声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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しっかりとしたストーリー性と、演じ分けに注目。あまかけプラント『恋煩いの双子人形 ~二つの命の願いと歩み~(CV:高森奈津美)』を聴いてみた感想。

.おにじと申します。

 

今回は、音声作品レビュー。

ここ最近、音声作品のご依頼でのレビューというのをあまかけプラントさんからもらっている。

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で、まぁこのレビューを毎度気に入ってもらえているみたいであり、今回もご依頼を頂いた形である。

個人サークルさんということで、作っている宮下さんとご連絡を取らせて頂いているのだが、本当に気に入ってもらえているのありがたい。というかサムネで色とかフォントとか合わせてるのとかまで言ってもらえたのありがたい。当ブログなんだかんだそういうのこだわってるけどほぼほぼ指摘されるようなことないからね(

 

まぁそんなこんなで、ここ二作はあまかけプラントさんのシリーズの片方である『思い出シリーズ』の方をレビューしたわけだが、今回はもう片方のあまかけプラントさん初期から継続して出ている主軸シリーズ『Écrint Dolls(エクラント・ドールズ)シリーズ』の方からレビューを。

 

と、言うことで今回は『恋煩いの双子人形 ~二つの命の願いと歩み~(CV:高森奈津美)』を聴いてみたので、レビューしてみることにするぞと。

 

雑感

ということで雑感です。

 

今作『恋煩いの双子人形 ~二つの命の願いと歩み~』は、あまかけプラントの『Écrint Dolls(エクラント・ドールズ)シリーズ』の作品の一つとなっており、こちらがあまかけプラントさんの初の音声作品ということである。

ということもあり、発売は 2019年06月20日となっており、かなり前の作品に遡った形となる。

脚本・キャスティング・トータルデザインに関しては宮下翔一となっており、こちらほぼ全てをやられている定期である。個人サークルだからね!(

イラストは宇路月あきら、そしてキャラクターボイス、声優は高森奈津美(収録時プロ・フィット、現ラクーンドッグ)となっている。

 

高森は2008年にプロ・フィットよりデビュー。主な代表作としては、デリシャスパーティ♡プリキュア(コメコメ)、アイドルマスター シンデレラガールズ前川みく)、メジャーセカンド(茂野いずみ)、ジュエルペット てぃんくる☆(桜あかり)、ブレイブウィッチーズ(ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン)などを演じている。

各所での経験も十二分な実力のある声優さんである。

今回は2キャラ登場するのだが、その両方を高森が演じるという、最初に出した音声作品としては中々のものだなあと思う所でもある。(それだけ声優さんをこだわった上でやられているんだろうなともね)

 

登場する設定及びヒロイン。

今作、及びあまかけプラントにおける『Écrint Dolls(エクラント・ドールズ)シリーズ』は、比較的ストーリー性が存在するタイプのシリーズとなっているみたい。

『ドールズ』と記載がある通り、この作品に出てくるヒロインというのは人形である。

絵の方を見れば分かるが、球体関節人形という感じで、サイズとしても小さい感じ。

まぁこういう人形が動いて…!系統は『トイ・ストーリー』とか『ローゼンメイデン』とかを思い出す感じがあるかも。めっちゃ長寿な奴ばっかり挙げたなコレ。でもその辺だろイメージ(

魂を宿した人形『エクラントドール』とのお話となっており、この辺りの設定とかも結構作り込まれてはいるみたい。

なので、聴く上でまずサイズ感とかは分かった上で聞かないと混乱するかもしれない。

世界観としては、現実感がありながら、こういうファンタジー要素もある感じってことなんじゃないかなと。

 

 

今回のヒロインは2人で双子。

姉の方がイリス・ユノア。説明に『暁のライトプリンセス』と記載。

エクラントドールの最初の一体ということらしい。

典型的なツンデレキャラかつ、存在として高貴なので、高飛車要素もある。

とにかく素直になれない系のツンデレ

ただ、本当は優しい子らしい。

 

妹の方がアクア・ユノア。説明に『黄昏のダークプリンセス』と記載。ダークなの?(

エクラントドール・ユノアシリーズの二体目で、イリスの妹。

落ち着いた雰囲気だが、こっちはめちゃくちゃマスターに甘えてくる。

静かではあるんだけど、甘えという方向性が印象としては強い子。

 

 

こちらの構成は合計60分超えのドラマパート、30分超えの耳かきパート(両キャラあり)という感じの構成となっている。

中々の大盤振る舞い。まぁ2キャラってのも大きいんだろうな…

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01. 不思議が訪れる黄昏時(ドラマパート)
02. いっぱい甘えたいダークプリンセス(ドラマパート)
03. アクアの耳かき(耳かきパート)
04. 素直になりたいライトプリンセス(ドラマパート)
05. 幸せへ続く暁時(ドラマパート)
06.イリスの耳かき (ボーナストラック・耳かきパート)
07~09.発売前カウントダウンボイス (ボーナストラック)

ボイスはwav、m4a、mp3の3種類の拡張子で入っている。

 

内容としては、2人の人形が突然動き喋りだして、主人公に感謝とか色々伝えてくるような展開から始まる。

偶然人形を拾った主人公はちゃんと手入れとかしてくれていたようで、それを物凄く感謝している2人。

2人は自らを人の魂を宿した人形――エクラントドールであり、マスターへの感謝の気持ちを抑えきれなくなって動くことにした…と言ってくるわけですが、それを受け入れていく中で、どのようなお話が展開されるのか…?って感じ。

 

この内容のあらすじとかを書くにしても、非常にドラマとしての内容という所がありそうな感じになっていると思う。

こちらの作品は、勿論ASMR、バイノーラル録音されている作品ではあるのだが、その中でもドラマパート、ドラマの内容という所にもしっかりと力を入れられている印象がある。

これまで当ブログでご紹介してきた『思い出シリーズ』にも、勿論主人公との関係性というのがありながら、良い感じの掛け合いに近いものがあったり、ヒロインのバックボーンが見えてきたりと、こちらも音声作品としては内容がしっかりとある方の作品だなと感じていたのだが。

 

『Écrint Dolls(エクラント・ドールズ)シリーズ』は、人形が動くというファンタジー的な要素が入ってきている所があるので、そこら辺りの設定とかがしっかりとしている上に、人間じゃないことによっての色々な要素というのが積み重なっている結果、内容として非常に濃いモノとなっている感じがある。

このあたりに関しては、やはり人形が動いている、なんで動いているの?みたいな所とかの所がちゃんと考えられている感じがあり、そうなることでお話としての強度が上がっているのかなと感じる。

勿論全編を通して主人公(マスター)と、イリス・アクアはいい関係だし、イチャイチャしている所もあるし、甘えている所もあるし。そういう癒やしはしっかりと入った上で、ちゃんと話も考えられていて、お話としての面白さという所も妥協なく作り込もうという意思を感じられる作品となっているのではないかと感じる。

こちらのシリーズも長く続いている訳だが、これはちゃんと順番に聴いた方が良さそうな感じはした。(多分単独でも成立するようには作られてると思うんだけどね)

 

続いて、高森奈津美の演技に関して。

前述した通り、この作品はイリス・アクア両名を高森が演じている形になっている。

なのでまず演じ分けの部分という所を考える訳であるが…まぁ高森がそんな演じ分けが出来ない声優な訳もなく…という話ではある。

イリスのツンデレお姉様感と、アクアののんびりというかクーデレ感のある感じがしっかりと演じ分けされており、それでいて双子という設定という所もあり、近しい所はある…みたいな感じの声の感じとなっている。

姉妹設定かつ、こういうキャラの違いっていう所を上手く表現できると判断して、高森が起用されたんだろうなと感じる所は十分ある。

演じ分けみたいな所に関しての安心感みたいなのは元からあったのだが、この作品をやることでやっぱ高森はこういうのも普通にこなしてくるから信頼できるなあ…という所はある。

 

キャラクター性としても、双子でありながらキャラ性という所は違う感じになっている。

イリスは前述した通り、結構真っ直ぐなツンデレ感が強めの子に仕上がっている。ただ、作品を通して感じることとしては、イリスのキャラ性という所は結構バランスを取っている印象がある。

こういうツンデレ系統となると、普通によくあるなあみたいな感じもあると思うのだが、イリスの場合は割と本心を隠すために無理にやっている所があるっていうのが、節々で伝わってくる所がある。

序盤に関してはそんなでもないかもしれないが、それでもアクアの主人公へのおねだりとかをツッコミながらも「アクアの願いなら」みたいな感じで許してたりとかもするし、色々な方向性においての優しさというのが見えるのが良い所なんじゃないかなと感じる。

 

アクアは過去の記憶ほぼないってこともあるのか、性格的な所もあるのか、もう最初の時点でめちゃくちゃ主人公にべったりというか、好き好きムーブをめちゃくちゃしてくるタイプ。

凄い感情が出てくるような感じでもないのだが、好意がそれでもしっかり出ているというか、可愛さというのがしっかりと出ているキャラクターであるように感じるぞ。

こういう系はいわゆる保護欲みたいなのが掻き立てられるキャラなのかなあという感じも。

なんかなあ、自分の中でしっくりしたキャラの言語化が出来てないんだけど。

 

前述した通り、寝ている主人公を起こして、色々な話をする所から始まるこの作品。

2人のキャラクター性という所と、ざっくりした人形のお話というのをしながらも、良い感じにトラック1では説明をしながらも、ちゃんとバイノーラル録音らしく左右に振ってくれたりとか、バランスが取れているトラックになっている印象。

まぁこの作品はキャラが2人いることもあり、この2人での掛け合いという所も可能であることもあり、色々と入って来やすい所はあるかもしれない。まぁASMR系作品でそういうのってどれくらいの割合なんだろうなとは思うんだけど。

 

トラック2以降では、それぞれのキャラクターにメインを置いた上でのドラマパートと、耳かきパートがそれぞれ存在する感じ。

ただ、このパートというのも、日常的なやり取りという所だけではなく、この作品らしい設定というところが活きてくるようなパートとなっている。

やはり人形が動いているという設定、という所に対して、主人公もそうなのだが、ヒロインである2人も抱えている物があるというか。アクアの方は、特に過去の記憶というのが存在しないこともあり、疑問に持っているというか、人形が動くという事象に対しての葛藤みたいなものも持っていたりするのが見えたりするというか…

こういう所でも、作品のテーマ性と設定というのがちゃんと活かされた上で、お話としても結構内容が深いモノとなっている。

勿論、癒やし的な部分として、2人の主人公への好意というのはしっかりと伝わってくるし、バイノーラル録音らしい描写というのもあるし、そして耳かきもしっかりと入っているし、そういうASMR、音声作品らしさというのはしっかりと持っているのだが、癒やしドーン!という感じではなく、緊張と緩和が存在する音声作品になっているのかなという感じがある。

というのも、この作品しっかりとシリアスな所はシリアスがある感じになっている。これはこれまでレビューしてきた『思い出シリーズ』と明確に違う所という言い方も出来ると思うけども。

こういう人ではないキャラクター系統でも、なんというか「そういうもん」みたいな感じで済ませる作品も別に少なくはないと思う(それはそれで別にいいとも思う)のだが、この作品はそういう所もしっかりと掘り下げてきている。

まぁそもそもドラマパートとかもかなりの長さになっているし、作品のボリュームと、内容の濃さという所では結構驚く所もあるなとも感じる作品になっている。

 

耳かきパートに関してとかは、相変わらず筆者はそんなよく分かってないのだが、耳かきのSEとかが今までのと違った。

これは以前お話させて頂いた時に聞いてた話であり、もっと耳かきしていると分かりやすくする為に現在はもっとSEを明確にしている所がある…とは最初のレビューをさせて頂く時に聞いたのだが、変わる前のSEも別に全然悪くないと思う。

しかしこう、両方のキャラクター共、耳かきの時の音声と息遣いみたいな所はお上手な印象はあった。あんまり耳かきの演技とか音声作品の耳かきに対する教養が毎回足りなくて耳かきパートのこと大して書けないのアレだわ…(耳かきパートがどうなんだい!と思っている人、申し訳ない)

 

いや、これ初手で出したんだなこのサークル。強くない??

 

ということで、今回は『恋煩いの双子人形 ~二つの命の願いと歩み~』のレビューをしてみた。

作品としては、非常に内容のあるものとなっており、癒やし要素、しっかりしたそういうものがありながら、ストーリー、設定という部分に関しても深く考えられている作品となっていて、ストーリーとしても是非聴いてみて欲しい作品。

小さな人形という設定だからこそ、出来ることもあるし、そういう設定をしっかりと掘っている印象があり、そういう中での葛藤や過去みたいなものというのも出てきたりもする。そういうのを受けてどうなっていくのか?みたいな所は、是非実際に聴いてみて欲しい所。

この作品はシリーズものとなっているので、結構これ以降に明らかになりそうなものがあったりとか、そういう面白さみたいなものも感じることが出来る作品となっている。

シリーズものとして、話としても続きがってのもあるんだなあと。

 

今までレビューしてきた作品は作品で、主人公の声がないなりの掛け合いみたいなものがちゃんと存在して、苦労しながらも作り上げていた感じがあるのだが、今作は2キャラいることでより掛け合いという所もしっかりと行えている所もあり、それもあって話としての強度がより強くなっているのかなとも思う。

 

というか、まぁ初手でこういう作品を出すという所に、あまかけプラントさんが目指す所というか、音声作品、ASMR、バイノーラル録音みたいな所を使いながらも、しっかりと声優さんの純粋な演技の力であったり、作品としてのお話、ストーリー性、設定みたいな所もしっかりと考えられた上で、作ろうという意思を感じる。

 

高森の演技という所もさすがと言った感じで、二役をしっかりと演じ分けながら、喜怒哀楽みたいな所の表現がしっかりしていることで、お話としての良さというのを引き出せているし、キャラの魅力というのもしっかりと出せているなあという感じがあった。

 

緊張と緩和、癒やしとシリアス、みたいなものを上手くバランスを取りながらいい作品に仕上がっている。結構前の作品ということもあり、セールの時の割引率とかも高めに設定されているので、結構良いのではないだろうか。

 

あまかけプラントさんから出ている『恋煩いの双子人形 ~二つの命の願いと歩み~』は、DLSite、FANZAを始め各所サイトで販売中。気になる方は是非どうぞ。

 

 

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以上。