぎの刻~(CV:石見舞菜香)』のレビューをしていきながら、音声作品に関してもちょっと考えたりする。いや、基本レビューです(どういう記事?)

筆者の音声作品へのイメージと実際

なんというか、このまま普通にレビューしたら良いのだが、筆者は音声作品に対しての教養がゼロである。ほぼほぼ聴いたことがなかった。なので、こう筆者のスタンスがこんな感じだったよってのと、今回の作品の構成はこんな感じだったよって感じの話をちょっとだけしておく。

前述した通り、バイノーラル録音というものに対しての興味自体がそこまで高くなかったという所が大きい気がする。

普通のマイクの方がちゃんと演技聞けない?とか思ってしまうタイプというか。

左右とか近いとかの距離感を測る上ではバイノーラル録音の良さというのは確かにあるし、そういうのも悪くはないんだけど…演技という所にどうしても着眼点を置いてしまう筆者にとって相性が良くないんじゃないかなという所があった。

 

あと、もう一つ言えるのは、音声作品というのはこう…耳かきとかそういう系統の音声が中心な印象が強かったっていうのはある。

所謂そういう系統も癒やしとしての一つの形であることは一定は理解しているつもりなのだが、そもそもそんなに耳かきにおいて気持ちよさを感じないという所もあるし、ああいう奴の良さいまいちよく分かんねえんだよなあ…そういうのが音声作品多そうな感じするし、自分には合わねえのかなあ~みたいな感じもあった。

 

 

あとはこう…あくまでも筆者個人の意見として、kotoneiroやボーントゥといったASMR作っている組織・陣営はやっている所があんまり良い印象なかったってのもある。(というのはまぁ当ブログを読んでいただいている方ならなんとなく分かってもらえるとは思うんだけども…w)

 

ボーントゥと言えばLoseである訳だが、批評空間のレビュー削除案件などを始め、数々のエロゲでもヤってきた過去がある。

oniji.hatenablog.com

こういう所がDLSiteのランキングを占領しているし、めちゃくちゃクーポンも出してる。

 

最近は小岩井ことりのkotoneiroとかも出てきたが、まぁアレもそんな大きく変わらんしなあ…というか、小岩井のこともイヤホン売った時のやり方がどうも筆者の中で引っかかり続けてはいるので…(音声作品には関係ないじゃんって言われそうだけど)

oniji.hatenablog.com

という所もあって、なおのこと触手が広がらなかった感じはあった。

まぁ、まどのハミクリボイスとか、ゆずの七海系とかなら、興味は持ったんだけど…

 

という感じのスタンスであった。

 

そして、今回の音声作品『あなたとの思い出~かなえと過ごす安らぎの刻~』に関しては、ボイスドラマが約30分、耳かきボイスが約30分という感じ。

まぁ本当にまともに音声作品とか見ていないので、この割り振りがどれくらい一般的なのかとかはさっぱりわからんのだが、思ったよりもボイスドラマ感強いんだなと。

もっと耳かきとかそういう方向に振っているのかと思っていた。

こういう感じであれば、筆者も割と大丈夫かなあみたいな感じが最初頂いたデータを見ての感想だったりする(そんなことあんまり思わないだろ)

あんまり偏見持つのも良くないよねって話ではあるけど…ほら、偏見というか他での前科があるとかも含まれてるので許してくれや…(

 

 

雑感

ということで、ようやく感想本編です。

今作『あなたとの思い出~かなえと過ごす安らぎの刻~』は、あまかけプラントの”『思い出』シリーズ”の作品の一つとなっており、発売は2022年8月26日となっており、約一年前くらいの作品となる。

 

制作に関しては宮下翔一となっており、こちらめちゃくちゃ個人で作られているとのこと。ということでこの方から直接お話を頂いた感じです。マジで熱を感じるメールを受けてこっちもクソ長熱意メールを返してしまった(

イラストはnana、そしてキャラクターボイス、声優は石見舞菜香ラクーンドッグ)となっている。

 

石見はライスシャワーウマ娘プリティーダービー)、本田透フルーツバスケット)、ユフィリア・マゼンタ(転生王女と天才令嬢の魔法革命)などを演じている人気と実力を兼ね備えた声優の一人である。

…まぁ石見の経歴とか詳細な評価は筆者の名鑑でも見てくれ(

oniji.hatenablog.com

 

今作に登場するヒロイン及び設定。

ヒロインは鈴風かなえ(すずかぜ・かなえ)。

日本家屋に住んでいる、有名な神社の神主を父に持つ少女という設定。

主人公とは3年前から恋人という設定となっており、すでに関係性がしっかりと出来上がっている感じの設定となっている。

家が家なので、非常に丁寧で敬語を使う感じのキャラ設定となっている。

設定が設定ということで、祖父が残した桜の庭園とか、そういう雰囲気のある日本家屋で主人公とかなえのやり取りが…という感じ。

舞台設定が結構和かつ、スケールが大きめな感じの印象を受けるのかなと。

主人公である聴く我々のことが非常に好きで、甘える感じのシリーズの骨格に、より癒やしの雰囲気を設定の時点から感じる所がある。

 

前述した通り、約30分の耳かき音声と、約30分のドラマパートがある。

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01. あなたのそばには、私がいる(ドラマパート)
02. かなえの耳かき、そして梵天(耳かきパート)
03. 今までも、今も、これからも、あなたが――(ドラマパート)
04. あなたを癒やす、木漏れ日と水の音と(ASMRパート)

ちなみに04はボーナストラックであり、発売後しばらくしてからアップデートという形で追加されたみたい。

ボイスはwav、m4a、mp3の3種類の拡張子で入っている。

 

ということで、ここからは実際に聴いた感想を。

あくまでも筆者マジで音声作品に触れてないので、マジで「お前そんなこと分かりきってるだろ」って事も書いてると思うけど許してね(

 

こういう系統の作品というのは、まずヒロインは主人公のことが非常に好き、大好きであることがまぁ多いんだと思う。

今作に関しても、勿論そこに関して例外ではない。

ただ、こう割といい関係というか、心地よいちょうどいい関係性みたいな感じがする感じが結構好みだった。

これはかなえがそもそも敬語キャラであるという所も大きいんだとは思うんだけど。

なんというか、お互いわかり合っている感がある関係性というのを、上手く表現できているというか。

こちら、説明文には夫婦みたいとか、そういう言葉が出てくるのだが、そういう雰囲気をしっかりと出せているのかなと。これが所謂癒やしという所にも効いてくるというか。

まぁこれはキャラ設定自体が石見の声という所にしっかりとマッチしているからこそ、こういう関係性を表現できるとも言える。まぁ石見が色々な声をしっかりと演じられる声優であることは、言うまでもないとは思うけど…

 

こういう系統の作品って、まぁそんなに触れていないとは言え、結構色々な箇所が難しいんだろうなというのはずっと感じていたりはしたのだが。

まずひとつとして、キャラの造形と設定の造形の部分。コレを声だけで表現する必要がある。こういう系統の作品はヒロインの声のみという成約までついてくると。

いや~これはめちゃくちゃ難しい。やっぱりあるのは一枚絵だけで、勿論設定とかは書いてはあるんだけど…そういう所でしっかりと設定とキャラを落とし込んで、没入してもらわないと、こういう作品って入り込んでもらうことが大事だと思うので…

 

こういう所に関してだが、この作品は結構良い感じにまとめてくれている印象がある。

冒頭のトラック『あなたのそばに、私がいる』で、結構関係性という所と、かなえのキャラクター性という所は端的でありながらも分かりやすい描写をしてくれているのかなと。

まぁ~こういうのは如何に説明パートを説明パートっぽくないようにセリフにするかみたいな感じではあるんだけど、結構頑張ってた気がする。

初手から、桜の庭園の景色の所にいるとかの所とか、ここにいつも来ているみたいな所の描写をセリフで言っていたり、結構敬語で固い感じがあるのかなと思いきや、テンションが上ったりする所では結構露骨にテンション上がっていたりするギャップみたいな所の可愛さをしっかりと出せているのかなあと思う。

抹茶飲む所の「こ、これは……!美味しいっ!」って感じの所とか、結構最初に思っているキャラ性というか、普段の喋りのキャラ性という所を考えると、振り切り気味であり、子供っぽさみたいな所が垣間見える感じがある。

こういう所の演技においても、やはり石見の演技は良いなあと思う。

お淑やかな部分、育ちの良さの部分を出しながら、そういう年齢相応の所が顔を出す…みたいなのをやらせるとギャップが出るんだよなあコレが。

 

そして、雰囲気という所で言うと、お茶を点てる所とか、畳を歩いている音とか、そういうSEという所が良いのかなと。

すごい世界観を出せる音しているというか、わざとらしさが少ないのかなって感じがする。

こちら、オリジナルのバイノーラル効果音を採用しているということだが、これもう最初のトラックから良さ出てるんだろうなって思った。

やっぱりこういう作品、しっかりと和とか、庭園とかの雰囲気を作り出すことで、耳かきのパートに入るにしても一定の雰囲気が出た方が良いんだろうなって思うし。

そういう所、良いなあって思った。

…いやまぁ、主人公が喋っている所を割とSEとかで埋めていくのは、ノベルゲーとかやっている身からすると『やっぱり主人公が喋らないから、表現キツそう!』って思っちゃうけど(

 

最初のトラックの時点で、非常に主人公とかなえの関係性が確立しているというか、落ち着いた雰囲気でありながら、良い雰囲気というバランスというのが良いのかなと思った。

膝枕をお願いする所、めちゃくちゃ主人公が慎重になってるの分かるからね…w

遠慮と慎重の主人公に、先輩のことであれば大丈夫、己の言葉に訂正はない…って受け入れ体制万全のかなえみたいな感じなの、良いなあとw

 

耳かきトラックに関して。

これ、マジで筆者の守備範囲外の所だし、こういうまともに聴いたの初めてなので、クッソ薄い感想になるのは許してくれって感じだが。

めちゃくちゃ初歩的な所で言うと、あんなに耳かきのSEってゴリゴリ言うんだね(

彫刻刀で木掘ってるとかの感じのをやってるのかな、ああいうのって。めっちゃゴリゴリ言うやんって思った。相場がわからんけど、ああいうもんよね。

バイノーラル録音系統のすごい所って、ああいう所で耳元でささやくとか、息を多めの奴とかも結構綺麗に録音できる所だとは感じる。

ふ~って息をかけてもある程度なら大丈夫なのを活かした表現というのはしっかりとあるなと。

あと、まぁこういう系統になると石見は破壊力抜群だなと思う。

こういう優しい感じ、息を多めにしたりとか、一生懸命耳かきしていて、ご奉仕している感じの雰囲気が非常に上手。

上手かつ破壊力がある。石見こういうの強いだろ?っていうのを地で行く感じ。

そりゃ強いわよという言葉になるんだけど(

あと、世界観表現として、時計SEが入っているんだけど、これも結構クオリティが高いし、心地良い雰囲気を作っていると思う。場面とか場所とかを音だけで示すのって難しいと思うのだが、そういう所も良い感じに作っているんじゃないかなと。

…ごめんこれくらいしか言えなくて(

 

トラック3のドラマパート。

こちらはより2人の関係性というか、こういうような関係性になった経緯みたいなものを話していくパートとなっている。

こういう感じになると、なおのことかなえ一人で成立させるの難しいんだけど。

このパートだと、主人公の性質みたいなモノもより明確になってくるというか、元々は一人で行きていくみたいなタイプというか、達観と諦めによってコミュエラー引き起こして面倒なことになりそうなタイプだったのが分かってくるのがちょっとおもろくはある。

まぁこういう音声作品において、10~15分とかのトラックとかで話を0に近い状態からまとめていくのは難しい部分はある。

だからこう、一定テンプレチックな部分が出てくるのは仕方がない気はする。

こういう系統のとつながる系統かつ、主人公がこういう感じだと、不良絡みというのは結構ある話だと思うし。

まぁ思ったより踏み込んでいるというか、どっちもクッソ殴られてるのは珍しい気がするけど。というか中学の治安!って思うけど、割と公立中学だとないとは言えないからなあ…w

女の同調圧力とか含めて、上手い事この関係に落ち着くまでの過程は描かれたのかなとは感じている。まぁ、一定のテンプレチックはあるとは言え、そりゃしゃーないだろ、むしろテンプレテンプレし過ぎてないことを評価するべきだと思う。一応筆者も書くっちゃ書くからさ、やっぱりこういうのはこういうテンプレ的展開が結局…みたいな所もありつつそこからある程度ズラしたい…みたいな所あるわけで。そういう感覚なのかなって。

こういう所においての石見の演技の仕方も、なんというか思い出話してますよって感じがしっかりするし、良い思い出としているというか、こういうことがあったからつながることが出来たって感じがあって非常に良い。

このパートに入ってくるとより主人公への好意が出てくると言うか。そりゃ石見に「嫌、ですか…?」とか言わせたら良いに決まってるだろみたいな所あるし。

こう、基本敬語だし、良い所の子っていう感じがありながらも、そういう好意とか、本当に好きなんだなあっていうのが演技と文章両方から感じられるような感じになっているのかなと。

前述した通り、主人公の文字、声が存在しない形になるので、苦しい部分があるとは思うのだが、なんとかしている感じ。逆に言うと、これは音声作品でありながらしっかりと話を主人公としている感じに仕上がっている、話として会話として成り立つような感じになっているとも言える。コミュニケーションをしっかりしている感じっていうのは、あんまり音声作品にそういうイメージを抱いてない所はあるんだけど、どうなんだろうね。

年の差がありながら、年の差なんてもう関係ないみたいな所に落ち着いていくのもいいしね。

糖度がどんどん上がっていくドラマパート。

 

なので、トラック4のボーナストラックはよりラブラブ感が強まる感じがある。

雰囲気も、またちょっとかわるというか、流水やししおどしの音とかが入ってくるので、世界観変わらずより癒やしの方向性が強まっている感じがある。

おじいちゃんが強すぎるだろとは思うんだけど、まぁこういうおじいちゃんって割と強いかって…(

また、このトラックに入ってくると、よりかなえの口調とかが崩れてくる所があって、このギャップという所が良いかなあって感じする。

「あると思うんだけどなー?」とか、そういう言い方をするので、非常に可愛いなと。

だいぶ砕けてきて、親密さがより高まっている感じがするというかね。

他のクラスメイトに告白されたとかで、普通に家に呼びまくってドキドキして欲しいとか思っている所の心情とか良いよねと。結構いじけているというか…こういうのすると強い石見。キャラの良さというのを非常に引き出しているなと思う。

まぁそんな独り言言ったら主人公に聞こえるだろって所に関しては一回目を瞑りましょう(というか多分聞こえてるだろ)

向き変える時の「ごろ~ん」耳かきの時も入ってたけど、バイノーラル録音の利点を活かすという所ではこういう感じになるんだろうなとは思う。

なんというかこのトラックはより親密感が高いので、喋り方が砕けてたり、ゆっくりしてたり、そういう所とかで上手く表現しているのが良いのかなって。感情みたいな所がより明確になっているというか。

かなえは神社継がないと行けないので、神職の学校に行かないといけないのでそれで一緒の大学には進めないから落ち込む所とか、そういう感情の上下みたいな所が強いと言うか。

この感じで「ぜったいあなたと、ラブラブしたいです」とか言うのは、そりゃ破壊力高いだろと。ここまでのトラックとのギャップがしっかりあるので、ボーナストラック感が出ているし、キャラの魅力を爆発させたいんだろうなという感じがするのが良い。

ボーナストラックがボーナストラックしている。好き。

 

 

ということで、今回はあまかけプラントさんの音声作品、『あなたとの思い出~かなえと過ごす安らぎの刻~』の方のレビューをしてみた。

〆って書いてるけど短くはならなさそう。

 

音声作品というのをしっかりと聴く機会がなかったのだが、思ったよりも筆者も聴けるなというのが第一の印象。

結構しっかりとドラマパートも作り込まれている印象で、まぁある程度の長さがあるとはいえ、この長さで色々なものを完結させなければならない以上、前提情報とかもそうだし、説明しないといけないこともあるし…そういう所含めて、どうしてもテンプレ的な要素というのは出てくるし、それはそういう癒やしとか色々な需要があるからこそ、そういうテンプレが出来るわけだし。ただ、その中で違いを見せることも出来ているのかなと。

 

今作、主人公とのコミュニケーションの要素も結構あるのかなと聴いていて感じた。それはヒロインだけで会話を成立させる難しさも同時に感じる所ではあったのだが、こういう作品の割にそういう所も大切にしているのかなという所も感じた。

これは一度聴いてからご連絡した結果、パッケージ版の特典の台本の方を見せて頂けた。

こちらでは主人公の設定がしっかりと存在するのと、台本では主人公のセリフが普通にあって、掛け合いをしている想定になっていた。

スクショ載せていいよとのことなので、1ページだけ載せるけど。

こういう感じで主人公との掛け合いが普通に想定されており、これを見ながらもう一回聴くとまた印象が変わる部分もあったりする。

主人公がどういう返しをしているかっていうのが分かるからね。こういう所を見ていると、作家さんは音声作品、バイノーラル録音を使用したASMR系統の作品でありながら、あくまでもボイスドラマの方向性の作品なんだなという所が感じられる。

こういう所、色々としっかりしているなあと感じる所ではあった。

 

そういう所もあり、作品としてキャラ性とか場所、世界観の表現という所が音声作品は難しい中でかなり努力されているのかなと感じた。

前述した通り、SEのクオリティが自然な物が多く、所謂汎用的なモノというのでもない(聞き覚えがあるようなSEじゃないという意味で)という所含めて、かなり音声でも世界観というものを表現できている感じがあったのも好印象である。

 

キャラクター性という所においても、石見とのマッチング含めて良さが出せているのかなと。

どちらかと言うと弱気とか、しっかりしているとかの方向性に強みはある感じがある石見に対して、こういう良い所の家出身のお嬢様とも言える感じで、格式が高く、敬語を使うみたいなキャラクター性は良い。

この感じでしっかりと主人公のことが好きで、かつ甘えたい所があったりとか、子供っぽい所が垣間見えたりとか、そういう所のギャップみたいな所を引き出せる所が良いし、そういう演技をさせると石見の破壊力は抜群なんだよなあと感じる。

ボーナストラックでのより砕けた感じのギャップとかをしっかりと表現してくれる感じが素晴らしいと思うし。

基本石見の声だけで全てを描くような作品になるわけで、責任は重大ではある訳だが、そういう所でもキャラ性という所の表現も素晴らしいなあと。やっぱり演技が上手い声優っていうのはそういうのを表現できるんだなと。

筆者はどうしてもノベルゲーみたいな所で声優の強み、演技の良さというのがより明確になるみたいなことを言うわけだが、音声作品が補助するものがほぼないという所を考えても究極の媒体ではある。それを改めて感じた。

こういう合う感じのキャスティングでしっかりと合わせてくるのも良いし、イメージと違うキャラを当ててそれでもこういう良さがあるみたいなのも見てみたいよね、こういうのだと特に。やっぱり、ゲーム、アニメと上がっていくと無難なキャスティングが増えてくるだろうから…(

 

音声作品の良さという所を大事にしながら、音声作品では難しい感じがする声のない主人公とのコミュニケーションという所にも挑戦している部分もある感じがした。

 

こうどうしてもバイノーラル録音とか、ASMRとかの文字が先行してしまう時代だし、その上で声優の名前で売るという形になってしまう部分はあるように感じる。

まぁやっぱり声優の強さというのがあった方が手に取りやすいのは事実だし、バイノーラル録音やASMRという文字は現在の需要という所を考えると必要な感じはある。

ただ、あくまでもこの作品はドラマパートとかにも話としてもある程度、ヒロインの声しかない中でも出来るだけという努力を感じることが出来るように感じる。こういう作品であれば、筆者ももう少し音声作品とかに興味を持っても良いのかなという風にも感じた。

 

あとこれは作品と直接的な関係はないと思うのだが、こういうバイノーラル録音系統、ノイズキャンセリングイヤホンと相性いいんやなって。

筆者、直近でWF-1000XM5を買った訳だが、ノイズキャンセリングで外の雑音をカットすることで、バイノーラル録音の細かい音や、SEとかの雰囲気をつかみやすいなって。

ノイキャンイヤホンかつハイエンドワイヤレスイヤホンって音の良さみたいな所に目が行くので、こういう方向での強みとか考えたことなかった。新たな発見だったね(

 

今回このご依頼を受けさせて頂いたのは、あまかけプラントさん側の非常に熱量のあるメールだったのだが、そういうこだわりという所とか含めての、作品としての力の入れ方という所はしっかりと感じることが出来た印象。

こういう音声作品は、やはり大手企業系統のモノが多い印象がある中(というか実際そうらしい)で、こういうようなほぼ個人で制作していると言えると思われるあまかけプラントさんはすごいなと感じる。

というか、普通にこれまでも存在を見たことはあったのだが、所謂他の所と同じような企業系なのかなと思っていたので、普通に同人サークルという感じなのは驚きである。

よく頑張られているなあって思う(小並感)いや本当にすごい。

前述した台本に主人公のセリフがしっかりと書かれていたりとか言うのは多分珍しい所だと思うし、他の作品の起用傾向とかを見ても、勿論ある程度の人気や実力がある声優というのを選出している感じはあるのだが、物凄く声優を主張してくる感じでもないし、キャラとかの方向性やストーリー性とかもすごく代表キャラに寄せたりとかもしている訳でもなさそうなのも良いのかなって。ちゃんと演技面で声優さんを選んでいるんだろうなと思うし、流行りに乗りすぎないというか、ちゃんとやってる感じがあって、色々頑張ってるんだろうなというか。

あまかけプラントさんの良さというのは感じるには十分だったのかなと思う。いや、これをほぼ個人でやられてるって凄いし、思いというかこだわりを感じるんだよな。

 

筆者は音声作品というものにそこまで触れていないので、こういうの聴くの慣れないというか、フォーマットへの対応が出来ていない部分もあった(というかこういうのを聴くのってなんか小っ恥ずかしいなあってのは思ったりする)のだが、それでも普通に楽しむことが出来た。

こういう感じであれば、あまかけプラントさんの作品他も聴いてみたいなあとも思ったし。

癒やしの要素がありながら、バイノーラル録音系、ASMR系音声作品でありながら結構ドラマCD感もある感じにはなっているのも面白かった。

声優とかの演技とか言ってるんだから、もうちょっと音声作品も聴いたほうがいいかなって思ったりもした。

あまかけプラントさんから出ている『あなたとの思い出~かなえと過ごす安らぎの刻~』は、DLSite、FANZAを始め各所サイトで販売中。気になる方は是非どうぞ。

 

最新作を出す場合は、新作の早期購入キャンペーンとして、購入から一週間以内にTwitter(X)にてリツイート(リポスト)キャンペーンを行ったり、ドワンゴ主導サイト「オーディオブック」側主導で、早期購入者の中から抽選でサインとパッケージ版が当たるキャンペーンを実施したりと企画も多いらしい。

次回作からはアニメイトさんからのお誘いにより、作品のリリースと同様のサインセット抽選キャンペーンを行う見込みとのことなので、こちらも是非。

 

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以上。