おにじと申します。
過去回↓
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ファイルーズあい
オーディション・養成所・事務所遍歴
プロ・フィット声優養成所
→プロ・フィット(預かり)
→プロ・フィット(準所属)
→プロ・フィット(性所属)
→ラクーンドッグ
生年月日 : 1993年7月6日
デビュー : 2019年
出身:東京都
査定
演技力:C
演技幅:B
歌唱力:C
キャラソン力:C
トーク力:C
実績:B
過激派的将来性:D
序文
声優というのは…というか、まぁ基本的に全般に言えることではあるのだが、一定の下積みというか、過程を経て、現在の地位に…という流れが基本的には普通というか、当たり前だが今人気の声優とかも、無名だった時代があったわけであり、そこから今になるまで…というのが普通である。
ただ、今回紹介する声優は、声優になるまでの時間がほかと比較して長いというところはあるものの、デビューしてからいきなりスポットライトを浴びて、一気に声優としての地位を確立していったレアケース声優という言い方をするべきなのかなという感じがする。
デビュー自体はまだ5年とかでありながら、もはやいることが当たり前になり、メイン役というのもバンバンと出ているという状況は、中々他の声優でも見たことがないケースである。
そんな声優が、ファイルーズあいである。
デビューしたその年に主役を掴み、その後も主演級やメイン級での出演を重ね、たった3年でプリキュアの主役まで掴みきってしまうというスピード感は、あらゆる声優を探してもまぁ見つかることはないんじゃないの?って感じがする。
あらゆる上において、声優という職業の中でも相当外れ値、バグを引いている感じがあるのがファイルーズあいという存在である。
もちろんファイルーズ自身の特異性というのもあったようには感じるが、そのうえで、初手からファイルーズ自身の能力というのが高かったというところも間違いなくある訳である。
しかしまぁ、本当にファイルーズのような声優はあまりにも特異性が高かった印象で、声優業界になかった椅子を自分で作って自分で座ったみたいな雰囲気があるまである。
もはやファイルーズは安定感のある声優という雰囲気だが、デビューは2019年と近々であるというところが如何にこの声優が特殊であったかを物語っている気がする。(2017年位から養成所所属状態での稼働はある)
プロ・フィット系統(現ラクーンドッグ)において、彗星のごとく現れた声優であるファイルーズあいで、今回は一本やってくぞ。
経歴
ファイルーズは東京都出身。
まぁ名前と顔立ちを見れば分かることではあるが、ハーフである。エジプト人の父親と、日本人の母親を持っている。声優における名義は本名の一部を使用している形である(養成所時代の表記で本名記載のモノが存在する)
出身は東京だが、小学校5年から卒業までの二年間、エジプト・ギザのカイロ日本人学校に在籍したという経歴を持っている。
これは、自らが志願したものであり、ハーフであることの当初からの葛藤があり、エジプトを知りたいと思ったモノである。この時から行動力というところは中々に凄かったようである。自らのルーツを知ることで…ってのはある話だが、小学校高学年の話だからね、コレ(
現在の性格のベースというのはこのエジプトで伸び伸びと吸収できたところも要因だと言う。
中学入学と共に帰国したものの、今度はエジプトに行っていたことで、日本の流行りについていけないという次の問題が発生してしまったらしい。
そういう悩みの中で、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』に出会ったらしい。
主人公である空条徐倫に勇気をもらい、ネットでジョジョ仲間を増やし、当時あったSkypeでの朗読会に参加したりするほどのガチ勢になっていたとのこと。
このような朗読や演技をやっていく中で、本当の声優というものに興味を持ち、『ジョジョ』のアニメに出たい、『ストーンオーシャン』に特に出たいという夢を抱き、声優を目指し始めることになる。
ただ、高校卒業後、すぐに声優の道を目指した…というわけではなく、親の反対があったことで、一旦は声優を諦め、グラフィックデザインの専門学校に入学したものの、3年の頃に声優養成所に行きたいという気持ちが再燃。
親に相談したところ、「きちんと就職して1年間働いて、そこで貯金したお金で養成所に行くなら認める」という条件を出され、専門学校を卒業してから一年間歯科助手をして、プロ・フィット声優養成所に入所した。
この流れがあることで、他の声優よりもデビュー年次としては遅くなっている。
プロ・フィットを選んだ理由として、養成所で講師を担当していた塩屋翼がテレビアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』でウィル・A・ツェペリを演じていた為、「プロ・フィットに所属すればジョジョのアニメに出演できるチャンスがあるんじゃないか」と考えたためである。
養成所時代にドラマCD『ヨメクラ』でモブを演じている。
プロ・フィット声優養成所を卒業後、プロ・フィットに預かりとして2019年1月より入所した。
この入所した年に『ダンベル何キロ持てる?』紗倉ひびきという主役を勝ち取るという、なんとも鮮烈過ぎるレビューを果たした訳である。
文字通り実績ゼロと言っても過言ではなかったのだが、その中で演技としてのパワーはかなりあったと思う。お前本当に新人か?って感じをちゃんと出せていたというか。
作品のインパクト性もあったことで、一気に話題にあがる形になり、知名度を一発目でドカンとあげまくることに成功した。
Web系統アニメとかの出演もそれなりにあったし、TVアニメでも『神田川JET GIRLS』エミリー・オレンジで同年にメイン級を演じることになる等、凄まじいスタートを切ったという言い方をするべきような気がする。
翌年の2020年も、このスタートから更に勢いが出てくる。
まぁやはり、なんと言っても『推しが武道館いってくれたら死ぬ』えりぴよでもう主演二発目が出たというのが、一番すごいのかなって感じはする。
これも一定以上話題になってはいたし、まぁアニサマが行われていれば…ではあるのだが。
パワーなんだよな、このキャラも割とw
この年はメイン級の役が多く(ずっとファイルーズは多いが)『キラッとプリ☆チャン』アリス・ペペロンチーノ / 輝アリス、『ミュークルドリーミー』安西ときわ、『半妖の夜叉姫』竹千代などで出演している。
また、ノベルゲームの出演も多く、Key作品である『Summer Pockets REFLECTION BLUE』神山識、『あの日の旅人、ふれあう未来』蒼井珠季などで出演を果たしている。
この年、ソロラジオ『ファイルーズあいの"愛"・ルーズ・Fight!』がスタートしている。
2021年、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』で夏海まなつ / キュアサマー役を勝ち取る。
声優稼働3年目でプリキュアのピンクまで到達してしまった。まぁたまにプリキュアではなくはないのだが、この勢いというのはやはり凄かった印象。プリキュアセンターってのは、なんやかんや価値はある(もう長くやりすぎててプリキュア声優ってめちゃくちゃいるんだけども)
その他『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』アリシア、『逆転世界ノ電池少女』赤城りん等で演じている。
また、『ウマ娘プリティーダービー』でシリウスシンボリが決定。なんかそんなタイミングでウマ娘まで決まるんかいみたいな感じではある。
2022年は、なんと言っても『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』空条徐倫である。この女、本当に夢を叶えてしまったというところがすごい。しかも主役だし。
ここまでの過程の短さ含めて、ファイルーズの特異性ったらないと思う。こんな夢の叶え方があるのか。まぁ配信先行になったことで、ジョジョの割に盛り上がりに多少欠けたかもしれない…とかくらいしか。
この年は『チェンソーマン』パワーまであるという。どんだけでかい役引っ張ってくる年って感じですけども。まぁ思ったよりこちらはアニメとしての跳ねがちょっと原作に対してはアレではあったんだけど…まぁそれでもね。
その他『陰の実力者になりたくて!』デルタ、『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ、『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中』アリアン等で出演。
2023年も、多くのアニメに出演。
『異世界召喚は二度目です』リヴァイア、『便利屋斎藤さん、異世界に行く』ラエルザ、『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』アナーキー、『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』プライド・ロイヤル・アイビー、『ひきこまり吸血姫の悶々』ネリア・カニンガム、『ラグナクリムゾン』スライム、『カミエラビ』ミツコ / 沖野美津子、『ユーチューニャー』ニャー等で出演。多すぎだろ。
今年は、『悪役令嬢レベル99 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜』ユミエラ・ドルクネス、『七つの大罪 黙示録の四騎士』ガウェインが放送済。
春以降は、『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』グリモ、『怪獣8号』四ノ宮キコル、『怪異と乙女と神隠し』緒川菫子、『真夜中ぱんチ』りぶ等多数のメイン役主演を重ねまくる予定。
評価
ということで、ここからは評価パートをやっていく。
ファイルーズの声優としての能力という所は、まぁこのスピードで売れたんだからそりゃ高いだろって話ではある。
出てきた最初の時点から、声優として必要な素養はしっかりと揃っていた印象がある。
とりあえず言えることは、ファイルーズは最初からしっかりと叫べるタイプの声優の部類に入っていたということである。
まぁ、今考えてみればどちらかと言えば地声に近い声設定のキャラが最初は多めではあるので、その辺りの影響というのも一定は考えられるのだが、それにしても『ダンベル』にしろ『推し武道』にしてもキャラの濃いキャラクターだったと思うのだが、それをしっかりと表現できていたことが、能力として素養の高さを示しているのではないだろうか。
この後のことを考えると、他のキャラでも普通に叫べているので、この辺りはやはり評価するべきポイントだったなとなるのだが。
どうしてもキャラクターで叫ぶのって、人気があったとて出来ない人も結構いるので。キャラから外れてしまうことがそれなりに存在する訳で…
そういうのがあまりなかったファイルーズは、やはり素養があったということだろう。
もちろん、これ以外の点においても、ファイルーズの能力は平均以上というか、この勢いで出てくる声優だよなと納得できる部分は多かった。
感情表現系統に関しても、やはり爆発力が当初からあった。叫ぶにも通づる部分ではあるんだけど。
この上で作品が多くなっていく中で、喜怒哀楽の表現というのが全体的にしっかりと長けているんだなというのはわかってきた印象。
表現力というのも、一定以上はあるんだよなってのを確認させてくれるのはありがたい話ではあるわけで。
発音に関しても、当初からハキハキした印象はあり、そこからしっかりと滑舌の良さというか、聞き取りやすい発音しているなあって感じは現在に置いてもあるのかなという印象は続いている。
そして、演じ分け、演技幅という部分は、出演を重ねる中でコイツ出来る…!と思わせた部分のような気がする。
まぁ当初から地声の傾向から考えれば低い音域も出来るであろうとは想定できる所ではあったが、実際にやってみると本当にしっかり出来るなと感じた。
色々な役柄に対しての合わせ込みが出来る程度にはしっかりと引き出しもある印象であり、この辺りの万能性もあって、現在の地位を作った部分もあるように感じる。
当初よりも低音のキャラクターは増えたなって感じはあるし。当初の声設定からズレたところの役柄が増えて来ているのはいいことだと思う。
そういう系統の中で、ジョジョまでつかんでしまうんだから、どういう流れでこのスピード感が出たのかは本当に分からんよなとは思う。
とはいえ、ファイルーズは全体的に見つけられるのも早く、その上で声幅を使われるのも早かったなとは思う。他の声優よりも全てのスピードが速いんだよな。
なんでだったんだろう。割と可愛いからかっこいいまでしっかりと網羅できている声優の1人という感じがある。短期間にここまでというのがやはりファイルーズの強みな気がする。
歌唱面は、一発目からOPを歌うとかいうスピードだった。
ちゃんと歌に関しても一発目から良かったんだよな。キャラソンとして。
歌唱力というところも、平均以上はしっかりある感じがあるように感じる。音程面とかは特に問題はないと言ってもいいし、基本的に能力が揃っている印象。
キャラソンに関しても、声幅の広さを活かして、キャラクターとして歌唱できている楽曲が多いような感じがある。
この辺りの能力もしっかり揃ってるんだよな。
トーク系統に関しても、最初からキャラが濃かった印象。というか最初からしゃべれまくってたとも言う。
『ダンベル』があったことで身体を鍛えるという方向のキャラクター性も付いた(というか自身もやり始めた)ことで、そっち方向の仕事というのも出てきたりもしていたし、バラエティ性能としても高いというか、やる上で触れるキャラ設定が多かったというか…
ソロラジオも長くやっているし、普通に喋りに関してはなんの問題もない感じ。
ファイルーズあいは、年齢的には出てくるのは遅めではあったものの、出てきてからのスピードは現代声優としては異常なレベルのものであった。
これほどまでのスピードで、声優としての地位を確立するのは珍しい。それも別に、アイドル的な売り方がされたわけでもなければ、事務所の力が強大だったというわけでもないように感じる。そういう大人の事情が見えないのにも関わらず、このスピードというのは、やはり当人の能力の高さがあってこそであろう。
ファイルーズは出てきたその瞬間から、一種完成されているような声優とも言えたような気がする。なぜこんな存在が今まで出てこなかったのか?って感じもするが、実際デビュー年だったのだから驚きである。素養があったのか、ジョジョに出たいと始めた朗読からの積み重ねがあったのか…
ともかく、ファイルーズはこのスピードで上がるべき能力は存在したわけであり、その上でそのスピードで上がれる運という部分もあったような感じはする。いくら能力があっても、見つけてもらわなければ意味がないわけで。
そういうのも含めて、色々と持っていた人間ではあると思うが、そういう流れになって良かったなと思えるくらいの技量がしっかりとある声優である。
まぁ、こういうポジションの声優って存在しなかったので、自分でその席を作って、その席に自分が座った…という感じがする、特殊な声優という言い方をするべきな気はする。こんな声優いなかったんだよな普通に。
特殊境遇に、声優になるまでの過程、そして声優になってから、その全てを活かして、声優としての地位を確立したという、なんとも特殊な声優の1人という言い方がおそらく正しい。ただ、それを抜きにしても能力が伴いまくっている声優であり、今後の活躍も安定してするんだろうなと思える声優である。
以上。