声オタおにじくんの声学審問H!

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過激派で有名な(?)おにじさんが、声優の事を語ったり。

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おすすめ記事

作者様からダイマされて全巻購入した『 #友達の妹が俺にだけウザい 10巻』レビュー・感想。

おにじと申します。

 

ライトノベルというカテゴリをこのブログ作ってるけど、三河ごーすとというカテゴリに変えても問題ないんですよね。

え~今回も通常版です。理由は顔さえよければいい教室がすぐに出るのと、FIFA23を買わないと行けないのと、長谷川育美と川井田夏海のラジオイベントの配信で17000円以上飛ぶことが確定しているからです。

 

では、感想やっていこう。

 

 

前置き(いつもの)

いつもの!

 

このブログ数少ないシリーズとなっている『いもウザ感想シリーズ』は、

筆者がエロゲである『神様のような君へ』(2020 / CUBE)の霧香ルートをプレイして、これは良いものを読んだぞとなり、

oniji.hatenablog.com

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これを書いているのが三河ごーすと先生(いもウザ書いている原作者様)で、ラノベ書いておられるのは知っていて、それで目についた…というか友人から勧められたのが『友達の妹が俺にだけウザい』だった。

でもって、1巻買うかあと思っていたら、三河ごーすと先生自ら

「読者ではなく作者ですが4巻まで出てるので是非4巻まで一気読みしてください。(ダイレクト営業)」というリプを頂き、結局当時の全巻を購入、以降新規巻が出ると感想を出し続けている。

 

↓過去記事

oniji.hatenablog.com

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そんな三河ごーすと先生は、『顔さえよければいい教室』(富士見ファンタジア文庫)、

 

『怪物中毒』(電撃文庫)を、スタート。

 

『義妹生活』(MF文庫J)も、アニメ化決定。

 

そして『神様のような君へ』以来のエロゲシナリオを『サメと生きる七日間』(CUBE)で担当。今回はメインシナリオ、統括を担当するということで、より深くという感じ。こちらも期待。

www.cuffs.co.jp

 

うーん、三河ごーすと先生って本当に1人なんですかね。出しすぎじゃね?

感想書いてる側が追いついてないですからね。ちなみに『怪物中毒』も購入してはいますが、感想記事出すかは不明です。

『顔さえよければいい教室』も、2巻以降書くのかは、当記事を書いたあと3、4記事くらい書かないとダメなので、それを書いて気力が残ってるかどうかみたいな所あります。

はい、じゃあ雑感です。今回は短く書くぞ!という意思を持って書きます。

記事が渋滞しているので。ごめんねごーすと先生!(

 

雑感

ウザさと無縁の中学彩羽

「こちらの人は?」

「クラスメイトのアキ。お隣さん。友達」

「ふーん、友達……えっ、友達!?」

(略)

「小日向……乙馬くんの友達やらせてもらってます、大星明照です。よろしく」

「あ。えっと――いもうと、の、小日向彩羽です。あに、が、お世話になってます」

p14

昔はこんなんじゃなかった、というのは言われ続けてきていた事だが、中学時代の彩羽はたしかにウザさとは無縁なキャラクターに見える。

というか、小日向家の人間、明照に人生を捻じ曲げられすぎだろとなる(元々から思ってたけど今巻。

今回は完全なる過去巻となるということで。

というかこの話をずーっと聞かされる真白って、たしかに気になるから聞いたんだけど、なかなかしんどい所ありそうだよなあ…w

 

 

音井さんは総長!

「音井さんだ……」

「マジかよ、あの音井?退学になったって噂だろ?」

「それは言い過ぎ。たしか停学でしょ・そういえばうちのクラスだったよね」

「今年初めての登校じゃね」

「《紅鯉無尊》(クリムゾン)の総長、音井……初めて見たけど、オーラやべえ……!」

p19

「おまえらみたいな考えなしの馬鹿は、《紅鯉無尊》にはいらんのよなー」

「あ……ぐ……あ……」

「イジメとか暴力ってのはさー、ふつうに犯罪なんよ。学校の取り締まりが厳しくなったり、警察が目を光らせるようになったら、どう責任取ってくれるんだ?」

「……ご、ごめっ……なさっ……」

「おまえらのやってることは、ウチらの活動の邪魔になってるんよなー。わかるかー?

p24

これもまぁ予告の画像とかで分かってたけど、音井さんって昔不良だったんすね。

喋り方変わらんけど、なんというかこれだと意味合いが変わってくる。ちなみに三河ごーすと先生はめっちゃ音井さんが好きなので、色々と属性が盛られているという言い方もw

でも初登場の段階で、めちゃくちゃ不良って感じはしないというか、なんかラインはありそうだなあというキャラですね。

というか、これが分かると、9巻の音井さんの意味合いも変わってくるというかなんというか。

 

「やってくれたな、あんた」

「…………っ」

強い力で肩をつかまれて、思わず顔を歪めてしまいました。目の前でワタシを睨みつけているのは、途中で合流してここまでついてきていた、修学旅行中の高校生。名前は確か音井さん。

さっきまで気の抜けた顔でクリームソーダを飲んでいたナマケモノ・ガールとは思えない、殺気立った気配。眼差し、鬼、軍人、殺し屋、大勢殺してきた鋭さ湛えています。

「追いかけんぞ。あんたも手伝え」

「え、ええ……。ワタシも心配、心遣い、します。迷子いけません」

p269

https://oniji.hatenablog.com/entry/2022/01/21/210000

数年前まではこっちの方を使ってたみたいなようなもんですからね。

こういうのも面白いというか。こうして音井さんのアニメでのCVが気になっていく…(

 

 

音井さんの威圧感

「大星と小日向。おまえらちょっと体育館裏までよろー」

「あっ、はい」

p26

「最近その小日向彩羽って子と仲良くしてるらしくてさー。ウチらのチームにも興味を持ってるらしいから、どんなやつかと思ってなー

「不良グループに、興味を?」

(略)

「やっぱそーいうタイプの子じゃないかー」

p30-31

そんな音井さんに呼び出される明照と乙馬。

彩羽が紅鯉無尊に興味を持っているという話が出てくる。

全然そういう不良みたいな雰囲気じゃないけどね。

しかし紅鯉無尊、ちゃんと家族の許可とか云々があってちゃんとしてる所はちゃんとしてそうなのが面白い。

それでもちゃんと不良要素はあるんだけど。あるからこそ明照はアンチ的な感覚を持っている訳だけどね。

そんでもって妹について説明が出来ない乙馬…なんというか、この時の乙馬はほぼ機械みたいなもんだからね。このへんは前から分かってるから。

まぁここから人間に近くなるまでよく調教したよな明照(

音井さんはこーわいけど、ちゃんと考えてくれてはいそう。ただ、それは今の音井さんを知ってるからそう思うのであって、この当時ではそうは思えないよね…w

 

 

お節介変人明照

小日向家を訪れた本当の目的、それは――。

 

小日向彩羽。オズの妹である後輩女子のことを、根掘り葉掘り、探り尽くすことッ!!

 

ストーカーじみてる?うるさい、わかってるんだよそんなこと。

犯罪者一歩手前なのは百も承知だ。キモさ係数クソ高の通報事案なのは覚悟の上だ。

俺はオズの友達だ。友達の妹が不良集団に『興味津々☆接近中♪』なんて聞かされて、そのまま放っておくことなんてできないだろ。

ましてや同居している実の妹なのに、どんな子か訊かれて即答できない兄ってやばすぎる。

小日向家には何か闇がある。

その闇の正体を突き止めて、小日向彩羽って子のことをちゃんと知って、なるべくなら不良入りを防ぐ。それが俺のミッションだ。

いやまあ他人様のことなのに勝手に使命感を持つのはどうなんだと言われたら、そりゃ痛いやつなんだけどさ。

p47

なんというか、当ブログのいもウザの感想を位読んで頂いている方は知ってると思うんだけど、筆者は明照の事そんな当初好きじゃないんですよね。典型的なラノベ主人公要素があるじゃないですかこの人。

でもなんか、明照って変人過ぎるだけなんじゃねえかな、って乙馬の過去の話とかでも思ったんだけど、本当に思う。

なんかね、一回決めた事を曲げないという言い方も不適切な気がする。曲げないってそういうことじゃないよって思うから(

 

 

正直、友達の妹――小日向彩羽が不良行為に堕ちようがどうでもいいんだ。勝手にしろ、と思う。

だが俺はオズの友達で、オズの現状に忸怩たる思いを抱いているわけで。

本当は良いやつなのに、変わった性格と行動のせいで誤解され、教室に馴染めずにいるオズ。

この上さらに妹が悪名高い不良メンバーになったと噂が広まれば、オズの居場所を新たに作るなんて夢のまた夢。不可能になってしまう。

友達がこれ以上、理不尽に排除されて孤立させられかねない環境が生まれる可能性を、俺は放置できないんだ。

p56

明照ってこう、自分が良いと思ったモノに対しての尽くし度がおかしいんすよね。

お節介っていう言葉に入れるのが適切か悩むレベル。

別に当人が求めていようが求めていまいが、自分がこうだと思ったらその人間をどうにかするためだったらなんでもしそうというか。

というか、彩羽に絡んだ最初の理由は彩羽なんてどうでも良くて乙馬の為っていうの、まずこの時点からズレが始まってる感がある。

いや、別にここから明照が彩羽に興味は持っていくんだけど、でも最初の始点としてはそうであるという事実は、明照と彩羽の間での認識のズレスタートな気がしません?

ここ、普通は彩羽の塩対応について触れるべきなんだろうけど、明照のこの変人というか尽くしすぎというか、そういう所の方が目に向いてしまったよ。

この後も音楽がどうのだからって意味不明ラップをする明照とかあったけど、お前マジで手段を選ばなさすぎでは?周りのためならお前はどうなってもいいの?

 

 

新キャラ、浅黄はウザい

「あれ?それうちのガッコの制服じゃないスか。おにーさん、サボりッスか?」

「女子中学生のくせに昼間っから弾き語りしてるやつにいわれたくねえよ」

「うは、正論ウケる。んじゃまあ、ハイ」

「……?なんだ、その手は」

「なんだじゃないッスよ。投げ銭。アタシの歌、聴いたッスよね?」

「強制かよ!払わないからな!?」

p66

ここに来て過去編で新キャラが出てくるのは割と意外だったけど、橘浅黄(たちばな・あさぎ)が登場。

初手からもうウザい。この時点で「あ~彩羽はこの人の影響を受けてしまったのか…」とお察しが出来る感じ。

歌が出来る子みたいだけど。

初手からのウザさみたいな所で。というかこんな所で新キャラを出しても、今まで全く出てこなかったわけだけど…って思ったり。

 

 

音井さんとの恋人関係、適当過ぎる始点

「……大星の、旦那?」

「あー、そうそう。言い忘れてたけどー。おまえ、ウチの彼氏ってことになってるからー」

「あ、ああなるほど。そういう……って、ええええ!?」

「んだようるさいなー。至近距離で大声出すなってーのー」

p79

元恋人みたいな話は前からあった音井さんと明照だけど、めちゃくちゃ適当な始まり方だったりする。

まぁ実際の所音井さんが気絶した明照を主治医に見てもらって云々があるから、助けてもらってはいるんだけども。

そうするしかなかったとは思うけど、それにしてもやり方めちゃくちゃなんだよなあ…w

 

これで紅鯉無尊メンツからもやたらと慕われるみたいな構図が起きたりするし、なんというか色々と頑張ろうとしてややこしくなってない?w

『ワクチンソフトがトロイの木馬』は笑う。でもこれは普通に分かった。意味合いとしては正しいんだけど、なんでそれが一番に出てくるんだよ乙馬さん(

 

普通に学校内でもそれなりにいちゃいちゃする音井さん。

前に不良が疑ってるみたいだからっていうのもあって音井さんがこういうのもやっといた方が良いみたいな感じで考えてくれてはいるんだけど。

それにしても無気力っぽい所は昔から変わってないというか。まぁこういうのを見せれるのは部外者のお前だけだよーとか平然と言うし、肩預けたりしてくる音井さんって中々のパワーだよな。

 

 

明照がウザさ=恋愛をしないの、浅黄のせいじゃん…

「やっば、特別扱いイコール恋愛感情って!ぷ、あははっ、小学生じゃないんスから~」

「…………」

「モテた経験なさすぎて良い絡みもアレな絡みも全部ひっくるめて嬉しくなっちゃうヤツ?いやぁ~筋金入りッスね、センパイ!」

(略)

「アタシ恋なんかしたことないからわかんねーッスけど、好きならフツー好きっぽい乙女回路全開な絡みかたするっしょ。優しくしたり、可愛い姿を見せたり。たしかにアタシがウザ絡みしてるのセンパイだけッスけど、好きならやらねーッスよ。常識的に考えて」

「……漫画とかなら好意の裏返しとかよくあるんだよぅ」

「いやキモいッスわ~。漫画と現実をごっちゃにするとかマジないッスわ~」

「……くっ」

p116

明照もそういう考えの時あったんだねっていうのと、この一件で完全に明照の中でウザ絡みは好きとかそういうことじゃないっていうのが刷り込まれたりしてそう。

別に浅黄が言ってることは現実世界においての正論なんだけど…まぁこの後の彩羽云々を考えると、そうじゃなかったというか、彩羽においての選択肢って浅黄、お前の絡みくらいしかなかったんやでってなるというか…

なんというか、こういう所含めて、明照って周りの影響を受けてるというか…受けに行ってるというか…乙馬のために効率的に生きてやるとかもそうだけど。

明照って芯はあると思うんだけど(意欲的な所含めて)芯ないみたいなムーブするというか。一番芯がないのは明らかに彩羽なんだけどさ。

人の為に根本に近い所を変える努力が出来てしまうのが明照というか。

 

 

スーパーお節介変人×スーパーお節介変人

「だからウチは、あいつらの受け皿を作ったんよ。本物の悪人に影響を受けちまった昔の友達や年下の子たちが致命的に道を外れる前に、おままごとで済むように。他に興味のあることを見つけて、真っ当な道を踏み出すまでの間、不良気分だけをたっぷり味わえるだけの組織――それが《紅鯉無尊》なんだ」

「……!つまり、橘や《浅草下町メタル》の奴ら、《紅鯉無尊》のメンバーは全員――」

「そ。この辺に住んでて、悪い奴の影響を受けちゃった連中」

「…………」

p129

音井さん、めちゃくちゃお節介で良いところの娘が不良集団まがいを作ってるんだよな。

自分が友達追って公立に来たのに、その子が少年院とかも重いし。

それで原因が団地とかにいたマジで悪い連中とかで…っていうのが分かったとしても、ここまでのことをするような人間なかなかいませんし。

音井さんも他の人間を助けるためなら自分を犠牲にするような所があるなと。

この二人の相性という所に関しては間違いなく良いというか、音井さんも言ってたけど、考えている事が近い。

色々なことがあって今があるわけだけど、スーパーお節介変人と、スーパーお節介変人が出会ってしまった…みたいな所はある。

やる気、やると決めたらなんとかしてやるマンの明照と、同じようなマインドを持った上で金がある音井さん…やばそう。

 

 

これを乙馬の為にやってる明照君は頭おかしいと思います

「もしかして、きっかけが欲しいのか?」

「…………ッ」

(略)

「おまえら二人と《紅鯉無尊》が抱える問題、全部まとめて解決する!不良集団を何か他の形に変えて、金や環境にかかわらず自由で楽しい時間を作れるようなグッドアイデアを、俺が考えてみせる!」

「はあ!?何言ってんスか。頼んでないッスよ!?」

「頼まれてないからな!」

「お節介ってレベルじゃないっしょ!大きなお世話ッス!そんなんされてもアタシら困るンスけど!」

「お前らの都合など知らん。俺とオズのためにやるだけだ!」

「だいたい全部まとめて解決って、いったい何する気ッスか」

「まだ思いついてない!」

「ノープラン!?センパイ、ふざけてんスか!?」

p163~165

ここから、ゲーム作ろうぜって乙馬に言って、実査にゲームを作る明照ってなんなんでしょうか。

ここまでのことを乙馬の為にやってるからね。彩羽のためでもなければ、浅黄のためでもねえし。(まぁそうじゃない部分もあるけど)

原動力と行動力が基本的に他人のためなんだよな。自分のためじゃない。

根っからのプロデューサー器質という言い方も出来るかもしれない。

まあ乙馬という存在は、ゲームを作るという所において確かに出来るだろうけどさ…w

こういうモノに熱中してってよく思いつくわ。

他人が他の人に輝く方法とか、そういうのを考える印象なんだよな。でも、自分への矢印というのはあんまりわかってないというか、なんというかね…でも、なんかそうなるのは明照の根本が悪いだけじゃなくて周りも悪い気もしてる。ただ明照が全部真に受けて影響されてる気もする。

 

 

彩羽の才能は環境から

そんな、ほぼ無人の公園の真ん中で。

会話してるやつがいた。

 

「ちょっとちょっとちょっと!HEY!YO!どうして逃げてきちゃったんですか!?浅黄ちゃんと一緒にゲーム作りとか、めちゃくちゃ楽しそうなのにYO!」

「わ、私も……そう思う。……彩羽は不良になりたかったわけじゃ、ないもの」

「実はその……娯楽がなくて退屈すぎるので、自分で勝手に物語を想像したり、自分で演じてみたりしてたんです」

彼女は恥をしのぶような小さな声で、そう告白した。

p215

彩羽はなんであんなに声優として色々なキャラを演じることが出来るのか?というのが、あまりにも制限された環境というのも、なんか皮肉なものというか。

制限した結果、血縁的な才能が開花してますよ~って感じ(

それでそこまで出来るのはヤバイんだけどな…ここから明照とちょっとしたトレーニングみたいなのをしたら完全に開花するからねえ…

そんでもって、このような環境が彩羽に優等生を演じさせることになったとも言えるのが。

だからこの時点でもう彩羽の中での本当の彩羽っていうのがもうなさそうなんだよなあ。

こう考えると本当に根深い問題というか。乙羽との対峙においての問題だよなあとも思いつつ。

 

 

お節介二人いるとブースが出来るらしい

「なんだこのダンジョンみたいな構造……この下にあるのか?

「そゆこと。地下なら防音も完璧だろー」

「たしかに、言われてみたら……けどまあ、活動のためにまさか地下まで用意するとは」

「じーさん、ばーさんまで説得して、将来もらえる予定だった財産めっちゃ前借りしたわー」

「そんなことまで!?人生賭けてんなぁ……」

「おいおい他人事みたいに言うなー。賭けさせたの、半分はアキだぞー」

「それを言われると耳が痛いな……」

音井家に作られた音響スタジオは、彩羽の音声収録をしたり、橘たち《紅鯉無尊》の音楽制作集団が楽曲を収録したりするためのものだ。それらの活動はすべて俺が発案したゲーム制作と関係している

p230

お節介が二人揃うと、音響スタジオが出来るらしい。

しかしまあ、完全に完備という感じで、これが現在においても使われているというのがなんとも凄いというか。

それに仕立てるために金を持ってきて作る音井さんもだし、声優に向けて彩羽をトレーニングしていき、このゲーム制作計画をやっていく明照はどうかしてると思う。

現在における彩羽が娯楽のものを明照の部屋に全部置いてるとか、そういう今の原型みたいな所が続いてるのもいいというかなんというか…w

 

実際、彩羽は魅力的な女子だと思うけど、俺と彼女の関係は絶対に間違いが起こらない信頼でしか成り立たないんだ。

彩羽が俺のことを警戒しなくてもいいように、安心して俺に時間を預けられるように、俺はしっかり感情に線を引く。

そう決めた。

p243

明照の彩羽への根本としての受け答えというか、関係性もここで決まってしまっているのも、今の彩羽と明照の状況を示しているような気はする。

実際彩羽は当初は明照のことをかなり警戒していたし、そもそも明照は乙馬の為にやっているところがあるし。

だから、この初期設定自体は当時のことを考えれば仕方ないのだが、この初期設定を曲げられるような融通が効く(という表現が正しいかは分からないけど…)人間じゃなかったんだよな明照は。

そんでもって、彩羽は元々はそんな感情知らなかったとか、こんなもの知らなかったみたいな感じだからなあ…

特殊過ぎる状態が、全体においての混迷を作り出しているという言い方が出来そう。

誰も悪くないのかもしれないけど、一番気づくべきは明照くんであることは変わらん気も。お前周りに影響受けやすい癖にそういうところではなんで…w

 

というか音井麗紅(おとい・れいく)って…

良い名前なんだけどなあ…良い名前なんだけどなんでつなげて読んだ時のこと考えなかったんだろうか。おトイレ行くになるの…うん…

 

 

純粋彩羽がここまでしたらそりゃ好きになるでしょ明照くん!

「ほら。コイツを持ってけ」

「鍵、ですか……?」

「ああ。合鍵な」

(略)

オズならきっとこう言うだろう。

それは合理的じゃないよね。非効率的だよね。――と。

オズの友達として。小日向彩羽のプロデューサーとして、最善を尽くし、最高効率を目指さなくてどうするんだよ。

p295-296

「ありがとうございます。大星先輩」

杞憂だ、と……すぐにわかった。

大切そうにヘッドホンを胸に抱えた、彩羽の笑顔のおかげで。

「さっそく使ってみたいんですけど、お邪魔してもいいですか?」

「あ、ああ、そうだなっ。使い心地とか確かめないとなっ」

「はい。お邪魔しますね」

くつを脱いで我が家に入ってくる彩羽。もう何度も見た光景だが、いまはタイミングが悪い。心臓に、悪い。

――ええい、邪念よ去れ!邪念よ去れ!プレゼントと言っても機材の貸与ってだけだ!福利厚生!福利厚生!個人的好意ではない!断じて!

p298~p300

まぁここまで来ると、明照は彩羽の声優としての才能というところにも熱を持っている明照ではあるんだけど、とりあえずの前提としては乙馬中心であるのにも関わらずここまでやる明照ってなんなの。

というか、こう色々とお膳立てがガチ過ぎるというか、自分のプライベートまである意味阻害してまで彩羽に自由を、娯楽を!ってなる人間すげえなって話なんだよな…

そりゃここまで尽くしてくれて、自分がやりかったけど出来なかった事させてくれて、色々与えてくれるような人って好きになるでしょ。

途中から彩羽の才能って部分あるとは言え、”友達の妹”にここまでやるのおかしいだろ明照。

それでいて心臓に悪いとか言ってるからな、お前がやってることがそうさせてると思うんだよなあ…

彩羽、この頃は純粋だなあ…ある意味でこの路線の方が崩せた…いや、でも明照じゃむりかなあ…(

 

 

明照君は他人の為に自分の生き方を変える変人です2

「わかった。それは俺のせいだ、オズ」

「え?」

「俺が未熟だからナメられる。中途半端だからオズが矢面に立たざるを得なかったんだ」

「や、そんなことは――」

「気遣い不要!自分の才能のなさは自分が一番良く知ってる!」

何をやっても平均点。

勉強も五十点だの六十点だのばかり。

体力テストもクラスの真ん中ぐらい。

絵も演技もプログラム知識も素人の中で中間レベル。

器用貧乏?そんなカッコいい単語を当てはめるのも恥ずかしいだろ、こんなん。

凡人、としか呼べないだろうが。

「いまさら天才になれるとは思えない」

だから。

「全部の能力を、平均的に底上げする」

それしかない。

全部が三流以下の現状から、全部が一流の人間になるのは無理でも。

全部が二流の人間にはなれるかもしれない。

「死ぬほど努力して、全部の平均点を上げる。プログラムの知識もそうだ。オズの域には行けなくても、平均的なプログラマーぐらいの知識を身につけて。そして――」

 

――お前が誰も攻撃しなくて済む環境を、作ってみせる。

p313-314

過去編が出てくると毎度お決まりになりつつあるのかもしれないが、明照くんは他の人間のために自分の生き方を捻じ曲げすぎなんですよね。

凡人、一般人という括りに一応いた(その前から変人要素は存在するけど)のが、今の効率厨(効率厨になりきれてるとは言ってない)平均的に全部高い男になったの、完全に乙馬の為なんですよね。

1人の友達の為にそこまで出来る人間、頭おかしいというかなんというか、こういう捻じ曲げ方と、他人への影響を受けまくってる明照くんはこうしてお節介でラノベ主人公的欠落を抱える結果に…中学時代の短略的に繋げる所から真逆に走ってるのもそうだし、全部真に受けた結果、彩羽にとって不利に働いてる事が多いのもなんとも。

乙馬をまともにするために、彩羽もめっちゃ巻き込んでるし、音井さんも巻き込んでるし。明照は自分の人生と生き方を捻じ曲げながら、それ以上の人間の人生を捻じ曲げてるんだよなあ…

あらゆる所で罪な男、大星明照だが、まぁ不可避な所もあったとは思うから、お前が全部悪いとは言わんけど、でもお前…w

 

 

彩羽における根本問題に立ち向かわないといけない

ということで、今回はフル過去回だったので、現在軸でほぼ話が進んでいない系統の巻になった。まぁそんな気はしたけど。こういうたまにあるよね。まぁ文量的に仕方ない(豪華版の方に100p回してもこうなってる)けど、進まないの残念っちゃ残念。

彩羽においての根本問題、乙羽との問題もそうだし、自分の意志というかなんというか、軸というものというか…

あれでも母親好きで悲しませたくはないというのがあるのもややこしいし。

まぁ結局の所、解決の方向性としては乙羽の過去が描写されない限り無理そうだし、じゃあ11巻でこの問題解決しますか?と言われたらしない可能性のほうが高いだろうなとも。割と8、9で進めた印象があった中で、10巻は箸休め感があるよね、こう考えると。

 

しかしこう、浅黄が再登場するタイミングがいつかとかも気になりますね。

そういえば5階同盟って音楽担当存在しなかったよなとか思って。

過去巻読めばもうちょっと匂わされてたのとか気づけるんだろうか。あんまりそういう所に頭回ってなかったわ。

頭回ってない所に要素を足してきたり、ここにこんなんいましたよ~ってするのが三河ごーすと先生はお上手ということなんですが。

 

 

でも明照が5階同盟回してるんすよ?

「大星明照くん。あなたには、プロデューサーの立場から退いてもらいます」

p345

というオチだったわけですが、でも明照が5階同盟回してるんすよ?という話。

まぁこれの意図としてどれなのかみたいな所はあるけど。

5階同盟自体を崩壊させたいとかの可能性もあるしさ例えば。

あと、明照という存在が彩羽にとっては間違いなく大きいわけですから、その存在を遠ざけたかったのか。ある意味でやってるのも明照とのためみたいな所もあるだろうし。

結局乙羽がどれだけ5階同盟とかを本当に評価してるのかみたいな所はある。

明照がぶん回してるから成立してる所あるからなあ…まぁこの辺はどう展開していくのか。

 

 

過去回という名の彩羽の成り立ち、そして明照の成り立ちという感じの巻でしたね。

あと音井さんの過去という所も。属性てんこ盛りで、うーんこれは作者補正!って感じもw

明照が元々彩羽のためにやってるわけじゃなくて、乙馬の為にやってるのが印象的でありつつ、それでいてあそこまで彩羽にお節介が出来るのヤバイし。

乙馬の為に何回生き方を捻じ曲げてるんだろうなって…今の明照の形というか、そういうのって他人に影響というか他人を輝かせる為の犠牲心が強すぎる気もする。

彩羽において”自分がない”という所は結構押し出されてきていたけど、ある意味で明照も自分というものは希薄な気がするんだよな。いや、割とちゃんと凄い動いてるのにこういう言い方をするのは正しくないのかもしれないけどさ…でも割と動いてるのってみんなのためみたいな所が強いんだなって改めて思った所があったり。

この辺もなんか関わってくるのかねえ…ある意味で一回5階同盟から外れる明照が、自分の意志で…みたいなのもアリやろうしね。

 

彩羽の云々はどういうふうに解決されるのか。前述した通り、乙羽の過去が開示されないと乙羽の意図が完全に理解されることはないから、そこが開示されない限りどうしようもない気がする。

少なくとも解決される所ではあるとは思うし、解決されないとアニメ云々みたいな所には行けないから、そう遠くない所で解決されるとは思うんだけど、そこにおいて彩羽が明確な意思というか、乙羽にしっかりとぶつけられるものを得ないと解決には至らないだろうから、その材料がいつ揃うかという感じかなあ。

 

それこそ明照が一度5階同盟から離れることで、彩羽にしろ真白にしろ乙馬にしろ、この辺りにどういう影響が出てくるのか。間違いなく必要ではある明照という存在がいなくなることによって、何かを得ることとなるのか。

明照は明照でなぜかチュンチュンカナリアの所に行くみたいだけど、こっちはこっちで何かしら影響というか、離れてみてどうかってのがあるだろうし。

 

少なくとも次の巻では解決しない気がするなあ、この辺り。もうちょっと材料が必要だし。

 

音井さんはめちゃ優遇されてたけど、この人も相当なお節介というか。その規模が壮大たったことで明照と組んだらもっとエライことになったというかね。

この人はこの人でちゃんと芯ある方の人だと思うし、明照不在でも一番影響なさそう。

しかし、まぁ不良だった可能性はあんまり考えてなかったから、過去としては面白かったね。

 

彩羽って声優としての才能みたいなものは持ってるけど、あらゆるきっかけとモノは明照と音井さんから与えられ続けてるんだよな。そうなるしかなかったんだから仕方ないんだけど。

そこから5階同盟の助けになるような事はしてるから、与えられてばかりという言い方は不適切ではあるとは思うけど、そこからもう一歩踏み出さないことには乙羽との解決には至らないと考えると、その成長をどこで出来るのか。

そういう所に真白はどう関わってくるのか。

明照がいなくなることで一番怖いのある意味で乙馬だけど大丈夫なのか。(今のチューニングされた乙馬なら大丈夫かな?w)

 

色々と気になりますな。(オチ要因でわざわざ使わされた翠はなんなんだよ)

 

あーといい加減アニメの話教えてくれ。キャストと制作が本当に気になってるんだよ。

今の所の並びは良いけど、毎度巻を追うごとに声優難易度上がるんだよなこの作品。だからマジで上手い声優当ててくれ定期。音井さんが今巻は難しくなりました。ただだるそうに話してるキャラじゃ元々からなかったとは思うけどさ!

 

え~今巻も1万文字を有に超えてしまった。短く書けない!書くのに時間かかる!(

 

次は来年だそうで。楽しみですね。

 

以上。