ちゃろ~、おにじです(激寒)
エロゲ体験版感想記事ですね。
体験版記事は『海と雪のシアンブルー』(CUBE)が最後だったりする。
まぁ先月末に『9-nine-新章』(ぱれっと)の感想も書いてるし、
『ユキイロサイン』(Wonder Fool)の感想も書いてるんだけど。
しかし、この記事自体は先週末から書いて、水曜日には出来ていたわけだが、まぁ萌えゲーアワードがふざけた大賞を出したので、今後も感想、レビューはしっかりと行わなければならないと気を引き締めております。
今回はHOOKSOFT系列のSMEEの最新作である『ハジラブ -Making*Lovers-』の感想を。
初回起動時。
プレイ前所感
SMEEは前作の『Harem Kingdom -ハーレムキングダム-』(2020)では、異世界ハーレムモノという、あまりにも使い古された設定、SMEEらしくもない設定の中でSMEEらしさを発揮した作品を制作した訳だが、
今回の『ハジラブ -Making*Lovers-』はSMEEらしさを色濃く残した上で、結構新しさも感じられそうな作品と言えそう。
まず何よりもタイトルに『Making*Lovers』が入っていることが大きなトピックと言える。
『Making*Lovers』は2017年にSMEEから発売された作品で、非常に評価が高い作品である。
まずいきなり付き合うという所から開始して、そこから色々と過程を踏んでいく…という順序逆転と言えるこの作品の名前がついていることからも分かるように、
この『ハジラブ -Making*Lovers-』は『Making*Lovers』のコンセプトと世界観を継承した作品となっている。
ここに『恥じらい』と『付き合ってから仲良くなる過程』というのを強化したのが、『ハジラブ -Making*Lovers-』という事らしい。
筆者、エロゲまもなく三年目程度のにわかも良いところなので、『Making*Lovers』をちゃんとプレイしていない(体験版はやったんだけど、製品版積んでる)ので、あまり『Making*Lovers』についてとやかくは言えないのだが…(白目)
今回は全員学生という形にもなっており、色々と違うところも多いが、源流としては『Making*Lovers』という形になっている。
人気作のタイトルをつけるという事はそれだけハードルも上がることなのだが、タイトルに付けてきたのはある意味では”攻め”とも言えるかもしれない。
また、今回は割と今までのスタッフ陣形が変更されている。
まずは原画、『カノジョ*ステップ』(2016)から4作続いた谷山さん(正確には『カノジョ*ステップ』では名義は『カノジョ*ステップ制作部』だが)から変更となっている。
K子、まんごープリンという布陣。まんごープリンはChuablesoftなどでメイン原画経験がある。
また、シナリオは前々から生放送等で言われていた通り、早瀬ゆうの序列が下がり、4人体制となった模様。
『Missing-X-Link ~天のゆりかご、伽の花~』(Fluorite / 2019)のシナリオを務めている雪丸仟、
CRYSTALiAや、ensemble等でよく名前を見るギハラ、
こういう純愛系の作品履歴が乏しい気もする誘宵が新たに入った上で、
四番目に早瀬ゆうの名前が。
早瀬ゆうは昨年SMEEから独立しており、スミレで『日向千尋は仕事が続かない』のシナリオを担当するなど、若干SMEEからの距離が今までよりは広い形になっている。
宅本うともエグゼクティブディレクターとなっており、SMEEは刷新の方向に向かっている。
シナリオが複数人担当なのは最早普通となりつつあり、一人で描く事が如何に大変かという話だが、基本的に一人でやってきた感じのあるSMEEにおいて、作品のクオリティにおどれほどの影響があるのかという不安の声も一部聞かれる。
スタッフは刷新方向で、過去の名作タイトルに相乗りするというのは、保守のような、挑戦のような…
今作の出来、まず体験版をプレイして、どんな感じか見ていこう。
UIチェック
HOOK系列のエンジンは毎度かわらず『Ethornell - BURIKO General Unterpreter』である。バージョンは1.660。
ただ、今回は少し今までと仕様が異なる点が存在している模様である。
画面設定。
オリジナルサイズは1280×720であり、相変わらずフルスクリーンか1280×720ウィンドウしか選択肢がない。
頼むから複数テンプレだけでも良いから選択肢をくれ。
理想としてはウィンドウサイズシームレスに動くやつやけどな!
テキスト設定。
既読文字などは主導で変えることが可能。
フォントベースMSゴシック、
音声カットデフォルトオフ。
サウンド設定。
マスターあり、セリフ中音量落としなし。
システム・ショートカットいつも通り。
今回、ついに、ついにコンティニュー機能が実装。
とは言え、おそらくこのエンジンは終了する際に自動でコンティニューすることが不可能なのか、終了時の右に『次回はここから再開』というボタンがあり、これにチェックをつけておかないとコンティニューが機能しないという、割と強引なコンティニュー実装方法である。
とはいえ、今までセーブし忘れが本当に地獄だったEthornell系において、このコンティニュー実装は朗報である。
セーブは10×19の190。ページのコメント機能なんて昔からあったっけ?
雑感
いきなり夏祭りから始まるエロゲって珍しいと思う。
こういうのっていわゆるルートとか、共通の最後とかで出てくる事が多いわけだが、こういうスタートが出来るのも、ある意味で『恋人になる過程』は基本ぶっとばすという『マイラバ』系列の為せる技なのかもしれない。
最初は結衣との会話からスタートする訳だが、こういう祭りに出てきている理由がバイトだったりと、なんという極めて現実的で、夢のない感じなのが良い気がする。
SMEEは基本的に掛け合いの所での面白さがある訳だが、今作はその面白さは一応保てている感じはある。
ただ、ここ最近のSMEEと違うのは、主人公が比較的まともであり、どっちかっていうとツッコミ側であることである。(ただやたらと恋愛感は拗らせている感じはあるし、音響の仕事してるのも昔アニソンDJにあこがれて一式揃えた事があるとか、色々とそういう感じがある)
結衣とのここの会話の場合、ウザ後輩との会話という感じが強めであり、先輩と後輩の関係性という感じ。
白雪碧の声というのは、こういう後輩系でも行けるというか。
表現が本当に悪い書き方になるのだが、こういううざいキャラをやる時は声がいい意味で濁っている感じのほうが良いと思うので、この配役は良いと思う。(タイトルコールはちょっと怪しいと個人的には思ったっちゃ思ったけど)
今回のセンターヒロインである桜子。
幼馴染ポジション。ただの正妻である。それをこの最初の段階であっさりと感じさせてくれる。
こんなちゃんとしたSMEEのヒロインがいていいのか。
お互いへの信頼度、理解の度合いも非常に高く、大変練度の高い幼馴染。お前運命に最初から寄り添ってないか?
今作も立ち絵有り無しありつつも、サブキャラが登場。
さちこ・あつみの片方は北見六花である事をすぐに分かったが、もう片方は誰かすぐにわかんねかった…
SMEEの良さとしては、やはりサブキャラもキャラクター性がしっかり立っていて、話を面白くしてくれる所ではないだろうか。
初登場のタイミングからもう変わり者感がとんでもない初穂。
これ中の人この前のアサプロで胸がデカいだけの委員長やってたんだぜ?(
いわゆる表の声優系統で『顔が良い』という端的で抽象的な言葉が使われる場合があるが、おそらく初穂は『顔が良い』が適切になる人間。
とにかく掛け合いにおいても不思議ちゃんというか、ネタもありつつもどういう方向に向かうのか分かったもんじゃないと言うか…主人公が一番ツッコミに回るキャラと言える。
プロローグから出てくる『星見の滝』の設定は非常にある意味でオカルトで、ロマンチックで、運命的な感じ。何事にも縁というモノが大切でして…
しかしSMEEというのは基本的に主人公がおかしいサイドが多いんだけど、今回は本当に基本的にまとも(SMEE比)であり、これでSMEEらしさが失われたと考える人もいることにはいると思う。
まぁあれはSMEEらしさというよりは、早瀬ゆうらしさだったんだと思うけど、まぁこれくらいでも別に良いとは思うし、ここから刷新の方向に向かっているならそれなりの変化はするだろう。まぁそれでアイデンティティを完全に見失うみたいな事が一番最悪のパターンだが…(
結衣のネタポジ感。
ロリに助けられている側なの草生えた。
おっぱいにスマホを収納するのはやめようね!(
桜子のときに道を聞かれたロリ二人だが、これは後で出てくるヒロインである小唄の妹弟である。片方はすぐに北大路ゆきって分かったけど、もう片方は誰なんだろう(今回片方分かって片方わからないが多いな)
こういうサブキャラがぶっこんでくる感じはSMEEらしさであると思うし、主人公の動き方とかも非常にSMEEらしい(モテるの?を完全スルーするところとか)
SMEEの良さというのは掛け合いの所がやっぱり強く、インパクトのある事とか、テンポの良さとかがあるんじゃないかなと筆者的には一要素として考えているので、この辺りは普通に健在かなと。
”ちっちゃな体にあふれる母性”の小唄。
初登場の尺は他の3人より一番短い感じがあるが、妹弟の下りとかいれるととんとんかな。
非常に妹弟想いの子であり、この短い尺でも母性というか、保護者感を感じさせてくる。
CVは月野きいろな訳だが、この後も色々出てくるが、この感じで割と色々とやりきりすぎる所あるし、ツッコミもする。
というかヒロインの中で最もツッコミ力ありそう。月野、割とツッコミ役させると映えると思う。
”神様カプ厨”って、すげえ平和な言葉だと思う。
星見の滝の設定は、今回のハジラブのスタートにおいて非常に重要な役割となっている。
初穂の神社の娘、巫女という設定にこのキャラ付けは斜め上を突き破る所も一部あり、結構面白いなと思う。
「ご両親の年代の変な巫女といえば母です」の説得力よw
ここの4人の関係って決して横に広がりそうな感じではないんだが(広げたら広げたで面白そうな感じはするけど)桜子の正妻感ったらないなとか…
星見の滝、非常に便利な設定とも言えるが、演出としては正解のような気がする。
ここからプロローグとして各ヒロインへのフォーカス。
桜子はマジでSMEEのヒロインにこんなやついていいのか?という位にはドストレートであり、ただの正妻。
ここにあつみ・さちこのサブキャラが賑やかしで入ることでSMEE感が出るんだが、ヒロインとしてマジで純粋、こんな高度に成長する幼馴染なんて現実世界でいないだろレベルのアレ。
後々他のヒロインのルートで”夫婦漫才”という単語が出てくるが、一番夫婦漫才しそうなのは桜子かもしれない。(いや漫才にはならないか?漫才になら他の3人の方がなるのか?)
ここで小唄妹弟(廻・昇)が登場するのだが、ここで星見の滝を何故探していたのかの理由が登場。
小唄は保護者ポジなところも強いので、日常という所にある意味で満足してしまっているところはありそうで、そういう所が妹弟には見えてるんだろうなと。
ロリの考えることではあるが、恋をすると世界は変わるというのは割と主人公サイドには刺さった模様である。
だからその流れでパンチラの流れに行くとは思わなかった。割といい流れだっただろうが!
とは言えお互いの信頼関係というのが一番できているヒロインであることに変わりは無く、あまりにも自然な関係であるからこそ恋に発展することはなかった…というのがこう理解できるところではないかなと。
というか、ここまで主人公が恋を出来なかったのはある意味でここまでの関係性が桜子と出来ていたというところもありそう。
桜子には”頼れる幼馴染”と思われている時点でそうだろうし、桜子とがお似合いだと思われていた所はありそう。
小唄。一番ここでは尺が長かった気がするが、非常にキャラクターの魅力が詰まっていた感じがある。
浴衣のときと印象が割と異なる感じはあるので、最初主人公が気づかなかったのもある程度納得かなあとか。
『ママ』と言われているのは居酒屋の娘であり、どっちかっていうとそっちの意味の『ママ』のようなのだが、ここでのパートは普通にただの『ママ』というか、母性というか…という感じ。
身長も低くロリキャラに分類される中で、ロリでありながらママというところの塩梅が非常にいい感じであり、これは人気の出るキャラになりそうだという感じ。
前述したようにツッコミ側に回ることが一番多い。
なのでびっくり顔が多い(バックログの顔まで表情差分適用されるエロゲってあんまりないよな)
廻・昇のキャラクター性も非常に面白い。純粋なところもありつつ、割とこういうところもある。(主人公を連れてきたのは二人がせがんだからです)
特に廻がこういう事を言うポジションなんだが、こういうにぎやかしに北大路ゆきがいると安心できる気がする。まぁ前作のハレキンでは賑やかししながらちゃんと幼馴染ヒロインやりよったんだが。(褒めてる)
小唄は小唄でこういう小さい妹弟がいるからこそ感覚が麻痺してるところもあり、色々とこの二人はなんだかんだと絡んできそう。
実際の所、小唄は二人の願いを知って動くことを決めたりするわけで。
最も”運命的”に近いのは小唄ルートかもしれない。お互い割と似ているところもあるし。
ずぎゃぼごびんって何?(
結衣とのつながりは、プロローグの最初で説明されている通り、祭りのライブにおいての観客の丁度いい人選を探しているときに現れたのが最初である。
つまり初対面の段階でこの絡み方をしているのであるが、それが結衣と言ったところというかなんというか…
まぁそういうギャルっぽい所があるからややこしいことにもなる訳だが。
なんだかんだと主人公も助けてやるのだが、おそらく主人公はヒロインの中で一番恋愛に繋がる可能性が低い間柄である(秤だけはないと言う表記が体験版中でも出てくるだけのことはある)
夏祭りでの尺が最も長かった事からここの尺は短め。結衣との関係性の中での取っ掛かりを作る事が基本的には目的という感じだったが、結衣の初対面からそんな感じなんすね…という感じであったり、掛け合いなど良いところは普通にあったとは思う。
そっち→こっち→えっち の流れは非常に良い。
初穂の登場は自分からほぼ見せに行く行為から始まるわけだが、このセリフの流れと演技が非常にポイント高いんじゃねえのとか思ったりして。
『おもしれー女』という表記も出てくるが、本当に初穂は不思議、謎というよりは『おもしれー女』の方が実際に適切なのかもしれない。
なんなんだこの女は。
初穂だけ表情差分がなんかこうおもろすぎないか?
言語化をすることが大事と言い続けている筆者だがこの女はなかなかにしにくいぞ~?(
なかなかに難しい役やってますね白月かなめ。でもこれ割とちゃんと走りきったらいいキャラというか、白月かなめ歴に残れそうなヒロインなのでは?
キャラ性がおもろい、やってておもろそう、ついていけるのか、それだけがちょい心配かもだがw
それでいて一番事情が謎感もあるのが初穂であり、これまた面白そうな感じが。
全キャラ普通にいい感じだが、惹きつけられる要素としては結構初穂はつよい方だと思う。
それほど大きな事件みたいな物は起きはしないと思うのだが、それでも割とこう、面白そうだよなと。
割と素みたいなものもありそうだし。
ここからプロローグを終えて選択肢が登場する。
単純に押せばそのルートであり、メイラバの系譜なので、押せばとりあえずくっつく方向に行く。
この辺りの内容に関しては、本編で確認したい人もいると思うので、深く明記はしないでおく。
とりあえず全体的に流れとしては綺麗だし、OPへの入り方は非常にオーソドックスなモノとも言えるだろう。
〆
今作の体験版はSMEEらしさという所に関して、一種失われたと思う方もいるかもしれない。
とにかくギャルる、異様なテンポ、突拍子もない展開などがSMEEらしさ、アイデンティティと考える方は物足りなく感じることは仕方ないと思う。
それはメインの軸となるメンツが入れ替わったことによってのある意味で必然なところでもあるかもしれない。(どっちかっていうとHOOKに寄った感じは筆者としてはある、いや十分SMEEだと思うけど)
とは言え、掛け合いであったりとキャラクター性、サブキャラの必要性など、らしさは一定継承されているし、『Making*Lovers』を冠する通り、色々と共通のところも多い。
単純にキャラゲーとしては面白そうな雰囲気は感じるし、良い作品になりそうな感じはする。
SMEEらしさを一番感じさせるのはおそらく初穂になりそうな予感。
今作にはカノジョカイセキとかいうモードなどが追加されていたりと、恋人同士になってからの過程にも重きが置かれているらしい。
こういったところにも期待をしたい所、過程をぶっ飛ばしながら、過程をするというある意味での矛盾だが、こういうところも面白い要素になると思われる。
『ハジラブ -Making*Lovers-』は2021年6月25日発売予定。