声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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#ぼっち・ざ・ろっく #結束バンド、リアルイベントの比較的健全な使われ方に関して

おにじと申します。

 

今回は、声優というか、アニメというか、そういう感じの話題。

まぁ『ぼっち・ざ・ろっく!』の話と言えば話。

今回はリアルでの結束バンドの運用に関して。

きららアニメの基本的な通例

『ぼっち・ざ・ろっく!』はまんがタイムきららMAXにて連載されている漫画であり、そのアニメ化ということで、所謂『きららアニメ』に分類されるアニメになるわけである。

きららアニメは、全盛期程の力(ごちうさとかの時代)は現在にはないものの、それでもやはり強いアニメジャンルの一つである。

 

なんだかんだできららアニメも長いわけだが、基本的な通例として、若手・新人声優がメインで起用されることがどちらかと言うと多いという印象がある。

もちろん例外も存在するのだが、一つの売り方としてきららアニメのメインキャラは若手や新人声優に任せることで、メインキャラでのOPEDをユニットとして売ったりするみたいなことは多いと思う。

きららアニメというのは可愛い女の子がたくさんいる系統だからなのか、なんかそういう若手や新人を起用しやすい土壌があり、『きらら声優』としての看板をもらって、そこから活躍していく声優も結構いたし、売り方の一つとして確立されている感じはする。

まぁ最近は流石に全盛期ほどのパワーはないと言えばないので、この売り方が完全に通用していたかと言われるとまた微妙な所はあるとは思うが。

ただまぁどっちにしろ、こういうきららアニメ系統というのは若手・新人声優が起用されるイメージというのはあるように感じる。

 

 

異端感はある『ぼっち・ざ・ろっく!』

そういう意味で、キャスティングの時点で『ぼっち・ざ・ろっく!』って異端な感じはあるのかなと思うところはある。そもそも作品としてすごくきらら作品らしいかと言われるとそんなことはない所はあったので、その感じがアニメの節々にも感じられる形になっていた…という言い方も出来るのかもしれない。

 

そもそもアニメ化が発表されたタイミングで真ん中の後藤ひとり役を青山吉能81プロデュース)が務めるというのは非常に意外な発表だったと思う。当時は結構驚いた。

こういう系統の作品は特に新人・若手に務めさせる印象がそれなりにある中で、青山を選択したというのは驚きだった。もう青山はあの時点で中堅声優と言って良い経歴だったし、まぁアニメ作品出演数とか、メイン数とかを考えると決して多くはなかったものの、Wake Up, GIrls!時代の経験とかを含めればかなり場数を踏んでいる声優であることは確かだったので、ここで青山が急に選出されるというのはどういうこと?って感じもあったし。

いやまぁ当時の知名度という所で言えば、WUGの解散が2019年であることを考えると4年は経過しており、WUGを知っているか知っていないかで青山を知っているか知らないかが大体決まってくる所があり、知らなかった人も結構いた印象ではあるけども。

 

結果的にメインキャストは青山吉能81プロデュース)、鈴代紗弓アーツビジョン)、水野朔(ソニー・ミュージックアーティスツ)、長谷川育美(ラクーンドッグ)となった。

唯一、水野だけは新人・若手の部類に完全に含めても良さそうな声優であり、バトリレやセレプロなどで出演を始めてはいたものの、当時はこの中では一番知名度はない声優になったのかなという感じはあるのだが、鈴代・長谷川両名はある程度近年しっかりとメイン役を演じており、知名度もある程度はついてきた声優だった印象はある。

まぁ若手から中堅に歩を進めている声優の方が割合としては多いのかなと。きららにしては結構実績がある声優を使ってきたな…という印象があった。

 

これにはもちろんご時世的な問題。コロナの問題もあり、オーディションなど含めて中々新人発掘の部分で難しい所があったとかの所もあるとは思うのだが、とは言えこういうバランスのキャスティングというのは結構面白いというか、水野はそれっぽいけど他はまぁそんなにそれっぽくないみたいな並びって逆にあんまりない気もするので。

 

そして、これもきららアニメの中でも違いは結構ある所は結構あるとは思うのだが、楽曲面、OPED面に関しても結構通例と違う所があったのかなという所があると考えている。

OPEDに関しては作中の『結束バンド』が務めており、この形というのはきららアニメらしいし、この作品がバンドものであるというところを考えても、主人公がいるバンドが務めるという形は結構あるように感じる。

ただ、割と線引としてしっかりしている印象もあった。

歌唱に関してはボーカルの喜多郁代役の長谷川育美に大半を任せるスタンスを取ったところである。

いや、実際にはEDなどで他のキャラクターが歌唱する楽曲は存在したので、全てを任せたわけではない。ただ、こういう系統のアニメではメインキャラ全員で歌唱する楽曲などが結構存在することが当たり前な印象もあり、そうじゃないにしてもある程度楽曲数を均等に近づけたいみたいな所があるのだが、『ぼっち・ざ・ろっく!』に関してはその両方共にしなかった。

まぁこれはバンドものだったからというのはあると思う。やはり担当が決まっているものだし、原作においても基本的に喜多郁代以外が歌唱することはない。そういう意味でEDで他キャラが歌唱していることがある程度の譲歩の部分という言い方も出来はすると思う。

ただその中でも一定の線引がしっかりとしていた印象であり、それがより結束バンドに実在性を与えた気もする。

もちろん楽曲自体が非常に良かった所もあるし、長谷川育美の歌唱に関してはこれまで公にそこまでソロとかもなかったことでインパクトがあったと思う。

ただ、キャラソンキャラソンしなかったのはそういう歌唱とかのバランスとかも一因としてはあるのかなとも感じる。

 

 

リアルでの結束バンドの使われ方

そして、リアルにおいての結束バンドの使われ方というのも、きららアニメとしては割りと特殊かもしれない。

まぁここまでの大きな人気を博することとなった『ぼっち・ざ・ろっく!』であるが、そもそもOPEDなどに対して用意されたのはリリックビデオなどの方式だった。

所謂実写MVなどの制作はなく、そういうリリックビデオとか、アニメでのライブ映像とかをYouTubeとかで投稿する形が取られていた。まぁきららアニメの中でも実写MV作られるかどうかに関してはまちまちではあるんだけども。

このリリックビデオとかの完成度もかなり高く、こういう部分においても人気を集められた一つの理由なのかなという印象もあるかなあと思ったり。

 

また、イベントなどにおいて、やはりバンドものということもあり実際に歌うとかそういう所に関しての扱われ方に関しても触れなければならない。

基本的に、結束バンドのキャストの方は担当楽曲を歌うという方式が取られている。

所謂全員が担当楽器をやるとかそういうことはなく、歌うことに集中する方式ということである。

 

ただ、青山吉能だけはギターを実際に弾くということが行われていた。

これは『ギターヒーローへの道』という企画としてアニメ化に伴いスタートしており、後藤ひとり役の青山吉能が、ひとりと同じようにギターを弾き、ギターヒーローを目指すというものだった。

これに関してはOPである『青春コンプレックス』が第一弾として行われた。

ギター未経験の青山にとっては無理難題とも言える楽曲難度とされていたのだが、なんとか形にすることが成功し、本編の『STARRY』の元ネタである『SHELTER』にて弾き切ることに成功。

また、放送後イベント『ぼっち・ざ・ろっく!です。』ではギターソロで『青春コンプレックス』を生で披露した。

そしてライブ『結束バンドLIVE-恒星-』では、『転がる岩、君に朝が降る』を弾き語りで披露。これが『ギターヒーローへの道』第二弾として密かに行われており、無予告での弾き語りに大いに盛り上がった。

青山は『閃光ライオット2023』にてオープニングアクトとして『転がる岩、君に朝が降る』を弾き語りしていたりと、青山に関しては担当楽器に関連する演奏という所にもかなり重点が置かれたモノとなっていた。

 

こういう方式であることから、外部イベントなどへの登場に関しては、結束バンドが全員登場するというよりは、歌唱を担当する声優を派遣するような形、毎度バンドメンバーが発表されるような形が取られている。

前述した『閃光ライオット2023』に関しても、Guitar&Vo.青山吉能のような表記がされていたり、

 

先日発表された『NHK WORLD - JAPAN MUSIC FESTIVAL』に関しても、Vo:長谷川育美と表記されていたりする。

このような感じのリアルでの取り扱いとなっており、基本的に青山吉能は特定楽曲はギターを行う場合があるものの、担当キャストはボーカルを担当するのみとなっている。

 

きららアニメかつ、バンドものという形であることもあり、所謂リアルバンド、キャストもバンドを行う方式という選択肢も存在したと思うし、実際にそのようなことを行っている作品も存在する。

まぁどうしても近年ブシロード系統作品を思い浮かべてしまうが、それこそ『けいおん!』だって実際に弾いた訳である。そういう選択を取ることは別に不思議なことではなかったとも思う。

現在においても、そのような声を言っている人間というのも一部存在するようにも感じる。

ただ、ぼざろはそういう選択をしなかった。この選択が比較的健全な使われ方だと筆者は考えている。

 

一言で終わらせるのであれば『声優は楽器を弾く必要はない』という所に尽きるのだが、もうちょっとだけ深掘り。

 

一つとして、ぼざろにおいては、楽器が弾けることを優先したのではなく、キャラクターのマッチングをまず優先した。という所はあるのかもしれない。

こういうリアルバンドを行う系統…というか実際に楽器を弾くことを前提にする場合、多くの場合元々からある程度弾ける人から声優を選出する所から始める感じがある。

短期的な活動になることをが多いことを考えると、1からやるのではなく、ある程度出来る人をキャストに持ってきて…という方が色々と楽だし、リアルバンドとしての完成度もあげられると思う。

ただ、そういう声優は多く存在するわけでもないし、キャラへの演技のハマりとかいう所をある程度目を瞑らなければならない場合というのも存在する感じがある。

ぼざろはそういうことをせずに、キャラとのマッチングを選んだ。結果、あのキャスティングというのもぼざろの人気、キャラの人気という所に大きく関与している。

青山のぼっちの演技に関しては非常にキャラらしい演技であり、高く評価されている印象があるし、

鈴代の虹夏の演技は、キャラ性としてママとかそういう言葉が出てくるようになったし、

水野の山田の演技は、絶妙な声の高さと山田らしい演技でキャラのらしさを補強できたと思うし、

長谷川の喜多ちゃんの演技は、陽かつ変な所もある喜多の可愛く、まともそうでまともでもない所を表現していたし、

まず演技として、キャラにハマっている声優を起用することがまず第一であり、そういう風に選んだという所が作品としての評価を上げる一因にもなったと考えると、演奏ありきのキャスティングにしなかったのは偉かったように感じる。

 

 

その上で、演奏に関して青山のみにやらせたというのも、まぁ負担としては少なく出来たのかなと(青山の負担はエグいけど)

リアルでもキャストが演奏しているのが見たい!とか言うのは簡単ではあるのだが、その負担というのはとんでもないモノである。

青山のギターヒーローへの道を考えても、『青春コンプレックス』には半年の時間を要しているし、『転がる岩、君に朝が降る』にも3ヶ月を要している。

多数の楽曲を歌唱するぼざろにおいて、このようなことを全てのキャスト、全ての楽曲(全てじゃないにしても)で行うというのは非現実的過ぎると感じる。

そのようなことを行っている作品も存在するが、長期的なコンテンツとしての運用が多いし、それだけ常に演奏の方にも時間をかけなければならない所もある。そもそも声優としての多忙さのベクトルとか量も違うように感じる部分はあるしね。

そこまでする必要性が、労力に対してそこまでないというか、やってない人間が出来るようになるのもかなり難しい所あるし、演奏のために本来の声優の仕事の時間とか、レッスンの時間が削られたら本末転倒も良いところなので、これで良いように感じる。

犠牲が多すぎるから、やるにしても。

 

まぁそう考えると青山はなんでやることになったのかみたいな所はあるんだけども。

これに関しては一定のバランスという所も取ったのかなという所はある。

やはりバンドモノ、きらら作品としてどうしても元祖とも言える『けいおん!』の存在もあるし、近年のブシロード系列を中心とするリアル活動という所、きらら作品としてある程度キャストが絡むことを求められている感じもある。

そういう中で、真ん中、座長を担当する青山にギターをやってもらうという判断になったのだろうか。

まぁこういう言い方をすると、元来の青山ファンに怒られそうな気はするのだが、当時の青山というのはあのキャスト陣で新人・若手の水野を除けば、比較的忙しくなかった方に分類されたとは思うし、そういう所もある程度は手伝ったのかもしれない。

やはりこういうバンドものをやる以上、ある程度はリアルでもバンドっぽいこと…というのはあるのも考えると、何もしないっていうのも選択肢にはなかったのかもしれない。

まぁこれによっての青山への負担は大きかったと思うし、ここからより忙しくなっていくであろう青山が今後もこのようなことを出来るのか…というか、していかなければならないと思われるので、大変だろうなと思う。

 

 

これくらいのバランスとかが増えればいいなと

声優という職業というのは、時代によってやることが変化してきた職業である。

とは言え、流石に楽器演奏などをこういう作品でやらないといけないみたいな所は求めるものが高すぎる印象がある。

そういうことをすることによって、キャスティングの範囲が狭まってしまう場合もあるし、声優個人個人の時間を過剰に奪ってしまう場合もある。

もちろん、声優がそういうパフォーマンスをすること自体を否定するわけではないし、そういうパフォーマンスがプラスに働く部分があることも理解はしている。

ただ、それを求めるにおいて、犠牲になるものにも目を向けなければならないようにも感じてしまう。

結束バンドのような案件は、バンドメンバーとして本職の方が入ってくることによって、そちらへの注目も一定以上集まっている印象もあり、こういう見せ方もメリットとして感じることが出来るかもしれない。

 

こういう一部キャストのみとか、そういう方式とかが今後も増えていくと、負担がある程度は軽減されるのかなと思うので、いいバランスみたいなのをやっていってほしいかなという風に感じている。

 

まぁ、結束バンドに関しては大半の楽曲を長谷川育美が歌うことになるので、この負担というのは間違いなくデカいんだけど。

まぁでもボーカルが喜多郁代である以上仕方はない。でも負担大きいなとは思う。

だから結束バンドって青山と長谷川への負担がすごく大きいんだよな。だからある意味でメンバー内のバランス的には偏っているとも言える。

まぁこういうのって難しいよなあって思う。

 

以上。