製品版の感想も書いたよ↓
おにじと申します。
今回は、エロゲ体験版感想記事。
今年は割と豊作気味の感じもあるエロゲだが、注目作の体験版が出たということで早速プレイしてみることにした。
今回は、Archive処女作『アンラベル・トリガー』の体験版をプレイしたので、そちらの感想を記載していこうと思う。
期待もある中で、どのような形となっているのかは非常に気になる。
この記事は、体験版範囲においてのネタバレを一定含みます。ご了承ください。
プレイ前所感
当作品が生まれる過程というか、スタッフの動きが本当にややこしいので、とりあえずこの説明を先にしておきたい。
2021年に発売された『創作彼女の恋愛公式』(Aino+Links)は、萌えゲーアワード、及びGetchu.comの美少女ゲーム大賞での賞を複数受賞するなど、大きな評価を受けた作品であった。
萌えゲーアワードやGetchu.com美少女ゲーム大賞の権威に関しては疑わしい部分がある(特に萌えゲーアワード)ものの、少なくとも一定以上評価された作品であることには間違いない。
この『創作彼女の恋愛公式』は、『ウソシリーズ』などを制作していたCampusのスタッフ陣に、そのCampusを吸収したあかべぇそふとの原画、有葉が組んだ作品という形であり、企画・シナリオ・プロデューサーなどを行った工藤啓介にとって初めてのフルプライス作品であった。
非常に力が入っている作品だったことは間違いなく、工藤啓介の初フルプライス作品でありながら、しっかりと自分の土俵で勝負できるような体制を作り、基本的にストレートに勝負したことが功を奏した感じはあった。
やはりフルプラ一本目ということもあり、粗があったこともまた事実ではあるものの、十分な出来であったことは間違いないと思う。
ただ、創作彼女を制作した元Campus面子は早々にあかべぇそふとを離れて、ネクストンへと移籍したことを発表しており、このスタッフ陣で再びエロゲを作られることはないのではないかと思った時期もあった。(工藤の新作は出ても原画などを合わせてのセットで出ることはないのかなあという感じだった)
そう思っていたので、『アンラベル・トリガー』が発表された際にほぼほぼ同じスタッフで出てきたの割と意外だったという表現の仕方が正しいように感じる。
その上で設定がここまで重そうなものとなったのも意外。工藤はこのような作品を書いている印象というのも特になかったからなおのこと意外。それでサイキライダーが原画で入ってくると、意外な要素が多すぎた発表。
嬉しい誤算は間違いなくあったけど、その中でどういう風になっていくのかという感じの設定感ではあり、系統としては『ジュエリー・ハーツ・アカデミア』(きゃべつそふと)や『流星ワールドアクター』(Heliodor)などを想起させるものであった。
今作はキャラクターが非常に多くなっており、三国含めて色々なキャラが登場していることからも、話としての規模の大きさを感じる。
声優のラインナップは、前作『創作彼女の恋愛公式』からセンターヒロインを連投する形となる明羽杏子。
これまではこのような系統の作品への出演は乏しかったものの、イリュージョン作品などでの出演や、他のR18系統ドラマCDなどでの出演が多かった中で抜擢されたという言い方をしても良いかもしれない松岡侑里。
こちらも前作『創作彼女の恋愛公式』から連投となり、意外とメインメインしたのが久々のくすはらゆいという形になる。
その他声優陣は実羽ゆうき、小倉結衣などの実力者を始め、今回初名義の声優もいるというバラエティに富んだラインナップとなっている。
あくまでも『創作彼女の恋愛公式』は、明らかに作品として不作気味だった2021年に発売されたことと、ストレートを投げ続けることが出来る作風だったことも相まって評価された感もあり、設定という所がガラッと変わった今作はどうなるのかという所に関しては未知数の部分もある。体験版の段階でどのような形となっているのか、見てみよう。
UIチェック
今回、ネクストンに変わったことでマジで何のエンジンを使うんだ?という感じだったが、CatSystemとUnityの混合エンジンという形になっている。
こちらはアレス…いわゆるういんどみる系統のプログラムが使われているようで、このCatSystemとUnityの混合エンジンというのは、『八剱伝』(IRODORI)とかでも使われているものである。
オリジナル解像度は1980×1080のフルHDが採用されている。
ただ、『創作彼女の恋愛公式』では%区切りでサイズ変更が可能だったが、エンジンの仕様上かこちらはできなくなっている。
システム設定の方を見ていこう。
テキスト設定。
既読テキストの色変え可能。色自体の変更は不可。デフォルトでオフは珍しいかもしれん。
通常とHシーンでテキストウィンドウの表示は異なるシステムとなっている。
表示設定。
目パチ・口パチの表示のオンオフが可能となった(そう言えば創作彼女ではオンオフがなかったことをこの前確認した)
マウスカーソルの動作とかも設定あり、ダイアログ有無あり。
画面モードはウインドウとフルスクリーンのみで、ウインドウのサイズ設定などは特になかった。
サウンド設定。
マスターボリュームあり。
ボイスボリュームがデフォルトで100%ではない(80%くらい?)
ボイス再生中のBGMボリュームを変更可能。デフォルトではオフ。
サウンド個別設定。
キャラクターのボイスを個別に設定可能。ほぼ登場しているキャラ全員を設定可能。
ショートカット一覧。
別に変更できるわけでもない。
基本画面UI。
右の表示はデフォルトでは表示されておらず、マウスカーソルを移動させることで表示される。ロックボタンで常に表示させることが可能。
アイコンと文字の混合のボタンで、セーブ関連は文字表示、それ以外はアイコン表示となっている。
右下のブックマークボタンみたいなのはお気に入りボイス機能となっている。
セーブスロット。
8×100の800スロット。
コメントなどを入れることは出来ない。
お気に入りボイス機能。8×100のこちらも800スロット。
もうちょっとお気に入りボイスはスロットがほしい。1000でも足りない可能性あるしな普通に(筆者は体験版範囲で30ページ使っているので絶対に足りない)
雑感
作品としての設定が重めの今作。
ちゃんと主人公の顔がゴリゴリ出てくるタイプのエロゲだが、こういうところはサイキライダーが原画に入ったことで男はカッコいい側に振っている気はする。
カイ君、目が死んでる系統ではあるけど。
主人公は幼馴染である楪紗衣奈を探しているというのは初期設定としても描かれている。
まぁこの幼馴染、CVが小倉結衣となっておりまして、もう嫌な予感がしますね。小倉結衣という声優に対してのあてがわれ方はもうみんな分かっているまであるから、たまにはまともな子もやらせてあげてほしいけど…(まともな子ってなに)
主人公はトリガー探偵事務所という事務所で働いている。
所長のエステル、可愛いけど攻略は出来ません。かなしいね。
2国間の戦争に、別の第三国が入ってくることで中立地が出来ているという非常にややこしい世界観。
まぁこういう種族ごとのいがみあいや戦争という設定自体は存在するんだけど、より融和していないという形の感じが非常にうかがえる作品となっている。
この辺りは直近の『ジュエリー・ハーツ・アカデミア』とかよりもより厳しい状態という言い方が出来るかもしれない。そもそもジュエハは石化とかいう要素があったからまた違うんだけど。
センターヒロインの風格ありますよね、ミリィ。
正式名称ミリセント フリード・レオンハルトなんだけど、まぁミリセント呼びかミリィ呼びかがデフォルトなのかなって感じはします。CVは明羽杏子。連投に感謝。というか本当になんでこの人は1月から3月までメインヒロインで続けて出てくるのか。本当にいついなくなってもおかしくないし、いなくなってもなんの文句も言えないんだけど、本当にありがとうございます。土下座を超えて一点倒立したい気分(できない)
めちゃくちゃ真っ直ぐな子という感じで、意志クソ強ヒロインって感じである。
主人公は、定期的に紗衣奈とミリセントを重ねていくことになり、なんだかんだ付き合っていく所があるのかなと思ったり。
まあ何も分かってないので安全ならと男の家の部屋で寝泊まりして良いって言い出したりするんだけど。絶対良くないんだけど、まぁ男と関わってないからね、仕方ないね。
ミリセントのスタンスというのは、ヴァンプでありながらも平等にというスタンスなのは、割と分かりきっているスタンスではあるわけだが、主人公側のスタンスというのも見えてくるというか。
そういう人間が近くに過去にいたというのもあるけど、良い感じの割り切りみたいなものも垣間見えるので、ポジションの所が分かりやすくなってるなあと感じる。
ミリセントは非常に真っ直ぐなのでわっかりやすいわけだけど、主人公のカイはどうなんだろう?てのが良く出てるんじゃないかなと。
紗衣奈だったりするんですかねえと思ったりしますが、現状はわっかんないですねえ。
こういうのは割とストレートなイメージではあるんだけど、どうでしょうか。
そうこうしてたらなんか二人目のヒロインが登場。ソフィア・ノスコーヴァ。
サイキライダー側原画で、CVは松岡侑里。
CSSとかいう秘密警察の中将。かっこいいけどちっちゃい。ロリ枠感ある。
でもただならぬ雰囲気をかもしだしている女ですね。
いや、声良いです。非常に松岡の声がマッチしていて良い感じ。
別に松岡はこういうエロゲに対しての場数が多くなかっただけで、各所経験があるのは分かってたけど、良い声優引っ張ってきましたね。良いです。
めっちゃアニメとか見ているっぽい。
ここで喋ってるアニメがリコリス・リコイルにしか見えない。
早口で喋るミリセント可愛い。オタク感がある喋りをしてくれるの良い。基本的にやっぱり皇族感というか、気品があるからね。
話の途中で各所設定が出てくるパターンになっている。
この辺りの設定がどれくらい後で聞いてくるのかは良く分からん。
なんなら空にドラゴンがいるから飛行機が使えないみたいな設定まであり、それが何に関係してくるのかは正直分からん状態である。どこまで設定使えるんだろう…(
まぁ工藤が書くものが易しいなあと思うのは、こういう所に点をつけてくれていることだったりはする。
まぁこの後普通に能力は体験版範囲で一応ちょっと出てきますが、この作品能力系も噛んでいるので、マジで構造上必要なものが多い。
シルヴィさんです。金恋しか出てこねえだろ、シルヴィって言われたら。
最初に殺しにかかってくるの怖いね。シルヴィでさえヒューム(人間)差別してるの根深すぎない?って思うけど、この人一応豪華版ではエッチ出来るので、どんな感じになるんでしょう。
CVは実羽ゆうき。お前定期的にあんまその声聞いたことねえなみたいな声出すよな。大好き。
ミリセント、ちゃんと明かす所とか、シルヴィに言う所でちゃんと皇族感が出るの良い。
あとまぁ、これはエロゲの仕様上仕方ないのだけど、マジでメガネで変装していることにするのちょっとおもしろいよな。まぁ桐葉の時よりは髪型も変えてるしアレか(
紗衣奈との約束、死なないようにしようと、おかしくなったら殺して欲しいっていう、なんとも激重な約束なのだが。
でもそういう世界観というか、そもそも孤児院でこういう状況でってなるとね。
しかしまぁ、子供時代の紗衣奈の強そうだけど危うい感じは感じますよね。
シルヴィ、めちゃくちゃ主人公に対して殺すって言ってくるけど、本当にミリセントのことは普通に幼馴染として心配しているので、なんか良い子ではあるんだよな。
普通に世の中の差別常識みたいなものに乗っかっているだけで…
別に主人公はヴァンプに好感を持っているということはなく、ムカつくとも言っていたりはするんですけど、それはそれとして個人個人で考えられるというか、ミリセントが寄り添う形であればそれは否定しない、否定できないというスタンスを取ったりするっていうのは、主人公気質というか、そこは紗衣奈がいたからってのもあるんだろうけど、良いよねと思ったり。
結果発信機の下りでミリセントがこうなっているのが笑う。
でもそうしないと絶対にミリセントは普通でいられなかったと思うので、カイ君のやり方に賛同するよ(
ソフィア可愛いけど、ロクでもないこと考えてそうでいいですよね。
明らかに蹴落としまくって今の地位にいますからね。その感じが伝わってくるのが良い。
コイツのルート、マジでどんな感じなんだろう。
もう一波乱ちゃんとあるんだとはなった。
それもなんというか、ソフィアがヒントくれるんだみたいな感じもするし。
まぁこれでミリセントはミリセントで折れないのも凄いけどね。コイツの芯エグすぎるだろってなるけど、まぁそこに対して助けた主人公というのがちゃんと関わってくるというのも、第一歩感があって良いのかなと。
ただまぁ、こうもめちゃくちゃ紗衣奈とかぶせに来るっていうのと、それに対して一定の心配をしている所があるというのは常々感じられた所があるのだが。
まぁ相変わらず引きが上手なんだよなあ、工藤啓介において最も信用できる所って各話の引きの強さだと思う。ここはどのライターと勝負しても勝てる可能性を感じれる所だと思う。(いやしらんけど)
OPが流れますここで。1話はOPがで終わる感じですね。
2話初手でパンツを見せつけてくる女登場。
1話で全く登場しなかった3人目のヒロイン、小花衣レイリが登場。
第2話は、この登場したレイリを中心に描かれることとなっております。あ、そこはソフィアじゃないのねと思いはした。
レイリのこの目好き。
ただ、レイリって謎に右手を上げている立ち絵があるのだが、この手の上がり方がマジで良くわからない。『ハミダシクリエイティブ』の和泉妃愛よりどういうことだよ感がある。
サブキャラで豪華版では攻略対象の水乃宮若葉。
なんか髪の癖っ毛感がある子。出てきた当初からいい子感がある。
恐らくレイリより良い子なんじゃないかな(
CVは葉月ひかり。『創作彼女』ではメインヒロインのエレナを演じていた。あの時はド新人だったが、ちょいちょいエロゲにその後も出演しており、メイン役もちょいちょい見るようになっている。エロゲ声優が増えて歓迎です。『創作彼女』の時は明羽夏峰くすはらの中ようやっとったので、今回も楽しみではある。
レイリはとある目的の為に、主人公カイのいる探偵事務所にバイトとして入ってくる。
めちゃくちゃ評価低いところから始まるけど(
この話においての軸の一つとしては、レイリの強いヴァンプへの嫌悪というか、ガチ嫌い感というのがバシバシ伝わってくる所だったりはします。
主人公と会った時も、ヴァンプを助けた裏切り者!って言ってますしね。
レイリ、能力持ち系統でしたね。
レガシーって言われると、どうしても猪瀬元東京都知事が出てきます。ごめんなさい(
この氷のレガシーに関しての才能がガチ過ぎるというのが採用された理由と。
レイリが絡むとダイナミックな戦闘が見られそう。
ディザスターこんな早く出てくるんだなあと。
あと声で大体なんとなくわかる所はありますけど。そんでもって刀となると、ちょっとエステル辺りも怪しいんじゃないのとかなってきますけども。
まぁ割と戦闘は頑張ってた気がする。
レイリは才能はガチだけど未熟ってポジですね。
ここからの話とルートにおいてはレイリの成長面という所が多く描かれそうな雰囲気。
才能はあるけど危なっかしいCVくすはらゆい。まぁ適正ですよね。
レイリは料理が出来るタイプですね。
家庭的って感じ。くすはらゆいの過半数が料理できると思ってるんだけど、実際どうなんだろうか?(
依頼でヴァンプとヒュームの恋愛の話になっていくわけだが、相変わらずヴァンプの大体の連中は差別感バリバリと言う感じである。
それでも好きだもののヒュームの薫子の気持ちというのは、好きは種族を超越する!を示したキャラということなのかな。立ち絵ないんだけどね(
レイリの来た理由がガン重だった。
目の前で殺されるわ、レガシー発動したは良いけど加減分からずバラバラにしたわで、クッソ重い過去を持っているレイリ。コイツもコイツで覚悟ガンギマリ女かい。
シルヴィは、ヒュームは下等生物だと思ってはいるけど、それはそれとして戦争に関しては軍人として反省している(別に当事者でもないのに)みたいな感じのバランスなのは良さそう。まぁとりあえずこの作品の登場人物家族の誰かしらしにまくっているので、お互い側に憎しみを持ってしまうのは仕方ない部分はあり、虚しさを感じる所でもあるかもしれない。
ミリセントさん、必要と思ったらめちゃ本当の姿明かしてくるんだよな。
そんでもってレイリにめちゃくちゃ言われるっていう。真っ直ぐ過ぎるのよ。
まぁシルヴィは根底差別あるから、抑える側にも火種側にもなるからややこしいね(
それでも仲良くなりたいって思えるミリセントは素晴らしいというか、理想がエグいというか…
一人の合衆国の人間と心を通わすにしても、レイリは過去の出来事上難易度が高すぎるからさ(
意外とメンタル弱い。まぁレイリが強硬姿勢過ぎる所はあるんだけども。
でも復活も早い。それがミリセントって感じ。
レイリはやっぱり定期的な戦闘が想定される。
なんだかんだこういう時は元軍人としての強みみたいなものをカイが出しているとも言えるし。
こういう所があるから、レイリもなんだかんだカイのことをよく思う感じになる気はするんだけど。
ヴァンプだから、首切られなきゃ大丈夫とは言え、ミリセントが身体を呈して守ってくるの、あまりにも真っ直ぐな子過ぎて心配になるね。
でもこういうのがないと、多少でもレイリの態度が軟化することはなさそう。というかレイリがやっぱりまだ未熟なんだよね、扱いが。
カイのスタンスって、なんというかちゃんと理由があって突き進むなら全て受け入れてくれそうな感じするよね。
敵討ちなんかよくないの分かってるけどって前提があってそれでも否定しないんだから。
しかしまぁ、ディザスターの顔が出てくるのは早かったですね。
もうちょっと引っ張るかと思ったけど、まぁもう声でわかるだろとも思われてたんだろうなって感じ。
わかることを引っ張らないっていうのは良いことだと思います。
果たして正体は本当にそうなのか?みたいな所に関してはまだまだ分からんことが多い印象。
相変わらず引きがガン強の工藤シナリオ。
次はソフィアのターンだと思いますが、大変物騒な…というか共通1周目で言い出すことなのかみたいな感じです。
相変わらず体験版においての引きも強いのよ…w
所感
この作品に関しての体験版時点での所感だが、全体的には良いという言い方をして良いと思う。
滑り出しとしては十分というか、しっかりと作品の設定とかを出しながら、話を進めていけているのかなと。
結構重い設定の作品とはなっているし、その重さは随所に表れていると思うが、その中でも一応は戦争になっているわけではないので、一定の平和な部分というのもあるので、そこら辺の描写、日常的な所みたいなものも出せているので、シーン毎にある程度のメリハリが効いているのかなと。
構成面としては、話数で分ける方式を『創作彼女』から踏襲している形となっており、基本的にはロープライス作品を書いてきた工藤の得意な土俵に持っていくスタイルは継続。この継続は『創作彼女』が成功した要因というか、共通での面白さを担った要素でもあるような気がするので良いんじゃないかなと思う。
共通がまたメインキャラが二周するシステムにはなるみたいなので、ある程度共通において好感度稼ぎみたいなものは行った上でルートに突入する方式になりそうかなという感じ。過程というのも大事ではあるんだけどね、各所くっつくのはそれなりに早い感じになるかもしれんね。
動作面だが、『創作彼女』においてはとにかく1.0.0でのバグの多さったらなかったワケであり、アペンド・修正パッチを当ててもバックログ周りのバグが取り切れていないみたいな所があったので、心配なポイントではあったのだが、まぁそもそも母体がネクストンになったことで、エンジンどうなるかなと思ったら、アレスベースのCatSystem×Unityの複合エンジンとなっている。
基本的に動作面に関してはそこまで問題がないが、たまにあるマウススクロール下で文字送りができないタイプのエロゲとなっていて、筆者はマウススクロール派なので普通に困ったのと、なんかやたらバックログの表示が遅い。あんなかかることある?平均6秒くらいかかってるからねアレ。
動作面がUnityが入るとどうしてももっさり感が出るのも考えものではある。筆者のPCでは問題なかったが、いくつか強制終了したというポストを見かけるのは、多分単純にゲームが重いからじゃないかなという感じ。
表情切り替えなどの所に全てクリックが必要な動作使用も珍しい感じがする。(大体ワンクリックで表情変化と文字進みはなっていることの方が多いので)
お気に入りボイスはマジで機能として追加しただけ感があり、登録ボイスとかもなんもない状態。流石に製品版では何かしらは入ってきそうな感じはするけど。
お気に入りボイススロット、今のところ800だけで長さ的に全く足らなさそう。普通に1000とか2000とか3000とか欲しい。なんとかなりませんかね(
目パチ口パクがオンオフできたりと、前作より良くなっている部分もあるが、やはり素体としては吉里吉里の方が信頼できる部分はあるよなとは思った。この辺りは製品版でどれくらいチューニングされているのかなって感じはする。
作品の系統としては、やはり『創作彼女』や『ウソシリーズ』よりも重い作品となっている。
種族毎においての差別意識が非常に強い作品となっており、この作品の肝となっている印象。
こういう系統の作品というのは、エロゲというジャンルの中でも普通に存在はする感じではあり、前述したように『ジュエハ』とか『流星ワールドアクター』とかがその傾向に近年では近いのかなという印象はある。
種族の系統的に、めちゃくちゃ『ジュエハ』とバッティングした感じはあるのだが、企画時点で出てないのでたまたまであると思うし。というか、どっちかっていうと設定の傾向は『流星WA』の方が近いんじゃない?って感じもするし(
差別描写の根深さという所が非常に描かれている感じがあるので、この辺りをどういう風にやっていくのか?というのは中々難しい感じもする。
ここまで軽いものじゃない感じで描かれてしまうと、この状態から平和になりましたよ系統にするにあたっての説得力が必要になってくる。ここまできつい状態でそれをどう描くのか?という所は結構難しい感じが。
この辺りの部分を考えると、特にミリセントルートの描き方というところに関しては難しさを感じる。
まぁ他の二人はまだなんとかなりそうな感じはしている。まぁソフィアはまだ当番話がきていない状態なので、こういう言い方をするのは不正確かもしれないが、とは言えああいう系統のキャラというのは別に完全な平和を求める感じではないし、色んなものを打破していく系統になる可能性は高いので、着地できる範囲というのはそれなりに広く感じる。
レイリに関しては一応最もウェイトとしては軽いルートになるはずで(あんな復讐心とか持っている人間に一番軽いルートとか言うのは申し訳ないんだけどさw)『創作彼女』に続きくすはらは助走ルートを担当することになりそうである。まぁ創作彼女のゆめみよりはキャラの掘り下げようはありそうなので、そこも良いかなと。
いや本当にミリセントルートに関してはかなり難しいように感じる。
こういう系統のお話というのは、エロゲでもあるし、なんなら『ジュエハ』とかもその系統の所があると思うのだが、総じてまとめ方に苦慮している印象がある。こういうものをうまいこと解決しました。めでたしめでたしに持っていく上でのロジックが難しいように感じる。
言うて『ジュエハ』とかは現在のエロゲライターの中でもかなり上位勢であるであろう冬茜トムが書いた作品であるが、それでも終盤においての展開というのは完全に褒められる出来だったかと言われると難しい部分があったように感じる。前に挙げた『流星WA』は、そもそも締めていないという始末である(衣笠のエロゲがまともに締まった事なんか無いから、これは設定の問題じゃ無いけどな!)
という状態で、作品として締めるのが難しいのは過去の似たような設定の作品でも明らかであり、トムでさえそんな綺麗にというわけでは無いことを考えると、それだけのことを果たして工藤啓介に求められるのか?という所は疑問である。
確かに創作彼女は面白い部類の作品ではあったのだが、創作彼女では基本的にストレートを投げる工藤しか見ていないので(最後にちょっとだけ変化球を投げただけ)変化球なシナリオを書いた際の球筋は筆者見ていない。ここに対して完璧な解を出してくれる!という程の工藤への信頼は流石にない気がする(工藤を信頼していないわけではなくて、こういう設定で落とすのが難しすぎるという意味)
…まあ、こういうのは、共通的な敵みたいなものが現れることで団結する系統とかもあったりするので、まぁディザスター系統が共通敵となって…みたいな展開であれば持っていくことは出来なくはないかもしれないけど。
ディザスターに関してはまだまだ謎が多いわけであり、これから分かっていくことが多いということを考えると、もっと大きい組織のようなものとなっていて、全てにおいて抹殺しようとしてくるという意味での種族問わずの共通敵になれそうな要素はあるので、こちらで全員で勝つ!をやるのかもしれない(急なオリックスバファローズ要素)
体験版範囲において、それでも結構明かされた情報というのは多めの印象で、目下見えているものに関しては比較的そこまで引っ張らずに情報を出してくる印象もあるし、一つの事象に対して、複数の情報が明らかになっている箇所も多く、話の進みとしては早めになっている…圧縮されている印象がある。
最初想定していたよりも情報を明かすのが早いので、今後話が進むにつれての手札が想定以上に残っていないなという印象。ここからどのような話を残りの共通とルートで描いていくつもりなのか。
楪紗衣奈関連の話とか、まだまだ出てきていないサブキャラとかもいるのでアレなのだが、残弾的にも話の系統的にもずっとストレートを投げ続けていれば解決できるような話ではないような気がするので、工藤の変化球がどんな感じなのか?というところに対しても期待と不安がある印象があるかなとは思ったりする。
『創作彼女』の成功が、異常な期待感を世間で持たせている印象があるが、あくまでも工藤啓介のフルプライス作品はこの『アントリ』で二作目であり、こういう系統を書いているイメージもあるわけでも無いので、どこまでの期待を持つかというのは難しい所。
恐らく着地点まで完全にミリセントルートに求めるのは厳しい気がしている。アレはどんなライターがやっても難しい無理難題な設定だと思うので。
体験版での話の作り方というのは、ちゃんと面白いし、相変わらず期待感がある。特にそれぞれの話数の引きに関しては『創作彼女』の時から変わらぬキレを持っていて、ここの部分の安定感があるのは、次の話を読みたくなるモチベとして大変助かる。
ただまぁ、ミリセントは話の展開も難しいし、あまりにもミリセントは真っ直ぐなキャラクターであるが故に、どう突き進むつもりなのか。この世界観で突っ切るのはかなり厳しいと思う中で、どこまでやれるのか。この辺りの描き方の着地の仕方で結局作品の全体的な評価が決まってくると思うので、そうなると『創作彼女』よりも高い世間的な評価は難しい部分はあると思う。そもそも設定的に厳しい。その中で工藤が何を描くつもりなのかを見てみたいとは思う。
以上。