声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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おすすめ記事

#おにじ声優名鑑シリーズ Vol.39 長谷川育美(2024年3月版)

おにじと申します。

 

半年で更新するんかいって感じだが、主演が増えたのと、アワード受賞したので、じゃあ更新しとかないとあかんか…ってなったので、更新します(

評価の所など、基本的には前回のをベースに、今回書き足すべきことや書き換えるべきことを書き換えた感じなので、内容に重複はあると思う。

そりゃそうだろ、同じ人間6回書いて、被らないわけがないんだわ(

 

2020年4月↓

oniji.hatenablog.com

 

2021年4月↓

oniji.hatenablog.com

 

2021年9月↓

oniji.hatenablog.com

 

2022年11月↓

oniji.hatenablog.com

 

2023年10月↓

oniji.hatenablog.com

 

 

 

長谷川育美

プロ・フィット声優養成所

→プロ・フィット(預かり)

→プロ・フィット(準所属)

→プロ・フィット(正所属)

ラクーンドッグ(正所属)

 

生年月日 : 5月31日

デビュー : 2016年

出身:栃木県

 

査定

演技力:B

演技幅:B

歌唱力:B

キャラソン力:C

トーク力:C

実績:B

過激派的将来性:D

序文

声優という職業において、しっかりと段階を踏んでいき、人気・実績を積んでいくという所をしっかりと行っていくということが、どれだけ難しいことなのか?というのは、声優を追っていく中で理解していく所がある。

そして、声優としての能力というのは、すぐに身につくようなことでもない。現代の声優業界というのは、演技の部分以外でも求められるものが多くなりすぎている部分もあり、歌唱や生放送等など、総合力を求められるのが声優という職業である。

なんなら、演技軽視の傾向すらかなり見えてしまう部分がある現代声優業界において、演技がしっかり出来るというところがあっても、声優としてのキャリアを積んでいけるのか?という所には、疑問の余地があってしまう部分すらあるように感じる。

 

そういう中で、極めて段階的に、かつ能力の要素の部分で確実に声優としての実績を積み上げ続けることが出来ている声優というのが、今回紹介する声優、長谷川育美のような気がする。

当ブログ…というかこのブログを書いている筆者は、遅くとも2019年頃からこの声優を追ってきているのだが、この声優がこの勢いで伸びているというのは中々ないと思う。

売り方としても、普通に声優としての売り方に近い形であり、アイドル売りがどうのとかの話ではなかったと思う。

そして、最初から圧倒的な能力があった…という訳でもなさそうなのは、出てくるまでの時間の長さを考えると理解できる部分もある。

 

着実に積み上げてきたモノが、形となり、それが作品の出演に繋がっていく…という流れであり、それが作品を新たに呼んでいく…というか。

長谷川は、デビューしてからいわゆる名前があるキャラクターをアニメで演じるまでにかなりの時間を要した訳だが、出てからはかなり多くの作品に次々と出演していくことになったわけであり。

 

出演を重ねていく中で、長谷川の能力の高さというのがどんどん見えてきた…という感じの過程というのは非常に面白いモノがあったし、そのインパクトというのを効果的に見せることが出来た声優の一人だろう。

今回は、そんな長谷川育美の名鑑を書いてみよう。

 

経歴

長谷川は栃木県の出身。あんまり幼少期の情報とかは出てくる印象は少ない。

声優という職業に興味を持つに至ったのは、中学1年生の時『テニスの王子様』にハマったことである。

キャラクター自体が本編以外でも色々な活動をしており、演技だけではなく、ラジオやライブなど幅広く展開されていたこともあり、声優という仕事を意識するようになったと言う。

テニプリ以外にもジャンプ系の作品が好きだったよう。『銀魂』『黒子のバスケ』等、所謂女子が通る作品にはある程度ハマっていたと思われる。

あくまでも『テニプリ』では意識したのみで、声優という職業に進むということを決めたわけでもなかったようだが、進路を決める時期である高校三年生の時に、当時勉強が苦手だったこともあり「もう勉強は十分やったかも」と思い、それなら気になっていることをやりたいと思い、声優になろうと決意をした模様。

なお、当時は演技経験などはなく、専門学校に入学するという形だったらしく、当初は親にも反対されたらしい。(最終的には応援してもらえてるらしいが)

 

2年制の専門学校に通い、との在籍途中にプロ・フィット養成所に通うという形を取っており、無事養成所を卒業。プロ・フィットに預かり所属となる。

2016年頃から声優としての活動がスタートしている(具体的な入所タイミング等は不明)

 

ただ、当初は基本的にモブなどのキャラクターを演じている機会がほとんどであり、大体的に長谷川育美の文字を見るということはほぼなかったと言っても怒られないレベルであるので、声優キャリア開始当初に関しては記載することは少ない。

この頃の長谷川の貴重な露出は『ウマ娘 プリティダービー』におけるラジオ『ぱかラジッ!』にゲスト出演した時とかくらいであり、これがしばらくの間長谷川の貴重な演技以外の声だったりしたわけである。(ぱかラジッは復活しろ)

これくらいのタイミングにはもうミホノブルボン役は決まっているということを考えると、これが日の目を見るのはあと3、4年はかかるというのは、ウマ娘の苦節感も感じる部分とも言える。

 

2010年代は基本的には文字通りの下積みという所をずっとやっていた感じであり、中々日の目を見るということはなかった。今となるとこういう経歴は珍しい部類に入ってくる気はする。

ゲーム方面だと、ちょこちょこメインとも言えるようなものが存在しなくはないのだが、作品として話題性があったり、評価されるようなモノとまでは言えないものが大半であり、筆者が細かく記載できるようなことはなかった。

2010年代でどうこう言えるの、映画の『詩季織々「上海恋」』シャオユくらいなのである。

ただまぁこのメインと呼べるようなモノがほぼなかった時代においても、声の通りとか色々な部分で感じるものはあったりして、将来性を感じる演技というのをしていた印象。あったりしたから2020年頭くらいに名鑑書いたんだけども。

日の目を見なかったことというのは、苦しい部分もあったように感じる所ではあるが、一方で色々な所でモブ含めての経験は積めていた感じがあり、そういう所は今に繋がっていく要素だったように感じる。

 

この2010年代を経て、2020年代に入ってくると、日の目を見るようになってくる…というか、見たと思ったら急に色々と出てくることになる。

2020年、メイン役という訳では無いものの、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』で松山空音役を演じた。

作中ユニット『ChamJam』のメンバーの一人ということで、ユニット楽曲が存在したのもそうだが、セリフ数などはこれまでのアニメの中でも明らかに多いモノとなり、名前付きのアニメでの役というのもほぼなかった当時では貴重な作品となった。

なお当作品において『はせみ』というあだ名をファイルーズあいに命名されている。

 

ここから、2020年は諸々が決定していく。

まずは『弱キャラ友崎くん』のドラマCDにて七海みなみ役に決定する。当時としては貴重な長尺の演技を確認できた。

そこから割とすぐにアニメ化が確定し、ドラマCDのキャスティングが継続となった。

これがアニメ初メイン作となる。(2021年冬アニメ)

 

またこの頃にはコロナが始まっており、コロナの影響が色濃くなってくる。

中止となった『AnimeJapan2020』の代替配信放送の一つとなった、ANIPLEXがAbemaTVで行った『ANIPLEX 48時間テレビ』。

この最後の番組だった『ANIPLEX NEXT』にて、『86-エイティシックス-』のヴラディレーナ・ミリーゼ役を演じ、初ヒロインを演じる事が発表が発表された。

当時は全く無名と言えた長谷川にとって、『第23回電撃小説大賞』で大賞を受賞した作品のヒロインという大役は抜擢と言えた。

Twitter見てて表立って長谷川育美の文字があんなに流れてくることなんかなかったから、Abemaを慌てて開いたものである。

生放送で見る長谷川は、流石にリアルタイムでは初めてだったし…(生放送自体は白猫テニスの生放送で初めて出ている)

 

次々と諸々が決定していく中で、大晦日FGOの生放送にて、『月姫 -A piece of blue glass moon-』でのアルクェイド・ブリュンスタッド役が発表された。

月姫リメイク』は2008年に『TECH GIAN』にて制作が発表されたものの、『Fate/Grand Order』等の存在等、多くの理由が山積した結果、全く発売されることはなかったと。

このタイミングにて、発表されていた内容と齟齬がありまくるとは言え(PCで発売されない、R18作品でもない、声優も全員交代)遂に発表された作品において、センターヒロインと言えるアルク役に抜擢されたというのは、流石に重い役と言えた。

柚木涼香生天目仁美等が演じてきた役であり、特に柚木のイメージが強い役である。

大役は嬉しいが、出来れば二代目系統の役はどう演じても厳しい声が寄せられるものであり、難しい役となりそうだった。

oniji.hatenablog.com

 

ラジオという所では、この2020年のタイミングで『長谷川育美・佐伯伊織のGO FIGHT WIN♪』が開始されている。まぁこれは諸々早すぎたラジオというか、あと半年か一年遅ければ現在も続いていた可能性すらある感じがする。

まだウマ娘も跳ねていない頃からのスタートであり、長谷川・佐伯の出演作品もまだまだ多くなかったこともあり、一年以内に終了してしまった。もう少しでも粘れればなあ…とは思う。

マンスリーでは『市ノ瀬加那と長谷川育美の「ふたラジ!!」』がこの年である。

市ノ瀬とは『白猫テニス』の生放送で共演していたりした訳だが、こちらでもセットになっている。なお市ノ瀬との絡みを明確に表で見るのは、ここから4年後位になる。

 

そして2021年から、多くの作品でメイン役を演じることになる。

弱キャラ友崎くん』七海みなみ、『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』ミホノブルボン、『86-エイティシックス-』ヴラディレーナ・ミリーゼ、『現実主義勇者の王国再建記』アイーシャ・ウドガルドと、ここに来て一気にメイン役が4つも登場(まぁ現国のアイーシャがめっちゃメインかと言われると微妙な気はするけど)した。

全くメイン役がなかったと言ってよかった長谷川にとって、この年は飛躍の年となった。

 

弱キャラ友崎くん』の七海みなみでは初メインとなった訳だが、明るいキャラであり、ムードメーカーな所もありながら、明らかな負けヒロイン枠という言い方も出来るキャラクターが故に、喜怒哀楽という所が要所に出るキャラであることもあり、色々な演技という所が見れたキャラである。

また、初ソロキャラソンがここで存在する。長谷川の歌唱は当時はかなり貴重だった。

 

ウマ娘 プリティーダービー Season 2』のミホノブルボンは、一期OVAの頃から登場していたものの、二期では重要キャラの一人として、ライスシャワー(CV:石見舞菜香)とのセットで描かれた。(あとキャラ性も二期で定まった感じがある)

長谷川にとって運が良かったのは、このウマ娘二期において一気にウマ娘のコンテンツとしてのTierが上昇したことである。

あの始まった瞬間から終わっていたコンテンツが、アニメ2期で一気に上昇した感がある。このタイミングで、二期の中で比較的メイン役にミホノブルボンが描かれたことで、知名度が上がりやすいという形になったのだ。

ブルボンは非常に感情が出ないキャラなのだが、アニメでは要所で感情がドンと出てくる場面もあり、その辺りの感情表現においての加減というのが難しいキャラだった訳だが、その辺りの表現を上手くやることでブルボンのキャラ性とアニメの展開のバランスも上手くやれた感じはあり、アニメブルボンの方が人気な部分もあるように感じる。

 

86-エイティシックス-』のヴラディレーナ・ミリーゼは、キャラクターとしての成長という所が非常に作品内に存在するキャラクターであったことで、演技においても多くのモノが求められる難しい役柄であったと思う。

現実が見えておらず、理想に突き進もうとする、世間知らずの正義感はあるお嬢様…みたいな所からスタートする訳だが、その現実とかを知り、打ちのめされても、それでも理想に進んでいくという指揮官になっていくという過程が色濃く作品に出ている。

色々な感情や表情を見せるキャラクターとなっているレーナにおいて、喜怒哀楽の表現というのは非常に重要だった訳だが、これを初ヒロインというポジションながら、非常に上手く演じることが出来たように思う。

ここまで、長く下積みと言える期間を過ごしてきた長谷川にとって、一つの集大成とも言える役柄だったように思う。

成長が見えるレーナに対して、しっかりと演技でも成長を表現していたしね。

 

この上のキャラに比べるとどうしても『現実主義勇者の王国再建記』のアイーシャは色々な所で落ちる所があるのだが、長谷川ってくっ殺系のキャラ合いそうだなあとは思っていたので、こういうダークエルフポンコツで可愛いし残念みたいな所が見れたのは普通に好みではあった。

 

この年は、さらにゲームでアルクェイド・ブリュンスタッド役を演じる『月姫 -A piece of blue glass moon-』が発売されている。この一年で長谷川、一気に色々出すぎである。

前任に柚木涼香生天目仁美がいるという中で、まずどれだけ世間の人間、および月姫ファンが受け入れてくれるのか?という所からスタートせざるを得ないアルク約だったが、思った以上には受け入れてもらえている割合が高かったのかなという印象。

演技としては、アルク自体は長谷川の演技の部類では、比較的オーソドックスな部類ではあったのだが、ノベルゲームという長尺の作品であることもあったし、アルクが素直に色々な感情を見せてくれるキャラクターであったことから、長谷川の能力でアルクの魅力を引き出す…という感じになっていたように感じる。

また、月姫ではアルクには多くの派生キャラが存在しており、そのキャラクターによっての演じ分けという所もかなり面白かったのではないだろうか。

アルクという根幹はありつつも、演じ分けを求められる部分もあったわけだしね。

特にネコアルクに関しては、これまでの長谷川ではあまり聞いてこなかったような演じ方をしており、突拍子もないキャラであるネコアルクをめちゃくちゃいい感じに演じていた、一部SNSでのツイートでは柚木のネコアルクと判別がついていない人間がいたほどであった。(まぁ一部SNSのツイートの耳がどれだけのものかは分からないけどね…)

実際聞いてみると、一応長谷川ではあったのだが、当初まで考えていたような長谷川の演技幅、引き出しの多さより上回ったものを持っている可能性というのが出てきた作品でもあった。

 

ラジオでは『86-エイティシックス-』のラジオである『第85.5区情報局』がこの年スタート。

作品が終わってもちょっと続いたくらいには結構好評なラジオであり、千葉翔也とのバランスも良かった印象。作品ラジオは初だったが、特に問題なく当初からラジオを出来ていた印象がある。

 

また、現在も続く『長谷川育美・川井田夏海のなんにもしたくありません』はこの年からスタートしている。

現状、長谷川の唯一のノンタイアップラジオであり、長谷川のキャスト決定時の話とか、作品に関係なくイベントの話を聴ける唯一の媒体となっている。SNSもしていないので。ソロラジオとかそろそろ欲しいなあ(

 

コロナ真っ只中の中、各所新人声優、若手声優という所がこの時期苦戦した訳だが、長谷川はギリギリ逃げ切れたのかなんなのか、この時期に一気にメインでの出演作を増やすこととなった。

まぁ長谷川はこのタイミングでもう5年位声優としてのキャリアを積んではいたので、起用するスタッフサイドから目をある程度つけられていた可能性というのは十二分にあるように思うは思うのだが、それにしても周りの声優が出てくることが難しい状態の時に出てこれた、そこから一定いつもよりも猶予があったというのは、幸運要素だったのかもしれない(コロナによって色々と制限は多かったので、幸運という表現は適切ではない気がすごくするんだけど)

 

2022年。

事務所という所では、プロ・フィットのプロダクション業務閉鎖に伴い、新事務所ラクーンドッグへと移籍した。まぁ結果的には中身としては大きく変わらなかったように見えるとは言え、デビュー前からのプロ・フィットという所からは離れることになった。

この年のアニメでは、『恋は世界征服のあとで』禍原デス美〈死神王女〉、『くノ一ツバキの胸の内』シオン、『継母の連れ子が元カノだった』南暁月、『うちの師匠はしっぽがない』小糸などで出演した。

 

『恋は世界征服のあとで』の禍原デス美は、メインヒロインとも言える役柄であり、悪役でありながらとにかくクソ可愛いというのがキャラ性であり、なんなら作品としてそういう所があった。

これまでもそういう演技はしていたが、破壊力という所では今作は長谷川作品でも中々のモノと言えるかもしれない。

 

『くノ一ツバキの胸の内』シオンを挙げたのは、メイン役ではなかったものの、珍しく低音側のボイスを使ったキャラだったからである。

というか長谷川の地声的にこっちのほうが普通に近いのに、なぜか知らんが高い声で起用されることが多いのだが、こういうキャラクターも出来るということを確認するという意味でもありがたいキャラだったりした。

まぁあの作品キャラ多すぎるので、本当に確認することが出来た程度ではあるが。

 

ま、こういう役を並べた所で、この年に関しては『ぼっち・ざ・ろっく!』喜多郁代に勝るものはない。

ここまでのヒットを放送前から予測出来た人間というのはどれだけいたのかという感じ。

勿論、きらら作品であり、そういう意味での評価という所は高かったし、近年全盛期は超えた感があるきららアニメの中でも期待されていた作品ではあったのは事実だったのだが。

この作品できらら声優という肩書を得た長谷川は、ギター・ボーカルの喜多郁代を演じることに。

演技としては、これまで演じたキャラの中でもなお高い声設定だったが、そういう中で文字通りの陽キャである所もある喜多ちゃんを上手く演じた。

まぁ間違いなく陽キャなのだが、その中でも変な所もあったりもする喜多ちゃん。色々な変な所もあったり、顔を見せる(陽、奇行、山田信者、真面目)キャラを上手く制御できたのかなと。

ぼっち(後藤ひとり)に対しての、作品終盤における諸々の演技においては、作品自体においても良い効果を与えたと言ってもいいだろう。

 

で、まぁこの作品においては歌に関する評価という所もしなければならない。(まぁ詳しくは評価の方に記載することにするけども)

これまで長谷川はソロでの歌唱というものがないに等しかった訳で、この役が決まった時に知り合いのオタクに「長谷川さんって歌どうなん?」と聞かれる程度には本当に当時サンプルが少なくて、筆者も「下手なことは絶対にないし、音程は大丈夫だと思うけど…」とかそんな微妙な回答をした記憶がある。

何故かウマ娘でも二期で活躍した割にはソロ楽曲もなかったので、推し武道含め複数人歌唱を参考にするか、友崎くんのを参考にするくらいしかサンプルがなかったのである。

それくらい分からない所があった長谷川の歌唱なのだが、蓋を開けてみたらなんかやたらと上手いく、なんなら最初長谷川が歌っていると認識しない人間がいるほどだった訳だが。

 

結束バンドの稼働方法は、リアルにバンドをやるという方向ではなく、ボーカルをするに留めた。

それは声優への負担を考えるのであれば当然のことではあるのだが、一方で現代声優業界の方向性としてはウケという所が心配される部分でもあった。

ただ、結局結束バンドの現在の音楽としての継続的な人気を考えるとそんなことは杞憂でしかなかったのかなと思う。

キャラソンという所での立ち位置として、基本的長谷川はキャラの方向性を遵守する歌い方をこれまではしてきていたのだが、楽曲の雰囲気含めて当人も悩んだようで、原作者及び長谷川当人の解釈として、『カラオケで歌が上手い高校生』とか『喜多ちゃんはなんでも歌いこなす』という解釈をもって、あの歌い方となっているらしい。

放送開始からかなり経過する現在においても、作品としての人気及び、結束バンドの人気というのは凄まじく、ひとまず総集編劇場版が今年予定されているが、二期の制作というのも必至であろう。

ライブとしてもNHKやJAPAN JAMに呼ばれる等、アニメが終わっても長くライブとしての稼働も続いている。大体長谷川だけが行っているだけではあるが…まぁ本来それで良いはずなんだよな。

 

この年のラジオは『ぼっち・ざ・らじお!』で交代制パーソナリティをしており、青山吉能との茶番が担当回では見れる。体調が最悪の場合苛つくかもしれない。

あと後述する『ワールドダイスター』のラジオ、『ワールドダイスターRADIO☆わらじ』がこの年開始。こちらは同じ事務所の後輩である石見舞菜香とのラジオとなっており、先輩後輩感が滲み出ているところもあるラジオである。

 

2023年は、『ワールドダイスター』静香役を演じた。

演劇という所をベースとした、原案がタカヒロのメディアミックスコンテンツである。

主人公の鳳ここなの一番の理解者で親友というポジションであり、その上で作中において色々と明らかになるキャラという感じだった。

作品として、演劇・舞台の方向での演技というのを各種キャラクターが見せる作品ということで、今までにない演技の仕方みたいな所が見れるという所もあった。

こちらは『ワールドダイスター 夢のステラリウム』として音ゲーが配信中。なんかやたら音ゲーとしてガチな傾向になっていて、オプションとか含めて音ゲーガチ勢にも通用する音ゲーソシャゲとなっている。

 

この年は、アニメメインとしては、『私の推しは悪役令嬢。』でレーネ=オルソーを演じている。

メイドポジ、なんかこの辺りから急に増えてきた印象がある(なんでか知らんけど)

良いメイドポジではあるのだが、作品の中でちゃんと動いてくるところがあるキャラである。

 

あと、全然メインでもなんでもないが、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では幼少期のグエルを演じて話題になっていた。

 

ゲームの方では、全年齢ノベルゲーとして一定以上の成功を収めた『ATRI』とほぼ同じスタッフが作った『GINKA』(フロントウイング)で、メインヒロインであるギンカを演じている。

こちらはノベルゲーとして挑戦的な箇所もある作品となっており、演技としても様々な演じ分けや、感情面の演技が印象的なものとなっており、『月姫』に続いて、ノベルゲームでの長尺演技が見れる貴重な作品となっている。

OPの歌唱も長谷川が担当しており、非常に長谷川要素が多い作品とも言える。

 

2024年は、『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーにて、初のアニメ主役・主演を務めることになった。

ここまでのメイン続きでそんな気がしないという人もいるとは思うが、ヒロインポジはやっているのだが、主役・主演と呼べるものはこれが初めてであった。

作品としても、ループ7回目とあるように6回人生をやって7回目の人生をリーシェという特殊なキャラクターであり、その人生経験が活きてくる場面が多く、色々な顔、演技を見せるキャラクターとなっている。

まさに別人と言える人生を歩んできているので、声も別人レベルになるので、初主演にして多くのことを求められた作品であり、長谷川の一つの集大成と呼べるキャラとも言える。

どちらかと言えば女性向け作品ではあるものの、比較的男性でも見れる作品には仕上がっている。

 

また、同クールでは『望まぬ不死の冒険者』シェイラ・イバルス、『葬送のフリーレン』ユーベル等を演じている。

特にユーベルに関しては、2クール目から登場した割に存在感が大きい役となっており、ヤバさをめっちゃ持っていそうなユーベルを非常に上手く演じてくれた印象である。

長谷川の演じ方の特徴が現れているキャラクターでもあった印象がある。

狂っているんだけど、可愛さもある。そういう感じのキャラクターであり、難易度の高いキャラだったと思うのだが…

 

春クールは、『声優ラジオのウラオモテ』桜並木乙女役等を演じることが決まっている。

また、夏には『真夜中ぱんチ』真咲役で再び主役・主演を務めることがすでに発表されている。

こちらも今までになさそうなキャラクターとなっており、どういう感じか期待したい所。

劇場アニメでは、過去朝ドラにもなったことのある『がんばっていきまっしょい』で井本真優美を演じることが発表されている。

ゲーム方面では、PC版から人気があった『ライブラリー・オブ・ルイナ』のアンジェラの声を担当することが発表。

また、『八剱伝』では佐倉志乃を演じることが発表されている。

 

こちらは2023年度としての受賞ではあるが、『結束バンド』として『第18回 声優アワード』にて、歌唱賞を受賞。大半の楽曲を歌唱している長谷川にとって、大きな賞となったかもしれない。

 

ここ3、4年ほどで、メイン役に登場してから、一気にその出演頻度や存在感が上がってきた声優である。

コロナ禍の中数少ない躍進した声優の一人であり、地位をかなり確立しつつある声優の一人である。

 

 

評価

はい、評価パート。

 

長谷川の声優としての能力という所であるが、現在においては色々と多くの要素においての高さというのを見せることが出来ているように感じる。

その一つ一つを確認していこう。

 

まず、一つ言えるのは、演技力の高さという所だろう。これがなければ、この躍進はまず存在しないと思われるので。

声優としての演技というのは、役者というモノからより専門的になっている部分というのもあるように感じるわけだが、この辺りの声優としての演技能力という所に長けたモノがあるように感じる。

 

まず大雑把な所で言うと表現面という所に長けている印象がある。

声の使い方とか、選択の仕方が上手で、キャラクターとしての魅力を引き立てる演技が出来る声優であるように感じる。

声の緩急の部分とかの使い方が上手なのが特徴。

これは読む速さもそうだし、声の強弱の部分でもそうである。

細かいことではあるかもしれないが、この辺りの表現が抜群であるように感じる。

ここら編は、それこそ『葬送のフリーレン』のユーベルの表現とかが分かりやすいように感じる。

あのヤバい女というのを強弱や読む速さとかで非常に表現できているように感じる。

ある意味でねっとりとした演技をしている部分もあるのだが、聴いている側をゾクゾクさせてくれる部分もある演技は素晴らしい。

 

長谷川の発音のエッジ(エッジボイス)に関しては、どちらかと言うとカーブ型であるように感じ、それが緩急の部分にも繋がっているような感じがする。

発音の仕方が曲げている感じがあり、その部分がこういう引き立てる演技に繋がっているのかもしれない。

まぁエッジがカーブ型だと、喉への負担という所はあるので、これが加齢に伴って高い声が維持できるのかという所は今後を見ていかないといけない部分ではあるのだが…まぁ今は良いだろう。

 

喜怒哀楽の表現に関しても、『86-エイティシックス-』のレーナや、『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』リーシェ等で分かりやすいような感じがする。

レーナに関しては、この喜怒哀楽の要素に加えて、キャラクターとしての成長という所も加算されてくるので、初ヒロインとしては求められることが多かったのだが、その表現を両方しっかりとすることが出来ていたように感じる。

成長していく中で、喜怒哀楽の表現方法にも違いが出てくることも一つ言えることであり、演技としての強みを出せたのかなと。

『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』リーシェの方では、複数回人生を歩んでいるからこそ、それぞれ人生においてのキャラ性の違いみたいな物があり、それが見え隠れするところがある。そういう所では、喜怒哀楽に関しても違いが出てくるわけで、そういうのをしっかりとそれぞれ演じており、違いを見せながら演じることが出来ていたのではないだろうか。

当ブログの名鑑では、演技としてのキャリアハイはレーナと言い続けてきている。まぁそこにリーシェも並んできたのかなとかは思う。

あくまでもリーシェはレーナ後にやってきた事を全て出す集大成という感じで、新たな面が見れた…とまで言うことは語弊が出そうではあるものの、集大成としての完成度は高いので。

 

逆にミホノブルボンとかは感情が出るタイプじゃない中で、上手い感情無し演技をしつつ、出す所では出す!みたいなバランスと加減が難しい役柄だったが、そこをちゃんと演じたのかなと。

感情表現と言っても、色々なモノがあるわけであり、それをちゃんと役柄ごとにマッチングが出来ているのが良い。

 

ギャグからシリアスまでしっかりとカバー出来る演技力があり、それによって色々な感情をやらせても強いということになるし、その上で感情表現のコントロールが上手。

単一的な喜怒哀楽だけではなく、複雑な心境、感情というのをしっかりと演技で表現出来ているのかなと。そういう所が出来ているっていうのは、声優としてはかなり評価出来る部分になってくるように思う。

なお、この中の感情表現で一番破壊力があるのはデレ演技だと思われ、『弱キャラ友崎くん』の二期では、この辺りの表現が非常に使われている。

恋する乙女のような演技をすることって長谷川はあとは『恋は世界征服のあとで』のデス美くらいしかないのだが、それぞれ強烈な破壊力を持っている。ここが真芯かもしれない。真芯かもしれないけど全然使われていない。ストレートヒロインをあまりしないからという所はある。なぜしないのか?に関しては、まぁ他に曲者の演技が出来るからだと思う。ストレートヒロインしか出来ない人間に座席は残しておかないと声優という世界は回らないから。それはそれとしてストレートヒロインももっとしろ。

 

また、滑舌・発音の明瞭さという所が素晴らしい。

この辺りは当初はそこまでじゃなかった時期もあったのだが、メインに出てきてから急速に成長した所だと思う。

滑舌と明瞭感という所は本当に出たなと思うというか、籠らずに真っ直ぐ明瞭に届く感じがする。

これはどんな役であっても通るに越したことはないし、これがどのような役でも基本的にちゃんとしていることで、特定の役柄になると問題が発生するみたいなこともなくなっているんだと思う。

表現の部分は筆者が追い始めた当時からあったが、このあたりのハキハキ感というか、滑舌とか発音が良くなったのは2021年途中~2022年上旬くらいで明確に差を感じられる部分だったかなと。

やっぱり人気になってくるとやることが増えるので、結果声優の技量的成長は鈍化することが多いと感じる中で、人気が出てくるタイミングで良化したというのはいい傾向だったなと思う。

これに加えて、息の使い方とかの所も上手な印象があり、セリフ前に入る呼吸とかそういうので感情や状況という所を示すことも可能な感じがある。それでいて、自然な呼吸な感じとかも上手だしね。

 

こういう所を総合して、長谷川の演技というのは『情報量が多い』という表現をしたくなる。

一つの演技で伝えられる物が非常に多いというかね。

一音に対して入れれるものが多く、色々な感情を複数入り混じった感じというのを短い音、なんなら「えっ」「あっ」とかそういう一音とも言える反応でもしっかりと感じることが出来る演技が出来ているんじゃないかなと。

感情の移り変わりとか、そういうのを物凄くダイレクトに感じられて、ちょっとした起伏とかも演じているセリフで感じやすい。

こういう所が積み重なって、今の演技力の高さというところに繋がっている感じがある。

前述した通り、彼女が顔を見せ始めたのは2020年、本格化は2021年と近年である。それでありながら、安定した演技、堅実な演技という感じの安定感をしっかりと出せている。

これはそれまでに多くの作品で、モブ含めて出演を重ねてきたしっかりとした基礎というのがあり、その能力がメイン役としての居場所を作り、そういうポジションを任せられることによって更に良くなって行った結果というものなのかもしれない。

コロナ禍の中躍進できたのは、そういう様々な経験をしてきた中で、見てくれていた人間というのもいたからなんじゃないかなと感じる。

 

続いて、演技幅の部分。

ここは筆者としては当初はそこまで高く評価していた部分ではなかったのだが、そんなことを吹き飛ばすくらいには、近年の長谷川は色々な役柄での演技というのが増えており、様々な役を演じている。

これは致し方ないことではあるが、当初の出演数が少ない段階で演技幅に関して評価するのは単純にサンプルが少ない以上仕方がない所ではあったのだが…

元々は声幅自体は広くはないが、その中で細かく声を変えられて、役・キャラの違いというのを比較的識別しやすい…くらいだと思っていたのだが、そうではなかった。

 

まず最初に驚いたのは、前述した通り『月姫 -A piece of blue glass moon-』でのネコアルクの演技。ああいう系統のキャラをそもそもやってこなかったのはあるのだが、やらないのはそういうのは出来る感じじゃないからだと思っていたし。

ああいうコミカルな演技かつ、あまり聞いたことのなかった音域での演技、かつ歴代声優陣にリスペクトを持った演技というのを提示されたのは非常に驚いた。

ちゃんと元のをリスペクトしつつ、自分の演技を作るっていうのは後任者系統の声優での難しい部分ではあるのだが、その中でうまくバランスを取りながら、今まであまり聞いたことがないような声での演技を披露されたのはすごいなと。

あれでネコアルク自体のオーディションはしていないっていうんだから、なんというか…

アルクの演技という所も非常に色々な表情が見れてよかったのだが、インパクトとしてはネコアルクの演技の方が個人的には上回ったのかなと感じる。

 

『くノ一ツバキの胸の内』のシオンとかで、ようやくちゃんと低音側の確認が取れたなという感じはある。これに関しては地声はこっちに近いんだから出来るだろとは思っていたのだが。

最近の声優業界はどうしても同系統の声に固まる所が普通にあるので、そういう所もあってかこういう役柄がなかなかいなかった。

数自体は少ないのだが、間違いなくこっちの声でもやっていけるだけのポテンシャルは存在し、かっこいい系統のキャラとが増えても問題はないだろうなという印象。

こちらに関してはまだそんなに使っていないということもあり、普通に今後の作品という所でこの辺りがより使われるタイミングとかが楽しみな所ではある。

 

『GINKA』ギンカ役では、こちらもあまり聞いたことがなかったロリ系統に近い声というのが出てきている。

こういう幼い系統の役をあまりやってこなかったという所はあるが、こういう所もしっかりと網羅できるんだなという感じがするのが良い。ちゃんとロリ系統の演技というのをしていて、めちゃくちゃヒロインとして良い演技をしており、この音域・キャラ性でも問題ないことを証明した。

こちら、謎の少女のCVも長谷川となっており、比較的クールな演技というのを確認することが出来る。そこのうえでの可愛さみたいなものを感じることが出来ており、こちらはこちらで良い演技をしている所がある。

月姫』もそうだが、ノベルゲームにおいて、長谷川は色々な役柄と難しいものを要求されているが、それをクリアしてくる印象。

適性を感じざるを得ない所はあるが、こういう作品の中で声幅が求められたりする所で輝けるという所はありそう。

結構出演作が増えている中で、その中でも今まであまり聞いたことない声の種類というのが出てくるのが凄いなというか、引き出しまだまだあるぞと感じさせてくれる。

 

年齢感と高低、こういう所の幅がしっかりとあることがどんどん明確になっている感じがあり、筆者はこういう声幅があって、細かい引き出しもあるタイプの声優が本当にすきなのだが、長谷川がそうなってくれることは非常に嬉しい…というか、当初を考えると嬉しい誤算である。

現在の業界の傾向として、どうしても声の設定というのは固定することが多いなかで、長谷川は現在においても、様々な声設定のキャラクターをバンバン演じてくれており、所謂長谷川のストレートなタイプの声設定というのは、あるにはあるものの、それだけではないという所を見せてくれているし、そういう役をもらっているという事実が、声幅・引き出しがある声優であることを証明しているような感じがする。

それこそ、次の主演の『真夜中ぱんチ』の真咲も、今までになさそうな声設定だしね。

 

そして、歌唱。

ここも当初(2019~2020)は、プロフィールとか含めて歌は好きな感じはあったし、カラオケとか含めて話は上がっていた。

上がってはいたのだが、とにかく長谷川が歌唱する楽曲というのが少なかったのもあり、評価するのは極めて難しかった。

その中でも、キャラでの歌唱という所は評価していたし、歌声も伸びる系統で、上手そうな感じはあったのだが、実際の歌唱力を測れる程ソロ楽曲もなかったので、判断するのは難しかった。

なお、ラジオなんありの最初のイベントではカラオケパートがあり、現地民の評価はガチで高かったのは記憶している。

 

という状態のまま、『ぼっち・ざ・ろっく!』を迎えたのは、ある意味で幸運だったような気がする。

何故かウマ娘でもソロ楽曲が制作されなかったこともあり、誰も長谷川の実力というのを把握できていないに近かったので、蓋を開けた時のインパクトが結果的にすごいことになった。

世間的には声優の歌には聞こえない人もいるんだろうなと思う程度には、しっかりと歌唱できていたし、音程という所はしっかり取れているのは勿論のこと、歌声としての伸びやパワーというのを非常に感じることが出来たように思う。

音程の正確性とかは当初から評価している部分ではあったのだが、その確度がより上がっている感じがあったし、歌い方とかがお前本当になんでここまでまともな歌唱作品なかったんだよっていうくらいの歌い方、低音系統でパワーで殴れるタイプの歌唱をしており、これは筆者も流石に想定外のレベルで驚いたことを良く覚えている。

 

よくよく考えると大昔『声優養成所 サタラーナZ』に長谷川出てたことがあって、言われてみれば歌うの上手かったなあ…って思い出したのはこれからだいぶ後だった。(あれ2018くらいなんだよな…てかサタラーナに長谷川が出てたって知ってる奴どれくらいいるんだろ。ちなみに歌ったのは『扉の向こうへ』だったはず。確か。)

なんでこんな逸材が埋もれていたんだみたいな言い方されたくらいには世間的にも衝撃的だったらしい(いや声優としては86とかで普通に出てただろとは思うのだが、歌に関してはそう)

低い所から高い所まで、歌でも音域が広い方だし、ビビるビビる。スタジオライブの動画とかでもめちゃくちゃ歌えててビビるビビる。

 

これでじゃあライブで歌ったらどうなのか?という所はあった。収録とライブはやはり違うところが大きい。舞台上で動きながらパフォーマンスをする必要があるからだ。これはウマ娘でもやってはいたものの、それはあくまでもグループでの歌唱においてのことであり、ソロでは話が変わってくるのは明らかだった。

流石に最初のぼざろイベントの際は体力的な課題が見えた。明らかに2曲で燃料切れを起こしており、ベストパフォーマンスではなかった。

まぁそもそもここまで一回もソロでライブ歌ったことない人がハードルガン上げで立たされるのはハードゲームだったとは思うのだが、やっぱりそりゃ難しい。そこまで求めるべきことでもないように感じる。

 

ただまぁ一ヶ月後にライブが行われるとなると、ライブ大丈夫か???とめちゃ思ったのだが、めちゃくちゃ仕上げてきて本当にびっくりした。当人がぼざろイベントで相当ライブ歌唱に関して危機感を覚えたらしく、ジムなどに通って体力作りや、カラオケに籠もっての発声の所をやったりとか、出来る範囲での準備というのをしていたらしく、この辺りの努力、修正能力の高さというのは素晴らしいと思う。まともにソロで歌うの二回目でで10曲以上歌わされるなんて鬼畜なんだけどな割と。

これが出来ちゃったんだよな長谷川。クソ強いやんと。演技できて歌出来てクソ強いやないかと。こんな声優現代で生えてくるんかと、ありがたいという言葉以外ないのよ。

その後も、NHKやANIPLEX等、各所ライブにて長谷川はライブでのパフォーマンスを行っており、継続的にパフォーマンスを続けている。

これもあって、歌唱賞を獲得したという感じであるが…まぁ作品パワーもあったが、長谷川の力の部分も間違いなくあっただろう。

このぼざろの経験もあってかウマ娘に関してのパフォーマンスも向上している印象で、ソロ曲もないのに引っ張る立場になりつつある状況である。それはそれとしてソロ曲は作れよ。

 

トーク力に関してだが、元々から普通に喋れていたと思う。

本当に若干初々しかったのって、『長谷川育美・佐伯伊織のGO FIGHT WIN♪』の最初の頃くらいであり、別にその時から喋れてはいたし…

『第85.5区情報局』とかのときには普通になんか立ち回りとかも上手になっていた印象もあるし、普通にラジオとしての評判も良かった感じがある。

『長谷川育美・川井田夏海のなんにもしたくありません』が現在における唯一のノンタイアップラジオとなっており、ゆるいながらも続くラジオとして、リスナーとの距離が異様に近いラジオとして動いている。

『ワールドダイスターRADIO☆わらじ』は、事務所先輩後輩の石見舞菜香との絡みが安定しており、最近はお互いの差し合いが強くなりつつあるようにも感じ、割とタイアップラジオでありながら安定感があるラジオとなりつつある。

『ぼっち・ざ・らじお!』は青山吉能との茶番がやたらと見れる。長く続くラジオとなっているが、どういう評価をするべきかは微妙。

『魔女のふろーらじお』が現状最も新しい現行ラジオ。最近響ラジオステーションとかいう辺境にXスペースから移動となった。七瀬彩夏との初絡みラジオではあるが、そんなに悪くない。コーナーや企画が割と面白く、ほぼ始まっていないに等しいコンテンツのラジオではあるが、ラジオとして割と面白みを感じれるものとはなっているか。

 

物凄く喋りで目立つタイプというわけではないと思うのだが、仕切りとか含めて普通に回せるくらいにはしっかりしている印象がある。

状況によってボケかツッコミかを選ぶところがあり、基本的にはツッコミに回ることの方が多いだろうか。

最近は特にバッサリ行く所は行くキレというのが増している印象があり、この辺りが喋りにおいての長谷川のキャラ性となりつつあるようにも思う。

あまりキツくなりすぎないで欲しいとも思うは思うが、キレ自体は増していていい感じではあるし、喋りにおいての強みみたいなものは出ている印象なので、悪くはない…というか、基本的には良いことだと思う。現実、生放送や番組系での存在感は、以前よりは増したようには感じるし。

周りにツッコミがいるとボケに回る所がある。ボケに回った時はマジで意図的にボケているという感じであり、この辺りの立ち回りというのももう手慣れたもんな気がする。

元々は、自分を『怠惰』の2文字で評していた時期も結構あったが、最近は前述したようなジムなど、能動的な動きというのが増えている模様であり、そういう所も変わっているところがあるようである。

 

 

長谷川育美という声優は、この現代声優業界において、確実にしっかりと段階を踏んで登ってきた声優の一人という感じで、現在においては珍しい形となった印象である。

 

恐らく当初から一定以上の能力はあったのだろうが、それがアニメ等明確に表舞台に出てくるまでには、時間を要したようにも感じる。彼女のデビュー時期を考えれば、もう”若手声優”という枠組みには入るべきではないキャリアを積んでいると思う。

ただ、それだけ時間がかかったとは言え、出てくるまでの間に色々な経験を積めたことで、現在の長谷川の能力があり、出てきた頃には十分すぎる能力があって、躍進に繋がっていったという言い方も出来ると思う。所謂下積みと言える期間が無駄ではなかったことは、まぁそりゃそうだろうということである。

そして、いざスポットライトが当たった時に、効果的な活躍をした上に、作品としても話題性があるものに立て続けに出演出来たこともあり、一気に注目を集められる…ということも多かったように感じる。

抜擢も多かった中で、その中でしっかりと実績を残し、その上で能力としても成長出来たようなところがあるのも良かったように思う。特に抜擢当初はコロナ禍ということもあり、先輩声優の演技を直接見ることは出来なかったと思うのだが、その中でもちゃんと成長できていたのも良かったポイントだったのかなと。

元々から目をつけられてはいたのだろうが、こういう確実な下積みから一気に浮上していくというパターンは現代声優業界においては珍しいタイプであり、そういうのが出来たのは、やはり長谷川の能力があってこそである。

 

演技という所においての、表現力の高さと、感情表現の上手さ、として引き出しの多さという所は評価されている印象であり、様々な声のキャラを色々と演じているのは、まさにこれぞ声優という感じであり、万能型となっていきそうな感じがある。

 

能力としてもやっていく中で判明していくものも多く、歌唱という所は当初は全くサンプルがないと言っても過言ではなかった所から、現在においては最早歌唱のイメージがある声優ともなっていて、遂には個人名義のカバー楽曲においてCD限定特典とかいうポジションにされ、『長谷川育美で数字を稼げる』という判断をされるような所にまで到達してしまった。(まぁそりゃ長谷川がDon't say "lazy"歌うって言われたら興味は持つよ)

各所でのパフォーマンスは、声優としては十分なものであろう。

 

長谷川の最大の強みというのは、恐らく向上心なのではないかなと思う。

現状に満足しないというか、もっと良くなりたい、上手くなりたい、こういう風にしてみたい…みたいな姿勢というのが、当初から現在に至るまでずっと貫かれているように感じる。

だからこそ、色々な演技というものを求めているように思うし、歌のパフォーマンスに関しても、より良くなるようにという所を考え続けているように感じる。

声優として必要なモノを持っているという感じがして、キャラクターを演じる上で、そのキャラクターの人生を背負うという覚悟さえ見えるような所があるし、

歌のパフォーマンスに関しても『声優』という領域を越えて、しっかりと一歌唱者として、本業にも負けないくらいの気持ちというのが垣間見える時がある。

こういう姿勢が、色々な能力が伸びていき続けている所があると思うし、だからこそ出演作が増えていっているのかなという風にも感じるわけである。

 

筆者としては、少なくとも5年以上はこの声優を追ってきたつもりだが(現地に全然行ってねえだろお前は)誰が2019年とかに今の長谷川を想像できたか。

声優としての能力への期待はもちろんあった。あったけどここまでのスピードで駆け上がっていくとは想定していなかった。そして、ここまで能力があるとも思っていなかったと思う。

歌唱に関しては想像もしていない。サタラーナを覚えていたら、多少は思ったんだろうか。それでもまさか声優アワードの最初が歌唱賞なんか思いもしないだろって感じでしかないし。(まぁそれでも今度は助演か主演取ろうなとは思う。それだけの声優だから)

 

表にバンと出てから、言うてまだ5年経っていないと言って良い長谷川。

主演とかも増えてきて、声優としての立ち位置というのは確立しつつあるようにも思える。

ファンも増えてきているように思うし(まぁ長谷川を一番手にしているファンがどれくらいいるのか?とかはわからんけど)積み上がってきている物は間違いなくある。

躍進していく中で、やはり長谷川という声優は演技があってこそだと感じることも多い。ぜひ長谷川は歌の声優ではなく、演技の声優であるということをより知らしめて欲しいとか思ってしまう。それだけあまりにも駆け上がるもんだから。

今後の長谷川にも期待である。

 

以上。