ちゃろ~、おにじです(激寒)
エロゲとノベルゲばっかりやりながら、FIFAのキャリアモード何でしようかなあと思っています。
今回は、前々から言われていた今このタイミングでPCのノベルゲームに参入するとか言う中々クレイジーな事をしている『ANIPLEX.EXE』の奴を。
今回は『ATRI -DEAR My Moments-』の体験版のプレイ感想・レビューとなります。
先に言っておきますが、『徒花異譚』の体験版は出さないからよろしく(
プレイ前所感
斜陽と言われ続けるエロゲ、ノベルゲ業界。
そこに今アニプレックスが参入してくるとは思わなかったわけで。
今年は『マルコと銀河竜』(TOKYOTOON / 2020)と言い、全年齢新規参戦がちょっと目立った年なのかもしれない。
そんな『アニプレックスエグゼ』が送る最初の二本の一つが『ATRI -DEAR My Moments-』である。
この作品は、『グリザイアシリーズ』や『ジブリールシリーズ』等を制作したフロントウイングと、
『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』(こっちは系列のケロQではあるけど)や『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』等を制作した枕が組んでいるとか言うもうこの時点でヤバそうな作品だ。(サクラノ刻はどうしたとか言わない)
企画・シナリオは『この大空に、翼をひろげて』(PULLTOP / 2012)等を手掛け、今回からフロントウイング所属となった紺野アスタ。
原画・キャラクターデザインは、今回初原画となるゆさの(サクラノ刻からチーフグラフィカーらしい)と、
ケロQ・枕ではおなじみの一人である基4が担当。
音楽も、『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』等数多くのケロQ・枕作品を担当している松本文紀。
アートディレクターはケロQ・枕の社長でもある、SCA-自の布陣。
演出Yow、背景わいっしゅ…と、まぁなんというか強いメンバー揃えてやりましたよみたいなメンツである。
OPの『光放て!』は歌:柳麻美 / 作詞:紺野アスタ(Frontwing) / 作編曲:松本文紀というメンツ。
作編曲が松本文紀だからもう曲はただの枕。サビの展開とかサクラノ詩をめちゃくちゃ思い出す。
全年齢ノベルゲームとしても異様に豪華なメンツと言え、これをSteamとDMM GAMESで2000円(税抜)で売るというんだから、なんかまぁヤバそうなゲームが出てきたぞという感じにはなるわけですよ。(まあ短いんだと思うけど)
終末系の雰囲気を感じる世界観設定ですが、相変わらず青いんだなあと思ったり?(なんか紺野さんの作品は基本青いイメージが勝手にある)
『ノベルゲームだから、おもしろい』をスローガンに掲げるアニプレックスエグゼが送る最初の作品の一つのこのゲームは、スタッフ陣がガチで豪華でありこのスタッフ陣が全年齢で2000円で何が出来るのか、どのような話となってくるのか…注目していきたい所だ。
UIチェック
.xp3のデータがあるため、エンジンは多分吉里吉里Zだよ。
初回起動時、言語設定が出てきます。
対応言語は日本語、英語、中国語(簡体、繫体)となっている。
画面表示設定です。
画面オリジナルサイズは1280×720のHD画質です。
ウインドウを自由にサイズ変更も可能。
ここでも言語表示を変更することも可能。
『曲名表示』はデフォルトではしないに設定されている。
『ボイス再生』と『ボイス登録』のボタン表示をオン・オフも存在する。
プログラム設定です。
ゲーム再生速度及び、音声再生速度の変更が可能。
ドラマチックモードを搭載しています。(これあんまり見ないよね)
台詞があるシーンでは、字幕を表示しないモードです。
外部音声ツールと連携の機能があります。
主人公及び地の文をいわゆるゆっくり音声みたいな物で再生が出来る機能です。
ある程度覚え込ませておかないと発音を間違いまくるこの機能ですが、オートで流し見する際は割と使えなくはない機能です。
…というかこの機能ゆずソフトとかあざらしそふとくらいでしか見たことあんまないかもね。
テキスト設定です。
テキスト速度はデフォルトで80に設定されており、早めになっています。
オートモードに3タイプが存在する等、詳細な設定が存在する。
テキストのフォントは固定となっており、多分源ノ角ゴシックのBoldだと思う。
マルコも、9-nine-もこのフォントである。多分。
サウンド設定です。
マスターボリュームが存在します。
BGMをボイス再生時に落とす機能がデフォルトでオンになっています。
ボイス再生時にクリックすると次の文が主人公又は地の文であっても停止されるボイスカット機能がデフォルトではオフに設定されています。
システムボイスは右に表示されている5名から自由に選択が可能です。
割と珍しくない?と思うのが、各キャラクターのボイス音量設定のデフォルト値が、めちゃくちゃバラバラな事。
実際このバランスで良いなと思ってプレイしたけど、普通はオール100じゃないの?声の性質とかで変えてるんだろうけども、なにこれってなった(
ダイアログ設定。
クイックセーブだけデフォルトで確認がオフ。
タッチ設定。コイツ、タッチUIにも対応しているし、割とタブレットとかでも出来そうな雰囲気だ。
タッチUIにすると、右側にカーソルをやったりすればこの表示が出るようになっている。
ショートカットの確認です。まぁこの確認がないゲームって逆に困る。割とあるけど。
セーブスロットは10×15で150スロットです。
チャプター名と日時、台詞が表示されます。
プレイUIです。
概ねの機能は分かりやすく揃っています。
左の3つは上から、非表示、ボイス再再生、お気に入りボイス登録です。
そう、このゲーム、珍しくお気に入りボイス機能が装備されています。
スロットは10×10と正直クソ少ない。これはページ追加が欲しい所。
お気に入りボイスの表示方法は名前、チャプター名、台詞が表示される程度で、最も近いお気に入りボイス表示は恐らくサノバウィッチ(2015 / ゆずソフト)になると思われます。
お気に入りボイスはありがたいが、ページ数は欲しい所。他社に搭載されているのは基本ページ増やせるので。
UIに関しては、結構ノベルゲームとしては優秀な機能が搭載されている比率が高い印象で、現在UI的な面でリードしているゆずソフト的なところも少なくない。
ただ、画質はHDだったり、細かい設定の所がなかったり、スロット数の問題など、ここまで来たら徹底して欲しいという我儘には応えてくれない感じだなとも思った。
とはいえ十分優秀。非常にありがたい仕様である事には間違いない。
プレイ雑感
体験版範囲はそれなりにあり、一段落させてくれる所まではプレイできた。
原因不明の海面上昇によって人類が緩やかに衰退して行っているという設定の今作は、主人公が義足の男である事が、一つ特徴的な要素かもしれない。
事故に遭って右足を失っている主人公斑鳩夏生(いかるが・なつき)。エリート校に進学していたが、とある理由で休学し、祖母がいた海辺の街に移り住んでいる。
祖母が亡くなり、祖母が残したとされる借金と、自分の新しい高価な義足の為に、海に沈んだ祖母の家の倉庫をサルページする。(借金取りを自称するキャサリンに持ちかけられる)
そこで見つけたのが、ロボットであるアトリ。
祖母の助手をやっていたらしいが、長年海底に沈んでいた事もあって記憶が欠落している。
『マスター(祖母)の最後の命令を果たしたい』とは言うものの、その内容は不明。
売るまでの45日間、夏生の足になると言い出す。
このアトリとの出会いが、主人公の夏生の気持ちや行動、周りの人間も巻き込んで変わっていく…
というような序盤の展開となっている。
この作品の一つの要素としては、キャラクター達の心情や行動の変化と言った点でしょうか。
主人公である夏生は、右足を失っており、それがトラウマとなってあるはずのない右足が痛むという症状があったり、
エリート校に通い始めた頃の『自分が地球を救う』というような思いが馬鹿だったと否定しており、自分では何も変えられないという考えになっている。
衰退して行っているこの世界で、半ば孤立状態でもある街である事もあり、どちらかと言えばネガティブな思考が強い傾向があります。
そこの所の変化が、まずこの作品の一つの要素かなあと思ったり。
前述のあらすじより少し奥の話となりますが、学校のキャラクターなどにもこの事は言える面が多く存在しますし、キャラクター一人一人に結構深みがあるというか、ちゃんと作り込まれている印象があります。
プレイのバックログ画面には、ジャンプ機能や台詞再生機能、お気に入りボイス機能に加えて、シーンジャンプが存在し、チャプター毎に飛べる簡易型フローチャート(まぁこの作品は一本道だろうからフローチャートではないのだが)とも呼べる機能も備わっており、プレイする面での色々な所に快適な要素が含まれている印象がある。
キャラクター面
斑鳩夏生(いつるが・なつき)
一応ちょっとだけ書いておく。
主人公。目つきが悪い。右足は合ってない義足を付けている。
この作品においては、主人公の考え方等の変化が大事になってきそう。
体験版範囲でもかなり前向きな方向に進んだ感じはある。
元々がエリート校に通える程度の知識を身に着けていた事もあり、モノの制作や、教えることには結構やる気を見せる感じ。
アトリの出現によって、多くのことが改善しているだけに、一応最初売りに出す事になった件とかがどう関わり終わりを迎えるのだろうか?
アトリ(CV.赤尾ひかる)
ロボットに見えないロボット。
高性能を売りにしているが、かなりポンコツ。料理などは出来たものではない。
とは言え力仕事などは簡単に出来るし、夏生の夜の手助け等、プラスになる面も大きい。
基本夏生から離れようとしない方向性がかなり強く、夏生を守るためならなんでもしてしまいそうな勢い。
とにかくあまりにも人間らしい面が強すぎる気もするし、前述の離れようとしない傾向もあり、この辺りの謎がこの作品の展開に関してのキーポイントとなる可能性は非常に高い。
泣く機能は搭載されていない。
CVは赤尾ひかる。
アイムの有能声優の一人だが、今回も結構いい演技をしているのではないだろうか。
かなり高めの声設定だが、ちゃんと演じられているし。
口癖の「高性能ですから」の若干舌足らず感もいいキャラ性を出していると感じる。
神白水菜萌(かみしろ・みなも)(CV.高橋未奈美)
夏生の幼馴染。
優しいクソ真面目という感じで、ほとんど来なくなっている学校の先生代わりをしていたり、なんとか存続のために頑張っている。
純粋、クソ真面目、夏生に学校に来てと言い続けるポジションだし。
素直でいい子ではあるが、すぐに涙目になる印象も。
CVは高橋未奈美。
俳協有能黄金期声優の一人だが、とにかく優しい感じが押し出されている感じ。
おとなしい雰囲気で優しい感じで、結構弱気なところもある感じは、彼女の初メイン役だった『食戟のソーマ』の田所恵の雰囲気を感じたり感じなかったりする。
相変わらずの有能さ加減である。
野島竜司(のじま・りゅうじ)(CV.細谷佳正)
地元の主人公にとっては一個上の男。
とにかく最初はやさぐれており、学校には一応来るが寝ている事が多い。
実家は町工場をしていたが、海に沈んでしまっている。
とはいえ、身体はしっかりしているし、力仕事は出来る上、跡継ぎをするつもりだったので、加工などは出来る。
子供達を取りまとめたりするのも結構上手く、根は優しい。コイツの変化が一番大きいかも。
CVは細谷佳正。
最初のやさぐれている時期から、打ち解けていくまでの変化が顕著なキャラな訳だが、
それを演じている声でもしっかりと表現してくれている。
ノベルゲームとかではどうしても男側の声って印象に残らないと言うか、話に上がらない場合が多いけど、こういう役回りがいてこそなんだよなあと思う所はある。
自称借金取り。祖母の借金を全額返さなくていい代わりに、祖母の遺産のサルページを持ちかけた張本人。
とにかく謎が多く、どう考えても日本人。
結構オラオラな所が目立つのだが…
この人も体験版で印象が結構変わる感じになりそうかな。
CVは日笠陽子。
いつもの日笠陽子。それ以上でもそれ以下でもない。
名波凜々花(ななみ・りりか)(CV.春野杏)
初等部の生徒。
まさに子供って感じで、明るいキャラ性。
主人公に対しては『三人ぐらい殺してそうな目をしている』という理由で『ヒットマン』というあだ名を付けている。
こんな感じのキャラだが、身寄りがなく、学校に住んでいるという境遇があり、子供だが意外と飲み込みが早い部分も。
CVは春野杏。
『マルコと銀河竜』の市長に続いて、ノベルゲームの役をロリで獲得している。
割と一番好きなキャラまであるかもしれない凜々花。
ガキっぽいところもあり、ギャグ要員の一人でもある。「早まるなー!」とか好き。
それでいて、結構真面目な所もあり、地味に賢く、ちゃんと夏生と関わっていけば、見方を変えてくれるいい子。
ちゃんと子供しているが、それでいてちょっと大人というか、真面目な部分もあったりと。
春野のロリ演技はかなり磨かれてきており、発音の仕方とかがマジで良い。
あえて言おう、ブレンドAで最も売れるべき存在は実は春野杏だったのではないかと。(まぁメンヘラ感は拭えないけど)
まとめ
全年齢ロープライスとは言え、話の構成はやはりしっかりしていそうだし、楽しめる内容にはなりそう。
体験版ではOPに出てきた場面がすべて回収されたわけではないので、あの辺はどういう場面なんだろうとか思ったり。
アトリがこれからどうなるのか、この街自体がどうなっていくのか?
割と謎が多い中で、ロープライスのゲームでどこまで面白く、きちんと畳むことが出来るのか?その辺りが重要となってくるでしょうか。
斜陽と言われるエロゲ、ノベルにおいて新しく旗揚げした事は喜ばしいし、きちんと成功してほしいなと思っている。
『ATRI -DEAR My Moments-』はSteam、DMM GAMESにて2020年6月配信予定です。