声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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はとのごった煮。HARUKAZE『Monkeys!¡』製品版感想

おにじと申します。

 

もう11月ですね。筆者の誕生日は今月9日です(主張)

今回は、10月エロゲであるHARUKAZEの新作、『Monkeys!¡』の製品版の感想・レビューをしていこうと思う。

今年は『ヘンタイ・プリズン』も延期で年を跨ぐことが決まったので、ビッグタイトルといえるものも少なくなってきた中で、どれくらいの作品になっているだろうか。

今回はそんなマジで長く書かない。久々に最初に書いたステラの時を思い出してコンパクトに、コンパクトにまとめようと思う。

oniji.hatenablog.com

(”間違いだらけの”というのは、間違いだらけの車選びとかのパロディだったのだが、これだと作品が間違ってるみたいになるなと思ってステラ以降書かなくなったらしい)

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プレイ前所感

久々のHARUKAZEのエロゲである。

最後のエロゲは『ノラと皇女と野良猫ハート2』(2017)であり、およそ4年ぶりの新作。

この間に全年齢作品である『マルコと銀河竜』(TOKYO-TOON / 2020)が挟まってはいるのだが、やはりHARUKAZEの作品という意味では久々である。

『らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!』(2013)から始まったHARUKAZEは、『ノラと皇女と野良猫ハート』(2016)で大きく跳ねた。

 

このブランドはまぁほぼ、はとによって構成されていると言って良い。

このはとは、テンポ爆速文章を得意とし、とにかく理解の域を超えた勢いで笑わせてくるし、そのくせ伝えたいことは存在し、しっかりと重い所は重いというよくわっかんねえ書き方をするライターである。

まぁこのはとが、長所でもあり短所でもある(万人受けという面ではおそらく難しいが、なんかノラととは上手く行った)訳だが、今作は女装モノと来たものである。

廃校を防ぐためにお嬢様女子校と合併しよう!という割とめちゃくちゃな設定だが、まぁ女装系ってそういうのだからね。

 

今回の主人公は沢澤砂羽ということで、また新鮮な沢澤砂羽を浴びれる(男だけど)わけであり。

そしてセンターヒロインは美天羽礼…所謂歌謡曲の人というガチガチっぷり。

逆に言うとコレ以外がわ~からん!というHARUKAZEにしては珍しい並びだが、体験版聞いてる感じ別に大丈夫そうに思えた。

 

このブランドは本当にはとがどういうの書くかによるので、面白おかしいながらもやたらと真面目だったり、シリアスだったりするので、その加減がどうか。

まぁそういう所じゃないかなと言う感じである。

 

UIチェック

体験版記事参照。

oniji.hatenablog.com

 

雑評

たまには本当に雑評でも許して欲しい所。

 

共通(体験版以降)

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共通は、ユキの男らしい演技の参考にさせて欲しいという所から、ジュリアとして猿吉が硝子宮女子に受け入れられていく過程が体験版以降の流れである。

ユキのキャラクター性が最も掘られているところでもあったり…というか、基本メバチ以外はそれなりに掘られた(カラスの掘り下げが深いわけじゃないが)感じが合計的にはあった共通。

 

ユキは普通に良い奴なんだが、周りのことが優先で自分がないという自己評価であり、他の人間もそういう評価であったと。

なんというか、伝統芸能一家の娘であること、本当は男が望まれていた事とかで、微妙にこじらせている感じもするというか。めっちゃイケメン女なんですけど、別にそうならなくたってよかったのにそうなったというのは意地を感じるところな気もしましたわね。このキャラも掘ると面白そうだぞって感じが。

 

猿吉は、ジュリアの姿で歩き方とかはお嬢様になっているんだけど、基本人助けしたり、運動得意だったり、髪邪魔で括ったりと、イケメンムーブを連発。

最初はユキと一緒にいることを妬まれていた所から、手が届かないユキに対して誰にでも愛想は良い(喋らないけど)ので、イケメン女子として好かれていくという。

まぁ猿吉ってこう人に対して優しすぎるのかなんなのか、そういう感じもありますから、それが高じてというかそんな感じがするわね。

 

しかしやはりヤンキーへの偏見というのは中々埋まらない、共学化という所の話は進まない。というか猿吉(ジュリアではない)がやっぱりそういう扱いになってしまうからね。

そんな中で月島グループが割とやべえぞという、継続していくためには他を受け入れるなりしないとどうしようもないぞとカラスが啖呵を切って、選択肢一つで√イン。

カラスは割と普通に楽しそうっすよね最初から考えると。

完全に猿吉をジュリアとしてお人形さん扱いしている所は存在するけど、それでもジュリアがこうやって周りにも受け入れられていくことに関しては割と嬉しそうだし。

カラスが元気そうで何よりですって感じではある。

 

選択肢に関してはカラスだけロックがかかっています。まぁこれカラスルートよいうよりはグランドというか、はとがはとしたというか、猿吉ルートというか、よく分からないものですけども。

筆者はメバチ→ユキ→硝子→カラスの順番に行いました。

 

メバチルート

メバチルートは、雑木林をメバチが調査しに行くという所からスタートするわけですが、基本的にはメバチの右目の話という大きな筋があり、これが中心でずっと進む感じである。

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共通で出てくるこの明らかに凶暴な”アイちゃん”ですが、二重人格的ななにからしいという所から。まぁそもそもメバチは海を渡って日本に来ていたりもするわけですから、その設定感というのは結構謎感が強かったりもしたわけで。

 

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そんな中で、礼拝堂でのボヤ騒ぎで、どう考えてもメバチの眼帯だろみたいなのかめっちゃ出てくる。ギャグかよ。どこにその量があったんだよって感じだが。

これはメバチじゃなくてアイがやったことなのでは?という方向で進んでいく訳だが。

メバチメバチで、めちゃ強いこともあって雑木林でも生徒に慕われてるのも面白いと言うか。

ちょいちょい出てくるぐっぴーも、キャラとしてサブ攻略不可の割には濃いんすよね。

どんな金持ちのギャルなんや…って感じだけど。確かにコイツならお金のためにエッチしかねないかもしれない…みたいな感じだけど多分しないよぐっぴーは。しらんけど。

 

そんなこんなで、犯人はメバチだと断定されて、硝子宮を追われてしまうんだけど。

あの時の人格はアイの方であった事は間違いないし、そこからアイもたまに出てきても普通に猿吉は上手く手懐けている感じがあるのもちょっとおもろいかも。

なんというか、猿吉のお人好しな所というのは作品の中で通じてあるわけだが、この√はかなり強めだったかもしれない。

猿吉は優しすぎるというか、強要したりしない所が出てると言うか、めちゃ優しいヤンキーというか、強いお人好しなんすよね。

 

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弱いあいつはすぐ嘘をつく。

なんというかアイの狂気じみた声の所がありつつも、なんか普通に喋れる相手なんだなって所がこのへんくらいから分かってくる。

まぁそうじゃないとやっていけないんだろうけど。

 

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こういう設定のキャラは、『なんでそうなったか』を説明する必要性があんまりないので、割と設定をゴリ押せてしまうのが、良いところでもあり悪いところでもあったり。

はとは本当に家族が好きだよなあ、ずっと家族云々しか見ていないまである。

あの狂気感でお母さんなのマジで笑うけど、実際途中くらいからの言動は母親っぽさがあるんすよね。

メバチの可愛さとアイの狂気さがある中で、こっちが母親の可能性はあんまり考えてなかったよなあと。

 

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復学して、合格したタイミングで生き残ったのはアイ…?と思いきやみたいな展開は、その下りがちょっと長かったとは言え割と好みだったり。

この前の猿吉とジュリアのしれっとした開示の仕方も、こういうもあって良いよねっていう感じがあるというかね。

ネタバラシが1番上手だったのはこの√かも。

この作品、『言葉にする事』という所も結構なテーマだったりもする。

言葉にする事の意味、言葉にしたら、そういう事になってしまう。みたいなはとの考えが、作品を通して考えられる。

 

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どうしようもない母親が最後だけ子供を守って死ぬって設定だけで泣かせに来ようとするなと思いつつも、割とこのシーンはゴリ押しで泣きそうになりかけるのでやめましょうね(

『生』という所もこの作品強い。

なんというか、こう、色々テーマが存在する事は割と分かりやすいと思う。

ただこう、メバチルートは、メバチをめっちゃ掘り下げてる割にメバチの魅力が引き出せていたのかというとなんか微妙な気もせんでもない…くらいの感じ。

 

CVは原ぽぽ子。

ここまで結構色々やる感じのキャラだとは思ってなかったけど、その色々なキャラクター性(というかもう人が違うまであるんだけど)をしっかりと演じ分けできていたように思う。

予想以上の働きっぷりで、これはHARUKAZEまた良い声優ちゃんと持ってきてるぞという感じがより強くなった。

アイの狂気がしっかりと狂気で、そこからいかにお母さんに落ち着かせるかみたいなバランスもよかったと思う。

相変わらず声優へのウェイトが重いはとが書く作品。

 

 

ユキルート

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ユキルート。金がねえ!って言う話からスタートするくせに、金の使い方やべえ!っていう入りをする矛盾。お嬢様の感覚ってこえ~!

この作品、SD絵が存在しなかったんですけど、なぜかこのルートだけこういう雑絵があるんですよね。間に合わなかったわけではなさそうだけど流石にw

ここがちょっとSDっぽい。ここのカラスの顔割と好きだったりスル。

 

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経費を節減しながら新しいパンフレットを作ろう!

という所の投票で、ユキとジュリアが同率一位となり、二人でパンフを撮ることに。

普通にジュリア可愛いからね、仕方ないね。

共通からジュリアで笑うことが下手くそな猿吉だが、なんかユキがいるとちゃんと笑えるぞ?みたいな所から。

ユキは他人から色々と引き出すのは上手な感じがあるというかね。

でも、家族関係は完全に冷え切ってそうな雰囲気で。おい、黒木ルートみたいなのはやめろよ!と思った(そうではなかった)

 

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ここのカラス好き。というかこういう所の演技が本当に美天羽の演技が好きだなあっていうか。

お嬢様のポジの割には結構はっちゃけ気味なんすよね、人生を暇で死にそうになったりしてる人な癖にw

まぁ楽しいから良いんだけどねw

 

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二人が並んでパンフの拍子を飾ることに対して、バッシングもあり、それもあって猿吉はジュリアとしてより女としての動きやらスキルを学び、ユキと並んで恥ずかしくない女になろうとめちゃくちゃ努力するのだが、

結果元々から猿吉をジュリアの彼氏だと勘違いしている所があるユキなので、それで共学化は遠のいちゃうみたいな。

普通に愛しているからとか猿吉に言うのおかしいんだよなあ…

 

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伝統芸能で男が必要だった家に生まれた女。

…という事情があるにしても、ユキの距離の詰め方はおかしいんだよなあ…

プロポーズもしてないというのに…www

まぁそういう事があるからカラスと付き合う…みたいな事が出来たんだろうけど。

それでも特に進展するようなことはなかったようだが。

まぁそういう変な詰め方出来るから、そういう事するんだろうけど。

でも、やっぱりそういうユキを猿吉はほっとけないし…

 

二人で踊る事になるけど、そこでのプロ根性は流石と言った所。

というかこう男をやる女感はず~っとあって、そのイケメン感がず~っとあるのが逆に怖くなるまであった。自分がないという発言はあったけど、ある意味でそれを感じるよね。

 

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家の方はジュリアきっかけで軟化しはじめるんだけども。

これくらいの重さで良かった~!!!ってなるやつ。

 

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カラスが楽しそうでなによりです。

この直前に告白してくるユキは鬼畜なんだよな。

終わったらお母さんに感謝されてるし。

逃げ道!ウイッグ外そうとしたらそのままでいて欲しいとか言ってキスするし、ず~っとイケメンプレイ…

で、ありながらもう猿吉である事も分かってるから、もうどの姿でも良いとか言い出すし。

 

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男らしさ対決になりつつこの辺りからなり、両方リードしようとしながらクッソ照れるというめっちゃ可愛い案件が始まる。

これ猿吉(ジュリア)もユキもそうなので、こうマジで可愛い感じがある。

めっちゃ照れる。のくせになんでもないでお互い済ませる…(

ユキってめっちゃちゃんと女の子なんですよね。めっっっっちゃ女の子。

それがめっっっちゃ良かった。キャラとしては1番株が上がったかもしれない。

 

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初エッチシーン、どっちがリードできるかの意地の張り合いでラブホに入っていくのめちゃくちゃ好き。ここ、Monkeys!¡の作品で1番好きまである。

お互い負けを認めて欲しいと思いながら意地を張り続けるのマジでおもろい。

ユキと猿吉ってこう相手主体で始まる所は結構似てる気がしますね。

そういうのもあって、入り方とか色々とわかりやすかったというか、理解しやすかった気はします。

 

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まぁだからってタレント活動をジュリアがしだすとは思わなかったけどな!

猿吉ってこう、マジで他人のために行動できすぎてしまう人間みたいな所があったりして。

ユキのお母さんの為にここまで出来るのある意味でおかしいからね猿吉。

ユキもめっちゃマネージャーとしてマネジメントしてるけど。

 

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どのルートもそうだけど、猿吉が他人のためにめちゃくちゃ頑張るので、彼が好まれるのはあまりにも当然だと思う。

こいつの熱量は家族問題とかを敵にしないんだなって。(自分の所は別として)

このルートず~っとタレントやってそう。カラスがノリノリでマネージャーやりに来てて草。どのルートもそうだけど、猿吉(ジュリア)が完全に生きがいになってるよねカラス。

 

CVはゆずはちみつ。

数年ぶりのエロゲ出演。僧侶枠声優。

イケメン女子っぷりをしっかりと表現できた所…というか、マジでそこをめちゃくちゃず~~~っとゴリ押しした事が高評価である。

なぜゴリ押しすることが高評価かと言えば、そういうイメージを強くこちらに持たせているから。これって大事なことで、それを壊す時の印象がより強くなる。

これが、さっき書いた初エッチの所くらいからの急に可愛い所が出てくる時の破壊力に繋がったりするわけで。

そんでもって、やっぱり演じる役なので、色々な声を使用するような場面が出てくるけど、そこのクオリティも素晴らしい。

かっこいいからかわいいまでをしっかりと網羅、イケメン女子をしっかりと演じていただいたことが素晴らしいと思う。

 

 

硝子ルート

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共学化に対してめちゃくちゃ硝子が突っぱねる所から始まるこのルート。

それはもうめちゃくちゃ突っぱねているし、猿吉を自然に帰らせたりした訳だが、そんな自分に対してどうなのか?みたいな所も硝子の中ではあったりするという。

これも結局距離感というかそういう所があるのか、硝子のキャラ性なのか…w

でも、初めて会った気がしない…そりゃ猿吉だからね…

 

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キツく猿吉に当たりまくる硝子だが、猿吉は気にしてない。かっこいいね。

何か胸がざわついてきつく当たってしまう硝子を、普通にじゃあやめんかいと思いつつも、全力で出来るように頑張るし、ギリギリ合格まで持ってくる猿吉は主人公気質過ぎますね。強い子。

その結果、硝子とユキで見当違いの話をされてるのマジでウケるけど。というかユキが男への免疫マジでないっていうのはある(

 

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絶対に家族を絡ませないと死ぬはと。

まぁこっちは厳しい叔父と、婚約者という比較的定番の奴でしたけど。

住んでるのはめっちゃ普通の家だったりと、ベタだけどやっぱこういうのはいいなと思ったり。

そういうのにも全然気にしない猿吉さすがだが。

なんやかんやで、人の為に動いてくれるのが猿吉だからやっぱり。

 

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ジュリアと猿吉を見て、なにかぐらついていく硝子。

そんな中での婚約者との会食会での、猿吉の行動というのはなんというか、猿吉であることのバラし方としては一番好きかもしれない。

こういう行動取れる子ですからね。

拾ってきた宝くじで億万長者となるというのは、非常に苦労しそうというか、硝子が形式様式にめちゃくちゃ固いのは、自分の境遇という所も大きかった用な感じがありますわね。

 

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硝子ルートは、割とストレートな印象。

でも、そのやり方をはとっぽく捻ってるのかなあと。家の問題を引きづらないのは反省もあるんだろうか。

猿吉どのルートでもしっかりかっこいいんですけども。

ここからもう硝子がラブラブというか、落ちまくってるのでめちゃくちゃセックスしたってなるのウケる。

猿吉にかっこよさとかわいさが両方とも感じてるし。

ここでちょっと猿吉の過去(父母)も出てきますけど、基本的にこりゃグランドでやろなあって感じ。

ここからは基本ずっと笑えるはとワールドって感じ。

 

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共学化に向けて、理事長とかを説得しないとダメだけど、自分はなんの力にもなれていないのではないか?

というか、あれほど反対してたのに、男が出来たから賛成してるとか思われないだろうかとか心配し始めるお互い(硝子はコイバナ周りと出来るようになったりと確実に良くはなってるんだけどね)

そこで、男代表の猿吉の言葉遣いをもう完全に受け答えできるように鍛えるというか、最初に戻る感じが割と好き。まぁ間違えたらエッチしてもらいます!っていうのはマジで笑うけど。

 

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カラス、生きがいが基本的にずっとジュリア(猿吉)なんですよね。

ここはどのルートでもぶれない、よくよく考えると最初の共通、体験版の頃から実際に赤髪の人形を手にしていたりしたわけだが、ジュリアへの執着心が強い。

この執着心の強さが、最後のカラスルートでは大切になってきたりする。

 

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もう硝子馬鹿じゃん。周りが呆れるくらいには好き。

モンキーーズーーー!!!!!でどのルートも終わるけど1番似合ってるのは硝子かもね。

 

CVはHIKARI。

ザ・お嬢様という感じは、最初から好印象だった訳だが。

このキャラは厳しさと優しさ、苦悩とデレデレ、結構色々な事が求められたと思いますけど、ちゃんとそれを表現できていたのかなと。

叫ぶと結構キンキンに近いの、硝子には合ってた感じもするし。

お嬢様お嬢様したお嬢様という意味では配役は非常に良かったのかなと。そういう雰囲気で、実際にはそこまでお嬢様ではなかった(元々はお嬢様ではなかった)というのギャップもしっかり出ますからね。

 

 

カラスルート(グランドルート)

1番良くも悪くもはと臭いルート。非常に面倒くさいルートですね。

これをカラスルートという呼称をするべきなのかも結構悩みます。グランドルートというモノでここまでごった煮してくるのがはと。

これが良いのか悪いのか、なんというかという感じではある。

 

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こちら、他ルートの全てを通ってきているが付き合っていないルートという、非常に初期設定がまずややこしい。

開幕時点で既に共学化の道が少し進んでいるところからスタート。

端的に言うと、このルートは共学化に向けての話は全カットであるという事。

他のルートにおけるゴールから始まっているに近い。

 

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この最初の方向性において、カラスが今楽しいことを強調してくる。

そして、その楽しい要因は猿吉(ジュリア)であることを押し出してきている印象。

 

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このルートのはと臭さというのは、ノリでの語感とかも多い所もそう。

まぁここまでやってくれる猿吉に対して好意を抱くのはある意味で当然というか、他では人形としてという感じだったけど、その上でという感じもする。

 

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また、いざ共学化を目指す上での価値観の違いとか、男同士のやり合い、殴り合い的な要素も出てくるのは、綺麗事では終わらせねえぞという意思も感じる所かもしれない。

嘘をつくという所も含めてそうだが、このルート雑木林サイドの方向も強め。

やりたいことが多すぎるんだよなはと、結果色々とごった煮になってる。

カラスはこれで暴力は最後にしてくれという約束を猿吉とするのだが…

 

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幼少期人と話すこともなく人形集めてひたすらに遊んでいたらしいカラス。

それを取り上げられて、色々会って暇で死ぬ(暇死)にまで至っていく訳だが、この辺りの人形へのガチなベクトル。

そしてその最初がジュリアであり、ここまでのルート、そしてこのルートでのカラスのジュリアへのベクトルの強さみたいなモノを改めて感じる所で、

 

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だからこそ猿吉、ジュリアを消すという行為が、彼女にとってどれだけの事であるのかというのを、この作品を通じて提示し続けていた事。

そして、直前までどちらかというとカラスが倒れそうな雰囲気すらあるミスリードを行っていた事。

正直今後の展開的にユキに「亡くなったじゃないか」と言わせるのは若干の無理を感じる部分もなくはないが、作品のここまでの構造的な所で、猿吉に何かを起こすというのは非常に面白いことだった。

 

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このルート、基本的に時系列というものが完全に崩壊している。

まぁこれおそらく時系列通りにしたらしたで面白くはないのだが、ポンポン時系列が飛ぶことから、どのタイミングの話かがまぁわかりにくい。

ここに死んだ母親とのキャッチボールとかいう概念まで入ってくるから、時系列をしっかり並べることは諦めたほうが良いルート。

個々のそれぞれの場面での個々個々での評価をしていくのが良いのかなと。

はと、やりたいことが多すぎて個々の繋がりが薄いんですよねこのルート、だから時系列通りにやってもおかしくなる、ゴリ押すにはこの方法しかなかったとは思います。

ただ、これを評価しない人間はいくらでもいるだろうなと言う感じ。結局『マルコと銀河竜』の時もそうだったけど、やりたいことを全部ぶちこもうとするし、似たようなこと前にやっててもそれでもやりたいとなるからこうなるんだと思う。

 

とはいえ、猿吉の掘り下げの部分は結構良かったと思う。

作品を通しての猿吉のスタンスというモノの源流がどういうものだったのかを端的に表しているし、それは母に対して思っていたことの裏返しだったというのは、悪くないオチなのではないだろうか。

見捨られない為に、見捨てないというのは、仲間を大事にするというのは、そういう裏返しは結構ある話だと思うし。

 

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その上で、猿吉への傷害事件後に時間軸が戻りますが、防御創がほぼないというのは半ばホラーに近い。

猿吉は約束を守りすぎる男である事は、ここまででも若干の提示がありましたけど、本当にそんな感じ。

この人信念を曲げないし、でも約束はやたらと守るし。猿吉って馬鹿なんですよねえ…いやでもそれが良いんだけど。

約束を守った人間がなぜいなくなるのか。泣いたら現実になってしまう。

そんな色々な現実を見せながら、人間臭いところを見せてくるのがはとのいつもの事であり、そのウェイトが重すぎる事が、はとの欠点だという人間が消えることもないだろう。

 

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カラスは文字通りの復讐を計画する。

月島家のコネは半端なものではない、やろうと思えば出来てしまう。

ここからのカラス(男)の演技はやはり美天羽礼素晴らしい。カラスは男として復讐にどんどん傾いていることがよく分かる。

 

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意識がなんとなく浮遊している状態です。みたいな猿吉。

せめて意識の絵はジュリアじゃなくて猿吉にしてやれよと思いつつ。

みんな目覚めないことを受け入れていってしまう中、カラスはそうじゃなかったとか。

こう逆の立場になってこういう感じになったと言うか。

 

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この辺りからもうギャグとシリアスが情緒不安定。

そんなまだ一応死んではいない奴に遺影を置くなとか、なんでペッパー君の亜種が急に出てくるんだとか、もう色々とギャグのゴリ押しが半端じゃない。

しかも挙句の果てにサルに意識が乗り移るの、ノラととみたいな事するじゃねえかと。

はと、なんだかんだこういうの好きなのかもしれないけど。

 

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締めに近づいてくるとマジではとのメッセージ性が色濃くなってくるので、非常に重いというかこう、めんどくせえなコイツってなってくる。

ただ、はとはいっつもめんどくさいので仕方ない気はする。

まぁだから万人受けしないんだが。

 

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カラスの原動力って、ずっとジュリアであって。

それは一度失ったものであり、もう一度失った時、その元凶の命まで取ろうとするモノだったわけであり。

カラスのベクトルがずっと変わり続けていないことは異様だし、猿吉が戻ってきた事に関しては非常にオカルトじみていたりもするし。

でもそれがカラスだし、それが猿吉な感じもして。

特にカラスに関しては、カラスルートという言い方がこのルートが適切なのかは割と微妙なんですけど、それでも色々な面をめちゃくちゃ見せていて、彼女の魅力というのは間違いなく発揮されたのかなと。

コイツがまともに戦うと今年で一番強いヒロインだったとは思う。ただ、なんか凄い変な戦い方した感じ。でも十分に出たよねキャラの強さって。

 

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オチがサルとは思わなかったぞ。モンキーズだからって。

このルートはマジで文字通りのごった煮なんすよね。

現実的な共学化への一歩を踏み出した後の問題から始まり、

カラスのキャラとしてのバックグラウンド、

猿吉の過去の掘り下げ(母親との関係性)とバックグラウンド、

雑木林サイドの考え、

約束に関して、

言葉にすることの意味、

カラスのキャラの多面性、

上げればキリが無いほどの要素。

これをまとめようとするのは正直無理がある。

無理があるからこそはとという気もするが、やっぱりノラととが比較的まとまったのは奇跡に近かった部分もありそうな気がしてくる。

このルートの評価という所は非常に難しいのが本音である。

ただ、どうしようもなかったわけでもない気もする。

ただこう、考えたら分かるかどうかで言うと、マジで『アイこめ』より時系列とかは全く分からんし、考えてどうにかなる食材の置かれ方ではなかったのかなと。

 

CVは美天羽礼。

この作品において、カラスというキャラが彼女じゃなかったら崩壊していただろとまで言いたくんるくらいには貢献したと思う。

カラスというキャラクターに魂を吹き込むことは非常に難しいキャラであり、キャラとしての顔が非常に多いキャラ、感情の範囲が広く、それでいてはと特有の声優への負担の高さ、自然さ、雑さ、ぶっとび、そういうあらゆる要素を最も求められたキャラだったと思うのだが、やっぱり歌謡曲の人はさすがだと思う。

それをしっかりと演じてくれたからこそ、月島カラスというキャラクターの魅力を引き出してくれたと思う。

やはり、経験者であることもあり、そのテキトー感、自然感というのはめっちゃ良くて、流石といった所。

最後の方の男カラスの演技も圧巻。非常に男感を感じられる。最初の体験版の潜入し始めた頃とかと比べるとまぁ違いがわかりやすいのではないだろうか。

とにかく強い。これは負けるぞという感じ。

この作品、沢澤と歌謡曲という並びで本当に良かったと思う。

 

ってことで沢澤砂羽にも触れてはおこう。

今作は主人公という事での、実質的なHARUKAZE三連投となった訳だが、やはりこの人は女だろうが男だろうが、強いことに変わりはない。

緩急という所が本当に上手いので、真面目にもギャグにも全力で振る事が出来る。

崩し方が上手いと、リアリティもギャグ(リアルではない)も両方めちゃくちゃ強められるので、はとのような真面目とギャグ、テンポでゴリ押しする…みたいな文章にはぴったりなんだと思う。

声優への負担がマジで高いはとの文章を支え続けていると思う。

どうせだったら、沢澤の高音域も見たかった気もするけど、キャラ的にそういうの出来たらアレだっただろうしねえ…

沢澤と歌謡曲でこの作品をめちゃくちゃ支えたなと。安心できるよね本当に。

 

 

今作品に関しては、こうやっぱりはとの文章ってこういう感じだよね。という所から話を始めたくなる気がする。

テンポとギャグでゴリ押ししつつ、やっぱり伝えたいメッセージ性が重いし、重すぎてよく分かんねえってなる場合も存在する。

やっぱり家族関係の話が多いし、というか今作全部家族関係の話が存在したし。

やりたいことが多すぎるから最後ごった煮も良い所だし、あんなにとんでもねえ、ひでえルートはない(褒めてるし、けなしてもいる)

アレでカラスのキャラ性を引き出してるのも、変態だし、そんな引き出し方しなくていいから…と思いもする。

 

今作においては、体験版の時点からその漫画的なCGの表示方法という所を注目していたわけだが、改めてこの出し方というのは画期的な方法だったように思える。

これは、はとが割と会話で笑わせる、地の文よりも会話の比率が多いという所もある。会話が多いから、漫画的な手法が使いやすい。

場面場面での細かい動きというのは、一枚絵では表現しづらい(顔の差分とか、腕足の差分くらいが基本的)なところを、動きが分かりやすくなる、躍動感が出るという所はよかったように感じる。

勿論既存の一枚絵もありつつ、新たな手法としての提示としては面白いものだったんじゃないかなあと。

 

全体的にコンパクトにまとまっていることに関しても、賛否は分かれる所だろう。フルプラだし。これは『マルコと銀河竜』のときにも思ったわけだが。

CGとかの枚数が多くなるとこういうのも起きやすくはなってくるのだが、なかなか難しい所。

もうちょっとボリュームが欲しい所も実際あるし。カラスルートはあれだけごった煮にするのであれば、文章自体をもうちょっと長くしてバランスを取ってもよかった気がする。

ただこの人長くしてもシリアスの方を長くしそうな気もするし、この辺りどうなんだろうなと。

この人テンポでゴリ押しする人なので、基本的に物事を動かし続けたいタイプな気もするし、そうなってくるとそんなに転ばっかり書きながら長く書くことって難しいだろうし、こうなっちゃうのかなあって気もする。別に特段すっごい短いとまでは言わないけど、言う人間が居ることを理解はするなと。

 

非常にはと臭い作品というか、やっぱりメッセージ性が重い。

この人テンポとギャグが強みなんだけど、メッセージ性をめちゃくちゃ持たせたがるし、基本最初の入りが家族関係なので、そろそろ違う入りを見たい気もする。

今作に置いて男と女という所も勿論やったし、それには家族という所が絡むのは分かるし、その家族ウェイトはかなりバランスは良かったんだけど、もう『ノラとと』でも、『マルコ』でも『Monkeys!¡』でも家族は見たから、今度は他の切り口はないのかい?と正直思う。

まぁでもそれがはとだとは思うし、それで良いのかもしれないなとも思う。

新島とはまたベクトルの違う万人受けのしない、ハマる人間にはハマるライター。

 

またエロゲ作ってね、HARUKAZE。でも、最後のルートみたいなのは全年齢でやるべきじゃね?いや、全年齢でも理解されるかは分からんけど。

 

以上。