.おにじと申します。
今回は、音声作品レビュー。
前回『あなたとの思い出~かなえと過ごす安らぎの刻~(CV:石見舞菜香)』のレビューの依頼の方をあまかけプラントさんから頂き、音声作品に触れたことがほぼない筆者が、音声作品を聴いてどういう印象を受けるのか?そして、内容としてはどういう感想を持ったのか?みたいなのを書かせてもらったのだが。
アレが非常に良かったということで、こちらも他のを聞きたかったし、あまかけプラントさんの方からも、記事の方はかなり満足して頂いたようで、是非他のも書いて欲しいと言って頂けたので、もう一作レビューします。
と、言うことで今回は『あなたとの思い出~癒し系おっとり義妹と甘々な時間~(CV:長谷川育美)』を聴いてみたので、レビューしてみることにする。
雑感
ということで雑感です。
今作『あなたとの思い出~癒し系おっとり義妹と甘々な時間~』は、あまかけプラントの”『思い出』シリーズ”の作品の一つとなっており、発売は2023年1月13日となっており、そこそこ近い発売日となっている。
脚本・キャスティング・トータルデザインに関しては宮下翔一となっており、こちらほぼ全てをやられているということである。というかいつもここはそう(
イラストはありあ。、そしてキャラクターボイス、声優は長谷川育美(ラクーンドッグ)となっている。
長谷川は喜多郁代(ぼっち・ざ・ろっく!)、ヴラディレーナ・ミリーゼ(86-エイティシックス-)、ミホノブルボン(ウマ娘プリティーダービー)、アルクェイド・ブリュンスタッド(月姫 -A piece of blue glass moon-)などを演じている、ここ数年において一気に人気を付けた、実力も非常に高い声優の一人…というか今筆者が一番好きな若手声優…若手声優か?(
…まぁ長谷川の経歴とか詳細な評価は筆者の名鑑見てくれ(
今作に登場するヒロイン及び設定。
今回のヒロインは水瀬晶(みなせ・あきら)。
ただ、まぁ本編においてもほぼ全て『あきら』表記なので、当記事でもその書き方にしていく。
高校二年生でクリスマスイブが誕生日の義妹。
キャラデザとか含めて、妹でありながら割とお姉さん的な雰囲気というか、包容力がある感じに見えるが、本人自体は子供っぽく、甘えたがり。
勝手なイメージに悩まされている所もある感じで、本当の自分の正確を知っている主人公にはめちゃくちゃ甘えている。
一枚絵にある犬の大きなぬいぐるみには『のびのびクンクンだきぐるみ・色違いバージョン』というやたら細かい設定がついている。なお、この設定は絵が上がってきての逆輸入のところがあるらしい。
義妹でありながら、妹感があるところとない所がありそうな感じがする。
まぁめちゃくちゃ甘えている感じは妹感かもしれないけど…
こちらの構成は合計12分のドラマCD、30分の耳かき音声、15分のシャンプー音声という感じの構成となっている。まぁシャンプー音声はボーナストラックで、ドラマCD的な要素も結構あるけど。
01. お礼に癒しをプレゼント
02. あきらの耳かき、そして梵天
03. 想いが通じ合う、二人のハッピータイム
04. 潤いボディのシャンプーヒーリング
05. あきらの耳かき、そして梵天(左右反転)
06. 潤いボディのシャンプーヒーリング(左右反転)
ボイスはwav、m4a、mp3の3種類の拡張子で入っている。
内容としては、義妹であるあきらとほぼ恋人関係みたいな主人公との一幕という感じ。
誕生日のプレゼントを主人公が買ってきてくれて…っていうそれがあのぬいぐるみなんだけども。
距離感の感じが、まぁ兄妹という感じが最初から感じられる。まぁそもそも普通に主人公がお越しにくる所から始まるという時点でそういう感じがするんだけども。
というかまぁ、あきらに関しては、初手からクソ可愛いんだよな。というか長谷川のバイノーラル録音の破壊力を初手から感じている所がある。
ぬいぐるみでバシバシやってくる所とかの「こうげきだっ」とかの所めちゃ可愛いなって。
兄妹の雰囲気でありながら、作品内でもしっかりと義妹であることを結構初手のタイミングから示唆してくるし、その上で兄妹以上の関係性とも思えるところが見えてくるみたいな感じの構成なのかなあって感じがある。
というかあまかけプラントの作品って、キャラ設定みたいなところが全体的に深いというか、口癖とか、そういう設定みたいな所も出てくるので、音声作品でありながら、結構そういう所に気を遣っているというか、ちゃんと話とキャラ設定を構築した上で作っているなあという感じがある。
トラック1の感じは兄妹感はどっちかっていうと強いのかなと。
ただ、まぁ高校二年生という設定にしてはめちゃくちゃ甘えてくるなとはなると思う。
あと、子供っぽさという所はしっかりと提示されている。
長谷川のバイノーラル録音、演技がこう甘えに寄っていることもあってめちゃくちゃ破壊力をこの時点で感じるんだよな。プレゼント喜ぶ時とかもめっちゃ喜んでるなあって感じするし。情報量が凄いんだよな相変わらず長谷川の演技。つんよってなった。つんよってなって一回再生を止めた。なにやってるんだ筆者は(
あと相変わらずSEとかの使い方とクオリティは高い。前にレビューしたのがより明確だったから(設定上の関係で)あっち程は目立ってないけども。
トラック2は耳かきボイスとなっている。
こちら、あまかけプラントは明確に耳かきのSEというを結構やってくるのは変わらず。
こういう系統をやらせても長谷川は上手だなあと思いつつ。
これは説明の所にも書いてるのだが、このトラック、「お兄ちゃん」って言わない。
まぁこれはやっぱりこの2人の関係性的に、恋人という所になっていく所を考えると、あきらとしてはあんまりそういう言い方をしたくないのかなあという感じもある。
このトラックから、恋人への方向性が強くなってくる印象。
というか、耳かきボイス筆者全くもって慣れないからまともなレビュー出来ない(白目)
耳かきボイスってどういう風に使うのがいいのかって所。寝る時とかいいらしいんだけど…いや、恥ずかしくなってくるんだよな先に多分…w
トラック3はドラマパート。
ここになってくると明確にデートとか出てきたりするので、恋人関係としてのところがより明確になりつつ、義妹ではあるみたいな所はあるみたいな関係性を上手い事描いているというか。こういうのを一人喋ってるだけで構築するのって難しいと思うんだけど。
あきらの感情みたいなところがしっかり出てくるパートとも言える感じである。
主人公のことはめっちゃ好きだし、恋人として考えているけど、あくまでも血が繋がっていないとは言え、兄妹であることは間違いなく、そういう複雑な感情というのが出てくる。
周りには本当の自分を見せていないという所も含めて、結構音声作品の中でそういう情景というのを出せてる感じがあるのかなと。
やっぱり世間的には兄妹なわけで、高校生にもなって距離が近いと気になる奴いそうだし、あきら当人も気にするところがあるってのは間違いないわけで…
こう、今作もトラックが進んでいく毎にラブラブ度というか、甘えというところが強くなってくる印象はあるのだが、その上でこのトラックではしっかりと義妹であるという所を押してくる所もある。
妹、義妹という所の属性の複雑な所もしっかりやりながら、そういう所でのあきらが落ちる所とかの感情表現の部分とかも非常に鮮明というか…こう複雑な所の複雑さまで演技において表現できている所があるというか。
それでいて、こう主人公が結構思い切りがあるなってのも分かってくるというか。義妹との恋愛関係であっても、周りを全く気にするような感じじゃないのが見えてくるのも、こう作品としてヒロインと主人公のスタンスとかが見えてくるのが良い所だと感じる。
あきらのリミッターを外すパートという言い方も出来るけども、そういう所での喜怒哀楽の表現が上手いのよ、長谷川って。
今回の感想困るんだよな。長谷川が上手いんだけど、バイノーラル録音での演技に関しての良し悪しみたいなのはそんなに分かってないし、表現をするのも結構自分が聴いているのとは違うから、言語化が難しい。
相変わらず一音一音に対する感情とかの揺れ動きとか、そういう所が長けてるなとは思うんだが。
トラック4はボーナストラックは、シャンプー音声という要素もある感じ。
誘っているところから、明らかに可愛いというかリミッター外した可愛さが来る。
「あー照れてるー」とかのところの言い方とかから、なんか何割増しで破壊力を見せてくるので、中々のインパクト。
「かわいい」とかが「かわいっ」になってたりする。これ後で見たら台本に書いてあったんだけど。出力の展開の仕方を分かってますねと。
シャンプーとかのSEとか、普通にクオリティ高いですね。というかこういうのってこんなキレイに録れるんだなって思った。こううるさすぎないくらいのバランスなのもいいし。
風呂の中のボイス加工みたいなところもあるんだけど、その上で声がツヤっぽいのとかも出してくるので、主人公を照れさせたりしたいのがめちゃくちゃ伝わってくると言うかね。なんというかこう、2人の世界を構築してくる感じがこのパートはあるわけである。
なんというか、セリフとかの甘えもそうなんだが、リラックスしている感じも節々に感じられて、距離感が恋人というのもあるが、兄妹というのもある…みたいな感じがやっぱり感じられる。
『あきら』って名前、確かに男に付くことが多い印象はある。まぁでも割と女でも見るけどね、思いついた最初が北斗晶だったのは申し訳ないけども!(
こう、お互いの関係性の構築のきっかけとか、そういうのをしっかりと音声作品でありながら描いている感じは、今作でも非常に感じられるところがあった。
過程とかに関しては、やはりある程度のテンプレートな部分も存在はするのだが、今作のあきらというポジショニングというのは、結構特殊というか。妹、義妹というのは、それこそ色々な媒体で使われているんだけど、それとは違うポジショニングみたいなものを目指しているのかなというか。
リミッターを外した破壊力、距離感の縮まり方がありながら、その上で兄妹の感じもありつつ…みたいなバランスを非常に感じるパートだったのかなと。
ま、このバランスを演技で取ってくる長谷川の演技力という所に、まず脱帽しなければならないんだろうけど…w
〆
ということで、今回は『あなたとの思い出~癒し系おっとり義妹と甘々な時間~(CV:長谷川育美)』のレビューをしてきたわけだが…
前述もしたのとかぶる部分もあるだが、この作品、全体的にバランスと出し入れしてくるところがあったのかなと。
何がかというと、妹・義妹という所の要素に対しての出し入れ、バランスという所。
これまで、まぁいわば多くの媒体、アニメやゲーム、音声作品含めて、妹系や義妹系の作品というのは山程出てきている所がある。
そして、そういう中で妹像みたいなものってある程度形作られているところがあるし、一種のテンプレート的なところがある。それは、音声作品という変化を付けにくい媒体でするというのは難しい所がある感じもする。
そういう中で、あきらというヒロインはまずキャラデザ自体そんなに妹妹している感じではないし、その雰囲気とは裏腹に子供っぽいところがあるみたいな所があったり、こう要素の出し入れところが強いと言うか、普通の義妹ヒロインじゃない感じで、差別化を図ろうとしている感じがある。
なので設定としては割と入り組んでいる所もあったり、ギャップがあったりするキャラという所でもあり、演技の難易度というのは上がってくるのだが、これを長谷川育美という声優にお願いすることによって、キャラとしての構築を完成させている…か、それ以上の破壊力を見せる感じに仕上がっているんじゃないかなと。
普通と違うものを作る、差別化をするっていうのは、難しいもので。そういうのを作るのって簡単じゃない中で、結構違いは出せている感じがある。
SEとかの部分は相変わらずクオリティ高いのだが、シャンプーの所の泡立ててるとか、洗ってる所の音とかのクオリティが印象的だった。こういうのも出来るんだなって。いや出来るからこういう系統の音声作品も普通に出回ってるんだろうけどさあw
今作も台本の方見させていただいたが、主人公のセリフが相変わらずしっかり設定されていたり、キャラ設定とかもされていたりして、ちゃんと掛け合いという所も考えられた中で、話が構築されており、音声作品のヒロイン一人だけで話を成立させることの難しさというのは継続して存在しながらも、結構上手く形にできているし、そういう掛け合いとかも想定されているからこそ、トラックごとにおいての距離感やヒロインの甘えとかの出し方の過程みたいなものが見えるのかなという感じもある。
こういう所は、あまかけプラント自体が目指しているモノというか、こういうのを作りたいっていうのが固まっていて、そういうのを出し続けられているのかなというのを複数作品を聴いてみることでより感じる部分ではあったのかなと思う。
あとはまぁ、長谷川育美ってうめえなあって。
なんというか、セリフで可愛さとかパワーを出してくるみたいなことっていうのはあるんだけど、この人はセリフの中でも色々な感情や魅力みたいな所をバンバン引き出してくるんだよなあっていうか。
こういう絵とかの補助がない中でも、キャラのパワーとか、どういう感じで喋ってるのかとかの感情とかが伝わって来やすいし、義妹としての複雑な感情みたいなのもめちゃくちゃ表現してくるし…耳元でこそこそ喋ってくる所とかも全部上手い。
なんなんだろうな、音声作品をやってみることで、改めて長谷川育美という声優の演技の情報量の高さみたいなものを感じれた。この人一音の演技とかでも感情とか色々な物が伝わってくる量がすごい多いのよ。なんなんだろうなこういうのって。
パッと聞いて、その状況とか感情がすぐに分かると言うかね。強いなあ長谷川。
こういうキャラって難しいと思うんだけど、ちゃんと形にしてくるのがすごいなって思う。
これ、パッケージ版特典の台本に『このキャラクターは演技力に長けた役者を必須とした上でキャスティングしています』って書いてあって、ホントそうだよなって思った。
いや~好きな声優の音声作品で改めて実力を感じた。
妹・義妹モノでありながら、ちゃんと恋人的要素もある。その出し入れとギャップを作品として感じれるこの作品、長谷川の能力も感じれるので、おすすめです(その言い方で良いのか?)
あまかけプラントさんから出ている『あなたとの思い出~癒し系おっとり義妹と甘々な時間~』は、DLSite、FANZAを始め各所サイトで販売中。気になる方は是非どうぞ。
以上。